転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0616話

「隊長、メギロート50機詰めのコンテナ残り18です!」

「分かった。こっちはまだ余裕があるから、続けて持ってこい」

 

 技術班の1人がトレーラーで引っ張ってきたコンテナへと触れながら空間倉庫の中に収納する。それを見届け、バックして研究所の方へと戻っていくのを見送っていると、次にシャドウを積み込んだコンテナを運んできたトレーラーが到着する。

 

「隊長、最終チェックが済んでいるシャドウはこれで全部です」

「……予想よりも大分少ないが? まだ50機程度だぞ?」

「はい。コストはともかく、カスタム機並みに複雑なので、製造工程に時間が掛かるんですよ。この中に作った生産ラインはまだ1つだけですし……」

 

 溜息と共に出て来るその言葉に、俺は視線をここからでも分かる艦体へと向ける。

 シロガネ。シャドウミラーの技術で改造されたその姿は、現在大勢の量産型Wやメギロート、手の空いている技術班の手により何とか仕上げの時間を迎えていた。

 そう、シロガネのあるここは魔法球の中であり、現在この中で製造されていた機体を俺の空間倉庫に入れているところだ。

 メギロートに関しては最初からこの中で収納作業をやると踏んでいたレモンの指示により、ホワイトスターの生産プラントで作られた端から魔法球の中に送られて、コンテナの中で待機していた訳だ。

 

「KMFはどうなっている?」

 

 シャドウを収納しながら、トレーラーを運転していた技術班のメンバーへと尋ねると、視線を格納庫の方へと向ける。

 

「確か、ヴィンセント・ウォードが20機、ガレスが30機程完成していた筈ですが……格納庫に戻ったらちょっと確かめてみます」

「ああ、そうしてくれ。それと俺がブリタニアから奪って来た指揮官用ヴィンセントはどうした?」

「それは確か技術班で解析してデータを取った後は倉庫に突っ込まれていた筈ですが」

「……一応持ってきてくれ。中華連邦に渡したいしな」

 

 原作で星刻が乗っていた神虎がどこにあるのか分からない以上、星刻用のKMFは絶対に必要だ。だが、折角能力が高いのだからウォードじゃなくて指揮官用のヴィンセントに乗せればいいだろう。

 ……金色で目立つし、な。

 

「隊長、エルアインスはどうします? シャドウがある以上性能的にはいまいちですが」

「持って来い。シャドウは性能は高いが、残念ながらまだ数が十分じゃない。エルアインスでも、KMFと比べると性能は圧倒的だ。なら量産型Wを乗せれば十分戦力になる」

「なら、量産型アシュセイヴァーとかはどうします?」

 

 その言葉に一瞬だけ考え、首を横に振る。

 

「確かにエルアインスよりも多少は性能が上だが、機数が少なすぎる。量産型アシュセイヴァーだけで部隊を作れる程の数があれば話は別だが……」

「なら、AM系等はどうします? ガーリオンとかありますが」

「それこそ、性能的に低すぎてもう使えないだろう」

 

 主戦力として使われるメギロート、最新鋭量産機のシャドウ、OGs世界で修羅の乱が終わるまでは主戦力だったエルアインス。これらはシャドウミラーとして使える機体という事もあり、技術班が新たな技術を入手すると細かいながらも性能をアップさせていた。だが、俺達が保有しているAM系等は最高性能を持つ機体でガーリオン・カスタムだ。機体の古さだけはどうしようもない。

 いや、それでもガーリオン・カスタムなら腕のいいパイロットが使えばそれなりに活躍は出来るだろうが……何しろ、それより高性能の機体が大量にある以上、使う必要もないだろう。VC系の機体にしても、基本的に少数精鋭で高機動戦闘を旨とするシャドウミラーには合わないという事もあり、性能の更新はされていない。それでも、AM系に比べればまだ性能は上なんだろうが。

 

「分かりました。じゃあ、後残っているのは一品物の機体ですね。こちらもすぐに持ってきます」

「頼む」

 

 俺の言葉に頷き、そのままトレーラーと共に去って行く後ろ姿を見送って再びシロガネの方へと視線を向ける。

 そこでは、つい先程見た時よりも多くのメギロートが飛び交っており、何らかの作業を施していた。

 

「出来ればこの魔法球から出る前に完成して欲しいところなんだがな」

 

