転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0292話

「さて、色々と余計な出来事があったが……」

 

 宮崎を背負って杖に跨がり、この場から遠ざかっていくネギとカモへとチラリと視線を向けてから朝倉の方を見る。

 

「魔法に関してどうするか、決めたんだよな?」

 

 俺のその言葉に頷く朝倉。その真面目な表情は、つい数分前のネギと宮崎のキスシーンをカメラで狙っていた時のようなおちゃらけたものではなかった。

 

「うん、決めたよ。魔法の世界に足を踏み込ませて貰う」

 

 当然と言えば当然の反応。ジャーナリストを目指す朝倉としてはこの機会を逃す訳にはいかないと判断したのだろう。だが……

 

「魔法に関して踏み込むとなると、危険に踏み込むというのと同じ……になる可能性もあるというのは理解しているか?」

 

 ネギ辺りに言わせれば、魔法に関して踏み込むのにそれ程の危険は無いと言うかもしれない。だが俺にしてみれば、この世界に転移してきた直後に図書館島目的で侵入してきた魔法使いとぶつかっているのだ。どうしても魔法と危険はイコールで結ばれる。

 

「ちょっと、それは言い過ぎじゃないの?」

 

 そう言葉を掛けてきたのは神楽坂。まあ、魔法関係者についてはネギとカモくらいしか知らないのだからそう言うのもしょうがないだろう。……あ、エヴァもか。

 

「さて。あやか、千鶴。お前達はどう思う?」

 

 俺の言葉に、微かに眉を顰めながら千鶴が口を開く。

 

「残念だけど、私はアスナさんよりもアクセル君寄りね」

 

 そしてあやかもまた、千鶴に続く。

 

「そうですわね。何しろ実際に経験してるだけにどうしても魔法は危険だという第一印象ですからね」

「実際に経験?」

 

 あやかの言葉に、ピクリとしたのは当然の如く朝倉だった。

 

「ええ。2年の3学期が始まる数日前に、私と千鶴さんはこの麻帆良に侵入してきた魔法使いに襲われた事があるのです。……幸い、その時はアクセル君がいたので特に被害らしい被害はありませんでしたが」

 

 まぁ、あの魔法使い2人は高畑が追っていたので俺がいなくても何とかなった可能性は高い。……もっとも、あの2人があやかや千鶴を狙った目的を考えると助けるのが少しでも遅れていたらこの2人にとって最悪な事態になっていた可能性も考えられたが。

 

「……本当に?」

 

 朝倉の問いに、コクリと小さく頷く千鶴。

 

「つまりはそういう訳だ。もちろん朝倉に危険が迫った時にネギが助けられるのなら助けるだろうし、俺も同様だ。だが何事も絶対というのは存在しない。……最後に改めて聞かせて貰おう。魔法に足を踏み入れて後悔しないな?」

「うん」

 

 俺の言葉に、数秒の躊躇いすら見せずに頷く。

 

「分かった。学園長には俺から言っておく」

「悪いね」

「気にするな。それよりもネギが……あぁ、丁度戻ってきたな」

 

 視線を空に向けると、そこには杖に乗ってこちらへと向かって来ているネギの姿があった。

 

「すみません、お待たせしてしまって」

「本屋ちゃんはどうしたの?」

「学校の校舎に。さっきの出来事は夢だった、という形にさせてもらいました」

 

 取りあえず宮崎に関しては一安心、か。

 そう判断すると、ネギの肩に乗っているカモへと多少の殺気を込めた視線を向ける。

 

「ひぃっ」

 

 反射的にだろう、ネギの肩から飛び降りて逃げ出そうとするカモを瞬動を使って鷲掴む。その様は、昨日の放課後に空き教室の再現だった。

 

「ア、アクセルの兄貴……その、俺っちは……」

「カモ。別に俺は仮契約をするな、とは言わない。だが魔法に関して何も知らない相手を騙して、というのは感心しないな」

「は、はははははは、はい! 以後気をつけます!」

 

 ビシィッとでも表現できそうな勢いで敬礼をするカモ。

 その様子を半ば呆れた目で見ていると、朝倉が無言でこちらへと近付いてくる。

 

