俺達の基地に来ないかという俺の言葉に、ジャミルは少し迷ったが最終的には一緒に来る事になった。
ジャミルにしてみれば、異世界からやって来た俺達の拠点を見ておきたいのだろう。
……いっそ、ホワイトスターに足を運んでみても面白いかもしれないな。
「で、それはいいんだけど……ウィッツとロアビィも一緒に来るのか? こんな部屋まで用意して」
フリーデンにちょっと顔を出しに来たんだが、ジャミルに会いに行く途中で俺が見つけたのは模様替え……というか遊技場的な場所を作っているウィッツやロアビィの姿。当然それ以外にも人手がおり、フリーデンの人員達が働いていた。
「まぁ、少し長い間フリーデンに雇われるといった形になるだろうしね。臨時ならともかく、長期間雇われるのならこういうのもいいと思ってね」
俺を見つけたロアビィが、満面の笑みを浮かべた様子でそう言ってくる。
ロアビィはこういうのに慣れてる様子だし、そういう意味ではこういう風にするのもおかしくはないのか。
「ニュータイプを見つける為に行動するって話だし、戦力は多い方がいいって事だろ? MSの整備や補給もフリーデンの方でやってくれるって話だし」
俺とロアビィが話しているところに、ウィッツがそう言いながら近付いてくる。
それはいいんだが……
「それ、何だ?」
ウィッツが持っている物体を見て、思わずそう尋ねる。
実際にはそれが何かというのは分かっている。分かっているが……何故ここにそのような物があるのかというのが、俺の疑問だった。
「何って……見りゃあ分かるだろ?」
そう言い、ウィッツは手に持っていた物……木彫りの熊を見せてくる。
うん、やっぱり木彫りの熊だ。
だが、何でそれがこんな場所にあるのかというのが分からない。
俺のイメージだと、木彫りの熊というのは北海道とかで売ってるような物だ。
それが何で北米の……それも戦後の北米にある?
あるいは木彫りの熊が北海道で売ってるというのは俺の誤りで、実は北米とかでも普通に売っていたりするんだろうか。
「いや、見て分からないからそう言ってるんだが。……ロアビィが作ろうとしている部屋と木彫りの熊だと、雰囲気的に違わないか?」
「だよねぇ」
ロアビィも俺の言葉には同意し、深く頷いている。
ロアビィにしてみれば、自分の趣味全開の部屋を作ろうとしているのに木彫りの熊は雰囲気に合わないと思っているのだろう。
しかし、そんな俺とロアビィに対してウィッツは呆れたように口を開く。
「何を言ってるんだ? こういう部屋にこそ、これが似合うんだろ。全く、お前達は揃ってセンスねえな」
得意げな様子のウィッツ。
あるいは、X世界においてはウィッツの認識の方が正しいのか?
一瞬そう思ったが、ロアビィに視線を向けると首を横に振る。
他の面々は……と部屋の模様替えを行っている面々に視線を向けるが、そこでもやはり同様に首を横に振っていた。
どうやらX世界の者であっても、やはりこれはおかしいと思えるのだろう。
さて、どうしたものか。
そんな風に思っていると、そこに新たな登場人物が姿を現した。
「ちょっと、これは一体どういう事? ……アクセルさんがブリッジに来るのが遅いと思ってきたら」
「あら、でもいい雰囲気じゃない?」
その声を発したうちの1人はサラ。
もう1人は……誰だったか。いや、顔は覚えてるけど自己紹介はされてないから分からないな。
小麦色の肌に金髪。そして腹の出ているシャツとミニスカートという、かなり男の欲望を刺激するような格好をしている女だ。
顔立ちも整っていて、美人と呼ぶに相応しいだろう。
「トニヤ、今はそういう事じゃないでしょう? ……キャプテンの許可は取ったのですか?」
「あー……いや、それはほら」
「げ、結局またゴタゴタかよ」
サラの指摘に、ロアビィは誤魔化すような態度を取り、ウィッツは面倒臭そうな様子を見せる。
ウィッツとサラは、相性的にかなり悪いよな。
「そう怒るな。許可が必要なら。俺が後でジャミルに会いに行くから、その時に貰っておくよ」
「お? マジ?」
嬉しそうな様子のロアビィ。
ジャミルの性格を考えると、この程度の事は特に問題なく受け入れると思う。
……まぁ、どうしても無理なら最悪テンザン級の方に来て貰うのもいいが。
現在のテンザン級は、かなり部屋が余ってるしな。
だがそうなると、ロアビィはフリーデンではなくテンザン級に入り浸る事になる。
あくまでもフリーデンに雇われている以上、それはちょっと不味いか。
「アクセルさん……いえ、この件は私が艦長に話しますので」
「おろ? そうなの? 別にアクセルでもいいんだけど……まぁ、認められるのなら、俺はそれで構わないよ」
ロアビィは嬉しそうな様子を見せる。
ロアビィの性格的にこういう場所は必須なのだろう。
以前のように短期間雇われるだけなら、そういうのは別にいらないのだろうが。
テンザン級の方にも、こういう遊戯室みたいな部屋を作った方がいいのか?
