転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0364話

 麻帆良祭が終わってほぼ1月。大きなイベントこそ無かったものの、細々としたイベントはかなりあった。

 その細々としたイベントの中でも一番大きな物はと言えば、俺は関わっていないがネギが図書館島の地下にいるというアルビレオに会いに行った事だろう。俺は同行しなかったのであくまでもネギと一緒に行ったメンバーの中の1人である小太郎から聞いた話でしかないのだが、何でもアルビレオはナギ・スプリングフィールドと仮契約を結んでいたらしい。

 ……男同士でキスをしたのか? という疑問もあったが、仮契約にはキス以外の方法もあるらしいので恐らくそっちを使ったのだろう。……と言うか、俺の精神衛生上の為にもそうであって欲しいと願う。

 で、アルビレオが仮契約で手に入れたアーティファクトというのが何やら他人に変身出来る能力らしく、それでナギ・スプリングフィールドに変身してネギが稽古をつけてもらったという話だ。ちなみに小太郎も最後の数分だけネギと一緒に稽古をつけて貰ったらしいが、殆ど一方的に攻撃されて回避や防御するだけで精一杯だと悔しがっていた。

 それで、ネギは最後の最後に『お前は俺じゃなくてお前自身になりな』とか言われたとかなんとか。

 本当は麻帆良武道会の決勝でネギと戦うという演出をしたかったらしいが、準決勝で俺が精神コマンドの直撃を使って倒してしまったからな。試合会場で消え去った後はそのまま本体のある図書館島に戻されて、結局麻帆良祭の期間中は外に出られなかったらしい。元々アルビレオは麻帆良祭の時に世界樹に集まってくる魔力を使ってようやく分身体を作っていたので麻帆良祭でもなければ図書館島の外に出られないらしいのだが……まぁ、俺とぶつかった不運を恨んでくれ。

 せめて反対のブロックにいたら俺と戦う前にネギと戦えたんだろうが。

 ただ、向こうは向こうで俺のどこが気に入ったのか、俺に対して妙に好意的であったらしい。小太郎がお土産として大量のクッキーやケーキを預かってきていた。

 ……いずれ俺も一度は図書館島に行かないと駄目かもしれないな。

 

 他には、春日が働いている教会の懺悔室が妙に流行ったり、かと思えばその懺悔室が爆発したなんて噂もあったな。翌日に教室に来た春日は怪我もしてなかったから、あくまでも噂は噂でしかないのだが。

 春日と言えば、地味に魔法生徒であるのが神楽坂を始めとしたネギパーティにバレてしまったらしい。何気に麻帆良祭でもそれなりに活躍してたとか近衛に聞かされてちょっと驚いた記憶がある。

 あぁ、バレたのはネギパーティだけじゃないな。俺の従者4人にも当然バレた。春日が魔法生徒だというのを知っていた俺以外には軒並みバレた訳だ。

 

 他にも、ネギが大浴場で何かをなくしたとかで大河内と一緒に探したりしたとかいう話も聞いたな。その時のネギの感想が『優しくて力持ち』らしい。……なにげに乙女なタイプの大河内にとってはそう書かれた生徒名簿を見てショックを受けていたりするのは見ていて可哀想なものがあった。

 

 後は思い出す程に大きいイベントは……あぁ、あったな。1学期の期末テスト。全教科100点というスコアラーの超がいなくなってしまったので首位からは転落したが、それでも一応2位をキープ出来たのはバカレンジャー達が必死になって勉強したおかげだろう。

 

 そしてとうとう夏休みへと突入する。

 

 

 

 

 

「……で、何で急に俺は呼ばれたんだ?」

 

 既に馴染み深い場所と言っても過言ではないエヴァの別荘。その中でもエヴァの部屋へと呼び出されていた。

 実はこれは結構珍しい事だったりする。他の面子がいる時は、大抵リビング……というには広すぎるが、そういう用途で使っている部屋にいるのだから。

 

