転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0333話

 エヴァの家にある別荘でアーティファクト能力の確認やら新スキルの確認やら円と美砂の魔法の修行を見るのやらで何だかんだあって1日を過ごし、別荘から出てエヴァの家から帰ろうとしたら何故か扉の前にネギ、神楽坂、カモの姿があった。

 

「エヴァに用事か?」

「あ、うん。アクセル君達は?」

「そこの小動物が修学旅行で円と美砂に仮契約をさせただろ。その結果こっちの世界に踏み込んでくる道を選んだからな。アーティファクトの確認とかそういうのだ」

 

 俺の話を聞いていた神楽坂が不思議そうに口を開く。

 

「あれ? あんた釘宮と柿崎の事は名字で呼んでなかったっけ? いつから名前で?」

「……いや、修学旅行の時からだが」

「え? そうだったっけ?」

 

 い、言えない。この2人に告白されたからだとは……

 

「ま、そーゆー事よ。それでネギ君とアスナは何でエヴァちゃんの家に?」

 

 俺の内心の葛藤を感じ取ってくれたのか、美砂が話を変える。

 

「あ、その。エヴァンジェリンさんにお願いがあって……」

「私にか?」

「はい。その、ちょっと時間を貰えますか?」

「まぁ、構わんが。アクセル、お前のこれからの予定は?」

「学園長の所だな。報酬のマジックアイテムを貰いに」

 

 今朝、エヴァの家に来る前に携帯で連絡を貰ったのだ。修学旅行の報酬を支払うので昼過ぎに学園長室に来るように、と。

 

「む、そうか。じじぃとの約束なんぞ放っておけと言いたい所だが……まぁ、いいだろう。しょうがない、ぼーやと神楽坂明日菜。ついでにその小動物も家へ入れ。茶々丸、茶と茶菓子を用意しろ」

「はい、ではアクセルさんと皆さん、また学校でお会いしましょう」

 

 茶々丸がペコリと頭を下げ、俺達を送り出す。

 

「ネギ先生、エヴァンジェリンさんにどのような用事なのでしょうか……」

 

 道を歩きながらあやかが不安そうに呟いていたが、大体予想は出来る。修学旅行で自分の未熟さを知ったので修行を付けて欲しいといった所だろう。

 俺達がエヴァの別荘を借りて修行をしているというのを知ってる訳だしそうおかしな話でもない。……まぁ、あやかにその辺を話せば心配しすぎて体調を崩しそうだから言わないが。

 ネギとしても大事な時に人質にされたというのは悔しいんだろうし、な。

 

「ね、アクセル君。学園長室って私達も一緒に行ってもいいの?」

「ああ。円と美砂がこちらの関係者となったというのも報告しておかないといけないしな」

 

 円の質問にそう返しながら校舎へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 目の前にあるドアへとノックをする。

 

「学園長、アクセル・アルマーだ」

「うむ、待っておった。入ってくれ」

 

 近右衛門の許可を貰い、ドアを開ける。学園長室の中では近右衛門が執務用の机に置かれた何らかの書類に目を通して判子を押している所だった。部屋の中に入ってきた俺達を確認し、その書類を横に置いて口を開く。

 

「フォフォフォ。修学旅行ではご苦労じゃったな。それでその2人が?」

「ああ。ある意味カモの馬鹿の被害者だ」

 

 そう声を掛けながら、来客用のソファへと座る。あやかと千鶴は平然と。円と美砂はどことなく緊張した面持ちでソファへと腰を下ろす。

 

「その、確かに色々とありましたが、私はアクセル君と仮契約したのを後悔はしていません。むしろカモ君に感謝しています」

 

 円がそう言うと、美砂もまた口を開く。

 

「私も円と同じです。感謝する事はあっても後悔するなんて事はありません」

「……既に君達2人も経験しておるじゃろうが、魔法に関わると自然と裏の世界に関わる可能性も出て来る。君達が経験した京都での戦い、それと同じような危険にこの先も巻き込まれるかもしれないが、それでも構わないと?」

 

