転生とらぶる   作:青竹(移住)

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3228話

 ベルフェゴールとヴァサーゴの戦いそのものは、ほぼ互角……あるいは俺が有利といった形で進む。

 機体制御にフラッシュシステムが使われているベルフェゴールの性能はヴァサーゴよりも低い。

 ……それでもオクト・エイプと同じくらいの性能ではあるのだが、シャギアの乗っているヴァサーゴは俺のベルフェゴールよりも性能が高いにも関わらず、不利な状態になっていた。

 これは俺の操縦技術がシャギアより勝っているということを意味している。

 そして、シャギアが焦っているのはそれだけが理由ではないだろう。

 シャギアの放っていたストライククローのクロービーム砲を回避しながら、俺は映像モニタで他の戦闘を確認する。

 それは、敵が用意したのは、ドートレス20機。

 しかし、既にドートレスの数は4機にまで減っていた。

 シャドウミラーの技術班が改良したオクト・エイプに乗っているのは、シーマを始めとしてUC世界の中でも突出した技量を持つ者達だ。

 そんな相手に、機体性能でも操縦技術でも負けているドートレス隊が勝てる筈がない。

 それなりに訓練を重ねているのか、連携の練度は結構高い。

 しかし、結構程度ではシーマや黒い三連星といった異名持ちを含めたオクト・エイプ隊に勝てる筈もない。

 その上で、ロッソ、グリーツ、ローザの艦から出て来たMS隊がドートレス隊を逃がさないように牽制しているのだ。

 当初は自分達も戦うと言っていたみたいだが、シーマに自分達だけで倒せるから援護に回って欲しいと言われ……正直なところ、そう言われた時は納得出来なかった様子だったが、MS乗りだけにMSの操縦技術で自分達より圧倒的に上だと分かれば、相手を認める事も出来る。

 そんな訳で、ドートレスの全滅は時間の問題だったのだが……

 

「どうした? このままではお前が不利になるだけだぞ? 俺としては、ヴァサーゴは出来るだけ損傷を与えずに入手したいから、大人しく降伏してくれると助かるんだがな」

『確かにこのままではこちらの方が不利なのは間違いない。だが……それも今までの話だ!』

 

 そう言い切ると同時に、遠くの方から一斉にビームが放たれ、こっちに向かって来た。

 俺は勿論、シーマ達もその攻撃を回避するものの……ロッソ、グリーツ、ローザが有しているMS隊の中には撃破されたり、大破したりといったMSも多い。

 接近してきて放つヴァサーゴのストライククローの一撃を回避しながら、攻撃をしてきた者が誰なのかを確認する。

 するとそこにはある意味で予想通りなのか、アトミックシザーズを持つガンダムの姿があった。

 いや、それだけではなく、更にドートレスがかなり追加されている。

 アルタネイティブ社は戦後に出来た企業だって話だったが……ドートレスとはいえ、一体どれだけのMSを所有してるんだ?

 いや、戦後だからこそMSを入手する伝手が多かったのかもしれないな。

 

『どうだ? オルバが……ガンダムアシュタロンが来たし、ドートレスも追加された。こうなっては、そちらの方が不利だと思うがね』

「本気で言ってるのか? 今のこの状況でそっちにガンダムが1機……アシュタロンだったか? それとドートレスが増えたところで、焼け石に水でしかないだろう。それに……どうやら援軍ならこっちからも出たらしいぞ」

 

 フリーデンから出て来たGXを見て、そう告げる。

 向こうにアシュタロンが援軍としてきたのなら、こっちはGXが援軍としてやって来た。

 そうである以上、こちらとしても決して不利ではない。

 ……とはいえ、あのGXに乗ってるのはキッド曰くガンダム坊やとかいう奴らしいんだよな。

 生憎と、俺はそのガンダム坊やとやらに会った事はない。

 だがGXの動きを見る限りでは、決してそこまで高い操縦技術は持っているようには思えなかった。

 GXが出て来たというのは、シャギアにしてみればそこまで脅威でもないと思われてもおかしくはなく……

 

『ふっ、あの程度の技量でオルバに勝てるとでも? サテライトキャノンさえ使わせなければ、あの程度のパイロットなど脅威に値しない!』

 

 叫びつつ、振るわれるストライククローの一撃を回避する。

 まぁ……実際にその言葉は理解出来ないでもない。

 GX最大の武器である、サテライトキャノン。

 その一撃は脅威的な威力を持ってるらしい――俺は直接見た事がないので――が、それを使うのは月からのスーパーマイクロウェーブを受け取り、それからサテライトキャノンを展開し、トリガーを引く必要があった。

