転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0583話

「ん……?」

 

 眩い太陽の光に照らされ、目を覚ます。周囲の様子に何か違和感があって見回すが、俺の寝ていた場所がホワイトスター内の寝室ではないというのに気が付く。そして……

 

「ん、ちょっとアクセル。まだ眠いんだからもう少し眠らせてよ……」

 

 周囲を見回した影響で、俺の腕を枕にして眠っていたレモンが気怠そうな声でそう呟きながら、胴体へと抱き付いて巨大な膨らみを押しつけながら再び寝息を立て始める。

 

「アクセル……? もう起きるの?」

 

 俺の隣で眠っていたマリューもまた、寝起きの気怠そうな様子で上半身を起こす。その際に毛布が滑り落ち、芸術的と言ってもいいような豊満な身体付きが朝陽に照らされるその様子は目の毒でしかない。そしてこの2人がいるという事は、当然コーネリアもいる訳で。

 

「ん……」

 

 今のやり取りにも気が付いた様子も無く、マリューやレモンに勝るとも劣らぬ大きさを誇示する胸は寝息に合わせて上下していた。

 そんなコーネリアの濃い紫の髪を撫でながら、ここが何処なのかを思い出す。目が覚めた時にも思ったが、ここはホワイトスターにある俺達の家ではなく魔法球の中だ。それも、その中にある別荘の俺専用の部屋。昨日の打ち上げパーティの後で久しぶりに4人で夜を過ごしたんだったな。

 ……魔法球の中で朝陽とかを感じるのは、恐らく魔法球のシステム的な性能か何かなんだろう。

 レモンの生の体温を感じながら、コーネリアの髪を撫でつつ時計へと視線を向けると、そこに表示されているのはAM09:26分。どうやら随分と遅くまで寝過ごしてしまったらしい。そんな風に思っている時に、突然コンコン、という扉がノックされる音が聞こえてくる。

 

「アクセル、そろそろ起きろ。皆、朝食を終えてそれぞれのやるべ……き事……を……」

 

 そんな声を出しながら部屋へと入ってきた女、スレイが言葉の途中で動きが固まり、目を見開いてベッドの上で固まりに近い状態になっている俺達へと視線を向ける。

 

「なっ、なっ、な……ふ、不潔だぞアクセルッ!」

 

 顔を真っ赤にしたスレイの怒鳴り声が、この部屋どころか別荘中へと響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

「全く、別にお前達が付き合っているのは知っているが、それでも皆のいるようなこんな場所であんな事をするというのは、常識を疑うぞ」

 

 ブツブツと文句を言いながら、茶々丸の入れた紅茶を口に運ぶスレイ。

 その横では、ニヤニヤとした笑みを浮かべたエヴァがスレイへと視線を向けていた。

 

「くっくっく。スレイとか言ったか。お前は年齢の割には妙に初心だな。全く、うちのクラスの連中にも見習わせてやりたいくらいだ」

「……私としては、アクセル君の方にこそスレイさんを見習って欲しいのですが」

 

 どこか不機嫌そうな表情を浮かべたあやかが、紅茶を口に運びながらそう呟く。

 現在、別荘の中にあるこの食堂に集まっているのは、茶々丸の作った少し遅い朝食を食べている俺、レモン、コーネリア、マリュー。朝から刺激的とも言える光景を見てしまった為に、未だに照れか怒りで頬を赤くしているスレイ、その話を聞いて面白そうな笑みを浮かべているエヴァ、拗ねた表情を見せているあやか、あらあらと穏やかな笑みを浮かべている千鶴、聞いた話だけで頬を赤く染めながら、それでも気になっている円、ストレートに興味津々な様子で夜の生活の様子をマリューへと尋ねている美砂、潔癖症故かその手の話が苦手そうな為にジト目で俺へと視線を向けているオウカ、そして朝食の準備をしてくれた茶々丸といった面子だった。

 その他の面子はと言えば、葉加瀬は技術班の方に、桜咲はムラタと剣の稽古をしつつ、近衛がいざという時の回復役として。ムウとナタルはまだ起きてきておらず、レイを筆頭に年少組は別荘の周囲にあるジャングルへと遊びに行っている。イザークとエザリアは親子揃ってのんびりしているらしい。

 

「貴方達も後3年くらいで私達の仲間入りをするつもりなんでしょう? なら、アクセルの夜の生活についても知っておいた方がいいんじゃないかしら?」

「レ、レ、レ、レモンさん!? 私は別に、そんな……」

「可愛い嫉妬を表すくらいなら、美砂みたいに自分に素直になった方がいいわよ?」

「嫉妬なんて、そんな……」

「あれ? 私が引き合いに出されてる?」

「そりゃ、あれだけ興味津々な顔をしてればそうなるでしょ」

 

