転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0336話

 南国に行ってから数日。俺の姿は例の如くエヴァの別荘の中にあった。

 周囲には俺の他にもエヴァ、茶々丸、チャチャゼロのエヴァ一味。あやか、千鶴、円、美砂の従者4人組。そして……

 

「今日は妙に人が多いわね。アクセル達もここで修行?」

「あ、そう言えばアクセル君達と一緒に修行するのって初めてだね」

 

 いつもの前庭でこちらへと話し掛けてくる神楽坂とネギ。

 

「のどか、これは現実でしょうか。ジオラマの中に入るなど……」

「ユエ、しっかりして。この程度で現実逃避してるようじゃこの先大変だよ」

 

 己の知識欲に従い、魔法の世界へと足を踏み入れる事にした綾瀬とネギの従者である宮崎。

 

「せっちゃん、今日は人数多くて嬉しいわぁ」

「このちゃん、人数が多いとなるとよけいに激しい修行になりそうな気が……」

 

 こちらもネギの従者である近衛と、その護衛の桜咲。

 

「激しい修行は望む所アル」

「取りあえず私は見学の方向で」

 

 周囲の様子を見てワクワクが止まらない古菲に、ネギの庇護に入っている朝倉。

 総勢16人。……クラスの半分近い人数がここにいるのだった。

 

「で、俺達を呼んだのは当然何か理由があるんだろう?」

 

 隣に浮いているエヴァへと声を掛ける。

 

「ああ。一度お前達のパーティと集団戦闘をさせようと思ってな」

「んー、それはちょっと難しくないか?」

 

 例えば俺のパーティにしても、俺とあやか、千鶴はそれなりに魔法の習得をして修学旅行でもある程度の実戦経験を積んでいる。だが、円と美砂はここ最近ようやく魔法を習い始めたばかりなのだ。その状態で実戦訓練というのは……

 神楽坂や近衛達と話している円達をチラリと見ながら俺の隣に浮いているエヴァへと言う。

 

「さすがに私もそこまでは考えてないさ。お前の新しい従者2人は今日は見学だ。戦闘に出るのはお前と雪広あやか、那波千鶴の3人。ぼーや達の方は、ぼーやに神楽坂明日菜、桜咲刹那、古菲の4人か。本音を言えばお前の新しい従者2人や宮崎のどか、近衛木乃香といった面々にも参加させてやりたい所だが、基礎も何も無い殆ど一般人が戦闘訓練に参加しても邪魔になるだけだからな。今日の所はお前達だけにしておく」

「まぁ、それなら」

「そうですね。大体そのくらいでいいかと思います」

 

 俺が頷くと、近くで話を聞いていたネギもまた頷く。

 

「え? でもこっちが4人であっちが3人っていうのはちょっとアクセル君達が不利やない?」

「お嬢様……」

「せっちゃん?」

 

 いつもの癖で近衛をお嬢様と呼んだ桜咲に、ニコリと微笑みながら顔を覗きこむ近衛。ただし、そこからは千鶴が良く発するような得体の知れないプレッシャーが漂っている。

 

「こ、このちゃん。アクセルさんの実力を考えるとこっちが圧倒的に不利です。と言うか、アクセルさんとそれ以外で分けてもいいくらいに」

「え? せっちゃんでもアクセル君に勝てないん?」

「……残念ながら。彼が京都で見せた戦闘力を考えるとエヴァンジェリンさん以外では、まず1人で立ち向かうのは無理だと思います」

「そーよ、このか。鬼を殆ど1人でばっさばっさと倒すわ、私とネギが2人掛かりでも互角だった子供を瞬殺するわで残虐無残鬼畜非道と言ってもおかしくないんだから」

 

 ……神楽坂、それはちょっと言い過ぎだろう。

 

「ぼ、僕はあの時眠らされていてアクセル君が戦う所は見てないんですが……そんなに凄いんですか?」

「あんただって弟子入り試験の時に……そう言えばそうか。何故かあの時は手加減してくれたのよね。実際ネギを殴ったのなんか数える程だったし。……まぁ、それでも最終的には気を失ったけどね」

「うっ……」

 

 そんな話を聞いていたエヴァが苦笑を浮かべながらネギ達へと声を掛ける。

 

「安心しろ。アクセルが使うのは魔法と瞬動系のみとさせてもらう。アクセル固有のスキルは使用不可だ」

「……闇の魔法もか?」

「当然だろう。あれを使ってしまえばそれこそ瞬殺に近くなるしな」

「あれ? アクセル君って闇属性にも適性あったの? 今までは炎がメインで補助に影って感じだったと思うんだけど」

「あー、いや。そうじゃなくてな」

 

 ネギへと説明を使用とするが、何故かエヴァに目で止められる。

 

