転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0023話

「アクセル・アルマー少尉、シャドウミラー隊特殊処理班に到着しました」

 

 部屋の中にいたヴィンデルに敬礼する。

 

「ご苦労。シャドウミラー隊隊長ヴィンデル・マウザー少佐だ」

 

 ヴィンデルから返礼を貰い、一段落。

 と言うか、また階級上がってるのか。シャドウミラーが実働態勢に入った為か?

 部屋の中にあるソファに腰を掛け、いつも通りの口調に戻りヴィンデルと話をする。

 

「さて、これで堅苦しいのは終わりだ。シャドウミラーの研究・開発を任せる事になる人物がそろそろ来る予定だからもう少し待っていろ」

「了解。にしても、よくこんな大きな基地に出来たばかりの新設部隊を捻じ込めたな。ラングレー基地と言えば北米最大級の基地で、おまけに北米防衛の要とも言われている場所だろ?」

「ふ。まぁ、その辺は色々と政治的なやり取りがあったのさ。それに私達はここの命令系統に組み込まれていない以上、あくまでも仮初めの客でしかない」

 

 確かに。その基地の命令系統に含まれていない特殊部隊なんて存在はその基地に所属している軍人達にしてみれば身内意識は持ちにくいか。

 こちらも特殊部隊なんて性質上、気軽に基地所属の軍人に接触して、間違えて機密を漏らしてしまいましたなんて事になったら笑い話にもならない。

 

「という事は、そのうち本当にシャドウミラーだけの基地が必要になるんじゃないか?」

「ああ、その辺は現在建造中だ。ただ、シャドウミラー発足までに時間が無かったからな。今はこの基地に世話になっている訳だ」

「なるほど。じゃあT-LINKシステムなんかは?」

「そうだな、そっちの基地に移ってからになるだろう。それまでは普通の機体で我慢してくれ。部隊としての実績を上げていけばその辺の融通も利くようになってくるんだろうが」

「実績ねぇ」

 

 結局は結果が全てという事だろう。その実績で上からの信用やらなにやらを貰い、部隊を強化していく訳だ。

 

「で、その実績についてだが来週早速その機会がある」

「来週? まだ部隊としての連携訓練も何も出来てないんだが」

「安心しろ、今回の敵は小さなテロ組織だ。何より1度の実戦は数度の訓練に勝る。そして今回の標的程度の相手に苦戦するようなら、これからシャドウミラーとしてはやっていけないだろう」

 

 まぁ、確かに訓練よりは実戦が部隊としての経験値を積むのにいいのは確かだろう。だが、その実戦の前に最低限の訓練はしておきたい所だが。

 

「了解、1週間ね」

 

 1週間でなんとかするしかないのだろう。

 

「そう不安になる事もない。言っただろう? 小さなテロ組織だと。あちらの戦力はF-28メッサーが数機に、71式戦車バルドングが数機といった所だ」

「うわ、どこからの払い下げだ?」

 

 相手の戦力を聞き、ひとまずは安心する。

 F-28メッサーに71式戦車バルドング。両方とも数世代前の兵器であり、機動兵器の技術が日進月歩的に進化しているこの時代ではまさに骨董品と言っても構わない戦闘機と戦車だ。

 もっとも、骨董品でも兵器は兵器。人を殺す目的で作られている以上、安心しすぎて油断するなんて真似は出来ないが。

 

「アクセルの隊長のデビュー戦でもあるし、部下に舐められないようにな。特殊部隊に引き抜いただけあって、癖が強いのが多いぞ」

「了解。ま、舐められない程度には活躍してみせるさ」

 

 ヴィンデルと話していると、ドアがノックされる。

 

「入れ」

 

 ヴィンデルの言葉に入って来たのは1人の女だった。

 年齢は俺やヴィンデルとそう変わらないだろう。桃色の髪が肩に掛かるくらいの長さになっている。

 ヴィンデルから感じる印象が覇気なら、こちらは退廃といった所か。ただ、その美貌の中でも特に印象深いのが高い知性を感じさせる眼だ。

 既に言うまでもないだろうが、レモン・ブロウニングその人だった。

 いや、その人物がレモンだという事は知っていた。知っていたんだが、その姿を眼にした瞬間その存在に眼を奪われてしまった。

 ……見惚れてしまった、と言ってもいいかもしれない。

 正直、俺がアクセルだけにレモンに惹かれるという可能性は考えていた。だが、それがあくまでも考えていただけだったというのがはっきりしてしまった。

 あるいは、これも歴史の修正力とかそういうものなのだろうか。

 

「アクセル。彼女が先程言った、シャドウミラーの研究と開発を任せる人物だ。以前ちょっと話題にも出したから覚えているかも知れないが、名前はレモン。レモン・ブロウニング」

 

 ヴィンデルの声で我に返る。

 

「そうか。俺はアクセル・アルマーだ。レモン、よろしく頼む」

「ええ、任せておいて頂戴」

 

 お互いに挨拶をしながら、握手を交わす。

 

「面通しは済んだな。先程アクセルには言ったが、1週間後にシャドウミラーの初の作戦行動が予定されている。対象は小規模なテロ組織でどちらかと言えば訓練の意味合いが強い。レモンは機体の整備等よろしく頼む。アクセルは搭乗機体を決めておいてくれ。以前話した機体は大体揃えてある」

「分かった。それで今回はヴィンデルは出るのか?」

「そうだな。記念すべき最初の作戦だ。部隊長の私も一緒に出撃した方がいいだろう」

「私は?」

 

