転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2988話

 多数の遠距離攻撃が放たれている中、俺はオーラソードを手にしたズワウスでビショット軍に突っ込んでいく。

 そんなズワウスの姿に気が付いたのだろう。向こうはあからさまに動揺した様子を見せた。

 このズワウスに俺が乗ってるというのは、向こうも分からない筈だ。

 ビショット軍にとって、俺が乗っている機体はサーバインだと認識されているのだから。

 あるいはソ連で戦ったビショット軍の中で、誰か1人でもゲア・ガリングに生還していれば、その時に戦ったズワウスについて話を聞いていたかもしれないが。

 それでもズワウスを見て驚いたのは、ズワウスの姿があからさまに魔王っぽい感じだからだろう。

 ズワァースをベースにした改修機だというのは、見れば分かる筈だ。

 ドレイク軍とビショット軍は、オーラバトラーの開発でも協力関係にあっただけに、ズワァースの情報も持っている可能性は十分にある。

 だが、ズワァースと同時に開発されたライネックはビショット軍でも使われているが、ズワァースは純粋にドレイク軍の技術だ。

 ドレイク軍ですら、ズワァースはコストが高すぎて量産は少数なのだから、ビショット軍がズワァースを使うのは難しい。

 ……あるいは1機くらいは研究用にと、購入している可能性もあるが。

 

「まず、1機!」

 

 ズワウスの持つ圧倒的な加速でライネックのコックピットを正確に貫く。

 当然ながら、本来ならライネックを上下や左右に切断するといった真似も出来ただろう。

 だが、今回の目的はビショット軍の戦力削減であると同時に、オーラバトラーの予備部品を確保しておくというのがある。

 バイストン・ウェルから地上に出た以上、オーラマシンの予備部品は現在あるだけだ。

 どうにかバイストン・ウェルに戻ることが出来れば、その辺は多少何とかなるかもしれないが。

 だが、バイストン・ウェルに戻るのは……あ、でもショウとガラリアが地上に出た時、2人揃ってバイストン・ウェルに戻ってきたんだよな。

 そうなると一体どういう手段を使ったのかは分からないが、それを再現すればバイストン・ウェルに戻る事は出来るかもしれない。

 しれないが……そうなると、今度はバイストン・ウェルから地上に戻ってくるのが難しくなる。

 これもまた、ショウとガラリアが地上に出た時の再現をすれば上手くいくのかもしれないが、それと同じような真似をした俺とショウは、地上ではなく嵐の球の中に転移したしな。

 ……もしかして、本当にもしかしての話だが、場合によってはあの方法でホワイトスターに戻る事も可能だったりするのか?

 とはいえ、可能性は恐ろしく低いが。

 地上での戦いが終わり、余裕が出来たらそれを試してみてもいいかもしれないな。

 そんな風に考えつつ、オーラソードで貫いたライネックを手に、そのまま後方に戻る。

 味方を殺され、連れ去られたビショット軍は当然のようにこちらに向かって攻撃をしてくるが、ライネック、ビアレス、アルダムといった戦力、そしてタンギーではズワウスに追いつくような真似が出来る筈もない。

 そうして急激に開く差に追ってくる者達も諦めた……正確には、俺の後から襲ってきたオーラバトラー隊との戦いになってしまい、追う事が出来なくなってしまう。

 それを確認しながら、俺は後方にいるアルダムを操縦しているヨルムンガンドのオーラバトラー隊を発見すると、そちらに近付いて行く。

 

「この機体をヨルムンガンドの格納庫まで運べ。コックピットには死体があるから、その辺りの処理を頼む」

『了解しました、アクセル王!』

 

 アルダムの1機がそう言うと、ライネックを持ってヨルムンガンドに向かう。

 それを見送ると、俺は再びズワウスを反転させて前線に向かって飛ぶ。

 最初に俺が攻撃した後で、後方からやってきた部隊がビショット軍との戦いを始めている。

 そんな戦いの中を縫うように移動し……そして、味方機体であるボチューンに背後から襲い掛かろうとしていたライネックを見つけ、その機体に追いつくと複合兵装のシールドで殴って強引に攻撃の軌道を変えさせ、そうして吹き飛んだところに更にズワウスで突っ込み、先程同様にコックピットを正面から貫く。

