転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0454話

「ここか」

 

 眼下に広がるのは自然豊かな島だ。ただし、人が1人も住んでいない無人島。

 

「いや、正確に言えば今は人がいない無人島、か」

 

 これまでは夏になればセイラン家に縁のある者達が避暑地として訪れていたであろう別荘。

 そう。ここはSEED世界のオーブからそれ程遠くない位置にある、セイラン家が所有している無人島なのだ。セイラン家の財産全てが俺の物になった以上は、つまりはこの別荘も俺の所有物になった訳だ。

 そんな無人島の上空に俺は1人空を飛んでいた。もちろん混沌精霊としての力だ。SPを大量に消費しているが。

 

「さて、このくらいの広さがあれば十分だろう」

 

 呟き、空間倉庫から魔法球を取り出す。

 外の1時間が内部では48時間になるという、エヴァの持っている魔法球よりも高い性能を持ちながらも中が一面の荒野であるという理由で殆ど使う機会の無かった物だ。この中をどうにかしたいとは思っていたのだが、昨日の夜にレモン達と寝ている時にふと思いついたのだ。セイラン家なら別荘の類を持っていて当然ではないか、と。

 で、今朝オーブの方に連絡をして教えて貰ったのがここと言う訳だ。

 

「……さて、今日も色々と忙しいんだしやるべき事はとっととやるか」

 

 魔法球を操作し、魔力を込めて……周囲を眩い光が照らしだすと、次の瞬間には自然豊かな筈の無人島が一面の荒野へと姿を変えていた。

 魔法球の内部の土地と入れ替わったのだ。

 ……まぁ、無人島の方が若干広かった為か沿岸部には少しだけ自然が残ったりしているが。

 

「なにはともあれ、魔法球の整備は完了だな。後はホワイトスターに設置しておけばレモンや技術班の奴等が自分の使いやすいように色々と弄ってくれるだろ」

 

 そのうち、もっと魔法球が欲しいから魔法世界で買ってこいとか言われそうだが……まぁ、その時はナギ・スプリングフィールド杯で儲けた賞金や賭け金を使うとしよう。あるいはブルーマーズ計画に流用する為に必要だと言ってヘラスかアリアドネー辺りに分けて貰うというのもあるか。

 MM? あそこと関わるのは遠慮したい。フェイトから聞いた話だとかなり真っ黒らしいしな。その辺の折衝はフェイトに任せる。フェイトなら向こうの弱みを握っていたりするし。

 そんな事を考えながら魔法球を空間倉庫へと格納し、オーブへと向かって空を飛んで移動するのだった。

 

 

 

 

 

「え? ア、アクセルさん!?」

 

 オーブのゲート近くでとある人影を見つけ、その人物の前へと降り立つ。

 当然と言えば当然だが、目の前に着地した俺に唖然とした表情を浮かべている。

 

「キラ、久しぶりだな。モルゲンレーテの方はどうしたんだ?」

「あ、いや。昨日アスランとカガリからアクセルさんが戻って来たって聞いて……無事に戻って来てくれて良かったです」

「それでわざわざ来たのか?」

「おかしいですか?」

「いや、そうでもないが……律儀と言うか、何と言うか」

「まぁ、ラクスやフレイ、トール達にも様子を見てこいって言われましたしね」

 

 なるほど、オーブ組の代表としてきた訳か。

 

「他の奴等はどうしてる?」

「うーん、皆それぞれ今の生活に慣れるのに必死ですね。あ、でもミリアリアはカメラに熱中してるみたいです」

「ほう」

 

 この辺は原作通りなのか。そのうち戦場カメラマンとかに……いや、今のSEED世界で戦争はそうそう起きないか。何しろその戦争を主導していたロゴスがオーブやシャドウミラーの監視下に置かれているしな。

 

「その、それで……カガリから魔法を使えるようになったって聞いたんですけど……本当ですか? いや、今の空を飛んでるのを見れば疑う必要も無い気がしますけど」

「……口が軽いな。いや、隠すようには言ってないから構わないと言えば構わないんだが」

 

 何しろウズミの考えでは、そのうちにネギま世界……というよりも麻帆良との交易を望んでいるらしいしな。魔法というファンタジーな物に慣れさせておくというのも必要なんだろう。

 そんな風に考えつつ、何かを期待している目で俺を見ているキラの様子に苦笑を浮かべて右手の人差し指を立てる。

 

『火よ灯れ』

 

 その呪文と共に、人差し指に10cm程度の炎が現れる。

 

