転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0050話

 ヴィンデルの執務室。そこで俺達は連邦に対する反乱を起こす事を決定し、これからの事を話し合っていた。

 

「反乱を起こすにしても、戦力が足りないな。まさかシャドウミラー1部隊で連邦軍全てを相手にするつもりじゃないだろう?」

「アクセルの言う通りよ。暫くは潜伏期間という事になるわね」

 

 俺とレモンの言葉に頷くヴィンデル。

 

「そうだな……半年だ。それでなんとか戦力を整える。レモン、以前言っていた母艦はどうなっている?」

「トライロバイト級万能戦闘母艦の事? それなら1番艦のギャンランドが後半月程度、2番艦のネバーランドが1月。3番艦のワンダーランドが2月という所かしら」

「なるほど、十分間に合うな。アクセル。現在の連邦軍、連邦政府に不満を持っている者達に連絡をつける事は可能か?」

 

 現政権や軍部に不満を持つ者達。大きい所ではDC残党やレジスタンス。小さい所ではテロ組織やマフィア等になるか。

 だが、個人的にテロ組織やマフィアとは手を結びたくはない。

 

「DC残党や、レジスタンスなら連絡が付かない事もない」

「構わん。連絡をとってくれ。出来れば協力態勢を取りたい。それとレモン、これまで以上に量産型Wを造り出す事になると思うが?」

「分かったわ」

 

 ヴィンデルとレモンの話を聞き、Wナンバーズの事を思い出す。

 原作ではW15は対キョウスケ用にゼンガーの人格をトレースして造られたナンバーズだった筈だが、キョウスケの……否、ベーオウルフの危険性がまだ知られていない現状ではロールアウトは暫く先になってしまうだろう。

 そして完成したとしてもあちらの世界に転移して、アースクレイドルのソフィア・ネート、というよりはメイガスによる調整を受けなければまともに戦えなかった筈だ。

 だが、テスラ研や時流エンジン関係で原作よりも上の技術力を持つレモンなら、その辺の調整が出来ないだろうか。

 

「レモン、W15に関してだが」

「W15はまだ無理よ。デフォルトでは己を持たない非人格タイプだから、誰かの人格をトレースさせないといけないの。それに、恐らくロールアウトしても色々と調整が必要な筈。半年ではまず無理だと思うわ」

「つまりはまずトレースする人格から選ばないといけないという事か」

 

 ヴィンデルの質問に頷くレモン。

 

「なら、そうだな。元ATXチームに所属していたゼンガー・ゾンボルトの人格で調整を頼めないか?」

「ゼンガー・ゾンボルト?」

「ああ。特機による近接戦闘でその実力を発揮する凄腕だ」

「待て。ゼンガー・ゾンボルトだと? 元教導隊のか?」

「あぁ、ヴィンデルは知ってたか。そう、元教導隊のだ」

「なるほど、確かにそれなら腕はいいだろうが」

 

 多少不思議そうな顔をしているが、特に追求してくる様子はないようだ。

 まさか、ベーオウルフ対策とは言えないだけに助かった。

 

「W17の方はどうなっている?」

「W17ならあと1週間もすればロールアウト可能よ。計算上では今までのWナンバーズの中でも最高傑作と言っても構わないスペックを持っているわ」

 

 こちらは順調か。まぁ、あちらの世界に転移する事で言語機能が故障して順調とはいかなくなるのだが。もっとも、その故障故に完全な自我を確立出来たのかもしれない。

 

「ヴィンデル、DC残党やレジスタンスに声を掛けるにしても兵器が足りないぞ。エルアインスとまではいかなくても、量産型ゲシュペンストMk-Ⅱやガーリオンクラスの機体は欲しい所だが」

「ああ、それは分かっている。だが、知っての通り補給が厳しい。……いや、これからはさらに厳しくなるだろう」

「今以上にか?」

「恐らく、いや間違いなくな」

「何で断言できるの?」

 

 レモンの言葉に苦虫を潰したような顔でヴィンデルが答える。

 

「答えはその報告書にある」

 

 ヴィンデルが視線を向けたのは、レモンが先程まで読んでいた今回の反乱騒ぎの原因になった犯罪行為の数々が記されている報告書だ。

 

「おい、まさか」

 

 ヴィンデルだって中佐という階級である以上、上司はいる筈だ。幸か不幸か俺は会った事がないが。だが以前上からの命令でシャドウミラーを結成した、みたいな話をヴィンデルの口から聞いた覚えがある。

 

「お前の上司の名前が?」

「ああ、しっかりと書かれていたよ」

 

 現状の連邦軍上層部にこの報告書を提出しても、揉み消されるのはまず間違いないだろう。そしてそこに自分の名前が書いてある事をヴィンデルの上司は知る事になる。

 

「じゃあ、報告書を提出しなければいいんじゃない? あるいは、その上司の名前だけ消しておくとか」

 

 レモンの言う事ももっともなのだが、ヴィンデルの答えは決まっている。

 

「駄目だ。上層部の腐敗を旗印にする私達がそのような真似をすれば、付いてくる者達に疑念を抱かれる可能性がある」

「そうなると、どうやって補給体制を整えるかが問題だな」

 

