「うん。やっぱりオーラバトラーに乗るのは数日後にしてよかったな」
朝……というか、午前10時くらい。
そんな中でも、家の中にいるレモン達は全員が疲れ切った様子を見せていた。
一応、朝に1時間魔法球に行ってそこでゆっくり休んできたのだが、それでもまだ疲れが残っているのだろう。
……うん。昨夜はちょっと頑張りすぎたな。
「アクセル……貴方、性欲が以前よりも強くなってない?」
気怠げな、だからこそどこか退廃したような魅力を発するレモンの言葉に、俺はそっと視線を逸らす。
実際、レモンの言葉は否定出来ないことなのは間違いなかったのだから。
今の状態で俺が何かを言えば、それはレモンの言葉を証明するかのようになってしまうのだから。
「せめてもの救いは、私達は今日午後からの仕事でもいいと言われていた事ね。……昨夜何があってどうなるのか、見透かされているようで少し恥ずかしいけど」
マリューも疲れが完全に取れていないといった状況のままでそう言ってくる。
「でも、ゆかりや美鶴に比べれば、まだマシでしょう? あの2人はまだペルソナ世界で活動してるから、私達はここで休めているけど、あの2人は疲れたままで高校や大学に行く必要があるんだから」
「円、そう言いながらどこか喜んでない?」
「あら。それは美砂じゃないの?」
そんなやり取りを聞きつつ、取りあえず俺は疲れている恋人達を労う為に、朝食の準備をする。
朝食……というよりは、もう午前10時くらいなので、朝食兼昼食といったところか。
「それで、アクセルは今日どうするの?」
食事が終わり、ある程度の体力が戻ってきたところでレモンがそう尋ねてくる。
「どうするかと言われてもな。今は特にやるべき事はないしな。鬼滅世界に顔を出して耀哉の様子を見てくるか、それともUC世界の方に顔を出してきてもいいな」
「お勧めとしては後者かしらね。セイラ達もアクセルの心配をしていたから、顔を出した方がいいわよ。それに、ルナ・ジオン軍で採用されたMSとかも見てみたいんじゃない?」
「そうだな。なら、そうするか」
久しぶりにセイラと会いたいというのもあるし、採用されたMSの方も見ておきたいし。
「あ、ならいっそ鬼滅世界から誰か連れて行ったら?」
ミナトの口から出て来たその言葉は、俺にとって完全に予想外の代物だった。
「鬼滅世界の連中をUC世界にか?」
「ええ。昨日来た時に見たのは、あくまでもホワイスターの中だけでしょう? なら、きちんとホワイトスターが他の世界に繋がっているというのを示すのも重要じゃない?」
「そうね。鬼滅世界は大正時代なのでしょう? なら、月に人が住んでいて、それどころか月が国になっているというのは、完全に予想外なんじゃない?」
シェリルは面白そうに言う。
マクロス世界の出身で、それこそ移民船団の1つマクロスギャラクシーで育ったシェリルにしてみれば、月に住むといったような事はそう珍しい話でもないのだろう。
だからこそ、そんな風に言ってるのだと思う。
とはいえ、言われてみればその答えはそこまでおかしな話でもないか?
UC世界についてしっかりと見せて、実際に他の世界という存在を見せるというのは大きな意味を持つ可能性は十分にあった。
「それは面白いかもしれないな。ただ、そうなると誰を連れて行くか、か」
耀哉が聞けば、耀哉が行きたそうな気がする。
しかし鬼殺隊を率いる人物であると考えれば、そのような真似も出来ないだろう。
そうなると、次は柱の誰かか?
