転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0504話

「私を受け入れてくれて感謝します。……ですが貴方の役目は既に終わっています。安らかに眠りなさい」

 

 ヘルゲートの地下から姿を現し、コックピットブロックのみとなったヴァルシオン改・タイプCFへとそう告げるや否やデュミナスから何らかの文字のようなものが放たれてコックピットブロックへと命中。……次の瞬間には爆発を引き起こす。

 俺達の目の前でODEシステムのマスターコアが移植されているコックピットブロックを破壊したのは……ODEシステムの中核ともいえるユルゲンの方を殺して自分達の使い易いようにODEシステムを改造する為か? 原作通りに進むのなら、最終的には洗脳されたラミアがヴァルシオン改・タイプCFで敵対するのだが……幸い既にラミアはキョウスケに救助されている。そうなると本気でODEシステムを破壊したのか? あるいはそう見せかけただけか? 

 まぁ、理由はともかく……

 

「ムラタ、スレイ。一度距離を取るぞ!」

 

 現状では俺達3機だけがデュミナスの至近距離にいるのだ。ここで倒せるか? 一瞬そうも思ったが、ここにはすぐに修羅の……そして、エネルギーを無効化する特殊なフィールドを持つソーディアン――転空魔城――がここに転移してくる。そうなってはこの場にいる全ての者が碌に抵抗も出来ないままで殺されるか捕らえられるかするだろう。デュミナスを倒すにしても、最終的に俺達がここで死んではどうにもならない。

 

「私の名はデュミナス。あなた達2人が持つ鍵を……私に差し出しなさい」

「鍵、だと?」

 

 デュミナスからの言葉に、俺の通信モニタに映し出されていたスレイが思わず呟く。

 ちっ、2人。つまりはエクサランスの他にこのグロウセイヴァーにも時流エンジンが搭載されているのはお見通しか。

 

「ラウル! 聞こえているな! 奴が何を狙っているのかは今の言葉で分かった筈だ! いいな、奴にその機体を……エクサランスを……時流エンジンを決して渡すな!」

『アクセルさん! やはり奴は!?』

 

 クロガネからの通信。画面に表示されているのはラージだった。ラージもまた、デュミナスの狙いが何かを理解したのだろう。そしてその危険性も。厳しく引き締まった表情で俺へと視線を向けている。

 グロウセイヴァーでデュミナスから離れながら、通信モニタに向かって小さく頷く。

 

「ああ、奴の狙いは俺達。正確に言えば俺のグロウセイヴァーとラウルのエクサランスに搭載されている時流エンジンで間違い無い。そもそも、奴が最初に俺達の前に現れた時にもエクサランスの時流エンジンを暴走させていたしな」

『そうですね。確かにアクセルさんの話には説得力があります。ラウル、今の話を聞いてましたね。奴に、決して時流エンジンを渡してはなりません!』

「当然だ。奴はそもそもフィオナの仇だ。そんな奴に協力してやる程に俺は優しくない!」

 

 吠えるようにそう叫びつつ、クロガネの近くまで退避するエクサランス。

 それを見ながら、俺達の機体もヒリュウ改の近くまで退避を完了する。

 

「キョウスケ・ナンブ、お前はとにかくラミアを艦の中に置いてこい。そいつを持ったまま戦闘に突入したら流れ弾を食らう可能性がある」

 

 近くでアルトアイゼン・リーゼの両手にラミアを乗せているキョウスケへと通信を送る。折角原作のようにラミアが生死不明になる前にODEシステムのマスターコアが移植されているヴァルシオン改・タイプCFを倒したというのに、ここでデュミナスやらその配下やらに攻撃されて生死不明になっては笑い話にもならない。原作通りにコードDTDを起動出来るかどうかが不明な現状だと、念には念を入れておいた方がいいだろうしな。

 

「……了解した」

 

 キョウスケにも生身のラミアを戦場の中でこのままにしている事の危険性は理解出来ているのだろう。大人しくハガネへと向かう。

 

『アクセル隊、長?』

 