「その辺については今はいい。取りあえずお互い準備しろ。もちろんアーティファクトを使っても構わんぞ」

「まぁ、アーティファクトが無いと私は攻撃手段が無いしね」

 

 あやかに千鶴も異論は無いようで頷いている。

 

「それではお互い、そうだな……10m程距離を取れ。それと魔法を使う場合の魔力はギリギリまで低く抑えるように。近接攻撃は……ハリセンと拳法と神鳴流の達人とアクセルだ。殺さなければいいか。あぁ、雪広あやかの鞭に関しては刃先の使用は禁じる」

 

 エヴァの言葉に従い、ネギパーティの面々と距離を取る。

 

「あやかは鮮血の鞭と魔法で中距離から俺のフォロー。千鶴は後衛でフォローだな」

「分かりましたわ」

「ええ」

 

 2人が頷くのを見て、敵の戦力を分析する。神楽坂、古菲が前衛。桜咲も基本的には前衛だが、神鳴流には遠距離攻撃も多くあるし陰陽術も多少は使える筈で、何よりも空を飛べるというのが厄介だ。ネギは今の所はまだ基本的には後衛と見てもいい、か? 中国拳法の修行をしているといった所でまだまだこちらに通じる程の腕は持たないだろうし。となると、まず最初に潰すのは魔法無効化能力を持ってる神楽坂だな。時点で桜咲、ネギ、古菲の順か。

 俺が狙うべき相手を決めるといつでも反応出来るように意識を研ぎ澄ます。そして……

 

「始めっ!」

 

 エヴァの号令が掛かったと同時に瞬動を使用。こちらへと踏み出そうとしている神楽坂の懐へと入り込む。

 

「え?」

 

 いきなり目の前に現れた俺を見て惚けたような声を上げる神楽坂。それに構わずに鳩尾へと拳を……

 

「っ!?」

 

 叩き込む瞬間、こちらへと向けられた視線と何かが振り下ろされる音を感じ取り、咄嗟に瞬動でその場を離れる。同時に。

 

「斬空閃!」

 

 つい数瞬前まで俺がいた場所を桜咲の飛ばした剣閃が曲線状の形を取りながら通り過ぎていった。

 

「アスナさん、アクセルさんを相手に一瞬でも気を抜いては駄目です!」

「で、でも何かいきなり目の前に出て来たわよ!」

「瞬動という技術です。アクセルさんのあれは入りも抜きもかなり滑らかでこちらに違和感を抱かせない……気をつけて下さい」

 

 最優先目標の撃破を阻まれた俺は、一端2人から距離を取る。

 

「あやか、千鶴!」

「はい!」

「任せて!」

 

 その声と同時に、2人から魔法の射手が放たれる。あやかからは氷の矢、千鶴からは風を使った戒めの矢だ。

 その矢は桜咲へと向かい……

 

「任せて!」

 

 前に出て来た神楽坂のハリセンを振り回され、氷と風の矢は一掃される。

 その様子を見ながら、俺を避けるようにして千鶴の方へと回り込んでいく古菲の姿に気が付いた。

 

「千鶴!」

「私を中心に半径1mに領域を指定。赤の石よ、その力を示せ」

 

 千鶴のアーティファクトが守護領域を展開するのと同時に、ガツッという音が周囲へと鳴り響く。その音の出所は古菲の拳と守護領域がぶつかり合った音だ。

 

「千鶴さんはやらせませんわ!」

 

 あやかの魔力を通して、鮮血の鞭が9本別々の軌道を描きながら古菲へと迫る。それを見た古菲は後ろへと大きく跳躍してあやかから距離を取った。

 同時に、こちらへと迫ってくる100本近い光の矢。さすがに瞬動だけでそれを回避するのは難しいので始動キーを省略して魔法を発動させる。

 

『5の影槍!』

 

 その呪文と共に俺の影から伸び上がった5本の影槍は俺の全面に並んで展開して壁となる。

 ガガガガガガガッ!

 同時にそこに連続して着弾する光の矢。しかし、それらは影の防壁を破れずにそのまま消滅していく。

 

「アスナさん!」

「分かってる!」

 

 ネギの指示を聞き、ハリセンを構えてこちらへと走ってくる神楽坂。そのハリセンの効果で影槍を消そうとしているのだろう。だが、そう見え見えの行動は簡単に利用されるぞ。

 

「えーいっ!」

 

 ハリセンが振り下ろされる瞬間、影槍を消し去る。思い切り力を入れて殴りつけようとした対象が突然消えたらどうなるか。

 

「きゃあっ!」

 

 その答えは、ハリセンを叩き付けようとした勢いのままに予想外の力が加わってその場で転ぶ、だ。

 

