転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0468話

 スパロボOGsの世界に転移すると決めた翌日。俺の姿はオーブの本島にある行政府の中にあった。今朝のうちにウズミと面会の約束は取り付けてあるので、特に問題無く通されて今は執務室の前にいる。

 

「ウズミ代表、いいか?」

「む? アクセル君か。構わない、入ってくれ」

 

 執務室の中からの返事を聞き、扉を開くとそこには何かの書類を見ているウズミの姿があった。

 

「いきなりの面会希望だったが、今日は何の用かね? こちらは現在麻帆良や君の伝手で紹介して貰った雪広財閥、那波重工との交易関係で色々と忙しいので、出来れば手短に頼む」

「なるほど、それは確かに忙しかった所に悪かったな。なら単刀直入に言わせて貰おう。実は近い内にちょっと他の世界に転移する事になりそうなんで、その挨拶にな」

 

 俺がそう口に出すと、今まで忙しく書類を見ていたウズミの動きがピタリと止まる。

 

「……何? すまない、もう1度言って貰えるか?」

「近い内、具体的に何時になるのかはまだはっきりとしないが……早ければ数日中、遅くても数週間以内には別の世界に転移する予定だ、と言ったんだ」

「アクセル君、君はシャドウミラーのリーダーだろう。わざわざ組織のトップが危険な真似をしてどうするのだね」

「とは言ってもな。転移先の世界の危険度や戦いに巻き込まれた時の生存率、そして個人としても機体に乗っての戦闘力にしても、何よりもゲートシステムを個人で持ち運び出来るという点で考えても俺以上に適任な人物はいないんだよ」

「それはそうかもしれないが……ただでさえ今は色々と忙しい時だというのに、わざわざ混乱させなくてもいいと思うんだがね」

 

 溜息を吐きながら執務机の上に置かれていた湯飲みを口に運ぶウズミ。

 

「その忙しい内容。ネギま世界でのブルーマーズ計画に関して使う為の技術とかを入手するという目的もあるしな」

 

 まぁ、最大の目的はあくまでもトロニウムやブラックホールエンジンといった俺の新機体の動力炉関係なんだが……

 

「む、そう言われると確かにこちらとしても強く引き留める訳にはいかないな。だが、その転移先の世界にアクセル君が求める技術が確実にあるとは限らないだろう? 現に君がこの世界――SEED世界と呼称してるんだったか――に来た時も殆ど偶然に近いものがあったと聞いてるが?」

「普段なら確かにそうだが、俺が行こうと思ってるのは元々シャドウミラーがいた世界だからな。技術については問題無い」

「……確か次元の狭間に閉じ込められて戻れないと聞いた覚えがあるが。あれは嘘だったのかね?」

 

 鋭い視線を俺に向けてくるウズミに、首を左右に振る。

 

「いや、嘘じゃないさ。だがその後色々と検討した結果、恐らく戻れる可能性がある……と言うのが判明しただけでな。俺がその世界に行くのに、早ければ数日で遅ければ数週間と言ってるのはそれが原因だよ。それに向こうでゲートシステムを展開してしまえばすぐにでもこちらの世界には戻ってこれるんだ。そう心配する程の事でもない」

 

 その後の説明で何とか納得したのか、あまり進んででは無いがそれでも俺がOGsの世界に行くのを納得してくれたのだった。

 

「では俺との連絡が取れなくなったら、向こうの世界に戻ったと思ってくれ。……まぁ、レモンがこっちにいる以上はシャドウミラーがどうこうなる訳じゃないんだがな」

 

 俺がリーダーってのは既に名目上のものになってるよな。色々な世界に転移しているせいで実質的なシャドウミラーのリーダーはレモンになっているような気がする。いやまぁ、俺としてはレモンがシャドウミラーの正式なリーダーになってもいいとは思うんだが……本人がどうしても嫌がるから俺がリーダーになってる訳で。

 

「了解した。くれぐれも気をつけて行動してくれ。向こうの世界から戻ったアクセル君と会えるのを楽しみにしている」

 