 ラミアが驚愕と共に呟く声がアルトアイゼン・リーゼとの通信モニタを通して聞こえて来る。接触回線でラミアの声がアルトアイゼン・リーゼのコックピット内に響き、それが通信回線を通して聞こえてきたのだろう。

 

「久しぶりだなラミア。だが、今のお前はシャドウミラーに所属している訳でも無く、俺の部下でもない。俺を隊長と呼ぶのは止めろ」

『隊長が無事という事は……レモン様も?』

「隊長と呼ぶなというのに。ああ、レモンも無事だ。だが詳しい話は後だな」

 

 再び感じる念動力。それと同時に、デュミナスの周囲に3機の機動兵器が姿を現す。頭部に3つの顔を持ち、その手には杖のような物を持っている20m程度のPTサイズ並みのエレオス。頭部に翼を模した飾りを持ち、全長15m程度の小型機であるテュガテール。そして以前俺がクロガネと共に戦った、4枚の翼と4本の腕を持つデュナミス配下の機体の中では最も巨大な機体、ヒュポクリシス。

 全てデュミナスが生み出したホムンクルスのテクニティ・パイデスであるティス、デスピニス、ラリアーの操縦する機体だ。

 俺とキョウスケやラミアが話している間に、向こうの方も準備を整えたらしく3機の中で最も小型の機体であるテュガテールが前へと進み出る。

 

「さぁ、覚悟はいいかい! 今度こそあんた達を倒して鍵を渡して貰うよ!」

 

 その錫杖のような物を突きだしてくる様子を見ながら、ヒリュウ改へと通信を繋ぐ。

 

「ヒリュウ改、こちらアクセル・アルマーだ」

『こちらヒリュウ改です。何でしょうか?』

 

 ラウルや他の者達がティス達と会話をしているのを聞きながらも、モニタに表示されたユンへと告げる。

 

「このままここにいるのはやばい。俺の念動力がT-LINKシステムを通して危険を訴えてきている。ODEシステムのマスターコアは破壊出来たんだ。さっさとここから撤退した方がいい」

 

 その言葉にユンは驚きの声を上げ、次にレフィーナがモニタに表示される。

 

『ODEシステムのマスターコアを破壊したというのは本当なのですか?』

 

 ……あぁ、そう言えばODEシステムの端末と化したユルゲンが話をする前に片付けたんだから、こいつらはマスターコアがヴァルシオン改・タイプCFに移植されていた事を知らないのか。

 時流エンジンについて言い争っているラウル達の声を聞き流し、納得する。

 

「そうだ。ユルゲン自体が既に自我もない状態でODEシステムに取り込まれ、その端末と化していた。そしてマスターコアを先程俺が倒したヴァルシオン改・タイプCFに移植してたらしい」

『ですが、それはあくまでも敵からもたらされた情報ですよね? その真偽を確かめる必要もあるのでは?』

「その時間がないからこそこうして通信を送っているんだ。急いで撤退の指示を出さなければ手遅れになるぞ」

『……それ程の事態が起きる、と?』

「まず間違い無く。俺の念動力はそう教えてくれている」

 

 そう告げるも、レフィーナは小さく首を振ってから口を開く。

 

『こちらにも念動力を使うパイロットやT-LINKシステム搭載機はありますが、誰もそのような報告はしてきていません』

 

 ……まぁ、それはそうだろう。ソーディアンがここに転移してくると知っているのは、あくまでも俺の原作知識故なのだから。だが、悪いがここは念動力で押し通させて貰う。

 

「それは俺の念動力の強さと、この機体に搭載されているT-LINKシステムの性能による違いだな。知っての通り、俺の持っている念動力はお前達の誰よりも強い。だが、まぁいい。どうしても信じられないと言うのなら、ここに迫っている危機をその目で確認してから行動を起こせばいいだろう。俺がお前達の指揮下に入っていないように、お前達もまた俺の指揮下に入っている訳では無いのだから」

『……今すぐ撤退をしては、ODEシステムの生体コアとして捕まえられた人達を見捨てる事になります。アクセル・アルマー、貴方がこのヘルゲートから退避するのを止めるつもりはありませんが、私達はここに残って連れ去られた人々を……』

 

 レフィーナがそう言った時だった。ヒリュウ改のブリッジへとアラート音が鳴り響く。

 

