転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0553話

 見る見る間に迫ってくる鋳人。そしてその武器であり本体でもある薙刀。大振りで振るわれたその刃を回避し、内側へと入り込み。

 

「アダマンハルパー、展開!」

 

 その声と共に現れた大鎌を鋳人目掛けて大きく振るう。

 本来であればその本体である薙刀の方を狙えばいいのだろうが、こっちがそれを知らないと鋳人が思っているのは大きなアドバンテージだ。転がり込んできたその幸運は有効に使わせて貰おう。

 だが、さすがにアダマンハルパーの一撃をまともに受けるつもりはないのか、大きく後方へと跳び退ってこちらの攻撃を回避する。だが、それはある意味でこちらの予想通り。

 

「アヤ!」

「任せて!」

 

 その言葉と共にR-3パワードからレーザーが放たれる。そのレーザーは大きく弧を描き、ニーズヘッグを回避するようにして鋳人へと向かって行く。R-3パワードを代表する武器の1つ、念動力収束式レーザーキャノンだ。

 

「っ!?」

 

 さすがにその攻撃は予想外だったのだろう。鋳人の腹部を貫通していくレーザー。しかし……

 

「そんなっ、再生してる!?」

 

 アヤの声が通信を通して聞こえて来る。

 そう。そもそも本体ではない部分である上に、HP回復能力を持っている鋳人にしてみれば、この程度のダメージを回復するのはそう難しくは無いのだろう。

 

「気にするな。とにかく攻撃をしまくって奴の再生能力を上回ればいいんだ。アインストを始めとして、再生能力を持った敵とはこれまで何度も戦ってきたのを思い出せ」

「そ、そうね。取り乱したわ。再生速度以上のダメージを与えればいいのよね。……アクセル、少し離れて。ストライク・シールドッ!」

 

 その声と共に、6機のストライク・シールドが放たれて鋳人へと向かって行く。

 俺のファントムとは違い、完全に打突用の武器であるストライク・シールドは、それだけにこの場合は有効だった。

 四方八方から襲い掛かって来るストライク・シールドを、薙刀を使って弾く鋳人。

 だがその隙があれば俺にとっては十分だった。

 

「はああぁぁぁっ!」

 

 踊り狂うストライク・シールドを潜り抜けるようにして鋳人との間合いを詰め、アダマンハルパーを構える。そちらに反応しようとした鋳人だったが、次の瞬間には背後から襲い掛かったストライク・シールドがその動きを妨害する。

 ストライク・シールドの一撃により体勢を崩した鋳人のその様子を俺が見逃す筈も無く、それでも諦め悪く振るわれた蹴りを回避しつつアダマンハルパーを振るう。

 斬っ! そんな音を立てながら上半身と下半身が切断され、同時に。

 

「アダマンハルパー、ナイン・テールモード!」

 

 その言葉と共に9条の鞭と化したアダマンハルパーが、下半身、上半身、そして両腕、首、両脚と切断していく。

 

「アヤ、最後の一撃だ。俺に合わせろ!」

「え、ええ!」

 

 俺の言葉にどこか戸惑った様子のアヤをそのままに、T-LINKシステムへと念動力を通していく。

 

「T-LINKシステム、フルコンタクト。ファントムッ!」

「ストライク・シールド!」

 

 ヒュドラから放たれた合計48機のファントムに、6機のストライク・シールド。合計で50を越える遠隔操作武器が雨霰と鋳人へと降り注ぐ。

 ビームソードを展開しながら放たれたファントムがただでさえバラバラになっている鋳人をさらに砕き、破壊し、斬り裂き、焼き尽くす。同時に、ストライク・シールドもまたその打撃武器としての特性を十分以上に使い、まるで永遠に殴られているかのように鋳人の切断された四肢へとぶつかり、ぶつかり、さらにぶつかっていく。

 それだけの攻撃を受けても尚薙刀を放さなかった左手首へとストライク・シールドが命中し、その衝撃で薙刀が空中へと放り投げられた。

 よしっ、そこだ!