 友人の祖父という立場でもなければ、学園の長という立場でもない。東日本の魔法使い達を統べる関東魔法協会理事としての顔で円と美砂の2人へと視線を向ける。

 だが普通の女子中学生なら間違い無く目を逸らす程の圧力を感じながらも、2人はその視線を真っ正面から受け止めていた。

 

「はい。アクセル君との絆が切れるのを考えたらあの程度はどうという事もありません」

「アクセル君を籠絡する為にも機会は多い方がいいしね」

「そうそう……って、美砂! あんたこの真面目な席で何を……」

「ちょっと、柿崎さん! 今のは聞き捨てなりませんわよ!」

「あらあら、まぁまぁ」

 

 既に近右衛門どころか、俺まで置き去りにしてキャーキャーと騒ぐ3人。その様子を見ていた近右衛門が苦笑を浮かべながら口を開く。

 

「アクセル君は女殺しじゃのぅ。……よかろう。君達2人が魔法の世界へと足を踏み入れるというのを関東魔法協会理事として認めよう。じゃが、魔法には秘匿義務というものがある。それを忘れんようにな」

 

 近右衛門の言葉に黙って頷く2人だった。

 

「ふむ、なら彼女等についての話はこれでよかろう。それで本題じゃが……」

「修学旅行の報酬の件だな」

「うむ。希望はマジックアイテムという事で良かったんじゃな?」

「ああ。こっちの報告書やネギ、エヴァ、あるいは西の長からの話で報酬を決めて貰って構わない」

 

 ちなみに報告書に関しては、昨日この麻帆良に帰った後に書いて提出してある。

 

「うむ。これが報酬じゃ。受け取ってくれ」

 

 そう言って机の上に出したのは木で出来た長方形の箱だった。ソファから立ち上がり、その木の箱を受け取る。中を見ると何らかの札のような物が20枚程入っていた。

 

「これは?」

「転移札という。それを使えば誰でも転移が可能な魔法道具じゃな。ただしその札1枚につき1回しか転移出来ないという使い捨てじゃが」

「ふむ……転移札、ね」

 

 確かに誰でも使える転移魔法というのはかなり使えるマジックアイテムだろう。それに操影術には影を使った転移魔法があるという話だが、俺のレベルではまだ覚えるのは無理らしいのであって困る物ではない。

 だが、やはりと言うか、当然と言うか、俺が欲しかった不老になるタイプのマジックアイテムは貰えなかったようだ。……まぁ、エヴァにもその類は貴重品だと言われていたし無理もないと言えば無理もないのだが。

 

「ありがたく貰っておく」

 

 近右衛門に頷き、転移札の入っている箱を空間倉庫に収納する。

 

「うーん、君のその能力は便利そうでいいのぅ」

 

 その様子を見ていた近右衛門が羨ましそうに呟く。

 

「そうですよね、話には聞いてたけど凄く便利そうですし」

「買い物に行った時に大量の荷物を持たなくてもいいっていうのは確かに羨ましいよね」

 

 美砂と円も同調していた。

 

「俺としては生まれた時からあって当然の能力だからな。逆にこの能力が無いというのはちょっと想像出来ない」

「ね、ね。アクセル君。今日これからは暇?」

「あー、まぁ、特にこれといった用事はないな」

「じゃあ皆で買い物に行こうよ。荷物持ちに便利な能力を持ったアクセル君もいることだし」

「ちょっと、美砂。修学旅行から帰ってきたばかりなのにお金の余裕あるの? 京都とか奈良でも随分とお土産とか買ってたみたいだけど。言っておくけど私も今月はちょっと厳しいんだから貸す余裕は無いわよ?」

「フォフォフォ。楽しそうでいいのぅ。では、アクセル君、また何かあったら頼むかもしれないがよろしく頼むよ」

 

 近右衛門の言葉に頷き、ソファから立ち上がる。

 

「ああ、じゃあ俺はこの辺で失礼する」

 

 俺の言葉に4人もそれぞれ頭を下げたり挨拶をしたりして学園長室を出る。その後を追って学園長室を出る……前に、顔だけ近右衛門へと向ける。

 

「カモや朝倉による仮契約の件、報告書にもきちんと書いてあるから処罰の方を厳しく頼むぞ」

「う、うむ。分かった」

 

