転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0461話

 ダイダロス基地での一件から数日。あの事件についてはザフト側の失点として多少のペナルティが付いたようだが、一部強硬派の独走であるとしてそれ程に重い失点ではなかったらしい。テロリスト達が全員死んでしまったので全容が解明した訳では無いのだが、恐らくあのままナスカ級に潜んでシャドウミラーの隊員達と入れ替わって何らかのテロを起こすつもりだったのではないか……とか何とか。

 まぁ、DESTINYの原作と違ってこの歴史上では既に俺に目を付けられているデュランダルに援助されている訳でもなく、プラントの大半は実質上地球連合に勝ったと言ってもいいユニウス条約の内容に納得しており、尚且つ最高評議会議長であるアイリーン・カナーバの政策も受け入れられている。そんな状態ではサトー達もMSを用意したりするのは出来なかった為にああいう手段に出たのだろう。

 とにかくあの事件は一段落し、今日俺の姿は麻帆良にあった。

 とは言っても、ゲートの前にだが。

 少し離れた場所では雪広財閥と那波重工による工事で、このゲート全体を覆い隠すようにして建物が作られ始めているが、完成までにはまだもう少し掛かるだろう。当初はシャドウミラーなり魔法使い達なりが建物を建てる筈だったのが、エザリアの交渉の結果、雪広財閥と那波重工が請け負う事になったらしい。

 そしていつものように瀬流彦が俺達の監視兼案内役として近くにいる。

 

「あー、早くこの建物が出来てくれないかな。アクセル君もそう思うよね?」

 

 学園結界でかなり怠い状態のまま、首を傾げる。

 

「いや、俺達にしてみればいらない注目を集める必要がなくなるから建物の完成は早い方がいいけど、そっちは何でだ?」

「それはね……」

 

 どこか遠い目をして呟く瀬流彦。

 

「さすがに僕も女子寮の管理人室に1人でいるのは耐えられないんだよ……この建物が出来れば、麻帆良側の人員が待機する為の部屋を作ってくれるって言うし……本っっっっ当に頼むから、出来るだけ早く作ってくれるように言ってくれないかな。さすがにこの年代の男が女子中学生の寮に1人でいるのって周囲の視線が痛くて痛くて」

「そうは言うが、俺はその女子寮に住んでたんだが? しかもその女子中学生達と同居で」

「その時のアクセル君はネギ君と同じくらいの外見年齢だったから問題が無かったんだよ。今の僕くらいの年代の男が女子寮に入り浸っていたら変態以外の何者でも無いじゃないか」

「なら女の魔法使いと交代すればいいだろうに。俺達との交渉も考えるのなら魔法生徒は駄目だろうが、魔法教師ならいいんじゃないのか?」

 

 シャークティや葛葉刀子とかなら女子寮にいても全く問題が無いと思うが。

 

「……それが、色々と忙しいらしくてね。シスターシャークティはブルーマーズ計画の関係でヘラス帝国と行ったり来たり。刀子さんは刀子さんで関西呪術協会の方との連絡役だったりで……」

「なら男の魔法先生でもお前以外にもいるだろうに」

「……その、一番立場弱くて暇なのが僕なので……」

 

 あー、貧乏くじを引かされた訳か。

 

「ま、頑張れ」

 

 そんな風に瀬流彦とやり取りをしつつ、エキドナとも情報を交換していると――瀬流彦の視線がエキドナの派手な服装に向けられていたのは武士の情けとして見ない振りをしてやる――やがて待ち人がやってくる。

 

「ごめん、アクセル君。待たせたかな」

「気にするな。それよりも思ったよりも人数が少ないな」

 

 ゲートへと向かって来ているのは、ネギ、フェイト、神楽坂、長谷川、長瀬の5人とネギの肩にいるカモだ。

 

「もうちょっと連れてくると思っていたが」

「いや、皆色々と用事があったみたいで。釘宮さんや柿崎さん達は来るかと思ったんだけど……」

「駄目だった、と」

 

 俺の言葉に頷いたのはネギではなく神楽坂だった。

 

「そうなのよ。釘宮や柿崎ったら、ここ最近凄い忙しそうにしてるのよ。……小テストでも何だか妙に頑張ってるし」

「君の成績は相変わらずだけどね。本当に君は黄昏の姫巫女なのかい?」

「うるさいわね!」

 

 フェイトの突っ込みに反射的に言い返す神楽坂。

 それにしても……

 

「そうか。忙しそうにしてる、か」

「おや、アクセル殿は随分と嬉しそうでござるな」

 

