転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0510話

 魔法球に向かう技術班のメンバーにエヴァの伝言を伝えた後、俺の姿は市街地にあった。ここでオウカとムラタの2人と待ち合わせしているのだ。何しろ2人共ホワイトスターに関しては詳しくないので住居等を決めておかないといけないし、キブツやら何やらの使い方も教えておかないといけない。ちなみにムラタは以前にもホワイトスターに来ているが、魔法球で過ごした後に桜咲と模擬戦をしてその後すぐにOGs世界に戻ったので、ホワイトスターについての一般的な知識に関してはオウカとそう大差なかったりする。

 いや、むしろ社交的な分オウカの方がこの短時間でムラタよりもホワイトスターに関して知識を深めている可能性が高いか。

 そんな風に思っていると、まず最初にやってきたのは量産型Wにエアカーを運転させているムラタだった。噂をすれば何とやら、か。

 

「待たせたか?」

「いや、そうでもない。それよりもホワイトスターを見て回ってどうだった?」

「そうだな、予想以上に施設が整っているのに驚いたな。その辺のコロニーよりも余程充実している」

「だろうな」

 

 何しろ、このホワイトスターはエアロゲイターが地球人を飼っておく為の、鳥篭のようなものなのだ。篭の中の鳥がストレスやら何やらで死んでしまっては戦力として使う事も出来無いのだから、相応の対策はとってあるんだろう。

 幸か不幸か、そのおかげで俺達シャドウミラーは特に苦労もせずに住居等を入手出来たんだがな。

 

「住居的にはどんな場所がいいとか希望はあるか?」

「ふむ、そうだな。出来れば刀を振れる空間のある場所を希望する」

 

 ムラタの希望としては予想通りといった所か。

 

「それと、出来れば神鳴流の習得をしたいのだが……その辺の手解きをして欲しい」

「あー、その件についてはな。一応向こう側に打診はしてみるが、あまり期待しないでくれ」

 

 麻帆良にいる神鳴流の使い手は桜咲と葛葉の2人のみだ。そして桜咲は近衛の護衛という役目があり、葛葉は麻帆良側の代表としてブルーマーズ計画の件で忙しい。いっそ、近衛の伝手を頼って関西呪術協会に神鳴流の剣士を派遣するように要請するというのもありかもしれないが……悩み所だな。

 

「一応麻帆良側には伝えておくが、あまり期待はしないようにな」

「うむ、感謝する。……ん? オウカとかいう娘も来たようだが……」

 

 ふと道路の先を見ながら呟くムラタ。その不審そうな表情を怪訝に思いつつもムラタの視線を追うと、確かにこちらに向かって来るエアカーにはオウカの姿があった。ただしオウカが乗っているのは転移区画で乗っていったエアカーではなく、かなり大きめのエアカーに変更されており、その搭乗者にしてもオウカの他にレモン、スレイ、フィリオの3人が揃っている。なる程そっちと合流したのか。

 

「お待たせ、アクセル」

 

 エアカーを停車させ、レモンがそう言いながら降りてくる。

 

「そっちと合流してたのか」

「ええ。私としてもオウカとは話しておくべき事があったから。……ねぇ?」

 

 チラリ、と流し目でオウカへと視線を向けるレモン。

 

「……そうですね」

 

 そして何故かそれに対してどこか不機嫌に呟くオウカ。

 その様子に疑問を覚え、思わずオウカの方へと視線を向けて尋ねる。

 

「オウカ、どうかしたのか? もしかしてレモンに苛められたんじゃないだろうな」

「あら失礼ね。私がそんな事をする風に見える?」

「……その辺はノーコメントで」

 

 レモンとそんな風に話していると、何故かオウカがジト目になって視線を向けている。……先程まで話していたレモンではなく、俺にだ。

 

「仲が良くて結構ですね、アクセルさん」

 

 そしてその言葉に答えたのは、何故か俺ではなくオウカの隣にいるレモンだった。

 

「そうでしょう? まぁ、恋人同士で一緒に暮らしていれば仲良くなるのは当然よ。もっとも、まだまだ純情なオウカにはその辺の機微が分からないかもしれないけどね」

「そ、そんな事はありません! 私だって人並みに恋愛経験は……その……あの……」

 

