転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0614話

 ホワイトスターにある俺の家。その家には現在ここに住んでいるレモン、コーネリア、マリューの3人が集まって、俺の向かいのソファへと座っていた。

 

「……で、急に戻って来て呼び出すとなると、何か事態の急変でもあったの?」

 

 3人を代表してレモンが口を開く。その視線は、レモンの正面に座っている俺……ではなく。

 

「スレイも一緒に戻って来たとなると、ギアス世界の件かしら?」

 

 俺の隣で緊張した様子のスレイへと向けられている。

 

「あら? もしかしてシャドウで何か不具合が見つかったのかもしれないわよ?」

 

 そんな俺達へと視線を向け、真面目な顔でマリューがそう告げる。

 

「そうなの?」

「い、いや、別にそういう訳じゃないんだが……」

 

 スレイはレモンの問いかけに首を振る。

 

「となると、ギアス世界で起きた出来事が原因か? もしかしてギルフォード達の件で何か動きがあったとか」

「いや、そっちでもない」

 

 コーネリアの問いに、再びスレイが左右に首を振る。

 ……けど、そうだよな。ある日突然ギルフォードとグラストンナイツがいなくなったんだ。それを考えれば、確かに騒ぎになっていてもおかしくはない。それに、俺達はオデュッセウスもある意味では拉致してるんだしな。それなのにニュース等には全くなっていない。

 もっとも、ブリタニア首脳部としては自分達の皇帝の第1皇子が行方不明になりました、なんて事を言える筈も無い。探すとしても機密情報局のような裏の存在が探しているんだろう。

 そんな風に考えていると、スレイが何かの決意をしたかのように顔を上げ……

 

「私はアクセルと付き合う事になった!」

 

 堂々とそう宣言したのだった。

 

『……』

 

 そんなスレイの行動に、3人から返ってきたのは無言の沈黙。

 

「ど、どうしたんだ? 何故何も言わない?」

 

 そしてスレイは、そんな3人の反応にどこか戸惑った様に呟く。そして次の瞬間。

 

「そう、ようやくなのね。おめでとう」

「ようやくか? 私としてはスレイにしては自分の気持ちに正直になるのが早い方だと思うが」

「どっちでもいいわよ。あのスレイが自分の気持ちに素直になれたんだから、ここは祝福するべきでしょ?」

 

 レモン、コーネリア、マリューの3人の言葉に思わず唖然とするスレイ。口をポカンと開けているのが、いつもの凛としたスレイの様子とギャップを感じさせる。

 だが、そんな状態だったのも1分足らずで、すぐに我を取り戻して口を開く。

 

「怒らない……のか?」

「何故?」

 

 どこか不安そうな様子を感じさせながら尋ねるスレイだったが、レモンは一瞬の躊躇も無くそう切って捨てる。

 

「いや、だって私はお前達の恋人に手を出したんだぞ! 自分の恋人に手を出されれば、普通は怒るだろう!?」

 

 思わずといった様子で言い募るスレイ。だが、レモンは……否、レモン達3人はそんなスレイに対して笑みを浮かべながら首を振る。

 

「そもそも、私達みたいに恋人が3人いる時点でアクセルが1人に縛られるなんて真似が出来ないのは分かっているでしょう?」

「それにあやか達4人も受け入れると宣言しているしな」

「ふふっ、そうね。でもあの4人を受け入れるのはまだ暫く先になるでしょうから、暫くは私達がアクセルの相手をする必要があるでしょう」

 

 3人の言葉を聞き、スレイは再び呆けた様子を見せる。

 恐らくレモン達から糾弾されるのを覚悟の上だったのだろう。だがレモン達はそんなに懐が狭くはなく、あっさりとスレイを受け入れた為に混乱しているといったところか。

 そして、レモンの口から更なる爆弾が投下される。

 

「大体、私達はスレイがアクセルのことが好きだったと気が付いていたのよ? それにスレイもアクセルの好みだというのは分かりきっていたし、いつかスレイ自身が私達と同じ側に来るのは既定事項だったのよ」

「……何? その、私がアクセルを好きだったと気が付いていたというのか?」

「ええ。というか、恐らくシャドウミラーに所属している人の大半は気が付いていたと思うわよ? 他人の好意に鈍感な張本人を除いて、ね」

 

 そう言いつつ、レモンの流し目が俺へと向けられる。

 いや、実際スレイが俺に好意を持っているというのは気が付いていた。だが、それは友人や同僚、あるいは上司……そして自分よりも優れたパイロットに向けられる好意だとばかり思っていたのだ。