「あ、朝倉さん」

「ネギ君、私はネギ君とエヴァちゃんの魔法を使った空中戦をこの目で見た」

「……はい」

「ネギ君、君は魔法使い……だね?」

「……ええ。確かに僕は魔法使いです」

「ちょっ、ネギ! それを認めたらあんたオコジョに!?」

「あぁ、それは大丈夫」

 

 切羽詰まった様子で神楽坂が叫ぶが、朝倉がつい今まで真面目な表情でネギと話していたとは思えない軽い口調で否定する。

 

「え?」

 

 朝倉の言葉に、ポカンとしたようすの顔をしている神楽坂に苦笑を浮かべながら口を開く。

 

「確か、昨日の放課後にこの件に関しては学園長に話を通したと言ったと思うが」

「え? あれ? そうだっけ? あの後に出て来たカモの印象が強かったからすっかり忘れてたわ」

「全く、これだからバカレンジャーなんて不名誉な呼び名をされるんですわ」

「ちょっと、何よ! そもそも、あ、あ、あんなシーンを目の前で見せつける委員長が悪いんでしょ! あのショックで話した内容なんてすっぽりとぬけちゃったのよ!」

 

 怒り……いや、羞恥で顔を赤くした神楽坂がそう叫ぶ。

 あのシーンというのは、当然俺とあやかの仮契約シーン……神楽坂的にはキスシーンだろう。

 

「落ち着け。とにかく朝倉は学園長に魔法に関して忘れるか、あるいは魔法に踏み込んでくるかの2択を与えられていた。そして朝倉が選んだのが……」

「魔法に踏み込むって選択な訳だね。という事でネギ君、これからよろしくね」

 

 俺の言葉を継いで、朝倉がネギにウィンクをしながらそう告げる。

 だが、声を掛けられたネギの方はと言えば一瞬何を言われているのか分からないという風な顔をする。そして、次の瞬間……

 

「え? 僕ですか!?」

「そりゃあそうだろう。何せ、魔法を知られたのはネギなんだから」

 

 テンパっているネギにそう告げてやる。

 そもそも、今回の問題はネギとエヴァが魔法の秘匿を忘れ、認識阻害の魔法を使わないで空中戦を繰り広げたのが原因だ。なら当然その張本人であるネギかエヴァに責任を取って貰うのが一番となる訳だが、エヴァは魔法使いに嫌われている真祖の吸血鬼。それに対してネギは正統派の魔法使いで英雄の息子という存在だ。関東魔法協会の会長である近右衛門としては当然ネギに預けるという選択がベターだろう。

 

「じゃ、じゃあ朝倉の姐さん。早速仮契約を!」

「あー、ゴメン。仮契約ってのはやめとくわ」

「え? ネギの兄貴のパートナーになってくれるんじゃ?」

「うーん、確かにネギ君に協力するというのを選んだけど、まだそこまで踏み込むつもりはないのよ」

「そういうのありなんすか?」

 

 カモが首をグリンと曲げて俺に聞いてくるが、俺だって魔法使いの事情に詳しい訳では無いのだ。と言うか、ここにいる中で一番魔法使いについて詳しいのはネギじゃないだろうか。何しろ、仮にも魔法学校を首席で卒業してるんだし。

 

「という事なんだが、その辺はどうなんだ?」

「えっと、学園長が了解しているというのなら後は魔法使い個人の判断に任せられると思います。僕としては朝倉さんのスタンスでも別に構わないと思いますけど」

「お。話せるね、ネギ君。ま、取りあえず報道部としては情報収集には自信ありだから、何か分からない事があったら聞いてくれれば情報面で力になるよ」

「お願いします」

 

 朝倉の言葉にペコリと頭を下げるネギ。その肩の上ではカモが非常に残念そうな雰囲気を出していた。

 にしても、何でカモは俺にしろネギにしろ仮契約を結ばせようとするんだろうな?

