転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0579話

「ふぅ……」

「あらあら、お疲れのようね」

 

 ミツコとの通信を終えた俺を見ながら、レモンが笑みを浮かべつつ紙コップに入った紅茶を手渡してくる。……いつの間に用意したのやら。

 その紅茶を受け取りながら、溜息と共に言葉を吐き出す。

 

「それなら、レモンが俺の代わりにミツコと交渉してくれてもいいんだが? そもそも俺に向いているのは現場であって、こういう交渉事は苦手だってのは理解しているだろう?」

「確かにそうかもしれないけど、でも貴男はシャドウミラーを率いる立場なのよ? こういうのにも慣れておかないとね。それを考えれば、ローズのお嬢ちゃんは最適の相手よ」

「……まぁ、それは否定しないさ」

 

 再び溜息を吐き、紙コップへと口を付ける。

 そんな俺へと、次はコーネリアが口を開く。

 

「私としては、アクセルの交渉事もそれなりに堂に入っていたと思うがな」

「そうね。ただ、今回の件はあくまでもローズのお嬢ちゃんがシャドウミラーの持つ武力と、アクセルの個人的な戦闘力を知ってたからこその結果なのよ。出来れば、それを無しでも互角に交渉出来るようになるといいんだけど」

「あら、レモンも随分と高望みするのね。でも、シャドウミラーとしての性格を考えると砲艦外交をメインにするのは当然じゃない?」

 

 量産型Wが上げてきたデータで、シロガネの各所の損傷チェックの結果を手元のモニタに表示して見ていたマリューが不意に呟く。

 

「確かにこの世界でならそれもいいでしょう。SEED世界やネギま世界も同様にね。けどギアス世界や、あるいは他の……これから先、アクセルが転移するだろう未知の世界の事を考えておけば、交渉能力を鍛えておくのに越した事はないわ」

「……ま、それは否定しないさ。それよりマリュー、アルティスに連絡を取ってくれ」

 

 どことなく俺に不利な流れになってきたのを感じ、話を誤魔化す意味も含めてマリューへと声を掛ける。いや、実際そろそろ転移の準備を始めないといけないのも事実だしな。

 

「ちょっと待って……マルディクトに通信を繋いで」

 

 マリューの指示により、ブリッジクルーの量産型Wが操作をして、やがてモニタにアルティスの顔が映し出される。

 

「アルティス、アクセルだ。修羅の準備はどうなっている?」

『ああ、問題無い。もう少ししたらそちらに連絡をしようと思っていた所だ。現在修羅達を連れて修羅王の間に向かっている。シロガネをこちらに寄こしてくれないか? 到着したらすぐに乗り込みたい』

 

 へぇ、さすがに行動が早い。……まぁ、変に時間を掛けていると艦隊が到着してしまうしな。

 

「分かった。マリュー」

「ええ。すぐに修羅王の間にシロガネを向けるわ」

 

 現在シロガネがいるのが、奥の院の最奥部だ。ここから修羅王の間まではそれなりに時間が掛かるのを考えると、多少急いだ方がいいかもな。

 

「アルティス、シロガネから出る時に言ったように修羅神はソーディアンに残してきているな? 修羅神をシロガネに積み込むのは無理だぞ」

『ああ、もちろんだ。現在修羅神を使っているのは見ての通り私のマルディクト。それとメイ、フェルナンド、アリオン、それと合流したフォルカのみだ。そして私達にしても、修羅神は修羅王の間に置いてシロガネに搭乗する予定だ』

「そうか、それは助かる。それで、具体的な人数は何人くらいになったか分かるか?」

『ああ。やはり500人を若干オーバーしているくらいだ。正確な人数としては523人だな』

「……マリュー、523人。搭乗可能か?」

「うーん……ちょっと窮屈になるけど、無理じゃないわ」

「そうか、なら受け入れ準備の方を頼む」

「ええ」

 

 マリューが頷き、早速量産型Wへと指示を出していくのを見ながら、再び通信モニタに表示されているアルティスへと視線を向ける。

 

「と言う事だ。取りあえずこっちの受け入れ体勢は整っている。……ただし。何度も言うようだが、幾らお前の部下だとしてもシロガネの艦内で騒ぎを起こすようなら容赦無く処断する。その辺をきちんと修羅達に言っておいてくれ。俺としてもシロガネの艦内で力を発揮するような真似はしたくないしな」