「うわぁ……これが、魔法」

「まぁ、初心者用の一番簡単な魔法だがな。興味があるんならそのうち初心者用の魔法教本を分けてやるよ。……ラテン語で書かれた本だけどな」

「は? ……ラテン語、ですか?」

「ああ。魔法は基本的にラテン語で構成されているからな」

 

 その後、魔法についてやネギま世界について30分程話してキラと別れるのだった。

 

 

 

 

 

「隊長、今日の御用は何でしょうか?」

 

 麻帆良のゲートに転移を完了し、学園結界の影響で魔力の大半が封じられる感覚に眉を顰めていると、近くでゲートの警備をしていたエキドナが俺を見つけて早速声を掛けてくる。

 

「色々と細かい用事があってな。何か変わった事はあったか?」

「いえ、特にこれといった事はありませんでした。ただ、ネギ・スプリングフィールドと名乗る少年から伝言を預かっています」

「……伝言?」

「はい。ゲートの通信機を通して隊長に連絡を入れてもいいと言ったのですが、時間が無かったらしく……」

「まぁ、いい。それで伝言は?」

「エヴァンジェリンの魔法球で魔力タンクの開発を開始するとの事でした」

「なるほど。魔力タンクをね」

 

 こっちに戻って来ているとなると、魔法世界でのパレードとかそういうのは一段落ついたのだろう。そして魔法球を使って魔力タンクの開発をするとなると……意外と早く完成するかもしれないな。

 

「エキドナ、エザリアはどうした?」

「麻帆良側との打ち合わせがあるとかで出掛けてますが」

 

 そっちも順調、か。予想ではブルーマーズ計画を実行するのに数ヶ月は掛かるかと思ってたんだが、これは予想よりも早く開始できるかもしれない。

 それと、ネギが開発で魔法球に入っているとなると恐らく葉加瀬辺りも引っ張り込まれているだろう。エヴァの魔法球に葉加瀬と今日の目的が1つの場所に固まっていてくれるのは好都合だ。

 一瞬そう思ったのだが、よく考えたら今日は平日な訳でネギはともかく葉加瀬辺りはまだ教室にいる可能性が高いか。

 

「分かった。ここの警備を続けてくれ」

「はっ!」

 

 敬礼したエキドナに見送られ、俺は麻帆良の街中を歩いて行く。

 とは言っても学園都市の麻帆良で昼過ぎと言う時間の関係上、生徒の殆どが学校にいる訳で……いや、ゲートがあるのが女子寮のすぐ近くである以上はもし生徒達がいればかなり注目されるのは間違い無いんだろうが。それを考えると良かったのか、悪かったのか。

 

「いざという時は幼児バージョンに変身するという手もあるが……学園結界のせいで魔力を押さえつけられているからなぁ……」

 

 そんな風に呟きつつも、麻帆良内を移動してエヴァの住んでいるログハウスに到着する。

 

「さて、誰かいるといいんだが……」

 

 さすがに勝手に家の中に入って地下に置いてある別荘まで向かうというのは危険だ。エヴァに色々と言われそうではあるしな。

 そう思いつつチャイムを鳴らすと……

 

「はい、どちらさまでしょう?」

 

 茶々丸とそっくりのガイノイドが姿を現す。

 

「エヴァはいないと思うんだが、別荘の方にちょっと用事があってな」

「……検索完了。アクセル・アルマー様ですね。ようこそいらっしゃいました。どうぞお入り下さい」

 

 ドアの前から移動し俺を出迎える茶々丸の姉妹機と思われる存在。

 そんな風に案内して貰いながら地下に設置してある別荘の中へと移動する。

 別荘の中に入った途端に学園結界の影響がなくなり、魔力を抑えていた感覚も消えてようやく安堵の息を吐く。

 周囲を見回すと、既にどこか懐かしいとすら感じさせる城の姿が目に入り、前庭で何やら実験をしているネギの姿が目に入ってきた。

 向こうも向こうで俺の姿が目に入ったのだろう。驚きの表情を浮かべつつこちらへと近寄ってくる。

 

「アクセル君!? どうしてここに?」

 

 こうして見る限りでは、魔法世界で別れた時とそう変わっているようには見えない。いやまぁ、ほんの数日だししょうがないと言えばしょうがないのか。

 