 心外だ、とでも言いたげな美砂に円が思わず突っ込む。

 その様子に、周囲の皆が笑みを浮かべて和やかな雰囲気になるのだった。

 話の種にされた方としては正直微妙な感じだが、俺としてもあやか達が俺へと向けている気持ちというのはもちろん知っている。だが、それでもどうにも出来ないのが男という性な訳で……

 

「さて、その辺の話はそれくらいにして今日をどうするかの話に移るか」

 

 取りあえず話題を移す事にする。

 だが、レモンやマリューにしてもその件については歓迎する話だったのだろう。特に異論を唱える様子も無く、そっちへと話を移していく。

 

「私やマリューは昨日も言ったけど、ニーズヘッグの修理とネオ・グランゾンから奪ってきたパーツや、ヴァルシオン改の解析や分析、調査。それとシロガネの改造といったところね。それと、他の機体のオーバーホールもこの機会にやっておきたいわ。という訳で、アクセル。朝食も済んだ事だし早速ハンガーの方に行きましょう。シロガネに関してはハンガーに入りきらないけど……」

「いや、そんな急に言われてもな」

「構わんさ。こっちはこっちでやっている。将来的に私達の一員になるだろう4人に、普段の私達がどのような生活をしているのかを教えておくのも悪い事じゃないしな」

 

 朝食を食べ終わったコーネリアが、紅茶を口にしながらそう告げてくる。

 そしてあやか達4人は、そんなコーネリアに期待の眼差しを送っていた。

 

「それに、あの激戦を繰り広げた後だからな。皆の機体もオーバーホールは必要だろう。特に私達シャドウミラーは基本的に少数精鋭の部隊だ。それこそ、ヒリュウ改やハガネといった者達よりも質に特化している、な。その分私達が使う機体の状態が悪いとなると、容易に致命的なダメージになるぞ」

 

 先程の、どこか笑みを含んだ言葉とは違い真剣に答えるコーネリア。

 確かに俺達シャドウミラーは基本的には少数精鋭だというのは間違い無い。もっとも、それはメギロートを使わないと仮定した場合に限るが。メギロートを使ってもいいのなら、質と量を兼ね備える部隊となる。

 

「そうだな、ならコーネリアの言葉に従って機体をどうにかしておくか。……俺にしてもニーズヘッグは修理しておきたかったし」

 

 ネオ・グランゾンの戦いで、大破となってしまったニーズヘッグ。一応システムXNを使うのには支障は無かったが、早いところ完全に修理をしておきたい所だ。

 

「そうね、じゃあ行きましょうか。悪いけど、アクセルを借りるわ」

「さて、じゃあ私も行こうかしら」

 

 レモンとマリューに両腕を掴まれ、2人の深い谷間の感触を感じつつハンガーまで連行されるのだった。

 

 

 

 

 

 ニーズヘッグを開発していた隔離地区にあるA-1ハンガーへと到着した俺は、早速とばかりに空間倉庫からニーズヘッグを取り出す。

 

「ネオ・グランゾンのパーツとヴァルシオン改についてはどうするんだ?」

 

 両足首から先と、左腕の肘から先が無い状態のニーズヘッグがメンテナンスベッドへと寝かされている。そのT-LINKフレームの赤い装甲へと触りながらレモンとマリューへと尋ねた。

 

「そうね。確かA-3ハンガーは技術班の子達がブラックホールエンジンとグラビコン・システムに関しての研究をやっていた筈だから……バリオン創出ヘイロウと胸部パーツもそっちに運び込みましょうか。ネオ・グランゾンのパーツとなると、まず間違い無く重力関係のものでしょうし。ヴァルシオン改は今は空いているA-2ハンガーでいいでしょう」

「それは構わないが、色々と危険な性能も持っているんだから、その辺をきちんと注意して調査や解析をしてくれよ。魔法球の中で重力崩壊とか起きたら洒落にならないぞ」

「あら、それなら魔法球の外でならいいのかしら?」

「……訂正だ。どこででも、そんな真似はしないでくれ」

 

 溜息と共に吐き出された俺の言葉に、笑みを浮かべつつ頷くレモン。その隣ではマリューもまた同様に楽しそうに俺へと視線を向けていた。

 そう言えば、葉加瀬が技術班の場所に出向いているという事はA-3ハンガーにいるのか? まぁ、あの葉加瀬だけに重力関係の技術を扱えても不思議ではないが。

 

