結局何だかんだと話の流れは決まってしまい、最終的にはUC世界……正確にはルナ・ジオンからMSのパイロットを連れてくるという事に決まってしまった。
レモン達に俺が押し切られた格好だが、個人的にはそんなに悪くないのでは? と思わないでもない。
「けど、そうなるとMSはどうする? 一応同じMSという事でUC世界のMSを使ってもいいけど……UC世界のMSはミノフスキー物理学を使った動力炉を使ってるから、それが知られるとバルチャーが集まってくる可能性が高い。まぁ、それを言うならPTとかを使ってもバルチャーが集まってくる可能性はあるけど」
珍しいMS――シャドウミラーが使っているのはPTだが――を持っている集団という事が知られれば、それを欲してバルチャーが集まる可能性は否定出来ない。
まぁ、その場合は襲ってきたバルチャーには俺達の糧になって貰う必要があるのだが。
それに……ミノフスキー粒子の問題もある。
俺が情報を集めた限りでは、X世界にはミノフスキー粒子やNジャマーといったような通信を妨害する存在はない。
いやまぁ、俺が集めたのはそこまで深い情報ではないので、もしかしたらそういうのもあるかもしれないが。
ともあれ、X世界においてミノフスキー粒子は色々と危険すぎる。
ただでさえX世界は人が少なく、かなり限界に近い状態の世界だ。
そんな中でミノフスキー粒子が影響してコンピュータの類が動かなくなったりしたら、場合によっては致命的な状況になりかねなかった。
「うーん、ならW世界かSEED世界のMSを使う? それとも、ドートレスだっけ? ゲートを設置した場所には連邦軍のMS生産工場があるんでしょう? それを使ってもいいと思うけど」
マリューのその言葉は正しいのだろう。
だが、正直なところドートレスを使わせたいとは思わない。
ドートレスは……UC世界風に言えばジムだ。
勿論、ジムと一言で言っても中にはガンダムに匹敵する性能を持つジムとかもあるが。
ただ、俺が調べたところではドートレスのバリエーションとかはそんなにないんだよな。
その辺を考えると、やっぱりドートレスを使わせたいとは思わない。
どうせならオクト・エイプを使わせた方がいいと思う。
「俺の使っていたオクト・エイプを解析して、向こうの生産設備をそれ用に改良するといった真似は出来ないか?」
「やってみないと分からないけど、多分出来ると思うわ。……どうせなら、いっそそのドートレスを改修してもいいかもしれないわね。X世界でも無理がない程度に」
改修という言葉を聞いて、ベルフェゴールの事を思い出す。
「そう言えばさっきも言ったが、俺が基地で入手したベルフェゴール……ガンダムベルフェゴールだが、フラッシュシステムとかいう、多分だけどニュータイプ用のシステムのせいで機体性能が万全じゃない。そっちも何とかならないか?」
ベルフェゴールはかなり強力な機体なのは間違いないので、出来れば普通の状態で使いたい。
そう思っての言葉だったが、その話を聞いたレモンとマリューは少し難しそうな表情を浮かべる。
「レモン、どう思う?」
「多分、マリューの考えてる通りだと思うわ。UC世界の事や、X世界での話を考えると……」
そんな風に2人で分かり合ったかのような様子を見せていた。
「レモン、マリュー? 何か問題があるのか?」
「ええ。そのベルフェゴールという機体については、しっかりと調べてみないと分からないけど、もしフラッシュシステムが……ニュータイプが乗るのが前提となっているのなら、機体の根幹部分にフラッシュシステムが存在している筈よ」
「つまり、フラッシュシステムを解除した場合、ベルフェゴールはまともにうごけなくなる可能性が高いのよ」
レモンの説明に続いて、マリューもそう言ってくる。
その言葉には、なるほどと納得出来る面があるのも事実だったが、だからといってベルフェゴール程の高性能機を使わないという選択肢はないだろう。
「なら……そう、例えばT-LINKシステムに置き換えるとかどうだ?」
「あのねぇ、そんな真似をするのなら、それこそ最初から設計しなおして新しいMSとして開発した方が手っ取り早いわよ」
そういうものなのか?