「まぁ、座れ」

 

 エヴァに促され、ソファへと腰を下ろす。

 

「で、だ。ぼーや達が新クラブを創ったというのを聞いてるか?」

「ああ。そう言えばあやかが何か色々と根回しをしたとか言ってたな」

「うむ、それだ。そのクラブが今日、じじぃに正式に認可された訳だが……クラブの目的に関しては何か聞いてるか?」

「いや。そっちは全くノータッチだ。ただ、小太郎が参加するとかなんとか朝食の時に言ってたような気がするな」

「そうか。お前にも微妙に関係がある話なんだが……そもそもの目的はぼーやがあのバカを捜す為の隠れ蓑として創られたクラブだな」

 

 エヴァがいうあのバカ。それはサウザンドマスターの事だろう。即ち、ネギの父親であるナギ・スプリングフィールド。

 

「けど、行方不明になってもう随分と経つんだろう?」

「ああ。だが、そのヒントは魔法世界にあるとアルは言っていた。そしてウェールズには魔法世界へと渡る為のゲートがある」

「確かに興味深いが……それが俺に何の関係があるんだ?」

 

 そもそも俺にこの世界でのイギリスに知り合いがいない以上はどう関係してくるのかが疑問だ。

 

「何だ、忘れたのか? お前は不老になるマジックアイテムが欲しいんじゃなかったのか? ……まぁ、お前の記憶を見た覚えがある以上、その類の品が欲しいと言われても納得するしかないがな」

「……手に入るのか?」

 

 コードギアスの世界、そしてガンダムSEEDの世界。そのどちらでもホワイトスターとの時差が生じていた。幸いどちらの世界でもホワイトスター側との時差は少なかったが、それがこの世界やいずれ訪れるであろう未知の力が存在する世界でも同様だと楽観的に予想出来る訳もない。ならばせめて俺と、俺の恋人達3人は時差の大きい世界に行ってもそれが理由で死に別れるという可能性が無いようにしておきたい。そういう意味で不老のマジックアイテムを欲していた訳だが……

 俺の期待の籠もった質問にエヴァは首を振る。

 

「以前も言ったと思うが、少なくても店で買うという手段では手に入らないだろう。可能性としてはこちらも以前に言ったが、遺跡なりなんなりに潜って探す事だな。あるいは……」

 

 思わせぶりに言葉を止めたエヴァだが、どこか不機嫌な様子で眉を顰めている。

 

「あるいは?」

 

 先を促す言葉に、深い溜息を吐いて口を開く。

 

「大国……ヘラス帝国の皇族、あるいはMMの元老院議員。前2つと比べると勢力的に小さいがアリアドネーの上層部ならあるいはその辺のアイテムを持っているなり、どこかに眠っているという情報を知っている可能性もあるが……正直その方法はアクセルにはお薦めできないな」

 

 エヴァが何を言いたいのかは大体分かる。皇族、元老院議員、上層部。これらの人物に物を頼むとなると、基本的には政治の話になるだろう。俺はそもそもその辺に強いという訳ではないし、それ以前の問題で魔法世界についての政治情勢についても殆ど何も知らない状態なのだ。後者に関しては魔法世界に旅立つ前に頭に詰め込んでいけばそう問題は無いだろうが、前者は決定的に向いていない。

 これがせめて俺が原作を知ってるアニメなり漫画なら、SEED世界でウズミと交渉した時のような手も使えるんだろうが。

 この時、既に俺の頭の中ではネギ達と共にイギリスのウェールズに渡り、魔法世界へと向かう事を半ば決めてしまっていた。

 

「ふん、どうやら興味を持ったようだな。まぁ、交渉云々はお前にはちょっと厳しいかもしれんが、遺跡なり迷宮なりに潜って探すというのならお前向きの話だろう」

「そう……だな。一応魔法世界とやらに行ったら街中で探してみるとして、基本的には遺跡探索という感じになるだろうな」

「で、お前の従者4人は連れて行くのか?」

 