「ちょっとやっておきたい事があってな。昨日のうちにエヴァから別荘を借りるって話をしておいたんだが……聞いてないか?」

「あ、うん。僕も色々と忙しくて。マスターからはこの別荘を自由に使ってもいいって言われてたから」

「まぁ、魔力タンクの準備が整わなきゃブルーマーズ計画の中でも魔法世界の寿命を延ばす方はどうにも進まないからな」

「そうだね。だから頑張ってるんだけど……どうしても魔力を純粋にそのまま保存しておくというのが出来なくて」

 

 溜息を吐きながら首を振るネギ。見た所結構行き詰まっているらしい。

 

「葉加瀬辺りに意見を聞いてみたらどうだ? と言うか、俺が今日このネギまの世界に来たのは葉加瀬に用があったからってのもあるんだが」

「ちょっ、アクセル君! ネギまの世界って何それ!?」

「そう言えばこの名前をネギに教えたのは初めてだったか。ネギと魔法使いの世界を略してネギまの世界だ」

「だから、何で僕の名前が入ってるのさ!」

「あー、まぁ、何となく? ほら、だってネギは魔法世界消滅の危機を救っただろ? それに敬意を表してって所だ」

 

 まさかこの世界が多分漫画やアニメの世界で、ネギがその主人公と思われるから……なんて事は言えないしな。

 

「魔法世界を本当に救ったのはアクセル君でしょ! 僕はスケープゴート的な……」

「それでも、魔法世界の住人はその殆どがお前に救って貰ったと思ってるからそれでいいんだよ」

 

 がーっと言ってくるネギをスルーしながらここ数日の出来事をお互いに話す。

 一番驚いたのは、ネギが3-A全員に魔法に関して公表したという事だった。

 ……まぁ、既にクラスの9割以上――正確に言えば鳴滝姉妹と桜子以外――が魔法に関して関わったり知ってたりした以上はクラスの中に軋轢を生ませない為にしょうがないと言えばしょうがない選択なんだが。

 

「また、随分と思い切った真似をしたな」

「うん。その……桜子さんとかも何か感じてたみたいだったし」

「……そうか」

 

 自分と仲のいい円と美砂の2人が魔法に関わっているのだ。それをいつまでも続けろと言うのが無理な話だったんだろう。

 いや、逆に持ち前の豪運を発揮して魔法世界のゴタゴタが一段落した今だからこそ……という可能性もあるか。

 

「それで、アクセル君が葉加瀬さんに頼みたい事って?」

「あー、そうだな。お前も墓守人の宮殿で俺の乗ってる機体を見たと思うが」

「うん。小太郎君とか格好良いって騒いでたよね」

 

 ……まぁ、小太郎らしいと言えばらしいが。

 

「実はあの機体は俺の操縦に付いて来られなくなってきていてな。今新しい機体を作ってるんだが……それにお前から預かったグレートグランドマスターキーを組み込もうと思ってる訳だ。で、科学と魔法の融合になる以上は茶々丸の開発経験のある葉加瀬に協力して貰おうかと思ってな」

「……え? グレートグランドマスターキーを組み込むって……大丈夫なの?」

「何だ、俺が信用出来ないか?」

「そんな事はないけど……その、変な事を考えてるような人達にとっては……」

 

 心配そうな顔でこっちを見上げてくるネギの頭をクシャクシャと撫でてやる。

 

「心配するな。そもそも現状だとこっちの人間がホワイトスターに来るのは厳しく制限されているからな。おかしな真似をしようにも出来ないさ。……あぁ、そう言えばネギもフリーパス要員に登録してあるぞ」

「あ、うん。エキドナさんって人に聞いた。ただ今は色々と忙しくて行けてないけど」

「そんなに忙しいのなら俺の魔法球を使うか? 1時間が2日になる奴。ホワイトスターに設置するからそっちを使っても構わないが」

 

 その言葉に、数秒程考えるがすぐに首を振る。

 

「残念だけど遠慮しておくよ。魔法世界との連絡を考えるとマスターの魔法球を使うのが一番いいと思うし」

「そうか。中身が荒野だったのに関しては、今日の午前中に俺が所有する南の小島をそのまま取り込んだから問題が無くなったんだが……」

「え? 南の小島を所有?」

「ああ。ほら、俺の記憶を見たなら覚えてるだろ? 俺がネギまの世界に転移する事になった原因のテロ。それに協力したセイラン家って所の財産が丸々慰謝料として支払われてな。その中に別荘付きの無人島があった訳だ」

「……色々と豪快だよね……」

 

 そんな風にどこか呆れた様子のネギと話をし、あるいは研究の手伝いをしながら魔法球の中で数日程過ごし、葉加瀬が来るまでの時間を潰すのだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411

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