「とはいえ、それはあくまでも今の状態での予想だけどね。実際にはベルフェゴールを解析してみないと分からないだろうし」
「そう言ってもな。一応、ベルフェゴールはX世界で使っていくつもりなんだが」
X世界の場合は、別にX世界のMSに拘る必要はない。
とはいえ、ニーズヘッグは色々な意味で悪目立ちしすぎるし、ミロンガ改辺りが使いやすいのかもしれないが。
技術班なら魔法球があるから、解析そのものはそこまで時間が掛からない可能性もあるが……
「鬼滅世界から持ってきた研究はどうなっている?」
鬼舞辻無惨の肉片の研究だったり、黒死牟や鳴女の存在もある。
今のところ塵になったりとかはしていないと聞いてるが。
「そっちの方に興味を示している人も多いわね。オーラマシンの解析も終わりに近いし」
オーラマシンの解析は、何だかんだとかなり掛かったな。
まぁ、オーラ力を使って動くという点で今までシャドウミラーが使っていた技術とは全く違う技術だ。
そうである以上、技術班がその技術に興味を示すのは当然だった。
「そうなると……MSの件はUC世界からパイロットを連れてくるという事でいいけど、陸上戦艦のテンザン級の運用をどうするかだな。……やっぱり量産型Wか?」
量産型Wは高い能力を持つ。
それこそ生身での戦いになった時も、銃火器を使った戦闘も勿論、魔法を使って反応したり、場合によってはMSに乗り込んで戦ったりも出来る。
量産型Wは基本的にあらゆる技術が一流、場合によってはそれ以上の能力を持つ。
その能力を考えると、量産型Wを陸上戦艦の乗員として使うのは悪くない。
「あ、操舵手なら私がやるわよ」
そう言ったのはミナト。
まぁ、ミナトの操舵技術は非常に高い。
その技量は陸上戦艦においても十分に発揮出来るのは間違いないだろう。
「私も交渉役として……いえ、無理ね」
ミナトが立候補した事で、エリナも自分がと言おうとしたが、すぐに自分でそれを否定する。
ミナトとは違い、エリナは政治班だ。
ただでさえ政治班は人数が少ない以上、短期間ならともかく、長期間エリナが抜けるのは困るのだろう。
……それを示すかのように、千鶴は迫力のある笑みを浮かべているし。
「艦長としては……マリューを連れていきたいけど、どうだ?」
「え? 私? ……ナタルじゃなくてもいいの?」
マリューは艦長として有能なのは間違いない。
だが同時に、情に厚いという一面もある。
それは決して悪い事ではない。
人として考えた場合は悪くない……どころか、長所と言うべきだろう。
しかし、それが艦長となると話は違ってくる。
艦長という立場であれば、時には冷徹な判断をしなければならないこともある。
代々軍人の家系であり、性格的にも軍人に向いているナタルならともかく、マリューにそういうのは少し難しいだろう。
とはいえ、ナタルを連れていくとなるとムウもまた行きたいと言ってもおかしくはない。
……まぁ、ムウも腕利きのパイロットである以上、戦力として数えられるのは間違いないんだよな。
だが、MSのパイロットはUC世界からとなっている以上、それはそれで難しい。
「マリューでいいと思うぞ。俺達がやるのは軍人ではなくて、あくまでもバルチャーだ。それに……マリューなら何があってもそんなに悪い結末にはならないと思うし」
具体的に理由がある訳ではなく、あくまでも勘だ。
とはいえ、俺の勘というのは信頼度が高い。
マリューもそれは分かっているのか、少し考えてから頷く。
「アクセルがそう言うのなら、艦長をやってもいいわ」
「なら私も……」
「スレイ、MSパイロットはUC世界からだ」
マリューが行くのなら自分もと言い掛けたスレイだったが、それに待ったを掛けたのはコーネリアだった。
多分、コーネリアもX世界でバルチャーをするというのは興味を持っているのだろう。
しかし、自分達で今回はUC世界の方に譲ると決めた以上は何も言わなかったと。
「あ、ねえ。じゃあMSパイロットじゃないけど、生身の戦闘要員として、私と円とかはどう? それならMSパイロットじゃないし、問題ないんじゃない?」
そう言ったのは、美砂。
実際、円と美砂は実働班ではあるものの、それはMSとかではなく生身での戦闘という点においてだ。
そういう意味では、今回の一件に向いているとも言える。
……X世界において、生身で戦闘する機会が具体的にどのくらいあるのかというのは微妙だが。