それなりに若い……いや、エルフだから若いのかどうかは分からないが、とにかくそんな感じで多くの者がいる。
そういう連中は、現在何かを話す時は食堂を使っている。
つまり、食堂がそのような場所になってる訳だが……出来ればこういう場所を作ってみるのも面白いかもしれない。
「さぁ、アクセルさん。ブリッジに案内します。キャプテンも待ってますので」
「じゃあ、行くか。……その前に、サラと一緒にいる女はまだ紹介して貰ってなかったよな?」
「え? あたし!? えっと、その……トニヤ・マームです。よろしく」
褐色の肌の女……トニヤはそう名乗ると、頭を下げてくる。
ウィッツと話していた時の様子を見れば、そこまで真面目な性格ではないように思えるんだが。
俺に対しては、妙に腰が低いというか、少し怖がってる?
何が理由でそんな風に思っているのかは、分からない。
あるいはジャミルから俺達が異世界の存在だというのを聞いたのか?
聞いてなくても、ザコット達が使っていた陸上戦艦やMSをこっちで回収したのを見れば、疑問に思ってもおかしくはない。
MSはともかく、陸上戦艦はどこにいったのかと。
ジャミルから止められているのか、それとも単純に聞かない方がいいと思ってるのか。
その辺は分からないが、ザコット達の一件について聞かれるような事は今のところない。
「そうか。これからフリーデンとは一緒に行動する事も多くなると思うが、よろしく。俺はアクセルだ」
「はい、えっと、その……ちょっと聞きたいんですけど、アクセルさんの船に乗ってるのって、美人ばかりですよね? もしかして……」
恐る恐るながら、好奇心に目を輝かせながらそんな風に聞いてくるトニヤ。
あれ? 俺を怖がってると思ったのは、俺の勘違いだったのか?
いやまぁ、俺としては意味もなく怖がられるよりは、こういう態度の方が好ましいのも間違いないが。
とはいえ、シーマ達の事か。
マリオン以外の女パイロットから愛を告白されたのは間違いない。
しかし、だからといって今の状況でわざわざそれを喋るような真似をするのもどうかと思うしな。
実際にはシーマ達ではなく、艦長のマリューと操舵士のミナトとそういう関係なんだが。
「どうだろうな。その辺はプライベートな事だから、秘密にしておく」
「何て羨ましい……」
ボソッと、そうロアビィが呟いたのが聞こえてくる。
そう言えば、以前ロアビィがモニクと会った時に言い寄っていたな。
モニクの方は……その、好きな相手がいるという事で、相手にしていなかったが。
ロアビィの場合は顔立ちも整っているし、性格も暑苦しい訳でもなければ、冷たい訳でもない。
女にしてみれば、ロアビィという相手は恋愛相手に丁度いいのだろう。
実際、ロアビィが女慣れしてるのは間違いなさそうだし。
そういう点では、ウィッツは全く女慣れしてないよな。
ガンダム乗りであり、腕も立つ。
性格も……若干暑苦しいが、それでも言い寄ってくる女は結構いそうなんだが。
「ロアビィも女には困ってなさそうだが?」
「そうでもないさ。アクセルのところのモニクに言い寄ったけど、あっさりとフラれたし」
「モニクは……まぁ、今のところ難しいと思うぞ」
「あの様子を見ると、モニクは好きな相手がいると思うんだが、アクセルは知らないか?」
「さて、どうだろうな」
モニクが好きな相手が誰なのかを知っている以上、それを話す訳にはいかない。
「ん、コホン。……アクセルさん。そろそろよろしいでしょうか?」
咳払いをしてそうサラが言ってくる。
表情に出さないようにしてるだろうが、不愉快そうに思っているのは間違いない。
生真面目なサラにとって、俺とロアビィの会話は面白くなかったのだろう。
そういう話題は好きそうじゃないしな。
その点を突こうかとも思ったが、生真面目な性格をしているサラだ。
そんな真似をすれば、本気で怒らせてしまってもおかしくはない。
「そうだな。じゃあ行くか。案内、よろしく頼む」
「おや、行くのかい? じゃあ、また後で」
ロアビィに手を振られつつ、俺はサラと部屋を出る。
……その際、部屋の中ではウィッツが持っていた木彫りの熊を見てトニヤが爆笑していた。