 思わず笑みを浮かべたのを長瀬に見られていたらしい。

 

「そうだな。いい女になる為に色々と頑張ってるんだろうさ」

「いい女?」

「ま、その話はいずれな。それよりネギ、持ってきたか?」

「あ、うん。ほらこれ」

 

 そう言いつつネギがバッグから出したのは直径50cm程度の立方体状の箱だった。箱の表面は銀色の素材で出来ており、何やら精緻な樹木の絵が刻まれているのが印象的だ。

 

「へぇ。良くこの短時間で出来たな」

「短時間とかじゃないわよ。ネギがどれだけ長い間エヴァちゃんの別荘に籠もっていたと思うのよ。何故か葉加瀬さんも途中から応援に来なくなるし」

「……葉加瀬……」

 

 結局自分の好奇心に負けてネギに丸投げしてこっちに来てたのか。

 一瞬そんな風に思ったが、ネギが慌てて手を振ってそれを否定する。

 

「アスナさん、違いますってば。このパンドラの箱は葉加瀬さんのアイディアを貰って、後は作るだけだったんですから。魔法関係の物を葉加瀬さんに作れと言うのが無理なので、僕の方からお手伝いをお断りしたんです」

 

 まぁ、確かに葉加瀬は基本的には科学者だ。魔法に関しても理解の深かった超と違って、ネギの手伝いをするのは難しいだろう。いや、それでも俺の新機体にグレートグランドマスターキーを組み込む為の知識や技術を持っているというのは凄いと思うが。

 それにしても……

 

「パンドラの箱とはまた、随分と物騒な名前を付けたものだな」

「そうかな? パンドラの箱には確かに災厄が封じられていると言われてるけど、それでも最後に残っているのは希望なんだから、ブルーマーズ計画に使うには丁度いいと思って。一応麻帆良での起動は成功したから次は……」

 

 小首を傾げながら呟くネギ。

 そう。ネギが今その手に持っている箱こそが他の星から魔力を運んでくる為の物なのだ。正確に言えばそのプロトタイプと言った所か。そのネギ曰くパンドラの箱が正常に機能するようなら他の星なりSEED世界なりで魔力を集めるという作業が本格化する。

 

「ほら、それよりもここにいるとまた騒がれるからそろそろ行った方がいいと思うよ」

 

 瀬流彦が周囲の様子を見ながらそう告げてくる。

 確かに女子寮の面々に見つかると厄介な事にはなりそうだな。

 

「よし、じゃあ行くか。皆こっちに集まれ」

「次元の狭間かぁ。どんな所なんだろ?」

「僕は一度行ったけど、そう珍しいものはなかったよ」

「あんたはそうかもしれないけど、私達は違うのよ」

「ったく、何で私がわざわざ次元の狭間なんて場所まで行かなきゃいけないんだよ」

「次元の狭間でござるか。強い人がいるといいでござるな、ニンニン」

 

 上から俺、ネギ、フェイト、アスナ、長谷川、長瀬の順に口を開きつつ俺を中心に集まる。

 

「エキドナ、頼む」

「はい」

 

 エキドナが頷いてゲートを操作し、次の瞬間には俺を中心にして転移フィールドが生成され、次の瞬間にはホワイトスター内の転移区画へと転移が完了していた。

 

「ほら、着いたぞ。……神楽坂、何で目を瞑ってるんだ」

「いや。べ、別に怖かったからとかそういうんじゃないわよ!?」

 

 そうか、怖かったのか。

 

「そうか、怖かったんだね」

「……フェイト」

 

 折角神楽坂のプライドを思って黙っていてやったのに、何でお前が突っ込む。

 

「何よ、怖くないって言ってるでしょ!」

 

 ぎゃーぎゃーと言い合いをしている神楽坂をそのままに、量産型Wに大きめのエアカーを持ってきて貰う。

 

「ほら、お前等行くぞ。取りあえず魔力を集めてみるって事は自然がある場所がいいだろうからキブツだな」

「器物でござるか?」

「違う、キブツだ」

 

 エアカーへと乗り込んでいる長瀬にそう告げながら全員が乗り込むのを待って発進させる。

 

「っていうか、何でお前が運転してるんだよ! 免許あるのか!?」

 

 エアカー発車後、数分程して長谷川がふと気が付いたかのようにそう言ってくるが……

 