 

「だから、むしろ却ってスレイの告白が遅いと思っていたのよ。それに……シャドウの性能評価としてアクセルと一緒に送り出されるのが、何故スレイだったと思うの?」

「それは……私以外の者達は専用機を持っているからだろう? シャドウミラー幹部陣の中で、私だけエルアインスに乗っていたから」

 

 スレイの言葉に、俺もまた同様だとその隣で頷く。

 実際問題、スレイ以外のメンバーが乗っている機体はそれぞれが専用機であり、さらにはそれぞれの機体も技術班総出でオーバーホールをしつつ、更には改造を施してパワーアップしている。そうなると当然機体のパイロットとして調整に付き合う必要もある訳で、そういう意味ではスレイの言っていることは間違ってはいない。しかし、シャドウミラーには他の勢力とは全く違う技術が幾つかある。その1つが……

 

「ふふっ、けど私達には魔法球があるのよ? それこそ1時間もあればパイロットとの調整は十分よ」

 

 そう、魔法球だった。何しろ外の1時間が中では2日。しかも魔法球に籠もっている限り加齢もないというおまけつき。まさにシャドウミラーの最重要施設と言ってもいいだろう。……施設、か?

 

「なら、何故私をシャドウのパイロットとして……」

「妹が好きな人に対して素直になれないのを、黙って見ていられないお兄ちゃんからの要請でね。それに私達にしても、スレイなら一緒にやっていくのに不満は無いし」

「に、兄様が!? 私の気持ちに……気が付いて?」

「ええ。だから言ったでしょう? 端から見ればスレイの気持ちは殆どお見通しだったって」

 

 笑みを浮かべつつ告げるレモンだが……

 

「まさかフィリオが動いているとはな。俺が言うのも何だが、兄として俺みたいな相手を妹の恋人として認められるのか?」

「認められるからこそ今回の件が勧められてたんでしょう? ……さて、スレイ。貴方の質問が終わったら、今度は私達からよ。……知っての通り、アクセルは無意識で女を堕としていくような厄介な性格を持っているわ。それこそ、私、コーネリア、マリュー、さらにはネギま世界にいる従者4人まで。そんな中でアクセルと共に生きるとなると、色々と面倒な事態になる事は確定と言ってもいいわ。それこそ、アクセルを独占するような真似はまず出来ないでしょうし」

「と言うか、アクセルを独占しようものなら夜が大変すぎて逆に身体を壊すと思うんだが」

「まぁ、私達3人でも大変なのは事実だし……ね」

「コーネリア、マリュー、ちょっと黙っててちょうだい。……ん、コホン。さてスレイ。つまり貴方は私達と同じくアクセルの恋人として一生を……否、永遠を共に過ごす覚悟があるかしら? もしちょっとした火遊びのつもりだったり、何となくアクセルが好みだから、とかいう理由なら今引いておいた方がいいわよ?」

 

 どこか挑発的とも言えるレモンの問いに、スレイは一瞬の逡巡すらもなく首を振る。

 

「違う。確かに私はアクセルの事をお前達程にはよく知らない。だが……だが、それでも私の胸にあるこの気持ちは本物だし、一時のものではないと断言出来る」

「何故? 貴方はそもそもこれまで恋人を作った事も……ましてや男に恋した事もないんでしょう? なら今貴方が抱いているその気持ちが本物の愛だと……LikeじゃなくてLoveだと、何故分かるの? 例えば私はアクセルと最も長い時間を共にしてその人柄を見て来たわ。同時に、アクセルに対する愛を育ててきた。コーネリアやマリューにしてもそれなりに長い時間を共にしてきたからこそ、アクセルを愛しているというのを自信を持っている。……けど、スレイ。貴方はアクセルと行動を共にしたのもまだ短いでしょう? それなのに、その心の中にある気持ちが本当に愛だと断言出来るの?」

「出来る! 少なくても私はアクセル以上に魅力を感じる男を知らないし、アクセルの為なら敵に対して私だけで突っ込んでいく事だって出来る。誰にも……そう、例えアクセルと最初に結ばれたレモンであったとしても、私の心の中にあるこの想いが嘘だと、偽物だと、勘違いだとは絶対に言わせない!」

 

 その言葉と共に、闘気すら感じさせる鋭い視線をレモンへと投げかけるスレイ。

 対するレモンもまた、それを正面から受け止める。

 そのまま無言の時が1分程続き……不意にレモンが溜息を吐く。

 

