転生とらぶる   作:青竹(移住)

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基本的にオリジナルキャラを出す予定はなかったのですが、マルティン以外の隊員にも名前がないと非常に不便ですのでモブ扱いになることは確定とは言え、名前付きのオリキャラを登場させてしまったのが微妙に不満です。



0025話

「はい、紅茶で良かったかしら?」

 

 レモンの研究室の中の応接セットで、俺に紅茶を渡してから向かいに座るレモン。

 正直、これが俺の秘密云々という話じゃなくて、普通に2人でお茶を飲んでいるのだったらどれ程良かった事か。

 

「ああ。特に拘りは無いから自販機の紅茶でも全然構わない」

「もう、持て成しがいのない人ね」

 

 少し拗ねた様子のレモンを眺めつつ、紅茶を1口。

 

「ん、美味いな」

「それはどうも。さて、それじゃあ貴男の秘密とやらを教えてもらいましょうか」

 

 さて、鬼が出るか蛇が出るか。

 紅茶が出されるまでに必死になって考えた俺の設定を口に出す。

 まさか俺は転生者で、スパロボOGsをゲームとして知っていたからWナンバーズの事を知っている、何て話を本気で喋ったら呆れられて馬鹿にされるだけならまだマシな方で、下手したらそのまま強制除隊だ。そうなってしまったら、今日まで頑張ってきた事が無駄になってしまう。

 

「ちょっと話は戻るが、俺が念動力を使えるのは知ってるな?」

「ええ、時流エンジン以外にも興味が惹かれるものがあったからヴィンデルからのスカウトに応じたんだし」

「で、正確には俺の能力は念動力だけじゃない。未来の事が分かる、いわゆる予知能力もあったりする」

 

 予知能力の単語に、ポカンとするレモン。

 ただまぁ、それ程無茶な設定ではない筈だ。原作でもラーダやシャインが予知をスキルとして持っていたからな。気力130以上で反撃時の回避率+30%とかなり強いスキルだったと思う。

 実際、アニメの方ではシャインが予知能力で敵の攻撃を回避しまくっていたんだし公式にも強スキルと認識されているのだろう。

 

「予知能力、ねぇ」

「まぁ、いつでも自由自在に未来が分かるって訳じゃないけどな。時々不定期に頭の中に未来の事象を浮かべる……いや、思い出す? まぁ、そんな感覚だ」

「さすがに自由自在という訳にはいかないのね」

「そりゃあな。もし自由に未来予知が出来るんなら、軍人なんかやってないでギャンブルで一攫千金を繰り返して豪遊してるさ」

 

 もっとも本当に予知能力があってそんな事をしていれば、それこそアードラー・コッホやアギラ・セトメみたいな色々と逝っちゃってる奴等に目をつけられるだろうけど。

 

「で、さっきはその予知能力であの子達の何かが見えたって訳?」

 

 さて、どの札を切るべきか。

 ラミアは主人公格だけに、下手な干渉をすると原作の流れが歪む可能性がある。そうなると、エキドナかウォーダンだな。

 

「Wナンバーズの1人が仮面を被って巨大な特機で戦っているシーンがな」

 

 結局切る札はウォーダンにした。

 エキドナはラミアとの接触回数が多い為に、より安全な方を選ぶべきだと判断したからだ。

 

「まぁ、念動力自体がまだまだ未知の能力ですものね。予知なんておまけがあっても不思議じゃないけど……」

 

 納得してくれたかと思ったが、まだ微妙に疑いの眼差しでこちらを観察している。

 

「まだ信じられないか?」

「信じられないと言うか、微妙に私の女の勘がちょっと、ね」

 

 女の勘で見抜くとか、恐ろしすぎる。

 誤魔化すように紅茶を口に運び、レモンの疑惑を受け流す。

 

「ま、しょうがないわね。今日の所は信じておいてあげる」

 

 取りあえず誤魔化す事になんとか成功した俺は、今度こそ本当に時流エンジンやモントーヤ博士の事でレモンと楽しく会話したのだった。

 

 

 

 

 

「俺がこの特殊処理班の隊長を務めるアクセル・アルマーだ。よろしく頼む」

 

 レモンとの危ない出来事の翌日、俺は会議室で特殊処理班の面々と初顔合わせをしていた。

 会議室にいるのは、俺と特殊処理班に配属された部下達4人の合計5人だ。

 ……将来的に連邦に反旗を翻すシャドウミラーの実行部隊が隊長含めて5人というのはさすがに寂しいものがある。まぁ、新設の部隊なんだしその辺はしょうがないのか。

 結局俺がヴィンデルから言われて選んだパイロットはマルティン・ロメロのみで他はヴィンデルが選んだパイロットだ。

 新設部隊に配属された4人は全員がまだ若い。

 1番年上なのが20代半ばくらいのマルティンだと言えば、その若さが実感できるだろう。

 本来なら古参の兵士を最低1人は欲しかったのだが。

 

「マルティン・ロメロ曹長です。以前は南米にあるエクアドル基地でPTパイロットをしていました」

 

 最初にマルティンが敬礼しながら挨拶する。

 ただ、あからさまにこちらの実力を推し量るような雰囲気を出している。

 どうやら、この男が1番の曲者だな。まぁ、それ故に腕にも自信はあるんだろうが。と言うか、これで腕が悪かったら推薦した俺の人を見る目の無さに泣けてくるのでそれは無いと信じたい。