 そして即座にその場から退避し、後方にいるヨルムンガンドのオーラバトラー隊に預ける。

 正面からコックピットを貫くのが、部品の損耗的には一番美味しいんだよな。

 後方からだとオーラコンバータを破壊する可能性が高いし、横からだと装甲が傷んでしまう。

 それに対して、正面からの攻撃であれば機体に当たるダメージは少ない。

 とはいえ、これはこれで実は結構難しい。

 コックピットの後ろ……オーラバトラーの背中にはオーラコンバータがある。

 つまり、突きの威力が高すぎれば、それはコックピットだけではなく、その背後にあるオーラコンバータをも破壊してしまう事になりかねないのだ。

 そうならないようにする為には、センスや慣れが必要となる。

 突撃する速度、オーラソードを突き出すタイミング、その力加減。

 それ以外にも、オーラソードの刀身の長さをしっかりと理解しているかどうか。

 実際、俺がコックピットを貫いたのを見て真似をしている者もいるが、その大半が失敗しており……酷いのになると、オーラコンバータを傷付けるのではなく、爆散させている者すらいた。

 そうしたことを、更に5回続け、最終的にはライネックが4機、ビアレスが2機、アルダムが1機確保する事に成功した。

 

「お、ショット達……嫌らしい動きをするな」

 

 アルダムを渡して前線に戻ってくると、スプリガン、ガラバ、ブブリィそれにライネック複数機が、ビショット軍の背後に回り込んでいた。

 ビショット軍に追われていた時は攻撃に当たらないように慎重に動いていたが、こうしてヨルムンガンドとグランガランの部隊と戦いになれば、ビショット軍は当然ながらスプリガンを追うような真似は出来ない。

 それをいい事に、ビショット軍が逃げられないように包囲したのだろう。

 本来なら、敵を包囲するような真似をすれば敵が死に物狂いで攻撃してくるので、味方の被害も大きくなる。

 だが、それはあくまでも向こうに死に物狂いで戦えるだけの戦力が残っている場合だ。

 地上に出た事で攻撃性が高くなっており、ましてや本来なら自分達はスプリガンを狩る側だった筈。

 そういう思いがあったり、あるいは一方的に負けていることで心がへし折れて絶望に浸っていたり、もしくはもっと別の何かか。

 ともあれ、現在の状況を考えると死に物狂いで反撃をしてくるといったような事になっても、十分に殲滅出来るだろう。

 ビショット軍がスプリガンを相手に派遣してきた戦力は多い。

 それが全滅したとなれば、あるいはビショットもこちらとの交渉に乗ってくる……かもしれないな。

 そして暫く戦いが続き……やがて、最後の1機をマーベルのダンバインがアルダムのコックピットを貫いたところで、この戦いは終わった。

 戦いが終わったといっても、正確にはビショット軍との戦いの前哨戦が終わった程度でしかないのだが。

 何だかんだと、今回の戦いにおいて俺達が得たオーラバトラーはかなりの数となる。

 大半がコックピットを破壊されている以上、コックピットの部品は足りない。

 

「全機、母艦に戻れ。戦いはこれで終わりだ。だが、この後はビショット軍との戦いが待っているぞ。機体の修理と補給、パイロットは休んで戦いの疲れを癒やせ」

 

 そう戦場にいる味方機に通信を送ると、俺はヨルムンガンドに戻る。

 戻ったのだが……

 

「いやまぁ、この状況は予想出来ていたけどな」

 

 ヨルムンガンドに戻ってきた俺が見たのは、格納庫に大量に存在するオーラバトラーの残骸、残骸、残骸。

 ましてや、そのオーラバトラーのパイロットは死んでいる。

 そう考えると、この光景は何気にかなり厳しい光景ではあるな。

 ……ヨルムンガンドの者達が大勢集まり、コックピットから死体を取り出していたりする。

 

「アクセル王、こちらのオーラバトラーは処理が終わっているので、お願いします!」

 

 技術者の1人が俺を見ると、即座にそう言ってくる。

 技術者達にしてみれば、オーラバトラーがこれだけ多数置かれていると、戻ってきたヨルムンガンド所属のオーラバトラー隊の補給や整備が出来なくなると、そう考えたのだろう。

 実際、ヨルムンガンドの格納庫のかなりの部分を圧迫している以上、それに対して否とは言えない。

 それにビショット軍との戦いで他にも色々と入手出来る可能性は高いんだから、その事を考えると今のうちにどうにかしておいた方がいいのは間違いない。

 

「分かった、ちょっと待て」

 

 そう言い、ズワウスを元の場所に置くと、死体の処理を終えたオーラバトラーを次々と空間倉庫に収納していく。

 死体は……どうなったんだろうな。

 海に投げたのか?