 

「愛。……沈め、アンノウン!」

 

 その言葉と共に放たれたメガ・バスターキャノンの巨大なビームが、空中へと放り出された薙刀を捕らえる。

 ビームが命中する寸前、刃の部分に突然口が現れて何か行動を起こそうとするが……次の瞬間には高威力のビームと、さらに愛の中に入っている熱血の効果により、文字通り細胞の一片も残さずに消滅するのだった。

 

「ふぅ、取りあえずこっちは何とかなったな。後は……」

「そうね。残るは」

 

 アヤと通信を交わしつつ、視線をイェッツトレジセイアの方へと向ける。

 そこには既に身体の3割近くを消滅させつつも、それでも未だに再生してどうにか生き残ろうとしている100mを越える化け物の姿があった。

 いや、身体の3割程が既に消滅しているのを考えると100mはもうないか。

 となると……モニタに映し出される機体の数々。その中でも指揮官機でもある量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改へと通信を繋げる。

 

「カイ・キタムラ。聞こえているか?」

「ああ、聞こえている。何だ、この忙しい時に!」

 

 俺へと叫びながらメガ・ビームライフルを至近距離でイェッツトレジセイアへと撃ち込むカイ。

 

「こっちに出て来た敵の処理は終わった。そっちの方に援軍は必要か?」

「ああ、出来れば頼む!」

 

 やはり再生能力に手こずっている、か。そして無限に近いと思える程に量産されているグリートとクノッヘン。

 取りあえず許可は取った。なら。

 

「アヤ、ここからは別行動だ。お前もチームメイトとの方が連携を取りやすいだろう?」

 

 アヤへと通信を送りながら、ファントムをヒュドラへと収納していく。

 

「……それはちょっと困るわね。一応私は貴方の監視役も務めているのよ?」

「そうは言っても、どのみち奴と戦うのならお前達と共同で当たる事になるんだから、監視云々は関係無いだろうに」

「それは……ちょっと待って頂戴」

 

 そう言い、どこかへと通信を送っているアヤ。恐らくヒリュウ改かハガネに許可を貰っているのだろう。

 そして俺のSPが徐々に回復して来ているのを見ながら待っていると。

 

「OKよ。許可を貰ったわ」

「良し。ならお互いに気を付けて戦うとしようか」

 

 アヤにそう告げ、早速とばかりにツイン・ドライブへと念動力を流し込もうとしたその時。

 

「ね、ねぇっ! その、ダメージを受けないでさっきの敵を倒したら、その……」

「ん? どうしたんだ?」

「だからっ! ……ううん。何でも無いわ。ちょっと考えすぎただけ。それよりも早く奴を倒しましょ。全く……」

 

 何やら良く分からないが、とにかく問題は無いらしい。そう判断して、今度こそツイン・ドライブへと念動力を流し込む。

 

「全く。口説くんなら最後まできちんと口説きなさいよね。人をその気にさせておいて」

 

 なにやらアヤが小さく呟いていたようだが、ツイン・ドライブへと念動力を流し込むのに集中している俺には聞き取れなかった。

 

「お。アクセル。そっちは片付いたのか!?」

 

 そう言いつつ、放たれるソード・ブレイカー。R-3パワードのそれとは違い、打突武器の他にもレーザー弾を発射する6機が放たれ、グリードの蔦を焼き、あるいはクノッヘンの骨の部分を打ち砕く。

 

「ああ、なんとかな。それにしてもこっちは大勢で掛かってる割には随分と手こずっているじゃないか」

 

 ヒュドラから放たれる18門のビーム砲が、グリード3体にクノッヘン2体を一瞬にして消滅させる。

 

「無茶をいうなよ。向こうの再生能力が高い上に、次から次にこいつらを生み出してくるんだから」

「全くだな。生み出された雑魚共を放っておいて本隊に攻撃を仕掛けようにも、中途半端なダメージではすぐに回復される。そして近寄らせないように雑魚共を次から次に生み出してくる。だが、俺が来たからにはこちらとしても思い切った手が打てるな。……スレイ、横から回り込んでビームを撃ち込め。オウカ、イザークは重力系の武装を撃ち込んで敵を一掃しろ! その後はムラタ、お前が道を拓け!」

 

 その指示に従い、スレイは戦場を大きく回り込んでエルアインス最大の特徴でもあるツイン・ビームカノンで数匹のグリードを纏めて消滅させ、その隙を突くかのようにヒュッケバインMk-ⅡのGインパクト・キャノンとヒュッケバインMK-Ⅲのグラビトン・ライフルから放たれた重力波が周囲の敵を一掃していく。続いてその一撃で出来た道を右手に五大剣、左手にシシオウブレードを構えたトリニティゲインが突き進み、イェッツトレジセイアが振るう触手を切り裂いていく。