 生身で戦争をやっていたような時代ならまだ多少の無理は出来たかもしれないが、PTのような人型機動兵器を使っての戦争となるとそれも出来ない。なにせ、機体の消耗部品や破損した時の交換部品、武器弾薬等々。運用上必要な物資が多すぎる。

 

「……企業からバックアップを受ける事は出来ないか? 向こうにしても新型兵器なんかの実戦テストをやって貰えると考えればそう悪い話じゃないと思うが」

 

 ふと脳裏に浮かんだのは、Zガンダムのエゥーゴだ。あの組織もMS売買で大きくなったアナハイム・エレクトロニクスからバックアップを受けてティターンズに対抗していた。もっとも、アナハイムとしては新兵器の実戦テストや戦いを長引かせて死の商人としての利を狙っていたのだろうが。それでも補給があるのはありがたい。

 

「ふむ、それは確かに可能かもしれないな。候補としてはイスルギ重工にフレモント・インダストリー社、Z&Rといった所か」

 

 マオ社は外すか。まぁ、しょうがない。あそこの社長であるリン・マオは平時に乱を起こすのを望まないだろう。主力量産機が量産型ゲシュペンストMk-Ⅱやエルアインスである以上出来れば協力が欲しかったんだが。

 

「後は、そうだな。この腐敗した世界にもまだまともな政治家はいる。そいつらに後ろ盾になって貰うか」

「誰かいるのか?」

 

 ヴィンデルから出た言葉に多少驚く。まともな政治家と言われると、ブライアン・ミッドグリッドくらいしか思い浮かばない。しかしこちらもマオ社と同様の理由でこちらに手を貸す事はないだろう。

 待て。ブライアン・ミッドグリッド?

 その名前から連想されたのは、政界の魔術師と呼ばれている男の姿だった。

 

「グラスマン・グライエンだ。以前に何度か面識がある。彼の望みは私達と多少違うかもしれないが、途中までの道のりは同じだ。それに彼の根回しの手腕は非常に頼りになる。また、タカ派の軍人を子飼いにしている事から補給という意味でもやりやすいだろう」

 

 ……予想通りの名前がヴィンデルの口から出てきた。しかし子飼いの軍人ってもしかしてケネス・ギャレットか? あの態度やプライドだけ高くて、能力的には頑張って三流のグラサンタコと手を組めというのはちょっときついぞ。

 

「その軍人は使えるのか?」

「グライエン程の男の子飼いだ。それなりに使えるとは思うが、どうせ利用して、利用される関係。そこまで心配する必要は無いだろう」

 

 カールじゃないが、嫉妬でこちらの行動を邪魔してくるような気もするが。他に手が無い以上しょうがないな。その時はその時で対応するしかないか。

 っと、カールで思い出した。

 

「キロノ大尉以下、ブラックバード中隊はどうするんだ? 連邦に対して反乱を起こすとなると、このまま俺達の部隊に組み込んでもいいのか?」

「その辺は私が後で説得しよう。アクセル、レモンもそれぞれの部下である特殊処理班、技術班の面々に対する説得を頼む」

「ええ、分かったわ」

「こっちも了解だ」

 

 特殊処理班に関しては、元々配属されたのが軍人としての枠に嵌らないパイロットが多かったので特に問題は無いと思われる。

 だが、技術班はどうだろうな。基本的に技術馬鹿や研究馬鹿のような者が多いからもしかしたら何人か抜ける可能性もある。

 

「ヴィンデル、俺達に付いてこれないという奴はどうする?」

「ふむ、そうだな。私達の事を上層部に報告されても面倒だし、だからと言ってここまで一緒にやってきた相手を口封じというのもしたくはない。反乱を起こすまではこのエクアドル基地に軟禁というのが一番か」

 

 ヴィンデルのその言葉に、俺とレモンは安堵の息をつく。

 さすがに今まで一緒にやってきた仲間を口封じで殺すというのは勘弁して貰いたかったからだ。

 

「それとアクセル。一応補給の目処は付いたが、物資は多ければ多い程いい。奪われても公に出来ない所を襲撃して物資の強奪を頼む」

 

 となると、ヴィンデルに連絡をつける事が出来るかと言われた時に却下したマフィアやテロ組織から奪ってくるのがベストか。

 ……待て、テロ組織?

 脳裏に浮かんだのはモントーヤ博士とアルバート・グレイの顔だ。

 確かアルバート・グレイの組織はPTやAMなんかの密売もやっていたな。意趣返しも含めて、まずはあそこから襲撃するか。

 

「了解。トライロバイト級が完成する半月後を目処にして物資の強奪を行う。幸いDC残党やレジスタンスと連絡を取れば、テロ組織なんかの情報も集まってくるだろう」

「じゃあ、永遠の闘争を目指して張り切るとしましょう。私の方も忙しくなりそうだし」

 

 実際、物資の強奪はともかく、機体の鹵獲となると今回のブラックバード中隊の機体のように行動不能にしてからというのが多くなるだろう。そうなると、自然とその修理を行う技術班は忙しくなる訳だ。

 

「降伏してくれれば無傷で機体が手に入るんだけどな」




名前:アクセル・アルマー
LV:18
PP:20
格闘:178
射撃:196
技量:188
防御:185
回避:213
命中:235
SP:286
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP20
   ???
   ???

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.7
    アタッカー
    ガンファイト LV.4
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???
    ???

撃墜数:35

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