『っ!? これは……艦長! UE23、レンジ8に熱源反応多数! ヘルゲートへ向けて急速接近中です!』

 

 同時にオペレーターであるユンからの報告が聞こえて来る。

 

「ん? どうやらそっちでも気が付いたようだね。あんた達の敵はあたい達だけじゃないんだよ」

 

 ティスからの宣言により、近づいて来ているのが敵だというのが判明する。

 

「スレイ、ムラタ、聞こえるな。このままここにいてはジリ貧だ。俺達は一旦退くぞ」

「俺達だけか?」

 

 通信モニタに映し出されたムラタの言葉に頷く。

 

「ああ。このままここにいてはさらに危険度が高くなると俺の念動力が教えてくれている。ヒリュウ改やハガネ、クロガネに対する指揮系統は俺達とは違うからな。向こうに無理強いは出来ない」

 

 意図的にオープンチャンネルでムラタと話す俺。

 

「けっ、ヘタレて逃げるんなら好きにしな。あたしは尻尾を巻くって逃げるのは御免だがな」

 

 強がるように呟いたカチーナだったが、既にタイムリミットは差し迫っている。

 

『近付いてくる敵はバルトールですか?』

『いえ、該当データありません! 未知の敵です!』

『くっ、ここに来てまた新たな敵が出て来るなんて……』

『とは言え、あのお嬢さんの台詞やこの状況で現れた事を考えれば敵であるのは間違い無いでしょうな』

 

 相変わらずの飄々とした態度で話すショーン。そんな中、まるで悲鳴のようなユンの報告が続く。

 

『熱源反応、どんどんと増えていきます! ……っ!? こ、これは! 後方のブルースフィアから撤退命令です!』

『何ですって!? まさか核攻撃を……』

『でしょうな。上層部はヘルゲート攻略作戦を失敗したとみなしたのでしょう。……艦長、どうしますかな? 私としてはアクセル・アルマーが言っていた念動力が察知した危機感の件もありますし、撤退した方がいいと思いますが』

『ですが、それでは連れ去られた人達が……』

『前にはデュミナスと名乗る敵達がおり、また一方では正体不明の敵。その上まもなく核攻撃が始まります。全ての問題に対処しつつ、彼等と戦って勝利を収めるのは私達だけでは無理でしょう。唯一可能性があるとすれば……』

 

 そう言い、ショーンが通信モニタ越しにこちらへと視線を向けてくる。

 その視線を受け止めるが、俺は黙って首を横に振る。正直、それ等だけなら対処可能か不可能かと言われれば対処は可能だろう。だが、最大の問題はやはり時間。ソーディアンが出現するまでにそれら全てを対処出来るかと言われれば答は否だ。

 

『との事です。残念ですが……』

『レフィーナ艦長、ショーン少佐の判断は正しい。全機に告ぐ! 残る力を敵陣突破に使い、ヘルゲートから脱出せよ!』

 

 クロガネのレーツェルがオープンチャンネルで命じ、殆どの機体がレーツェルの指示を聞き後方へと退避する。カチーナの乗っていた量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを始めとして、数機程その場で佇んでいた機体もいたが、それでも最終的には撤退を選択する。

 この辺は猪突猛進のカチーナも軍人だったと言う事か。

 

「スレイ、ムラタ。聞こえたな。俺達も退くぞ。クロガネに続け!」

「了解した。ムラタ、お前の機体がこの中では一番遅い。先に行け」

「……すまん」

 

 短く呟き、スレイに促されたムラタの操る無明がクロガネの後に続き、その後をスレイのカリオンが。そして最後を俺のグロウセイヴァーが守ってヘルゲートから撤退していくのだった。

 とにもかくにも、これでバルトール事件は終わった。次は修羅達とデュミナス。そして本来の歴史であればアクセルが倒したアインストの異種とも言えるイェッツトレジセイア達の出番となる訳だ。それが終わればこのOG外伝の最後の敵であるダークブレイン、ネオ・グランゾン……か。

 ヘルゲート内を高速で移動しながら、思わず内心で溜息を吐くのだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:447

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