 引きつった顔を見せる近右衛門をその場に残し、先に学園長室を出ていた4人へと声を掛ける。

 

「……で、買い物だったか。俺は別に構わないが。駅前にでも行くのか?」

 

 俺の言葉に4人共賛成し、結局その日は5人で買い物やら外食やらを楽しむのだった。

 

 

 

 

 

 翌日。今日は修学旅行が終わってから初めての授業日だ。

 ……いや、そこまで大袈裟に言う事でもないか。

 いつものようにあやか、千鶴、夏美の3人と学校に行く途中で古菲が既に名物となりつつある各種格闘系クラブの対戦希望者相手に無双していたり、それにネギが巻き込まれたりと多少の騒ぎはあったがそんなのはいつもの事とばかりにスルーして教室へと移動する。

 

「ふっふっふ。来たか」

 

 すると何故かそこには面白そうな笑みを浮かべて俺を待ち構えているエヴァの姿があった。

 

「……エヴァンジェリンさんがこうして笑っているのを見るとどことなく不安になるのですが……」

「あらあら、何か面白い事が起こりそうね」

「ちづ姉、いいんちょやアクセル君の様子を見るととてもそうは思えないんだけど……」

「ええいっ、貴様等は取りあえず邪魔だ。さっさと自分の席に行け!」

 

 エヴァに追い払われ、こちらを心配そうに伺いながらあやかが自分の席へと移動する。千鶴と夏美は……まぁ、いつも通りだ。

 

「で、あやかじゃないが、こうして俺をわざわざ待ち構えていたんだ。何かあるんだろう?」

「うむ。実は昨日、お前と入れ違いにぼーやと神楽坂明日菜が来たのを覚えているか」

「ん? あぁ、修行とかそういうのをして欲しいとか言われたんじゃないのか?」

 

 俺のその言葉に軽く首を振る。

 

「少し違うな。正確にはぼーやが私に弟子入りを希望してきた」

「弟子入り、ねぇ」

「ああ。まぁ、正確には今度試験を行ってその結果次第だがな」

「試験? 何でまた。俺達には普通に教えているじゃないか」

 

 そう尋ねると、何故かジト目で見られる。

 

「あのな、お前達には確かに魔法について教えてはいるが、それはあくまでもアドバイス程度のものだ。とても師弟関係とは言えないんだよ」

「……どう違うんだ?」

 

 正直、俺はともかくあやかや千鶴に関してはエヴァが直接魔法を教えているので、その2人はエヴァの弟子と認識してたのだが。俺にしても、基本的にはエヴァの書庫にある本で魔法を習得していっている以上はエヴァの教え子と言えなくもないだろう。そんな俺の説明に何故かコメカミを押さえながら溜息を吐くエヴァ。

 

「そうだな、お前にも分かりやすく言うとすれば……そう、例えば寿司職人になりたい者がいるとする。雪広あやかや那波千鶴に教えていたのはクッキングスクール的な感じで、ぼーやが希望しているのは一流の寿司屋、老舗料亭で修行してその料理長の技術を直接習う……と言えば分かりやすいか?」

「……そんなに違うのか?」

「当然だ。今のは例え話では寿司屋としたがぼーやの希望は魔法に関しての弟子入り、つまりは生死に直結する可能性が高いんだぞ? 自然師匠と弟子の間柄も生半可なものではない。貴様とて京都の一件でその辺は理解しているだろうに」

「まぁ、確かにな。……で、ネギが弟子入りするというのは分かったんだが、何でそれを俺に?」

 

 もしかして自分には弟子がいる! と自慢したいんだろうか。……600年を生きた吸血鬼としてはちょっとアレだが、エヴァの性格を考えると無いとは言えないのは俺の気のせいか?

 だが、俺の質問に首を振るエヴァ。

 

「さっきも言ったが、弟子入りが決まった訳じゃない。試験の結果次第だ」

「試験の結果ねぇ……って、おい?」

 

 ふと嫌な予感に襲われ、エヴァへと尋ねる。するとようやく分かったかとばかりにニヤリと笑うエヴァ。

 

「そうだ。ぼーやの試験で戦う相手はアクセル、お前だ」




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    鬼神化

撃墜数:376

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