『うむ。その旨についてはきちんと言っておく。だが、修羅であるだけに大人しくしているのは苦手だというのもあるのでな。その辺を配慮してくれると助かる』

「これまでの修羅としての生き方を捨てるのを条件だと言った筈だな? それを守れないようなら、こちらとしても対応を考えざるを得ないが?」

『……了解した。修羅の者達には厳しく言い聞かせておく』

「なら、修羅王の間で」

 

 その言葉を最後に、マルディクトとの通信が途切れた。

 

「……あそこまで強くいってもいいのか?」

 

 そしてそんな俺へとコーネリアが尋ねてくる。恐らく修羅を率いているアルティスとの関係悪化を懸念しているのだろう。

 

「何しろ修羅だからな。ヒリュウ改やハガネと合流するまでに幾度か相手にしてきたんだから、どんな性格の奴等かはコーネリアも分かってるだろう? 念には念をいれて、さらにそこから念を入れるくらいで丁度いいだろうよ」

 

 ソーディアンに突入した時に、前修羅王であるアルカイドに対する忠誠心を見せたのには思う所があったが、それでもこれまでの修羅の様子を見ている限りでは下手に自由を与えるとシロガネの中で暴れかねない。こうなるとスペース上の問題で修羅神を持ち込ませなかったというのも絶妙の一手だったと言えるかもしれないな。

 

「それに、アルティスは頭のいい男だ。自分達の立場はしっかりと認識しているさ。ここで俺達に迷惑を掛けて、転移に時間が掛かったりしたらケネスの息が掛かった艦隊が到着する。そしてその時に一番困るのは奴等だからな」

「……まぁ、そう言われればそうなのだがな。迂闊に溜め込ませて爆発させるような事は無いようにした方がいいと思うぞ」

 

 世界の3分の1を支配していたブリタニアの皇族だけに、コーネリアの言葉には感じるものがあった。

 

「そうだな。なら、そうならない為にも早速準備に入るか。マリュー、シロガネの通信機でホワイトスターを経由してネギま世界にいるフェイトに連絡を」

「え? 分かったわ。ちょっと待ってね」

 

 マリューがそう言い、量産型Wに指示を出す。そして数秒後……

 

『何だい? こっちは結構忙しいんだけど』

 

 通信にフェイトが出る。とは言っても、モニタに映像は出されていない。何しろフェイトが持っている通信機は俺がフィオナやアヤ、アルティスに渡したのと同じ物だ。あくまでも可能なのは音声でのやり取りだけであり、映像を送る事はお互いに出来ない。

 

「フェイトか、俺だ、アクセルだ。以前言ってたように、火星のテラフォーミングを行う人手を確保した。その為の連絡だ」

『……』

 

 俺の言葉を聞き数秒の間があり、フェイトが口を開く。

 

『それはまた、ありがとうと言うべきなのかな? それともおめでとう?』

「さて、その辺はどうだろうな。まぁ、とにかく火星で動くための修羅神というロボットのようなものも持っているし、テラフォーミングの作業には最適な筈だ」

『そうかい。それは僕としても助かるね。それで何人くらいの人手があるんだい?』

「約500人だ。それと、そいつらが火星で使う為の拠点も確保してある。ただ、それに関連してちょっと問題が起きてな。こうしてお前に連絡をした訳だ」

『問題?』

「ああ。そうだな……正確な時間に関しては後で連絡するが、麻帆良にあるゲートシステムの上空に強力な認識阻害の魔法を使って欲しい」

『……理由を聞いても?』

「そっちに連れていく者達……修羅という種族なんだが、こいつらを一気に火星まで運ぶ為に俺達の旗艦ごと麻帆良に転移する予定だからな。さすがに600m近い戦艦が空中に浮かんでいれば、麻帆良に認識阻害の結界が張られていると言っても目立つだろう?」

『……』

 

 再びの沈黙。恐らく、フェイトだけでそれだけの認識阻害の魔法を使えるかどうかを考えているのだろう。そして数秒程した後に、フェイトが口を開く。

 

『それだけの大きな結界となると、僕だけじゃちょっと無理だろうね。麻帆良の魔法使い達に対しても説明しておかないといけないし。麻帆良側に協力を要請しても?』

「ああ、問題無い。こちらとしては最初からそのつもりだったからな。近右衛門やネギ辺りに協力を要請してくれ。エヴァは……無理か」

 

 学園結界がある以上、エヴァは麻帆良では力を発揮出来ないしな。

 

『それ以前に、彼女は今日オーブの方に出掛けているよ』

「……なるほど」

 

 まぁ、ようやく外に出られるようになったんだし、オーブの方に出掛けても不思議は無いだろう。……ここ暫くかなりの頻度でオーブの方に顔を出しているから飽きそうなものだが。