 ウズミと軽く握手を交わしてから影のゲートを使用してゲートまで移動し――SPを半分以上持って行かれた――ホワイトスターを経由してネギま世界へと転移した。するといつものように学園結界で能力を押さえ込まれる感覚に眉を顰める。

 ゲートを内包するようにして作られている建物は既に完成しており、そのまま外へと出るとエヴァの住んでいるログハウスを大きくしたような感じに仕上がっていた。

 

「アクセル君、今日の用事は?」

 

 ログハウスの前に佇んでいた俺を見つけたのか、瀬流彦が中から出て来る。

 

「学園長にちょっとな。それよりもようやく女子寮に間借りしないで済むようになったのか」

「あははは。いやぁ、そろそろ生徒達の目が痛くなってきてたから……凄く助かったよ」

 

 苦笑を浮かべつつも、しみじみと呟く瀬流彦。……余程苦労してたんだろうな。

 

「それよりも学園長に用事だったよね。ちょっと待ってて」

 

 懐から携帯を取り出してどこかへと連絡を取る瀬流彦。いやまぁ、学園長なんだろうが。

 

「うん、アポ取れたよ。幸い今はあのエザリアさんと会談しているみたいだからSEED世界、だっけ? あそこのオーブの人達と交渉をした場所に来て欲しいって」

 

 あぁ、なるほど。既に俺の転移についてエザリアから聞いてるのか? 好都合と言えば好都合だな。

 

「分かった。……そう言えば、ブルーマーズ計画に関して魔法世界の方でどんな具合になっているか聞いてるか?」

「うーん、基本的にはどこも賛成ムードだよ。何しろ自分達の住んでいる世界の命運が掛かってるからね。ただ……」

 

 どこか口籠もる瀬流彦を見ながら、何となく予想が付いた。

 

「MMか」

「あー。うん。ほら、この麻帆良って簡単に言えば現実世界におけるMMの出先機関みたいな場所でしょ? で、アクセル君達と独占的と言ってもいい繋がりを持っている」

「いや、どちらかと言えば雪広財閥や那波重工の方が大きいんだがな」

「MM上層部にしてみれば魔法使いじゃない一般人だからあまり問題にしてないみたいだけど。まぁ、それもあって火星をテラフォーミングした後の自分達の権益をなるべく広めたいと思ってるみたいだよ」

「……仮にもそのMMの出先機関である麻帆良に所属している魔法使いが言ってもいい台詞じゃないと思うがな」

 

 その指摘に、あはははと頬をポリポリと掻きながら苦笑を浮かべる瀬流彦。

 

「まぁ、オフレコって事で。それにどのみちアクセル君達にしてみればMMなんて殆ど相手にしてないでしょ?」

「それはそうだが……」

 

 何しろ魔法という問題だけで言うのなら別にMMに拘る必要は無い。アリアドネーやらヘラス帝国やらがいるのだ。それに対してMMは俺達一択しか無い訳で。つまり主導権は俺達にある訳だ。

 

「そういうのは上の方でやってればいい事だしね。現場は現場の判断ってのがあるから」

 

 そう言い、ログハウスの中に戻っていく瀬流彦の背を見送ってから目的の場所。即ちエザリアと近右衛門が交渉やら会談やらをしている場所へと向かう。

 

 

 

 

 

「遅かったね」

 

 以前にオーブと麻帆良が交渉した家の中へと入り、会議室として使っている場所へと入った俺を出迎えたのはそんな一言だった。

 勿論その一言を放ったのはエザリアでも近右衛門でもない。いつもの無表情を顔に貼り付けたフェイトだ。

 

「何だ、フェイトもいたのか」

「そりゃあいるさ。何しろブルーマーズ計画を進める上で最重要人物と言ってもいい筈の君が、別の世界に旅立つと聞かされてはね」

 

 チラリとエザリアと近右衛門の方を見ると、こちらも同様に俺へと疑問の籠もった視線を投げかけてきている。エザリアには詳しく説明していなかったか?