 さて、どうしたものやら。アースクレイドルではそれ程仲が悪くなかったんだがな。何で接触して短時間でこんなに険悪に……いや、レモンの様子を見る限りだと険悪という程でもないか。あの目はどちらかと言えばからかって遊んでいるような感じだ。

 

「あー、取りあえずその辺にしておけ。それでレモン、フィリオの件はどうなったんだ?」

 

 何故か怖々とレモンとオウカを眺めていたフィリオへと視線を向ける。

 

「ええ、その件なら特に問題無く片付いたわ。彼も私達の技術について十分理解してくれたしね」

「そうなのか?」

「ああ。さすがエアロゲイターの所持していたホワイトスターと言うべきだろうね。地球の技術よりも随分と進んでいる」

 

 ホワイトスター。その単語をフィリオが口に出したのを聞いた俺はレモンへと視線を向ける。

 

「あら、教えちゃ拙かったかしら? そもそもここの件を秘密にしていたのはフィリオがシャドウミラーに所属するかどうかがまだ正式に決まっていなかったからでしょう? それなら所属すると決めた以上は隠す必要もないと思ったんだけど」

「……いや、そうだな。確かにレモンの言ってる事は正しい。シャドウミラーに所属する以上はこの件に関しても隠しておく必要ないか。……それと他の件についてもな」

 

 最後に小さく呟くが、フィリオの近くにいたスレイには聞こえたのだろう。ピクリと表情を動かして俺へと視線を向ける。

 

「他にも、だと? このホワイトスター以外にも何か隠している事があるのか?」

「ああ。色々とな。だが……そうだな、今夜辺りシャドウミラーの人員を集めて新たにシャドウミラーに所属したお前達の紹介をする時にでもその辺を説明するよ。楽しみにしていてくれ」

「くっくっく。アクセルも人が悪いな」

 

 魔法や他の世界についての情報を知っているムラタが含み笑いを漏らす。

 ムラタにしても、自分が驚いた分だけ他の者達に驚いて貰いたいというのはあるんだろう。

 

「そうね。確かに新たに所属した人がいるのなら紹介しておいた方がいいでしょうね。場所はどうする? 前にエヴァ達を紹介した場所?」

「そうだな。それがいいだろう。主な面子に連絡をしておいてくれ。時間は午後9時くらいにしておくか」

「分かったわ。……エヴァやフェイトにも?」

「そうだな。あの2人も一応シャドウミラーのメンバーに入っているから連絡はしておいてくれ。来られるようなら来るだろう」

 

 フェイトはブルーマーズ計画の担当、エヴァは魔法顧問という形だがな。

 

「話を戻すが、ムラタは剣を振れるような家を希望するらしいけど、そっちの3人は住居に何か希望はあるか?」

「僕はそうだな……特に拘りは無いけど。スレイはどうする?」

「私はもちろん兄様と一緒の家に決まっている」

 

 堂々とそう宣言したスレイだったが、フィリオが何故か一瞬こちらの方へと視線を向けてから意味あり気に笑みを浮かべながら口を開く。

 

「おや、いいのかい? 僕としては可愛い妹がご執心の人と一緒に暮らすのも悪くないと思ったんだけどね」

「に、兄様、何を!?」

「だって久しぶりに2人で会話をしたかと思えば人の文句ば……」

 

 何かを言い掛けたフィリオだったが、それを隣にいたスレイが強引に口を押さえ込む。

 

「に、ににににに、兄様! いきなり何を!」

「へぇ、スレイさんもやっぱりそう言う事だったんですか。そんなつもりは全くないと思っていたのに……」

 

 そして何故かスレイやフィリオの隣で笑顔を浮かべているオウカ。……ただし目は少しも笑っていないが。

 

「何がどうなっている?」

 

 何故かいきなり険悪になりかけているその様子に、首を傾げながら隣にいるレモンへと尋ねるがレモンは笑顔を浮かべたままスレイやオウカのやり取りを見ているだけだった。

 

「さて、何でなのかしらね? でもそろそろ止めた方が良くないかしら。オウカの家についても決めないといけないでしょう?」

「あー、まぁ、確かに。お前達、その辺にしておけ」

「アクセル! 元々はお前が原因でだな!」

「……良く分からんが、このままここで言い争っていてもしょうがないだろう。とにかくスレイとフィリオは同じ家って事でいいんだろう? オウカはどうする?」

 