 そんな風に考えている間に、他の3人の自己紹介も終わった。

 ちなみに、他の3人はそれぞれアル、ボビー、フルストというらしい。

 

「さて、自己紹介が終わった所で早速だが、各々の搭乗機体を決めてもらう」

「は? 隊長が自分達に割り当てるんじゃないんですか?」

 

 俺の言葉に驚きの表情を浮かべるマルティンだが、効率的に考えた場合は自分の特性にあった機体を自分で選んだ方がいいと判断した。

 その辺の新兵なら自分の特性も何もあったものじゃないだろうが、新設とは言え特殊部隊に配属されたパイロット達だ。自分たちの特性ぐらい理解出来ているだろう。

 

「いや、お前達が乗る機体だ。自分達で決めろ。ただし、自分の特性に合っていてきちんと乗りこなせる機体を選ぶように。言い忘れたが、その機体を使い来週早速任務が入っているからその辺も考慮するようにな」

「は? 来週ですか? ですがまだ訓練も何もやってませんが」

「俺もそう言ったんだが、指揮官であるヴィンデルからの命令でな。と言っても、相手は本当に小さなテログループだ。使用している兵器も数世代前の戦闘機や戦車が殆どだそうだ」

 

 その言葉にホッとするマルティン達。

 さすがにいくら曲者とは言えども、DC残党のような手練れ揃いの部隊と戦闘になるのは御免らしい。

 

「という訳で、今からそれぞれの乗機を決めて午前一杯は調整の時間とする。午後からは早速模擬訓練に入るので昼食が終わったら格納庫に集合。機体に関しては、格納庫にいる整備員に言えば問題無いだろう。では、解散」

 

 敬礼をし、会議室を出て行く。

 あいつらがどんな機体を選ぶのかは午後のお楽しみだ。

 アシュセイヴァーの調整は昨日の時点でもう済んでいるので、午前一杯はそれなりに時間があったりする。

 

「隊長じゃなかったらなぁ」

 

 そう、俺は紛れもなく特殊処理班の隊長。すなわち一般隊員達には無い書類仕事が待っている。どうせなので折角空いた午前中は書類仕事を片付ける事にするかね。

 

 

 

 

 

 午後、格納庫にはシャドウミラー隊特殊処理班の面々が揃っていた。

 

「さて、午前中にも言った通り午後からは実機での訓練となる。まずはそれぞれ自分の乗機に何を選んだか報告してもらおうか」

 

 マルティンへと視線を向ける。

 

「では、自分が代表して報告させてもらいます。まず、自分は量産型アシュセイヴァーを選びました。理由としては、元々強襲が得意だったのでそのコンセプトで作られた機体を選びました。そして他の3人は全員量産型ゲシュペンストMk-Ⅱとしました。これは彼らが基本的に万能型で近距離・遠距離共にそれなりにこなせるのが理由です」

 

 ふむ、なるほど。量産型ゲシュペンストMk-Ⅱは苦手な距離が無いだけに俺やマルティンのフォローとしても期待できる、か。

 

「分かった。では早速実機演習とする。各々機体に乗り込め」

 

 4人に声を掛け、俺もアシュセイヴァーが待機している場所へと向かう。

 コックピットに座り、アシュセイヴァーを起動させ各機へと通信を送る。

 

「さて、準備はいいな。まずは自己紹介代わりの模擬戦と行こう。各々モードを模擬戦へと変更」

「了解」

 

 全員の声が揃い、俺のアシュセイヴァーを含めた合計5機の機体が格納庫から基地の外へと移動する。

 このラングレー基地は北米最大規模という事もあり、模擬戦用のフィールドが用意されている。OG1のキョウスケルートで、エクセレンと共にAI戦車と戦ったあの場所だ。

 ぱっと見だと普通の基地施設のように見えるが、模擬戦用のフィールドだけあり基地施設は中身のない張りぼてだ。

 もっとも俺はゼンガーのように実弾訓練をするのは御免だが。

 

「各機、武装が模擬戦用のものになっているかを確認しろ。不慮の事故なんて御免だからな。その後、俺とアルのチームにマルティン、ボビー、フルストの3人のチームに分かれてから10分後に模擬戦開始だ」

 

 アシュセイヴァーの武装が模擬戦用――ペイント弾等――になっているのを確認し、アルと共に自分達のスタート地点へと向かう。

 

「隊長、あっちが3人で大丈夫なんですか?」

 

 移動しながら、アルの量産型ゲシュペンストMk-Ⅱから通信が入る。

 初の実機訓練だけに、負けたくはないのだろう。

 もちろんそれは俺も同じだ。

 

「そうだな。人数的にはこっちが不利だが、オレのアシュセイヴァーはマルティンの量産型と違ってソードブレイカーが装備されている。その戦力差を考えればしょうがないだろう」

 

 実際、ファンネルの如くオールレンジ攻撃が出来るわ、それ自体が近接戦闘用の武器にもなるのを考えるとまだこちらが有利だろう。だが、だからと言って俺1人対4人というのではさすがにこちらが不利すぎる。

 にしても、こうして考えてみるとソードブレイカーってどちらかというとファンネルよりもガンダム00のファングに近いのか。

 

「隊長、そろそろ時間です」

 

 アルからの声を聞き、アシュセイヴァーで模擬戦を開始した。




LV:9
PP:35
格闘:142
射撃:160
技量:152
防御:149
回避:177
命中:199
SP:214
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:A
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   ???
   ???
   ???
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.7
    ???
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    ???

撃墜数:5

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