ただし、柱も悠長にしている余裕はない。
自分の担当の地域に出没した鬼を殺すといったような仕事がある以上、留守にするといった真似もなかなか出来ない。
その辺は実際に耀哉に話を持っていけばいいか。
そうすれば、向こうで誰を派遣するのかといった事を決める筈だ。
「取り合えず、耀哉に聞いてから誰を連れて行くのかを決めるよ」
そう、告げるのだった。
「で、そんな訳でUC世界に行こうと思うんだが、折角だから鬼滅世界から誰かを連れて行こうと思うんだけど、誰を連れていけばいいと思う?」
「また、随分といきなりだね」
ホワイトスターにいた時は元気いっぱいな耀哉だったが、鬼滅世界に戻ってきたところでやはり呪いが強く関係したのは間違いないらしい。
ただ、それでも一時的に呪いから逃れたという点や、木乃香の回復魔法によってある程度治療された為に、俺が来た時には昨日のように布団で横になっているのではなく、屋敷の縁側……柱合会議を行った場所で、お茶を飲んでいた。
顔色も昨日に比べれば随分とよさそうだ。
「いきなりなのは間違いないな。UC世界に行く事を決めたのは、ついさっきだし」
「ふーむ。しかし、柱達は既に全員旅立っている。しのぶは蝶屋敷にいるけど、昨日に引き続き今日も蝶屋敷を放り出すといったような真似は出来ないだろうしね」
「しのぶの仕事を考えれば、当然だろうな」
しのぶは鬼殺隊の医者でもある。
昨日ホワイトスターに行った一件も、本来なら色々と問題だったのは間違いない。
しかし、昨日の件は耀哉の解呪であったり、鬼殺隊とホワイトスターの協力体制について話し合う必要があったりと、色々とやるべき事が多かったのは間違いない。
また、耀哉にしてみればホワイトスターという場所を見せて、シャドウミラーがどのような実力を持っているのかしっかりと柱達に認識させておく必要があったのも間違いない。
……そういう意味では、蝶屋敷にいるしのぶを別の世界に連れて行くというのはありかもしれないんだが。
「なら、どうする? 俺がここに来たのは、一応誘ってみようと思ったからだ。無理をして連れて行こうとは思っていないから、もしそっちが忙しいのなら俺1人で行くけど」
「いや、待って欲しい。折角の機会だ。それにアクセルが誘いに来てくれたのだから、ここで誰も行かせないという選択肢は私にはない」
「そう言ってもな。柱で動ける奴はいないんだろ? かといって、柱以外の面々を連れて行くとなると、面倒がありそうだし」
シャドウミラーやホワイトスターについて知っている柱達を置いて、まだその辺の情報を知らない者を連れて行く。
それはそれで悪い話ではないのかもしれないが、同時に面倒な事になるという可能性は否定出来なかった。
「ふむ。なら……そうだね。輝利哉はどうだい? 輝利哉は私の後継者だ。そしてアクセルについても、多少なりとも懐いているし、シャドウミラーについても多少は知っている」
耀哉の口から出たのは、俺にとっても予想外の名前だった。
とはいえ、考えてみれば輝利哉という選択肢はそうおかしなものではないのか。
現在の鬼殺隊は耀哉が率いており、耀哉のカリスマ性によって最高幹部の柱は絶対の忠誠を誓っている。
勿論、柱が忠誠を誓っているからとはいって、他の鬼殺隊の面々も同じように忠誠を誓っているとは限らないものの、それでも基本的には耀哉の体制は万全と言ってもいいだろう。
だが、耀哉の後継者の輝利哉はどうか。
いやまぁ、まだ輝利哉は子供なんだし、そんな状況で耀哉と同じカリスマ性を発揮しろという方が無理なのは分かっている。
だが、それでも耀哉は親として、輝利哉に自分の後継者として鬼殺隊を率いる事になった時、十分な説得力を持たせたいのだろう。
……もっとも、耀哉は解呪と治療が行われて長生きをする予定だし、そもそも鬼舞辻無惨は俺達が協力する以上、そう遠くないうちに倒すことが出来る筈だ。
そういう意味では、鬼殺隊を率いるのが耀哉から輝利哉に変わるかは……正直微妙だろう。
「かわいい子には旅をさせろ、か。まぁ、日帰りか、泊まっても1泊程度である以上、旅と表現するにはちょっと無理があると思うけど」
「だろうね。それで、どうだい? 輝利哉を連れて行ってくれるのかな?」
「輝利哉が行くと言うのなら、俺はそれで構わない」
そう言うと、耀哉はすぐに輝利哉を呼び出して用件を話す。
「え? 他の世界に……?」
「ああ。勿論、これは輝利哉の自主性に任せる以上、輝利哉が行きたくないと言うのなら、別の人物に……」
「行きます!」
耀哉の言葉を遮るように、輝利哉が言う。
どうやら輝利哉は他の世界に興味津々らしい。
昨日、俺が見ていた雑誌とかに興味津々だったことを思えば、この結果はある意味で予想出来た事だったのかもしれないが。