「そもそもこのホワイトスター内で免許とか必要な訳ないだろう。それに俺は人型機動兵器のパイロットだぞ?」

「あー、あー……くそっ、私の堅実な現実感がもう滅茶苦茶だ。大体ネギ先生もネギ先生なら、アクセルもアクセルだよな。何なんだよ、パラレルワールドを股に掛けてる集団って。そんなどこかで聞いたことのあるゲームの設定で今時売れると思ってるのか?」

 

 何やらブツブツと自分の世界に戻るのだった。

 

「そう言えば小太郎は来なかったんだな。墓守人の宮殿でロボットに乗ってみたいとか言ってたからてっきりくっついてくると思ってたが」

「あぁ、小太郎なら現在修行中でござる」

「修行中?」

「うむ。この前の戦いで良い所を見せられなかったのが効いたようで、ネギ坊主と入れ替わりにエヴァ殿の別荘で」

「まぁ、小太郎らしいと言えば小太郎らしいが」

 

 そんな事を言っている間にエアカーは通路を進み、やがて自然の生えた一画へと到着する。マルチプルファームであるキブツの中でも文字通りにファーム、つまり農場やら牧場として使用している場所だ。

 

「ちょっ、ちょっと何よあの人達! 全員頭に変なの被ってるわよ!」

 

 小規模ではあるが農場で野菜やら何やらの世話をしている量産型Wや、牛、豚、羊等の世話をしている量産型Wを指差して神楽坂がそう叫ぶ。

 と言うか……

 

「このエアカーを持ってきたのも……あぁ、そうか。フェイトと言い合いをしていて気が付かなかったのか。あれが量産型W。まぁ、一種の人造人間と言うか人型の機械だな」

「……機械?」

「ああ。文字通りに自我の類は持って無い、言われた事だけを忠実に実行するという機械だ。俺達シャドウミラーの主力だな。……俺の記憶で見てる筈だろうに」

 

 最後だけ神楽坂に聞こえないように小さく呟く。

 何しろシャドウミラーはその戦力の割には人間の数が極めて少ない。パイロットですら俺、コーネリア、ムウ、イザークの4人に技術班と兼任のレモン、今はまだ培養ポッドで治療中のレイを合わせても合計6人でしかないのだ。まぁ、レイに関して言えばパイロットになるかどうかは確定していないのだが。

 一番多いのが技術班だという時点でこの組織の人の少なさ、良く言えば少数精鋭さが分かるだろう。

 

「ふーん。……でも、人型の機械って余りいい気分はしないわね」

「そう言いたい気持ちも分からないではないが、平行世界出身だって事を考えて貰えると助かるな」

「分かってるわよ。ただ単純にちょっと感想を言っただけ」

 

 そんな風に会話を続けているうちに、自然が多い場所という事で牧場の辺りへとエアカーを止める。

 俺を見た牧場担当の量産型Wがこちらへと近寄ってこようとするが、構わないと手を振って仕事に戻す。

 ……しかし、疑似経験と知識を入力したとは言ってもよく無事に牧畜をこなせる物だ。そしてその牧畜をしているのがザフトの赤服レベルの能力を持っているとプラントの連中に知られたらどうなる事やら。

 

「平行世界って言っても、飼っている動物は普通でござるな」

「あぁ、長瀬もそう思ったか。私も変な動物が出て来るかと警戒していたんだが」

 

 長瀬と長谷川の言葉に思わず苦笑を浮かべる。

 

「この家畜を買ってきたのは平行世界の中でもSEED世界という世界だしな。そこはこの後行く予定だが、普通の地球だから、魔法世界のようなモンスターの類はいない。それよりネギ、パンドラの箱を」

「うん」

 

 さすがに緊張した様子で、手に持っていたパンドラの箱へと魔力を流して起動させてから地面へと置く。そしてそのまま30秒程見ていると……

 

「成功……です」

 

 思わず、といった様子で薄く光っているパンドラの箱を見ながら呟くネギ。

 そう、地面に置かれたパンドラの箱は無事に魔力を吸収し始めたのだ。

 だがその様子を嬉しそうに見ていたネギが、やがて不思議そうに顔を傾げる。

 

「どうした?」

「あ、うん。予想よりも魔力の収集が進んでないみたいなんだ。本来ならこの程度の大きさのパンドラの箱だと1分もしないうちに限界になる筈なのに……」

 

 確かにネギの言葉通りにまだパンドラの箱は発光しており、魔力を吸収しているというのを示している。その言葉に数秒程考え……すぐに納得する。

 

「そりゃあれだ。所詮ここには自然があるとは言っても人工物だからな。魔力量はそれ程多くないんだろう」

 

 俺の言葉に納得したように頷くネギだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411

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