 つまり、変身する……という訳ではないが、攻撃を行うのにタイムラグがあるのだ。

 ベルフェゴールのソニックスマッシュ砲や、ヴァサーゴの持つ同じような武器での一撃もそうだが、強力だからこそ撃つまでに準備時間……あるいは溜め時間が必要となる。

 そうである以上、実際に発射する前に潰してしまえばいい。

 

「どうだろうな。お前がそのつもりでも……GXは違うみたいだぞ?」

 

 GXは真っ直ぐオルバの操縦するアシュタロンに向かって突っ込んでいく。

 それはまるでアシュタロンを恨んでいるのかように思える、そんな行動だ。

 ……いや、GXのパイロットはガンダム坊やと呼ばれているフリーデンのクルーだ。

 だとすれば、ティファを連れ去ったオルバを憎んでいる可能性は高い。

 そう考えると、こうしてオルバの乗るアシュタロンに向かって攻撃をするのはおかしくはないのか?

 そうしてGXを見ていると、ヴァサーゴはストライククローを使った攻撃ではなく、腰の後ろにあったビームサーベルを取り出し、それで斬りかかってくる。

 向こうがビームサーベルで攻撃をしてくるのなら、こっちもそれに対応させて貰うとしよう。

 そう判断し、ベルフェゴールのビームサーベルを引き抜く。

 ……ヴァサーゴによって袈裟懸けに振るわれたビームサーベルを、同じくビームサーベルで受け止める。

 ヴァサーゴのビームサーベルはどうやら専用の物らしく、柄の形やビームサーベルそのものの形も少し違う。

 違うのだが……威力そのものは、ベルフェゴールが使うビームサーベルとそう違いはないようだった。

 だが、甘い。

 ヴァサーゴのビームサーベルの一撃を受けつつ、俺は笑みを浮かべ……ストライククローを展開する。

 シャギアの乗るヴァサーゴは、ベルフェゴールの発展型なのかもしれない。

 それはストライククローがそのまま肩にあるベルフェゴールに対し、ヴァサーゴは腕の外側に追加パーツ的な感じで装備されており、よりスマートな形になってることで明らかだ。

 そうすることによって、機体の重量もヴァサーゴはベルフェゴールよりも軽いし、運動性や機動性も上がるだろう。

 その点では間違いなくヴァサーゴが上だが、そのような状況であってもベルフェゴールが勝っているところがある。

 それは、腕の他にストライククローがあるという事だ。

 ヴァサーゴの振るうビームサーベルの一撃を受け止めつつ、ストライククローを展開する。

 ストライククローの先端からはビームサーベルが展開し……その一撃はビームサーベルで受け止める事が出来ないと判断したのか、ヴァサーゴは後ろに逃げようとするものの……

 

「逃がすと思うか?」

 

 肩のストライククローに続けて、膝のアトミックシザーズを展開し、ヴァサーゴを捕らえることに成功した。

 2本のアトミックシザーズのうち、一本で両足を押さえ込むように捕らえ、もう1本がソニックスマッシュ砲のある胸部の辺りを掴む。

 胴体を掴んだアトミックシザーズをビームサーベルで攻撃しようとしたシャギアだったが、そのビームサーベルの一撃はベルフェゴールが持っているビームサーベルで防ぎ……そしてストライククローの先端に展開しているビームサーベルをヴァサーゴのコックピットに突きつける。

 

「降伏しろ」

『ぐ……貴様……』

「機体性能がよくても、パイロットの操縦技術が違えばこうなる。……降伏しないのなら、このままコックピットを貫く事になるが、どうする?」

 

 個人的には、そんなことはしたくない。

 それは人の命を奪うのに躊躇しているといったようなことではなく、単純にコックピットを破壊してしまえば、その修理にかなり苦労する事になるのだから。

 これがドートレスやジェニス、あるいはオクト・エイプとかなら予備の機体があるのでコックピットが破壊されてもそれを修理することが出来る。

 しかし、このヴァサーゴは違う。

 機体がこれ一つしかない以上、出来れば無傷でヴァサーゴを入手したいと思うのは当然だろう。

 ベルフェゴールの系列機であるというのを考えれば、あるいはベルフェゴールのコックピットを流用出来るかもしれない。

 しかし、ベルフェゴールのコックピットはフラッシュシステム前提となっている。

 そうなるとベルフェゴールのコックピットを流用してヴァサーゴを修理すれば、フラッシュシステムの影響で動かなくなったり……あるいは、最悪の場合ヴァサーゴもフラッシュシステムによる機体制御が必須となる可能性は高い。