「残念」

 

 転んだ神楽坂の背後へと回り込み、その首筋へと手刀を叩き付ける……寸前で止める。

 

「神楽坂明日菜、敗退。邪魔にならない場所に移動しろ」

「はーい……」

 

 エヴァの言葉を聞いてトボトボと近衛の方へと歩いて行く神楽坂。その様子を見ながら、鮮血の鞭で古菲へと攻撃を続けているあやかと魔法の撃ち合いをしているネギと千鶴。どちらも一見互角か攻めているこちらが有利なように見えるが、実際は不利な状況だ。あやかは攻撃をやめれば一撃で倒される可能性が高いと分かりきっているので攻撃を続けているだけだし、千鶴は魔法の習熟度という点では遠くネギには及ばない。だが、それでも時間を稼いでいるという点では助かっているのだろう。

 そんな様子を一瞬で確認しつつも、要注意人物の桜咲の姿を探すが見つからない。……いや、上か!

 咄嗟に視線を上へと向けると、そこには純白の翼を使って飛んでいる桜咲の姿があった。そしてやがて翼を畳んで一直線に急降下を……狙いはあやかかっ!

 

「ちぃっ!」

 

 瞬動を利用し、宙に浮いたところで虚空瞬動を発動、発動、発動。

 

「っ!?」

 

 空を跳びはねて近付いてくる俺に気が付いたのだろう。慌てて翼を広げて空中で姿勢を整え、こちらを迎え撃つ準備をする桜咲。

 

「そうそう好きにはさせませんっ!」

 

 真横に一閃された大太刀――当然峰打ちだ――を再度虚空瞬動を使う事により回避し、右手を突き出す。

 

『アリアンロッド 目醒め現れよ燃え出づる火蜥蜴、火を以ってして敵を覆わん……紫炎の捕らえ手!』

 

 魔法が完成すると同時に前方に炎の円柱が完成し、地上から伸びたそれは空を飛んでいる桜咲をも炎柱の中へと捕縛する。

 

「せっちゃん!」

「安心しろ。あれは捕縛魔法で攻撃力は一切無い」

 

 下の方でそんな風な会話が聞こえて来るが俺は更に虚空瞬動を使い円柱の真上まで移動する。そう、この魔法は確かに捕縛魔法だが、内部から破壊するというのはある程度以上の使い手にとってはそれ程難しくはないのだ。現に。

 

「神鳴流奥義、百烈桜華斬!」

 

 その声が聞こえると同時に円柱は破壊され無傷の桜咲の姿が現れる。

 

「アクセルさ……ん?」

 

 続いて攻撃を使用とした桜咲だったが、既に俺の姿は目の前に無い。

 虚空瞬動を使い、桜咲の真上から攻撃をする。

 

「しまっ!」

 

 風切り音か何かでこちらに気が付くが、既に遅い。桜咲の横を通り抜け様に右足をひっつかみ、そのまま強引に落下していく。……そう、あやかの攻撃を冷静に捌いている古菲のすぐ側へと。

 一瞬こちらを見たあやかは、最後の仕上げとばかりに9条の鞭を魔力で操りながら古菲の注意がこちらへと向かないように猛攻を仕掛ける。そして俺は桜咲の足を引っ張ったまま地上へと落下を続け、ギリギリの所で再度虚空瞬動を使って勢いを弱めた。

 

「っ!?」

 

 その音で気が付いたのだろう。こちらを振り向こうとした古菲だったがその首の後ろを桜咲の足を持っていない方の手でガッシリと鷲掴みにする。

 

「桜咲刹那、古菲の2名は敗退。邪魔にならない場所に移動しろ」

 

 地面へと降ろした桜咲と古菲が神楽坂の下へと向かう。

 ……ちなみに、桜咲の足を掴んで色々と空中を移動していたがスパッツを身につけていたので問題無いと思われる。

 

「千鶴はそのままネギを引きつけておけ。あやか、千鶴の援護を」

 

 俺の言葉に頷き、千鶴が再度守護領域を発動する。あやかは攻撃する時は守護領域の外に出て、それが終わるとまた中へと戻るという行動を繰り返していた。

 その様子を見ながら、瞬動でネギへと近づき……

 

「兄貴、横からアクセルの兄貴が来てるぞっ!」

 

 ネギの肩に乗っていたカモがそう忠告するが、すでに俺はネギの懐へと潜りこむ事に成功していた。

 

『3の影槍!』

 

 そして俺の影から3本の影槍が伸び……

 

「そこまで! この戦いはアクセルチームの勝ちとする」

 

 ネギの眼前にピタリと3本の影槍が止まった所でエヴァが試合終了を告げるのだった。




名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    鬼神化

撃墜数:376

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