 とはいえ、コックピットをオーラソードで貫かれているのが多いんだから、死体が殆ど残っているといったことはないか?

 その辺は少し気になったが、今はそれを聞くよりも前にとにかくオーラバトラーを収納していく方が先だった。

 そうしてある程度片付くと、技術者達はまだ残っているオーラバトラーの処理をしたり、戻ってきたオーラバトラー隊の補給や整備に取り掛かる。

 何だかんだと、一番忙しいのは技術者達なんだよな。

 

「よし、取りあえず場所は出来たから、残りのオーラバトラーの処理が終わったら向こうに集めておいてくれ」

「分かりました!」

 

 技術者の返事を聞き、そのままブリッジに向かおうとし……

 

「はい、アクセル」

 

 格納庫から出るとマーベルが待っていて、スポーツ飲料を渡してくる。

 アメリカ軍から貰った物資の中に入っていたスポーツ飲料で、かなり甘みが強い。

 ただ、俺としてはそこまで嫌いじゃない味だ。

 

「悪いな」

「いいわよ。それで、これからどうなると思う?」

「ビショット軍がどう出るかだな。スプリガンを追撃に出した戦力が全滅したのは、向こうもその辺りを知った筈だ。それで向こうがどう出るか……それによって変わってくるな」

 

 そう言いつつも、ビショットは有能な国王だ。

 現在の状況を思えば、すぐに何か異常があると理解するだろう。

 もっとも、それを理解した上でどういう行動を取るのかは、分からないのだが。

 ただ、今はルーザがビショットを操っている状況だ。

 そうである以上、今回の状況が一体どうなるのかは、俺には分からない。

 それこそルーザや黒騎士以外の誰にも分からないんじゃないだろうか。

 ……ドレイクは沈黙を保っているが、その辺りについて一体何をどう思っているんだろうな。

 ドレイクがルーザを愛しているのかどうかは、正直なところ俺にも分からない。

 あくまでも政略結婚だったので愛はないのか、それとも俺達には見せないものの、実は妻のルーザを愛しているのか。

 ただ、ドレイクは娘のリムルに対してはかなり愛情を注いでいた。

 それを思えば、もしドレイクがルーザを妻として愛しているのなら、それを隠すような真似はしないと思うんだが。

 

「ビショット軍がどういう風に出て来るって? そんなのは決まってるだろ? 当然、こっちに戦力を出してくるだろうよ。向こうにしてみれば、ここまで戦力を減らされた以上、何の手掛かりもなしでそのままって訳にもいかないだろうし」

 

 そう言ったのは、トッド。

 聖戦士としてはトップクラスの実力を持つだけに、ビショット軍の派遣してきた相手と戦っても、特に疲れている様子はない。

 今まで色々と訓練をしてきた以上、あの程度の戦いで疲れ切って貰っては困るというのが正直なところだが。

 敵を倒す際にも出来るだけ機体を損傷させないようにするというのは、それなりに集中する必要があったが、この様子だとその辺は気にする必要もないらしい。

 

「ビショット軍の戦力は、何だかんだとかなり減っている筈だ。それだけに、こちらをそのままにするといったような真似は出来ない」

「やっぱりそうなのかしら?」

 

 俺とトッドの会話に思うところがあったのか、マーベルはそんな風に言ってくる。

 今の状況を思えば、ビショット軍が追い詰められているのは間違いない。

 ましてや、地上軍に侮られ……その戦闘機を追えば、そこにゴラオン隊が待ち受けているのだから。

 つまり、ビショットはこの時点で非常に厳しい状況にある。

 ビショット軍に残っている戦力を考えれば、このままパリで待機するような真似はせず、そこから一気に抜け出すといったような真似をしてもおかしくはない。

 そうなれば、包囲されている状況にも対処は出来るのだから。

 とはいえ、パリは燃えたものの。まだ生き残っている者は当然のようにいる。

 そのような者達を人質といった形にしている以上、ビショットがそれを手放せるかどうかは微妙なところだが。

 あるいは、何人か、何十人か……もしくは百人くらい? 人質としてゲア・ガリングに乗せて移動する可能性も考えた方がいいかもしれないな。

 もう一度ショットにゲア・ガリングを挑発してもらい、動きを見るべきか。

 そんな風に考えながら、俺はマーベルやトッドと話をするのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1640
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1696

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