 俺とヴィンデルの会話にレモンが尋ねてくる。

 戦闘要員ではないレモンだが、原作ではエースパイロット級の戦闘力は持っていた筈だ。

 まぁ、エクセレンをベースに強化されて蘇生したんだし素質的には問題無いだろう。

 

「どうするんだ、アクセル? 特殊処理班の隊長はお前なんだし、お前が決めてくれ」

「そうだな、PTなんかの操縦経験は?」

「それなりには経験があるけれど、貴男みたいに士官学校のパイロットコースを卒業した訳じゃないから過度に期待されても困るわ」

「取りあえず、ランドグリーズ辺りで後方から支援射撃とかしてみるか?」

 

 現状のシャドウミラーで使う機体の中でも、遠距離射撃に向いていて防御力も高いとなるとランドグリーズが1番に思い浮かぶ。

 だが、その言葉はすぐにレモンに否定された。

 

「確かにランドグリーズなら貴男の言う通りだけど、どうせならラーズアングリフに乗ってもいいかしら?」

「ラーズアングリフ? ランドグリーズの上位機種だったか?」

 

 正直、原作でもスパロボAでもアシュセイヴァーを使用していたので、ラーズアングリフ系統には余り詳しくない。ユウキやカーラのノイエDC組が乗っていた機体だったか?

 

「上位機種と言うのもあながち間違って無いわね。ただ、正確に言えば強化型カスタム機よ。具体的にはランドグリーズの火力と装甲を強化した機体になっているわ」

 

 レモンが笑みを浮かべつつ、機体の説明をする。

 ふむ、ならいいか。

 

「そうだな。じゃあその機体で出撃してくれ」

「いや、ちょっと待て」

 

 何故か呆れた口調のヴィンデルが待ったを掛ける。

 

「何かしら?」

「ラーズアングリフがランドグリーズよりも高性能な機体なのは分かった。だが、私はその機体が搬入されているという話は聞いていないのだが? 私が把握している限りでは後方支援系の機体はランドグリーズが3機のみだ」

「特殊兵装技術研究所からお土産に2機貰ってきたの」

 

 ……自由だな。

 ヴィンデルの方を見ると、こちらも呆れた表情をしている。

 

「持ってきた物はしょうがない。この件はこちらで処理しておく。他には持ってきた物はないな?」

 

 確認するようなヴィンデルの問いに、レモンは平然と口を開いた。

 

「機体は残念ながらラーズアングリフしか持ってきてないわ」

「……まぁ、いい。機体がその2機だけならどうにかなるだろう」

 

 機体は、という事は他に何か持ってきたのか、聞きたい。正直、もの凄く聞きたい。

 ヴィンデルの表情を見る限り、あっちもそうなのだろう。

 

「シャドウミラーは基本的にこの3人で動かしていく事になる。幸い私はアクセルの事もレモンの事もそれなりに知っているから、後は2人で相互理解を深めておくように」

 

 仕事があるからと、部屋から追い出される俺とレモン。

 

「さて、相互理解を深める為にもバーで1杯、と行きたい所だが1週間後には出撃を控えている身だ。早い所自分の機体を見ておきたいんだが、構わないか?」

「ええ、シャドウミラーに割り当てられている格納庫はこっちよ」

 

 レモンの後を追いかけ格納庫へと向かう。

 

「それにしても貴男、士官学校を3年間主席で卒業したと言う割にはあまりエリートっぽくないわね」

「エリート、ねぇ。俺はパイロットコースの出身だからな。これが参謀コースや4軍コースならそれこそエリートだろうさ」

「へぇ、ヴィンデルみたいに?」

 

 ……どうだろうか。確かにヴィンデルはエリートだろう。何せ俺と大して変わらない年齢で既に少佐だ。だが、個人的にはエリートというとプライドだけが高い人物のようなイメージがある為、どうにもヴィンデル=エリートとはイメージ出来ない。

 もっとも、ユーリアの例もあるんだし結局俺のイメージはあくまでもイメージでしかないのだろうが。

 

「そうかもしれないな。それよりレモンこそ特殊兵装技術研究所なんて所にいたんだからそれこそエリートだろう?」

「さて、どうかしらね? 少なくてもあの研究所の人達は私を同僚だとは思ってなかったみたいよ?」

「天才は理解されないって奴か?」

 

 なにせ、原作ではシャドウミラーの使用する量産機以外の機体の殆どを作ったり、Wシリーズを製造したり、あっち側の技術を貪欲に吸収してツヴァイザーゲインを完成させたりたりとまさに八面六臂の活躍だ。

 エクサランスチームにいるミズホも大概だが、レモンもそれに勝るとも劣らずと言っていいだろう。

 

「変な人ねぇ。何であったばかりの私をそんなに評価出来るのかしら?」

「そりゃあ、あのヴィンデルがわざわざ引っ張ってきた科学者なんだし、無能な筈が無いだろう?」

「あら、そういう意味じゃあアクセルも同じよ? と言うか、貴男の方が凄いと思うわよ? 私は曲がりなりにも現場で働いていた科学者だけど、貴男はまだ学生だったんでしょう? それなのにあのヴィンデルが直々にスカウトに行ったくらいなんだから」

 

 そりゃそうか。普通に考えればそうなるか。

 

「さて、貴男とのお話も楽しかったけど、そろそろお仕事の話をしましょ。そこのドアを入れば格納庫だから」




名前:アクセル・アルマー
LV:9
PP:35
格闘:142
射撃:160
技量:152
防御:149
回避:177
命中:199
SP:214
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:A
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
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スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.7
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撃墜数:5

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