 

「となると、近右衛門だけだとちょっと難しいかもしれないな。魔法先生達にも出張って貰う必要があるか」

『そうだね、その方がいいと思う。じゃあ、僕は早速段取りを付けるからこれで失礼するよ。そうそう、転移してくるのは具体的にどのくらいの後になるのかな?』

「正確には分からないが、大体1時間から2時間後くらいだと思っておいてくれ」

 

 修羅達500人をシロガネに乗せるのに、どのくらいの時間が掛かるか分からないからな。大目に言っておく方がいいだろう。

 

『分かった。なら至急麻帆良の方にも知らさせて貰うよ。繰り返すけど、転移する直前に連絡は貰えるんだね?』

「ああ」

 

 俺のその言葉を聞くと、通信が途切れる。時間的な猶予を考えると、なるべく早く近右衛門に連絡をしておきたいのだろう。

 

「さて、これで連絡すべき場所には全部連絡した。……レモン、一応念の為に格納庫に一緒に来てくれ。システムXNについては損傷の類は無い筈だが、一応確認しておきたい。ホワイトスターに、そして火星に転移する時になって誤動作を起こしたりしたら堪ったものではないしな」

「まぁ、そうね。一応うちの技術班の能力を考えれば心配はいらないと思うけど、念の為に確認はしておきましょうか。……こういう時には、特定パイロットしか起動出来ないというのはちょっと面倒臭いわね。機体の調整や修理の時の事も考えて、技術班だけはどうにか起動出来るようなシステムにしておくべきかしら。私のDNAをキーにするとかして」

 

 ……レモンの今の言葉を聞いていてふと思ったんだが、それだとエクセレンやアルフィミィもニーズヘッグを起動出来る事にならないか?

 まぁ、レモンがこの世に生まれた時の影響でDNAに変化が起きてる可能性は十分あるが。アルフィミィに至ってはアインストと……いや、それはエクセレンも同じなのか。

 

「マリュー、俺とレモンはニーズヘッグの確認の為に格納庫に行くから、修羅王の間に到着したら連絡してくれ。修羅達を全員乗せたら、連邦軍の艦隊が来る前にさっさとホワイトスター経由でネギま世界の火星に向かうからな」

 

「分かったわ。……コーネリアはどうするの? 格納庫に行く?」

「いや、私が行っても技術関係では役に立てないだろうからな。大人しくここでマリューと一緒に待ってるさ」

「ふふっ、ありがとう」

 

 そんな風に笑みを浮かべて会話を浮かべる2人を背に、俺とレモンはブリッジから出て格納庫へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

「アクセル? どうしたんだ?」

 

 格納庫に到着すると、不意にそんな風に声を掛けられる。

 声の方へと振り向くと、そこにいたのはムウだった。戦闘が終わったばかりだというのに、格納庫にいるのは珍しいな。

 

「そっちこそどうしたんだ? 一連の戦闘も終わったんだし、てっきり自分の部屋で休憩してるかと思ってたんだが。あるいは、ホワイトスター経由でナタルに連絡を入れてるとか」

「ははっ、確かにそうしたい気持ちもあるんだけどさ。今、ここにこの世界の軍隊が艦隊向かわせてるんだろ? ならいざという時の為にアシュセイヴァーの補給を済ませておこうと思ってな」

「……別に補給が必要なら、お前がやらなくても量産型Wに任せておけばいいだろうに」

「それが、ニーズヘッグのデータ取りを最優先に命令されてるって事でな。人数はあまり割けないんだと。だから人手の足りない分を俺がやっている訳だ」

 

 なるほど。この辺、まだまだ量産型Wが柔軟さに欠けているところか。

 いつの間にか俺の側からニーズヘッグの状態を確認しているレモンへと視線を向けながらそう思う。

 

「戦闘になる確率は少ないんだぞ? 恐らく向こうが到着する前に俺達は既にネギま世界の火星にいるだろうし」

「それでも戦闘になる可能性があるのに、機体が100%の状態じゃないってのは何て言うか、こう……いまいちスッキリしないんだよ」

「まぁ、お前がそれでいいなら構わない。……ムウに言うまでも無いことだが、パイロットは休める時に休むのも仕事の内だってのを忘れるなよ」

「はいはい。これが済んだら休憩させてもらうわ」

「アクセル! ニーズヘッグの起動をやってちょうだい!」

 

 レモンに呼ばれ、軽く肩を竦めてからニーズヘッグの方へと向かうのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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