 いつの間にか笑っていない笑顔を消していたオウカへと尋ねる。

 

「え? 私ですか? その、特にこれと言って希望は無いです。普通に暮らせれば……あっ、でも出来ればアクセルさんの家の近くだと……その、色々と連絡も取りやすいですし」

 

 あたふたした様子で告げてくるオウカに、首を傾げつつも俺やレモンの住んでいる家の周辺を思い出す。

 一応俺達の家も住宅街に建てられているものだとは言っても、さすがに通常の家の数軒分の敷地を持つだけに周囲には住宅街の景観を考えてかあまり家は建てられていない。その事を告げると、オウカは残念そうな顔をしつつも取りあえずフィリオとスレイが暮らす家の隣でと指定するのだった。

 

「家は決まったな。じゃあ、取りあえず分からない事とかがあったら量産型Wに聞けば大体分かるから、そっちに聞いてくれ」

 

 4人にそう告げ、それぞれに量産型Wが世話役として付いていくように指示を出す。

 

「あぁ、それとさっきの俺とレモンの会話を聞いてれば分かったと思うが、今日の午後9時になったら居住区にある体育館に来るようにな。そこでお前達をシャドウミラーのメンバーに紹介するし、シャドウミラーとして生活していく上で知っておいた方がいい事。それにシャドウミラーとしてまだ教えていない部分についても説明する。体育館の場所に関しては量産型Wに聞けば問題無い筈だ」

 

 その言葉に全員が頷いたのを確認し、解散とするのだった。

 それぞれが去っていくのをレモンと2人で見送ってから口を開く。

 

「それで、レイとエクステンデッドとか言ったか。そっちの治療はどんな具合なんだ?」

「あら、よく私が言いたい事が分かったわね」

「何年の付き合いだと思ってるんだ。と言うか、さっき研究室でその件について話があるって言ってただろうに。……それで、どんな具合だ?」

 

 俺の言葉に小さく笑みを浮かべてから説明を開始する。

 

「レイに関して言えばもうそろそろ治療は完了するわ。技術的な説明とかいる?」

「いや、そっち関係には詳しくないからな。端的に結果だけ教えてくれ」

「テロメアの問題は解決。後数日程でチャンバーから出す事が出来るわ。ただ、テロメアの治療による影響で身体の筋力とかが多少低下しているからある程度のリハビリは必要でしょうね」

「……そうか、治療は完了したか」

 

 安堵の息を吐く。

 自信満々にギルバート・デュランダルから引き受けたとは言っても、そしてレモンの技術を信じていたとしても、やっぱりこういうのは実際に治療が成功するまでは安心出来無いんだよな。

 

「それで、エクステンデッドの方は?」

「そっちに関してはレイより余程問題無いわよ。もちろん投薬処置や精神的な洗脳の類もあるから簡単にとはいかないけど……」

 

 やはり現時点で投薬されたりはしていたんだろう。

 

「けどエクステンデッドはもっと大量に保護したと聞いたんだが、何でレイと一緒に治療してるのはあの3人だけだったんだ?」

「ああ、それは簡単よ。あの3人が保護されたエクステンデッドの中でも最も治療が必要だったの。恐らくそれだけ優秀だったんでしょうね」

 

 確か原作ではロドニアのラボで反乱か何かが起きて、それで生き残ったのがあの3人だったような……いや、違うな。スターゲイザーに出ていたファントムペインの3人もいた筈だが。まぁ、その件は後でウズミに連絡して調べて貰うとしよう。幸い最初期のファントムペインだったせいか投薬やら何やらはエクステンデッドよりも少なかった筈だしな。メインは洗脳だった筈だ。

 

「それで、その3人はいつくらいに治療を終えるんだ?」

「レイよりちょっと早いくらいね。だから数日中にはチャンバーから出せると思うけど。……ねぇ、あの子達はどうすればいいと思う?」

 

 物憂げな表情で尋ねるレモンだが、俺に出せる選択肢はそう多くはない。

 

「シャドウミラーの保護下としてホワイトスターで育てるか、オーブに引き取って貰うか。……いっその事、ネギま世界で引き取って貰うというのもありかもしれないな」

「そう、ね。もう少し考えてみるわ。あの子達にとってベストの……それが無理でもベターの選択肢を」

 

 俺に出来るのは、レモンの肩を抱いてやる事だけだった。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:447

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