転生とらぶる   作:青竹(移住)

41 / 4302
0027話

 レイディバードのハッチが開き、そこから飛び出すように出撃するアシュセイヴァー。もう1機のレイディバードの方を見ると、そちらでも量産型アシュセイヴァーと量産型ゲシュペンストMk-Ⅱが出撃しているのが見える。

 量産型ゲシュペンストMk-Ⅱはテスラ・ドライブを装備している為に空を飛ぶ事が可能だが、アシュセイヴァーは陸戦用の為にそうも行かない。

 だが、着地する寸前に一時的にスラスターを噴射し、地上への激突を避けるのは可能だ。

 ……と言うか、どう考えても空を飛べないというのは痛い。この作戦が終わったらレモンに頼んでテスラ・ドライブをつけてもらうか。

 

「アクセル、私とレモンは基本的に後方支援に回らせてもらう。目標の殲滅は任せたぞ」

 

 ヴィンデルの量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改から通信が入る。

 まぁ、指揮官であるヴィンデルと技術班のトップのレモンなんだしその辺は当然か。

 

「了解。後方からレモンと一緒にシャドウミラー隊としての初作戦をゆっくりと見ていてくれ」

 

 通信を送ったのと同時に、スラスターを噴射し地面へ着地した衝撃を殺す。

 

「こちらアクセル。マルティン、アル、ボビー、フルスト、全員地面にノーロープバンジーをしたりはしていないな?」

「全員無事です、隊長」

 

 マルティンの通信を聞き、安堵する。

 

「よし、目標はこの森の奥にある洞窟を拡張して隠れ家にしているそうだ。敵戦力は以前言ったように数世代前の戦闘機と戦車のみ。戦闘機はともかく、戦車はこの森の中では小回りが利かないからそれ程心配いらない。では、行くぞ!」

 

 マルティン等を率いるように、アシュセイヴァーのスラスターを噴射させてホバー移動しつつ森の中を進んでいく。

 森の中とは言えテロ集団が出入りしているらしく、軽く道のようなものが出来上がっているので移動も楽だ。

 そして進む事数分、陣形の1番後ろにいるフルストから通信が入った。

 

「隊長、敵機捕捉しました。数は戦闘機5ですが、そのうちの2機が先行してきます」

 

 フルストの量産型ゲシュペンストMk-Ⅱは技術班に頼んで偵察機仕様に改造してもらっている。特殊処理班の目となり耳となるのがフルストの仕事だ。

 

「了解。各機、戦闘準備。オールウェポンズフリー。目標を見つけ次第撃破せよ」

 

 俺の通信に4機とも頷き戦闘準備を整える。

 俺もアシュセイヴァーのメイン武器であるガン・レイピアをいつでも発射出来るように確認する。

 胸部から発射するファイア・ダガーに高火力のハルバート・ランチャー、近接戦闘用のレーザー・ブレードとアシュセイヴァー最大の特徴であるソード・ブレイカーもいつでも使用可能だ。

 

「まずは挨拶代わりって奴だ。喰らえ!」

 

 最初に視界に入った機体、青い戦闘機のメッサーへとファイア・ダガーをばらまき、それを回避した所にガン・レイピアのトリガーを引く。

 そしてトリガーを引く直前に精神コマンドの努力を使用。 

 ガン・レイピアから放たれた1筋のレーザー光はメッサーの青い機体を貫通し、数秒後に機体は爆散する。

 

「まずは1機」

 

 呟いた瞬間、まるでそれを待っていたかのように新たに現れたメッサーに向け、マルティンの量産型アシュセイヴァーが突撃し、空中に跳躍。その手に持っていたレーザー・ブレードでメッサーを切り裂く。そして爆散。

 

「やるな、マルティン」

 

 今の動きはTC-OSのモーションを使っているとは言え、隙の無いものだった。恐らく独自に登録したモーションパターンなのだろう。

 

「へ、隊長にばかりいい格好はさせませんよ」

 

 帰ってきた返事に苦笑している間に、残りの3機のメッサーが姿を現す。

 

「アル、スプリットミサイルでメッサーを牽制して陣形を崩せ。ボビーは敵機が散らばったらスラッシュ・リッパーで撃破。マルティンもそれに続け。フルストはバルドングの居場所を索敵。注意しろよ、数世代前の戦車とは言え戦車砲は当たり所によってはPTの撃破も可能だ」

 

 全員が俺の指示に従い、行動を開始する。

 

 まず発射されたのはアル機のスプリットミサイル。3機のメッサーに向かいミサイルコンテナが発射され、そのコンテナから大量の小型ミサイルが射出してメッサーの陣形を乱す。

 その隙を突き、ボビー機から射出されたスラッシュリッパーが高速で回転しながら1機のメッサーを切り裂く。

 マルティンは体勢を崩したメッサーにスラスター噴射で跳躍し、先程と同じくレーザーブレードで切り裂いた。

 そして残る最後の1機は、再度精神コマンドの努力を使用してからソード・ブレイカーを1機発射し、メッサーの後方からレーザーを放ち、貫通・爆破させる。

 

「よし、これでメッサーは全機撃破の筈だ。フルスト、残りの戦車は発見できたか?」

「すいません。全く見つかりません。どうやら余程上手くカモフラージュしているようです」

 

 索敵役のフルストへと通信を送るが、その返答は発見失敗の報告だった。

 チンピラを集めて作ったテログループなのに偽装工作が上手いのは、腐っても元DC兵という事か。

 