 先程までの不機嫌そうな顔はどこへやら。嬉しそうな笑みを浮かべながらそう尋ねてくるが、首を横に振る。

 

「イギリスまでならいいだろう、普通の海外旅行なんだしな。ただ、魔法世界ではどの程度の危険があるのか分からないから連れていく予定は無い」

「そうか? まぁ、お前ならそう言うかとも思ったんだが……」

 

 そこまで呟き、意味あり気にこの部屋と隣続きになっている扉へ視線を向けるエヴァ。

 

「と、いう事らしいが……どうする?」

「……何?」

 

 その声と同時に、隣の部屋に続いてる扉がギィッという音を立てて開く。そこにはあやか、千鶴、円、美砂の4人の姿があった。

 

「何でここに」

「エヴァンジェリンさんに呼ばれまして。……アクセル君。私は魔法世界という場所についていきたいと思っています」

 

 あやかの言葉に頷く他の3人。

 

「だが、今までと違って危険性がかなり高い」

「承知の上です」

「それに、危険だからこそアクセル君を1人でそんな場所に行かせる訳にはいかないでしょう? それにいざとなったらアクセル君が私達を守ってくれると思うしね」

「元々私達は自分の意志で魔法に関わるって決めたんだから今更置いてきぼりは無しだよ」

「そうそう。じゃないと円は夜に寂しいよーって夜泣きするんだから」

「ちょっ、美砂!?」

 

 最初はともかく、最終的にはいつもの如くじゃれ合いが始まる。

 その様子を眺めながらエヴァは心底面白そうな感じでこちらを見ていた。

 

「エヴァ……謀ったな」

「くくっ、主人と従者が共に行動するというのは当然だろう? 褒められこそすれ、文句を言われる筋合いはないんだがな」

「だが……」

 

 それでも尚断ろうとする俺に向かい、唐突にエヴァが鋭い視線を向けてくる。

 

「アクセル。こいつ等は自ら進んで魔法に関わる道を選んだのだ。それが例えお前と共に在ろうとしたからだとしても、その道を決めたのはあくまでもこいつ等自身。その覚悟を持って道を選んだ者を見くびるのも大概にしろ。今のお前の態度はこの4人の覚悟を踏みにじっているだけだぞ」

「例えそうだとしても、実力が伴わない状態で魔法世界に行ってどうする? そもそも俺の目的は遺跡や迷宮に潜る事だ。相応の実力がない状態で付いて来られても足手纏い以外の何物でもない」

 

 足手纏い。正直この言葉を使いたくは無かった。だが、そこまで言わないとこいつらは本当に魔法世界まで付いてくるだろう。

 

「ふむ、それも確かにそうだな。……ならば、こうしようか。この4人を私が暫く預かって鍛えてやろう。そして来月の10日にお前とこの4人で模擬戦を行わせる。そこでお前を相手にそれなりに戦えるようなら魔法世界行きを認める、というのでどうだ?」

 

 エヴァの提案を検討する。確かにそれなら最終的に俺がこの4人に対して文句の着けようも無い程の勝ち方をすれば問題無い……か?

 

「いいだろう。来月の10日だな」

「うむ。お前等もそれでいいな?」

 

 俺の言葉に、エヴァがあやか達に尋ねると4人ともが頷く。

 

「アクセル君が私達を心配して下さっているのは分かりますが、それと同様に私達もアクセル君のことが心配なのです」

「そうね。だから……来月の10日には私達が守って貰うだけの存在じゃないと教えてあげないといけないわね」

「アクセル君、悪いけど今回は私もあやかと同意見だから」

「綺麗なお姉さん達の底力ってのを見せて上げるわよ」

 

 こうして、俺は約2週間後の8月10日にあやか達と戦うことになったのだった。




名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:655
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:380

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