ともあれ、こうして俺は輝利哉を連れてUC世界に向かう事になるのだった。
「ここが……異世界……それも、月……」
ルナ・ジオンの首都、クレイドル。
その街中を見て、輝利哉は小さく呟く。
自分のいる場所が本当に月であるのかどうか、あるいは現実感が全くないといったような感じなのだろう。
大正時代に生きている人物が、いきなり月にやって来たのだから、そんな風になってもおかしくはない。
「そうだ。それより行くぞ。政庁に行く前に、色々と見ておいた方がいいだろ」
今回こうしてUC世界に来たのは、セイラが俺を心配していたというのを聞いたので、問題がないというのを知らせる為だ。
わざわざ俺が来なくても、後々俺がどこの世界に行っていたといったような情報はシャドウミラーから他の世界には伝わるのだから、別に無理をして来る必要はなかったのだが……まぁ、セイラの性格を考えれば、俺がきちんと戻ってきたというのは話しておいた方がいい。
それにMSについても興味あるし。
ただ、社会科見学、もしくは世界を知るという意味で輝利哉はこの世界にやって来たのだ。
そうである以上、どうせなら色々とクレイドルについて見せておいた方がいい。
そう思ったのだが……
「えっと、その……目立ってますね」
輝利哉が戸惑ったようにこっちを見てくる。
「言っておくけど、この視線の理由は俺じゃないぞ」
一応変装という意味で帽子とサングラスを使っているので、俺をアクセル・アルマーだとは認識出来ない筈だ。
このUC世界で俺の名前はちょっと有名すぎる。
1年戦争で表に出すぎたしな。
「じゃあ、何でですか?」
「服装だよ」
俺の服装は特に可もなく不可もなくといった様子の服装だが、輝利哉は鬼滅世界からUC世界にやって来た。
それはつまり、輝利哉の服装は大正時代の服装な訳だ。……ちなみに女装状態で。
そんな訳で、輝利哉の服装はUC世界においてはどうしても目立つ。
あるいは、これで出たのが月ではなく日本であれば、そこまで目立つといったような事もなかったかもしれないが。
ホワイトスターでも、色々な世界から色々な人物がやって来るので、大正時代の服であってもそこまで目立たないのだが、ここはUC世界だ。
「取りあえず、適当な店で服を買うか」
「え? でもお金が……」
「そのくらいはこっちで奢ってやるよ。別にオーダーメイドの服を買う訳じゃないし」
そう言いつつ周囲の様子を見ていると……
「おや、そこにいるのはもしかして……」
「え? あ、本当ですね」
聞き覚えのある声に振り向くと、そこにはシーマとクリスという2人の姿があった。
どっちも俺の知り合いではあるけど、これって一体どういう組み合わせだ?
「シーマとクリスか。久しぶりだな」
「ああ、久しぶり。別の世界に行ったって話だったけど、戻って来ていたんだね」
「昨日な」
「で? もしかして、その子供が実は新しい恋人です、なんて事は言わないだろうねぇ? それはさすがに犯罪だよ?」
「アクセル、貴方……」
2人がどういう勘違いをしているのか分かったので、取りあえず誤解を解いておく。
数分程説明し、ようやく輝利哉についての誤解が解ける。
「男の子、ね。……アルと比べると随分と大人しい子だけど」
「大正時代の人間だからな。アルと比べるのはどうかと思うぞ」
「けど、アクセル。何だってそんな子供をこの世界に連れてきたんだい?」
クリスとの会話の途中で、シーマがそんな風に言ってくる。
まぁ、普通に考えた場合、シーマのような疑問を抱いてもおかしくはないか。
「セイラが俺の事を心配してるって話だったから、ちょっと顔を見せようと思ったんだ。で、そのついでに鬼滅世界の誰かにUC世界を見せようと思った結果、こうして暇だった輝利哉が選ばれた訳だ」
「いえ、別に暇だった訳じゃないんですけど」
暇人扱いされたのが面白くなかったのか、輝利哉が不満そうな様子でそう言ってくる。
しかし、輝利哉にしてみれば暇という訳ではなかったのかもしれないが、耀哉が輝利哉を指名したという事は、暇な人材として輝利哉が選ばれたのは間違いないと思う。
勿論、ただ暇だからというだけで輝利哉が選ばれた訳ではなく、輝利哉が自分の後継者だからというのも大きかったのだろうが。
「ともあれ、そんな訳で輝利哉を連れて来たんだが……服装のせいで目立ってしまってな」
「あら、それなら私達がいいお店を教えてあげるわ。ちょうど暇だったし。いいわよね?」
クリスの質問にシーマは少し考えてから頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1810
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1730