 その展開にチャンスと見たのだろう。ヒリュウ改やハガネの機体達もまた、攻撃を一点に集中させていた。

 

「アクセル、行け!」

「そうね、さっさと終わらせて今夜はゆっくりと休みましょう」

 

 コーネリアとレモンの声が重なり、その言葉に続くようにO.O.ランチャーとO.O.ライフルからそれぞれ弾丸とビームが連続して放たれる。

 それ等は、キョウスケ達を含むヒリュウ改やハガネの部隊も含めて撃破した敵がいた空間を再び埋めようとしていたグリードやクノッヘンを破壊して、消滅させていく。

 

「ゼネラル・ブラスターッ!」

 

 そんな中、それでも姿を現してくる敵へと向かいトリニティゲインの両肩から放たれる熱線砲が纏めて消滅させていく。

 よし、道が出来た!

 

「加速!」

 

 少しでも時間を縮めるために精神コマンドの加速を使用。同時にツイン・ドライブを全開にして、急激に距離を縮めていく。

 近付いてくるニーズヘッグに気が付いたのだろう。そうはさせじと触手を振り回すイェッツトレジセイアだったが、その殆ど全てをT-LINKシステムで感知して回避し、あるいは回避仕切れないものはヒュドラから伸びている18本のビームサーベルで切り裂く。どうしようもない攻撃に関しては、ニーズヘッグの特徴でもある4重に重なっている各種のバリアで防御する。

 

「はああぁぁあっ!」

 

 大量に伸びてきた触手を螺旋に回転しながらなぞるように根本へと辿っていく。もちろんその際にもヒュドラのビームサーベルは展開しているので、ニーズヘッグが通り過ぎた後の触手は斬り裂かれて地面へと落ちていた。

 そして……

 

「ようやくここまで接近させてくれたな。行くぞ。グレイプニルの糸、起動!」

 

 ヒュドラの先端から放たれた念動力で生成されたグレイプニルの糸がイェッツトレジセイアの身体中へと幾重にも巻き付く。

 

「っ!?」

 

 そして当然そんな風に雁字搦めにされては動ける筈も無く。

 

「全機、俺がこれからこいつを空中に吹き飛ばす。その隙を逃さずに一斉射撃しろ!」

 

 その場にいる全員へと通信を送り……

 

「ニーズヘッグ。今こそお前の力を見せてみろ。T-LINKシステム、フルコンタクト! トロニウム・エンジン、フルドライブ!」

 

 その言葉と共に、主動力がブラックホールエンジンからトロニウム・エンジンへと切り替わり、これまで以上のエネルギーを機体へと供給する。潤沢な……否、潤沢すぎるそのエネルギーは、下手をしたら機体が爆発しかねない程のもの。トロニウム・エンジンをフルドライブにし、T-LINKシステムのフルドライブにより安定して供給されるエネルギー。それらと共にT-LINKフレームもまた赤く発光して、ニーズヘッグ本来の力を発揮させる。

 

「うおおおおおおおおおっ!」

 

 絶叫と共に、次の瞬間には100mを越えるイェッツトレジセイアの姿がフワリと空中へと持ち上がる。同時に、その圧倒的な推進力に物を言わせ急激に上空へと上がっていき、そして次の瞬間。

 

「SPブースト……斬っ!」

 

 その巨体の殆どが大きく斬り裂かれ、それでも各々が10m程度の大きさを持って地上へと落ちていく。そしてそこに地上から幾筋ものビームやレーザー、重力波砲、あるいはその他諸々の攻撃が集中し……

 

「……せめて安らかに眠れ。愛」

 

 精神コマンドの愛を再度使用。同時に、後方ヒュドラに内蔵されているメガ・バスターキャノンとグラビトン・ランチャーの照準を合わせ、トリガーを引く。2門の砲門から巨大なビームと重力波砲が放たれ、イェッツトレジセイアの大部分を地上からの攻撃と共に消滅させるのだった。

 

「これで、地上で戦うべき相手は全て倒した。残るは……」

 

 修羅王、デュミナス、ダークブレイン、ネオ・グランゾン、か。




アクセル・アルマー
LV:40
PP:555
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:498

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