「さ、じゃあA-3ハンガーに行きましょ。ニーズヘッグの修理に関しても割り振りしないといけないし」

「ああ、そうしてくれ。このニーズヘッグがあったからこそ、俺はネオ・グランゾンを倒せたんだしな」

 

 正直、グロウセイヴァーのままだったら、あの戦いに勝ち抜くのはまず無理だったろう。そしてシャドウミラーの性格を考えれば、これからもああいう戦いに巻き込まれるのはまず間違い無い筈だ。

 

「それはシャドウミラーというよりも、トラブルの神様に愛されているアクセルの特性だと思うんだけど。実際、私の世界に来た時にもヘリオポリスでのザフトが奇襲を仕掛けている時だったし。そう考えると、アクセル自身が何らかのトラブルの要なのかもしれないわね」

 

 マリューのその言葉に、確かに……と頷いてしまった俺は、やはりトラブルに愛されているのだろう。

 そんな風に考えながら、ニーズヘッグの残されたA-1ハンガーを出てA-3ハンガーへと向かう。すると案の定と言うべきか、あるいは当然と言うべきか、そこには技術班の面子が殆どいて何やら話し合いをしている所だった。

 

「ブラックホールエンジンの出力と安定性を上げる為には……」

「重力場変換の制御に関しては念動力以外にも……」

「グラビトン・ランチャーの威力を高めるとなるともっと出力を高める必要が……」

 

 等々。そしてその中には、目を輝かせて嬉々として議論を聞き、あるいはアイディアを出している葉加瀬の姿もある。

 

「技術班は相変わらずだな」

「そうね。でも、こういう光景があってこそのシャドウミラーでしょう? ……はいはい、皆注目して!」

 

 パンパン、と手を叩いて周囲の注目を集めるレモン。

 

「もしかしたら昨日のパーティの時に誰かから聞いているかもしれないけど、これからアクセルが鹵獲してきたネオ・グランゾンのパーツの解析と分析に入るわ」

 

 ざわり。

 レモンがその言葉を口にした瞬間、間違い無く技術班一同に衝撃が走った。

 唯一それを理解していないのは、ネオ・グランゾンという言葉の意味を知らない葉加瀬とマードックくらいだろう。だがその2人にしても、周囲の者達が驚愕の表情を浮かべているのを見て、それ程の物なのだと顔を好奇心に輝かせている。

 まぁ、葉加瀬やマードックはともかく技術班の驚きは当然か。俺達が生まれた元々の世界でもシュウ・シラカワとグランゾンのネームバリューは相当なものだ。ヴィンデルでさえも連邦軍に反乱を起こした時にグランゾンと戦わないようにしていたくらいだしな。そしてOGsの世界に転移した後もその名前が持つ意味は変わっていない。いや、むしろ南極事件の影響もあってより高かったと言えるだろう。

 そんなグランゾンの、真の姿と言ってもいいネオ・グランゾン。しかも、そのネオ・グランゾンをネオ・グランゾンたらしめているとまでシュウ自身が口にしていた程のパーツを調べられるのだから、技術班達の興奮も分からないではない。

 

「ほら、落ち着きなさい。順番に説明していくから」

 

 技術班のざわめきを、再び手を叩いて落ち着かせるレモン。

 この辺りは、さすが技術班を率いている者の貫禄といったところか。

 

「まず、私達技術班がやるべき仕事を上げていくわね。まず最優先なのが、アクセルのニーズヘッグの修理。大破だけどT-LINKフレームの予備はまだあるからそれ程時間は掛からないでしょう。それと、シロガネの改良。こっちはまずどんな風に改良するのかのアイディアから出していかないといけないわね。それとヴァルシオン改の解析と修理。そして最後に、ネオ・グランゾンのパーツ2つの調査。大まかにはこの5つね」

「はい、レモン様! 自分はバリオン創出ヘイロウとかいうパーツの調査を希望します」

「おいこら、抜け駆けはずるいぞ! レモン様、俺は胸部パーツに興味があります」

「人の事を言えないだろ、お前。あ、レモン様。僕はシロガネの方に回りたいと思います」

「じゃあ、自分はヴァルシオン改で」

 

 技術班の面々が、それぞれに自分の希望を述べていく。

 ……一番人気がバリオン創出ヘイロウで、その次が胸部パーツ。ヴァルシオン改、シロガネの改良ときて最後がニーズヘッグの修理か。いやまぁ、調査や改良と比べると確かにうちの技術班の性格を考えれば修理は人気が無いだろうが……

 どこまでも我が道を征く技術班の面々に、思わず溜息を吐くのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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