 だからこそ、出来ればヴァサーゴは出来るだけ綺麗なままで欲しいのだ。

 

『……』

 

 そのまま1分程。シャギアは何も口にしない。

 

「どうした? どうするのか早く判断してくれ。でないといつまでもこのままになる。……俺がお前にやれる時間は、10秒だけだ。その間に降伏するか、それとも死ぬか決めろ。10、9、8、7、6、5、4、3、2、1……」

『分かった、降伏する』

 

 0、と。そう言おうとした瞬間、シャギアがそう言ってくる。

 本当に限界まで考え込んでいたようだったが、逆転の秘策は見つからなかった。

 だからこそ、このまま死ぬよりは降伏することを考えたのだろう。

 

「よし、降伏を受け入れる。……コックピットから出て来い」

 

 そう言いながら、コックピットに突きつけていたビームサーベルを少し引く。

 今の状態では、コックピットから出るに出られなかっただろうし。

 そうするとシャギアもどうしようもないと悟ったのか、やがてコックピットが開いてそこから姿を現す。

 後は、シャギアを捕まえて色々と情報を引き出すだけだな。

 そう考えた瞬間、不意にビームが……というよりも、ビーム球とでも呼ぶべき何かが空中から降ってきたのが見えた。

 それも、狙いは俺……という訳ではなく、かなり離れた場所だ。

 何の偶然なのか、こちらの陸上戦艦が集まっていた場所から少し離れた場所。

 だが……地面に着弾したその攻撃の威力は凄まじく、もの凄い爆発を生み出す。

 それこそ、ベルフェゴールのコックピットにいる俺にまで揺れを感じさせる程に。

 ……そして当然ながら、それだけの揺れを俺が感じたということは、俺以外にもその揺れは衝撃を与える。

 そう、例えばコックピットから出たばかりだったシャギアにも。

 MSの大きさは、18m前後。

 とはいえ、コックピットがあるのは胴体部分であり、10m程度の高さ。

 そのくらいの高さなら、落ちても普通に着地出来る。

 シャドウミラーのメンバーなら、だが。

 しかし、シャギアはこの世界の人間で、当然ながら気や魔力といったものは使えない。

 そんなシャギアが、今の爆発の衝撃でコックピットから落ちて……

 死んだな。

 そう思ったのだが、そんな俺の予想は次の瞬間外れる事になる。

 先程までGXと戦っていたアシュタロンが、MA状態になってこっちに突っ込んで来たのだ。

 GXと戦いながらこっちの様子を窺っていたのか、それとも偶然なのか。あるいは俺に降伏を迫られている時に通信でもしていたのか。

 その辺りの状況は分からなかったが、MAのアシュタロンは真っ直ぐこっちに突っ込んでくる。

 アシュタロンを攻撃しようと思えば、攻撃出来ただろう。

 しかし、問題なのはヴァサーゴをアトミックシザーズで押さえつけているという状態だった。

 アシュタロンのMA形態は、かなりの高機動性を持っていた。

 そんなアシュタロンを操るオルバが、とにかくシャギアを助けるというのだけを考えてやって来たのだ。

 こっちが動くよりも前にアシュタロンは全速力でこの場を離脱していった。

 ……出来れば、ヴァサーゴの他にアシュタロンも欲しかったんだが……まぁ、いい。

 

「シーマ、そっちは問題ないか?」

『誰に聞いているんだい? こっちはルナ・ジオンの精鋭だよ? この程度の……おや? アクセル、また新しいガンダムタイプがやって来たみたいだよ。このタイミングだと、敵かねぇ?』

 

 シーマにそう言われて映像モニタを確認してみると、そこにはホバー移動……いや、違うな。地面に足は着いている。どういう手段かは分からないが、地上を疾走しているヘビーアームズに似た機体と、空を飛んでこっちにやって来る戦闘機……いや、空中で変形してMSになった、新たなガンダムタイプが2機。

 そんな敵に向かって攻撃しようとしたのだが……

 

『待って下さい、アクセルさん! あれは……味方です!』

 

 フリーデンのサラからの通信が入り、その攻撃を止める。

 味方……にしても、援軍にやってくるタイミングが遅すぎないか?

 そんな風に思う中、以前にも見た月からのビーム……いや、スーパーマイクロウェーブがGXに放たれ、次の瞬間にサテライトキャノンの巨大なビームが発射されたのだった。




アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1750

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