 そんな風に思いつつ、会議室の席へと腰を下ろしながら口を開く。

 

「あー、今回俺が別世界に行くって話だが。正確に言えば別世界に行くんじゃなくて元の世界に戻る、だな」

「戻る?」

 

 エザリアの言葉に頷き、説明を続ける。

 

「色々と戻る為の理由はあるんだが、ブルーマーズ計画にも関わってくる内容も当然ある。今の予定で行けば他の星まで宇宙艦を飛ばしてネギの作り出したパンドラの箱で魔力を収集。それを火星に運ぶという流れな訳だが、当然他の星との間の行き来には相応の時間が掛かる。その辺をシャドウミラーの技術力で補う予定だったんだが、俺達の元の世界にはテスラ・ドライブ。あー、宇宙艦とかの推進システムだな。それの第一人者とも言える人物がいて、その人物に協力を仰ごうと思ってる訳だ」

「……理由は分かったけど、君が行く必要があるのかい? 正直、君にここで抜けられるのは結構な痛手なんだけど」

 

 溜息を吐きながらそう言ってくるフェイトに、ウズミと同じ説明を繰り返す。

 

「なるほど。すぐに戻ってこれる当てがあるというのなら構わんと思うんじゃが、どうじゃろう?」

「そうだね。ただ、この世界とホワイトスター、SEED世界。この3つは君というある種の象徴がいるからこそ纏まっているようなものなんだ。その辺を忘れないでいてくれるのなら僕も構わないよ」

「私としては組織のトップであるアクセルが決めた事に文句を言うつもりはない。いきなりの事だったから多少は戸惑ったが」

 

 こうして3人からの了承を受け、ネギま世界側からの理解も得られたのだった。

 その後、30分程雑談をしてから解散し、家の外へと出た俺は最後に残っていたやっておくべき事を済ませるべく空間倉庫から4枚のパクティオーカードを取り出す。

 

『念話』

 

 これに関しては俺の魔法ではなく、カードの機能なので学園結界があっても普通に使えるのが助かる。

 

『あら? アクセル君ですの?』

『あらあら、どうしたのかしら?』

『え? アクセル君!? ちょっ、桜子やめなさいって!』

『あははは。まさに噂をすれば何とやらだねー』

 

 あやか、千鶴、円、美砂のそれぞれの声が聞こえて来る。そして円は一体どんな目に遭っているのやら。

 

「……さて、4人とも久しぶりだな。今からちょっと時間を作れるか?」

『勿論ですわ! アクセル君の為なら幾らでも時間を作ります!』

『ちょっとあやか。あなたは確か、政府の方とブルーマーズ計画についての相談をしてるんじゃなかったかしら? 私は研究所の方にいるけど』

 

 なるほど、この2人は着々とブルーマーズ計画を進めて行ってるのか。

 

『私達はあまり問題ないかな。今日は部活も無いし後はフリーだよ。敢えてやる事と言ったら、円をからかうくらい?』

『ちょっと美砂!』

 

 こっちの2人は相変わらず、と。

 

「あやかと千鶴、今日の夜……そうだな、午後7時くらいに時間は取れるか? もちろん円と美砂もだが」

『え? ええ、会談に付いては夕方前には終わると思うので私は問題ありませんが』

『私の方も大丈夫よ。後は研究所から戻るだけだし』

「じゃあ、そのくらいの時間に集合して久しぶりに皆で食事でもするか」

『場所はどうするの? やっぱり超包子?』

「その予定だ。他に何処かいい場所があればそこでもいいが」

 

 円の念話へとそう返す。

 

『うーん、でもアクセル君って麻帆良の中だと結界があるんでしょ? あ、そうだ。行ってみたいお店があるからそこにしようよ。雑誌で紹介されてたお好み焼き屋さん。凄く美味しいらしいよ』

『あら、それは楽しみですわね。お好み焼きなんてアスナさん達と食べに行った事がある程度ですし』

『そうねぇ。私も久しぶりにお好み焼きを食べたいから賛成させてもらうわ』

『美砂は?』

『う、うーん……魔法世界から麻帆良に戻って少し運動不足なのよね。大丈夫……かな?』

『大丈夫じゃない? 雑誌によるとお好み焼きは1枚600kcalを切ってるらしいよ。お好み焼きダイエットってのもあるんだってさ』

『え? マジ? じゃあお好み焼き屋には私も賛成』

 

 そういう事になるのだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411

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