「なるほど。円や美砂がいいのなら、私も構わないと思うけど?」
綾子が続けてそう言う。
綾子もまた、実働班ではあるしPT……いや、綾子の機体はトールギスⅢだからMSか。
だが、そんな綾子は半サーヴァントで、生身での戦闘力という点でも円や美砂に勝るとも劣らない。
「はいはい、その辺にしてきなさい。誰かが行くからといったような事を言えば、他にも行きたい人は幾らでもいるでしょう。行くのはマリューとミナトの2人だけ。それで決まりよ」
レモンのその宣言に、他の面々は不満そうな様子を見せながらも納得するのだった。
「あー……ほら、あれだ。X世界でどれだけの間バルチャーとして活動するのかは分からないから、もしかしたらルナ・ジオンの面々が自分の世界に戻ってくるといったようなことをしないといけない可能性もある。そういう時には頼むかもしれないから」
実際、これは決して大袈裟な話という訳ではない。
ルナ・ジオンはUC世界において1年戦争の戦勝国という扱いになっている。
ただし、正式には戦勝国は連邦で、その連邦に協力したという形だ。
連邦の中にはそんな月の存在が疎ましいと思う者が多いというのは聞いている。
何しろ本来なら連邦にしてみれば、月から得られる税収は莫大なものだった筈なのに、その税収が綺麗さっぱりとなくなってしまったのだから。
それ以外にも、ルナ・ジオンにはシャドウミラーの技術が大量に入っているし、首都のクレイドルには未知の生物とかが普通に存在している。
また、ルナ・ジオンにとって敵だったジオンとの関係も、今はよくなっている。
現在のジオンは、ジオン公国ではなくジオン共和国になっており、それを率いているのはルナ・ジオンと友好関係にあるガルマだ。
そのガルマもシャドウミラーやルナ・ジオンに感謝しており、その2つが友好的な関係になるのは間違いない。
……まぁ、セイラにしてみれば、まだ色々と思うところはあるが。
何しろセイラは両親ともにザビ家に殺されたのだから。
兄のキャスバルはザビ家に対する復讐の為にシャアとなり、何をどうなればそうなるのかは分からないが、俺とセイラが接触した時に見えた未来で小惑星を地球に落とそうとすらしていた。
それもまた結局ザビ家が原因である以上、セイラは家族を……そして将来をザビ家によって無茶苦茶にされたことになる。
それでも実際にそれを行ったのは、ザビ家であってもギレンやキシリア、あるいはデギンといった面々で、ガルマではない。
そう区切りを付けた事により、セイラはガルマと友好的な関係を築いているのだろう。
とにかくそんな風にジオン共和国と友好的なルナ・ジオンは、連邦にとって目障りな存在なのは間違いない。
それを示すように、連邦軍や連邦政府の中では強硬派が力を付けてきているらしいし。
ルナ・ジオンとしては、それらに対処する必要もある。
そして連邦軍以上に厄介なのは、ジオン軍……ジオン公国軍の残党だろう。
ガルマは元々ザビ家の中でも人気があったので、その呼び掛けに答えて素直にジオン共和国に戻った者達も多い。
だが、ギレンに忠誠を誓っていた者の中には、そんなガルマの率いるジオン共和国が許せないと、抵抗を続けている者もいた。
何より厄介なのは、キシリアだろう。
ギレンと違って生きており、相応のカリスマ性も持っているので、多くの部下達と共に行方不明になっているらしい。
そんな諸々で、UC世界のルナ・ジオンは決して安泰な訳ではない。
そのようなルナ・ジオンがMSパイロットをX世界に連れていってバルチャーをやるのはいいが、ルナ・ジオンに何かあったらUC世界に戻る必要もある。
とはいえ、バルチャーとして活動している以上は遠出することもあるんだよな。
ロッソ達は暫くサン・アンジェロ市に来てないし。
別にロッソはサン・アンジェロ市を拠点にしている訳ではない以上、それはある意味で当然なのかもしれないが。
「とにかく、バルチャーとして行動するならオクト・エイプの改修作業は必須だな。あまり不自然じゃない程度に」
敢えてそう言ったのは、技術班に任せた場合はとんでもない魔改造をされてしまう可能性があったからだ。
技術班なら、それこそオクト・エイプにエナジーウィングを生やしたりとか、普通にしそうなんだよな。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1750