 そう疑問にも思うが、一応ネギを慕っているカモの事だ。何かそれなりの理由があるんだろう。

 

「じゃ、これからは私のお仲間ね。よろしく、朝倉」

「そう言えばアスナも私と同じ立場なんだっけ。よろしく」

「まぁ、私の場合は学園長が把握してないからモグリみたいなものだけどね」

 

 照れたように笑う神楽坂だが、朝倉が不思議そうに尋ねる。

 

「あれ? 私がネギ君とエヴァちゃんの空中大決戦を見たというのが知られてるとなると、アスナに関しても知られてるんじゃないの?」

「……え?」

「そうだな。確かに学園長は神楽坂に魔法バレしているのを知っている」

 

 より正確には、近衛と神楽坂の2人に対しては意図的に魔法バレを起こそうとしていた、というのが正しいのだが。その辺は色々と事情もあるし黙っておくとしよう。

 

「えーーーーーっ!」

「と言うか、朝倉が言ってるようにあの場にいたのは一緒なんだから当然知られていると見るべきだろうに」

 

 頭を抱えてショックを受けている神楽坂。魔法バレを知られたというよりも、その辺をすっかり忘れ去っていたのが衝撃だったらしい。

 

「さて、取りあえずお互いの立場的にはこれで問題無いな。それで、ネギ」

「何ですか?」

「エヴァに対する戦いには、俺達も協力してもいいがどうする?」

「うひょー、マジっすか!? これで戦力が一気に3人も!」

 

 俺の言葉を聞いたカモが文字通り飛び上がって喜ぶ。

 ネギに関しても……関しても?

 

「どうした?」

 

 てっきり喜色満面の表情を浮かべているのかと思いきや、何かを悩んでいる様子のネギの表情はすぐに何らかの決意を込めたものへと変わる。

 

「アクセル君、気持ちは嬉しいんだけど、エヴァンジェリンさんに対しては僕が立ち向かわなきゃ駄目なんだ。取りあえずは僕に任せて貰えないかな?」

「……いいのか? エヴァの実力はお前も身に染みて分かっているだろう?」

「うん。だけどこの学校で教師をやるというのは僕に与えられた修行なんだ。僕の力でなんとかしないと……」

 

 危険だな。それが今のネギを見て感じた感想だった。

 今回は相手のエヴァがこれを模擬戦だと承知しているから問題無いだろう。だが、これが本当の敵であった場合はどうだ?

 自分達の戦力を増やせるという選択肢があるにも関わらず、自分自身の力だけで何とかしようと考えている。それも、魔法学校を卒業したばかりのヒヨっ子が、だ。

 これがエヴァだったり高畑のように高い戦闘力を持っているのならその選択肢もありなのだろうが……

 いや、実際自分でその辺を体験するまでは何を言っても無駄、か。

 

「分かった。なら取りあえずはネギに任せよう。何かあったら言ってこい。力になれるのなら力になる」

「うん、ありがとうアクセル君」

「じゃ、私はどうすればいいの?」

 

 俺とネギの会話を聞いていた朝倉がそう尋ねてくる。

 

「朝倉はネギが後見人みたいな扱いなんだから、ネギを手伝ってやれ」

「うん、分かった。よろしくね、ネギ君」

「はい、よろしくお願いします。早速ですが、エヴァンジェリンさんについて何か知っている事があったら教えて貰えますか? 出来れば苦手なものとか」

「うーん、エヴァちゃんは基本的にクラスの中でも人付き合いが良くないからなぁ。あ、でも茶道部とかに入ってるのを考えると和風な物が好きなのかも」

「なるほど。取りあえず情報を集めて何とかエヴァンジェリンさんに対抗出来るようにしないと。アクセル君、僕はこの辺で失礼するね」

「ああ。頑張れよ」

「うん。じゃあね」

 

 ネギはそう言い、手を振って寮の中へと入っていく。それを見送っていた俺へとあやかと千鶴が声を掛けて来た。

 

「よろしかったんですの?」

「そうね。私から見てもちょっと危ないと思うんだけど」

「ああ。俺もそう思う」

「でしたら!」

 

 懸念にあっさりと頷いた俺へと声を張り上げるあやかだったが、苦笑を浮かべてそれを宥める。

 

「だが、それを知るのにも結局は一度自分達だけでぶつかってみるというのは必要だろう。幸い、ネギは知らないが今回のエヴァとの戦いは模擬戦のようなものだ。敗れても命までは……」

 

 そこまで言い、エヴァの狙いがネギの血である事を思い出す。

 

「……まぁ、多分無いだろう」

 

 いくらエヴァでも、ネギを失血死させるつもりは無いだろう。……多分。




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376
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