うん、どうやらやっぱり俺やロアビィ、他に手伝っていた面々の感想は間違っていなかったらしい。
「男の人って……」
廊下を歩きながら小さく呟くサラ。
口の中だけで呟いているから、多分俺には聞こえていないと思っているんだろう。
しかし、混沌精霊の俺の耳にはしっかりと聞こえていた。
だからといってそこに突っ込めば、生真面目な性格のサラだけに色々と不味い事になりそうではある。
サラは理知的な美人で、身体もトニヤには負けるが十分に女っぽい。
サラが好みの男は、それこそ幾らでもいるだろう。
あるいは、そういう関係で潔癖症……というのはちょっと言いすぎだが、とにかく今のような性格になったのかもしれないな。
「ガロードはどうしてる?」
「……え? あ、ガロードですか? ティファの世話係を任されて、今は張り切っていますよ。それより、ちょっと聞いても構わないでしょうか?」
ガロードは青春を謳歌しているらしい。
そんな風に納得しながら、サラの言葉に頷く。
「答えられる事なら構わないぞ」
「その……アクセルさんは……いえ、男の人というのは、複数の相手と付き合いたいと思うのが普通ですか?」
俺が触れないようにしていたところに、ズバッと来たな。
正直なところ、サラがそんなことを聞いてくるのはかなり予想気だった。
サラの性格を考えれば尚更に。
「どうだろうな。それこそ人によるとしか言えないな。例えばロアビィのような奴は複数の女と付き合っても問題はないと考えていてもおかしくはない。だが、ウィッツの性格を考えるとそういう風には思えないだろう?」
「それは……まぁ、そうですね」
ウィッツはロアビィと違って女慣れしていない。
場合によっては、だからこそハーレムに憧れたりとかしてもおかしくはないんだが、ウィッツの性格を考えるとそっちの方向には向かないだろう。
「そんな感じで、ハーレム願望があるのかどうかというのは、人によって違う」
俺の場合は……どうなんだろうな。
結果的にハーレムになっている以上、ハーレム願望があるのは間違いないと思う。
また、純粋な恋や愛というのを抜きにして、夜の行為的な意味でも色々と問題があるし。
10人以上を相手にしても、女の方が限界に達してしまって、毎朝魔法球で休んでるのを見れば明らかだろう。
この辺り……多分、本当に多分だけど、混沌精霊になったのが関係してるんだと思う。
精霊に性欲とかそういうのがあるのかと言われれば微妙だが、俺の場合は単一の純粋な属性の精霊ではなく、多数の属性を持つ精霊だ。
ましてや、リョウメンスクナノカミを吸収したり、闇の魔法でモンスターになったりもしてるのだから、その辺りが俺の本能とかその辺に大きく影響を与えてもおかしくはない。
とはいえ、俺の生来のものがあるのも、また事実だろう。
混沌精霊になる前……まだネギま世界に行く前から、レモンやコーネリア、マリューといった面々と夜を共にしていたのだから。
それも1人1人ではなく、全員同時に。
つまり、混沌精霊になってその辺が変わったというか、強化された感じ……か?
そう考えると、結局のところその辺も俺の個性というか、そんな風に認識してもおかしくはないのだろう。
「そう、ですか。じゃあ……」
何となくではあるが、俺の言葉に納得した様子のサラ。
けど、言葉の最後に『じゃあ……』とついた辺り、多分サラにも愛する男がいるのだろう。
「何だ、好きな男がいるのか?」
「っ!?」
どうやら図星だったらしく、歩いていたサラは動きを止めた。
「な、なな、な……」
「別にそこまで驚くような事はないだろ。お前も20代なんだ。好きな男の1人や2人……」
「え? 私はまだ19歳ですけど?」
「……は?」
何に驚いたのかと言えば、X世界にニュータイプが存在した事よりも、サラがまだ20歳にもなっていない事の方が俺には驚きだった。
アクセル・アルマー
LV:44
PP:1910
格闘:309
射撃:329
技量:319
防御:319
回避:349
命中:369
SP:1995
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1750