「ふぅ、貴方も馬鹿ね。……アクセルなんかを好きになったら、これから間違い無く苦労するわよ?」

「知っているさ。だがそれでも私の相手はアクセル以外に存在しない」

「……私はスレイが私達の側に来る事を認めるわ。コーネリア?」

「いいだろう。スレイの心意気は十分に理解した。私達の側に来る事に異論は無い」

 

 レモンの問いかけに、コーネリアが優雅に紅茶の入ったカップを口に運びながら頷く。

 

「マリュー?」

「私も問題無いわ。こうして話を聞いている限りだと、スレイが抱いているのは間違い無く一過性の憧れとかじゃないと思うし。……スレイ、こちら側にようこそ」

 

 マリューは柔和な笑みを浮かべつつスレイに声を掛ける。

 こうして俺の恋人達3人が頷き、それぞれがスレイを認める発言をし……そして最後にレモンの視線が俺へと向けられた。

 

「アクセル、スレイを抱いたのならもちろん貴男もスレイを私達の中に迎え入れるのは問題無いわよね?」

「ああ、当然だろう」

「そう。……なら、時の指輪を」

「……本気か? 幾ら何でも唐突すぎるぞ」

 

 時の指輪。それを身につけた者を時の外へと置く事により不老をもたらすマジックアイテム。ただし、その時の指輪を起動させる為には莫大な魔力が……少なくても普通の魔法使いにはどうにも出来ない程の量の魔力が必要であり、実質的には俺くらいしか起動出来ない代物だ。そして、混沌精霊となった俺と共に生きる為にレモン達3人が身につけている物。

 

「おかしくはないでしょう? アクセルもスレイを受け入れるつもりだったんだから」

「いや、それはそうだが……」

 

 いきなりの展開に思わず言い淀む俺を他所に、レモンの視線はスレイへと向けられる。

 

「どう? 貴方もシャドウミラーに所属している以上は時の指輪の持つ意味を知っているでしょう? その効力もまた同様に。……人の時の流れから外れて、そこまでしてでも私達やアクセルと共に在る事を望む?」

 

 そんなレモンの試すような問いかけに、スレイは一瞬の躊躇もせず頷く。

 

「勿論だ。私は永劫の時をアクセルと……そしてレモン達と共に在ろう」

「……ふふっ、やっぱり貴方を私達の側に引き込んで良かったわね。愛する人の為なら躊躇無く行動出来て、決断できるその姿勢は好ましいわ。……アクセル、あまり女に恥を掻かせるものじゃないわよ?」

 

 スレイの言葉を聞き、俺もまた決断する。

 空間倉庫から時の指輪を取り出し、左手を差し出してくるスレイの手を握り、その薬指へと時の指輪を近づけ……

 

「いいんだな?」

 

 最後の確認の意味を込めてそう尋ねる。その問いに対するスレイの答えは、無言で俺の唇に己の唇を重ねる事だった。

 

「当然だ。私は永遠にお前と共に歩む。そう決めたのだ」

 

 スレイにしては珍しい程に優しい笑みを浮かべたその顔に、再び唇を重ねてから左手の薬指へと時の指輪を嵌める。すると次の瞬間、時の指輪がスレイの指に合わせた大きさへと変化する。

 

「スレイ、これでお前は俺のものだ。そして俺はお前のものだ」

「……ああ」

「ふふっ、ちょっと間違っているわよ。私達全員がアクセルのもので、アクセルが私達全員のものでしょう?」

 

 レモンの声に笑みを浮かべ、唇を重ねてから頷く。

 

「そうだな。確かにそうだった。俺の大事な恋人達。お前達を守る為に俺は力の全てを尽くそう。敵になるのなら神ですらも殺そう」

「ちょっと大袈裟じゃないか?」

 

 そう問いかけてきたコーネリアにも同様に唇を重ねてから口を開く。

 

「心配するな。何しろ俺は大魔王と呼ばれた男だぞ? 神の1人……いや、1柱や2柱くらい仕留めてやるさ」

「けどあまり心配させないでね? アクセルが強いのは知ってるけど、それでも恋人の事を心配するのは当然なんだから」

 

 濡れた瞳でそう言ってくるマリューと唇を重ね、そっとその髪を撫でる。

 

「俺はいつでもお前達の下に戻ってくる」

 

 こうして、俺と4人の恋人達はベッドルームへと消えて行くのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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