「しょうがない。俺が囮になって敵本拠地の洞窟へと向かう。そうすればいくら隠れていても攻撃してこざるを得ないだろう。各機は射線を見逃すなよ」

「隊長、危険です。囮なら俺が!」

 

 マルティンからの通信が入るが、首を振って否定する。

 

「この中で1番操縦技術が高いのは俺だ。それはこの1週間の模擬戦で判明している。つまり囮は俺が1番適任って事だ」

「ですが、隊長がやられてしまえば俺達の指揮は誰が取るんですか?」

「ふん、あいにくこの程度の連中にやられる程弱くはないつもりなんでな。では行くぞ。敵を見逃すなよ」

 

 アシュセイヴァーのスラスターを噴射し、4人の部下達から離れる。

 そして十分に離れた所で、精神コマンドの加速を使用して速度を上げる。

 3分程森の中を移動していると、モニタに敵の本拠地らしき洞窟の姿が表示された。

 だが、それでも敵からの攻撃は一切無い。

 ……どうなっている? もしかして敵戦力はメッサーだけでバルドングがあるというのはヴィンデルの間違いだったのか?

 そんな事を思った瞬間だった。右斜め前・左右の3方向から同時に砲弾が飛んできたのは。

 

「ちぃっ!? 火線のクロスポイントか! 加速!」

 

 咄嗟にアシュセイヴァーのスラスターを全力で噴射しつつ、再度精神コマンドの加速を使用して左斜め前へと移動し、なんとか3発の砲弾を回避する事に成功する。

 前方から砲弾が飛んできた方向を見ると、そこには木々で上手くカモフラージュしているバルドングが潜んでいた。

 だが、既に発見された迷彩は意味が無い!

 まだ加速の効果が続いているのを確認し、その速度のままバルドングの横腹へと接近。

 近づいてくる俺に気が付いたのか、旋回に時間の掛かる戦車砲ではなく取り回しのしやすい機関砲をこちらに向けてくるがその時には既にこちらの射程距離!

 

「努力」

 

 忘れずに精神コマンドの努力を使用してバルドングとの距離をほぼゼロにした瞬間、アシュセイヴァーの胸部からファイア・ダガーを全弾発射し、次の瞬間には加速の効果もありバルドングとの距離を空けていた。

 そして次の瞬間にはバルドングの爆散する音と衝撃波が辺りに響き渡った。

 

「これで3機、だな」

 

 呟き周囲を見てみると残り2機のバルドングもアルのメガ・ビームライフルと、ボビーのネオ・プラズマカッターで破壊されていた。

 それを確認しつつ、フルストへと通信を送る。

 

「フルスト、他に敵機は?」

「こちらのレーダーでは表示無しです。ただ、今の戦車も表示出来ていなかったので絶対に安全とは言えませんが」

 

 さて、どうするか。あの洞窟にいるテロリスト共を尋問してもいいんだが、正直に話すとも思えないし、もし言ったとしてもそれが本当の事かどうかを判断する事も難しい。

 ここはヴィンデルに方針を決めてもらうのが一番か。

 そう判断し、ヴィンデルへと通信を繋げる。

 

「ヴィンデル、取りあえず敵戦力と思われるものは全機撃破した、と思う」

「思うとは?」

「バルドングが上手い具合に隠れていてな。索敵役であるフルストの機体でも最初発見できなかった。それは取りあえず俺が囮になって撃破したんだが、他にも隠れている機体があるかもしれない。洞窟の中に隠れているテロリスト共なら何か情報を持ってるかもしれないが、どうする? 尋問するか?」

 

 数秒考え込んだヴィンデルだが、すぐに結論を出す。

 

「いや、必要無い。まだ数機残っているかもしれないが、敵戦力の殆どを撃破したのは間違い無いだろう。そのまま帰還してくれ」

「は? あの洞窟はどうするんだ?」

「それは私とレモンの機体で破壊させてもらう。幸い既に射程距離に入っているのでな。そこから見えないか?」

 

 ヴィンデルの言葉に周囲を見回すと、遠くの方に量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改とラーズアングリフの機影を発見する。

 

「確認した。じゃあ俺達は撤収するが構わないか?」

「ああ。問題無い」

 

 ヴィンデルから撤収の許可をもらい、それを部下達に知らせる。

 

「全機、良くやった。これで俺達の初任務は終了となる。あの洞窟の始末はヴィンデル達がやってくれるそうだ。俺達は撤収だ」

「了解」

 

 全機からの了解の返事を聞き、レイディバードが待機している場所へと向かい機体を移動させる。

 ヴィンデルとレモンの隣を通り過ぎようとした時、レモンからの通信が入った。

 

 

 

 

 

「アクセル、お疲れ様。さすがの腕前ね」

「まぁ、このくらいはな。それよりも後始末を任せていいのか?」

「それくらいしなきゃ、本当になんで付いて来たのか分からなくなるじゃない。それに後始末と言ったって……」

 

 レモンのラーズアングリフの背中にあった砲塔が持ち上がり、肩を支点として前方に展開される。ラーズアングリフ最大の火器であるFソリッドカノンだ。そして同時にヴィンデルの機体もF2Wキャノンのバレルを展開して最大射撃の準備を行う。

 次の瞬間には両機から同時にそれぞれの最大火力での射撃が行われ、洞窟は蒸発してその姿を地上から消し去った。




名前:アクセル・アルマー
LV:10
PP:60
格闘:146
射撃:164
技量:156
防御:153
回避:181
命中:203
SP:222
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:A
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   ???
   ???
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.7
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
???

撃墜数:8

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。