 そう呟き、メギロートの収納されたコンテナが運ばれてくるのを待ち受けるのだった。

 

 

 

 

 

「へぇ、ギアス世界ねぇ。……コーネリアの世界だったか?」

「ああ。そこで今度は新国家を建設してくる」

「そうらしいな。何でも中国を切り取って作るんだろう?」

 

 テーブルの上に置かれている、交流区画で買ってきた寿司を食べながら呟くエヴァに首を振る。

 

「ネギま世界とはちょっと違うな。正確には中華連邦だ。インドとかその辺も領土に入っている」

「まぁ、どちらでもいいさ。私としては行ける場所が増えるのなら大歓迎だ。オーブに関してもこう毎日では飽きてくるしな」

「……アクセル君、彼女がその……?」

 

 エヴァの方を向きながらオデュッセウスが尋ねてくる言葉に頷く。

 

「ああ。600年を生きる真祖の吸血鬼だ」

「なんと……本物の吸血鬼を見るのは初めてだよ」

 

 ポツリと呟かれたオデュッセウスの言葉に、エヴァがピクリと眉を動かす。

 

「本物? まるで偽物の吸血鬼がいるみたいな話だな」

「偽物というか、ナイトオブラウンズという精鋭にブリタニアの吸血鬼という異名を取る男がいるのは事実だな」

「ああ、自称人殺しの天才とか名乗っている奴だな」

 

 エヴァの問いにコーネリアが答え、俺がそれに追加する。

 原作だと第2次トウキョウ決戦で多少活躍したような覚えがあるが、カレンにあっさりと殺されていたな。

 どちらかと言えば、ブリタニアの吸血鬼よりもハーレム部隊の方が強く印象に残っている。純血派にいたキューエルの妹とかいたし。

 

「また、随分と物騒な異名やら自称を持っているのね」

 

 マリューが苦笑と共にそう告げるが、コーネリアがそれに頷いて口を開く。

 

「だが、強い。ナイトオブラウンズというのはブリタニア人で無くてもなれるが、その条件はただ1つ。強さのみだ」

「そうだね、コーネリアの言う通りだよ。実際、ナイトオブラウンズというのは1人で戦局を逆転させるだけの力を持っている者達だ。君達も、出来れば戦わない方が……」

「オデュッセウス兄上、それは違います」

「え?」

 

 茶々丸の作った懐石料理を口へと運んでいたオデュッセウスの動きが止まる。

 

「確かにナイトオブラウンズは実力者の集まりなのでしょう。だがしかし……今の私達ならそれ程苦にすべき相手ではありません。シャドウミラーの実働班が戦うとしたら1対1なら楽に倒せるでしょうし、1対2でも多少苦戦はするでしょうが勝てます。さすがに1対3辺りになると厳しくなってくるかもしれませんが……負けはしないかと。それだけの実力を私達シャドウミラーは持っています」

「……本気で言ってるのかい?」

「ええ。ナイトオブラウンズといっても、所詮は人でしかありません。修羅達の王や、更にはこれまで幾つもの世界を破壊してきたダークブレイン、あるいはネオ・グランゾンといった者達と戦ってきた私達にすれば、正直物足りない相手だとすら言えるでしょう」

 

 ……一応、シュウは人間なんだがな。

 

「君達がどんな道筋を辿ってこの世界にいるのか……非常に興味深いよ」

 

 オデュッセウスが笑みを浮かべながらもそう告げ、タケノコの天ぷらへと箸を伸ばす。

 そう。意外な事に、オデュッセウスは箸を使えたのだ。恐らく中華連邦辺りに何らかの理由で招かれた時の事を想定しての物だと思うが……

 

「そう言えばオーブのウズミとは会談をしたと聞いたが、麻帆良の近右衛門とは会ったのか?」

 

 エヴァを見ていて、ふと気になったのでタケノコの天ぷらを美味そうに食べているオデュッセウスへと尋ねてみる。

 

「ああ、もちろん。いや、随分と驚かせて貰ったよ。エリア11にいる妖怪というのはああいう人の事なんだろうねえ」

「オデュッセウス兄上、エリア11というのは私達の世界でのみ通じる呼び方です。この場では日本と呼称した方が適切かと」

「おや、そうかい。それでは次からはそうさせてもらうとしよう」

 

 笑みを浮かべながらそう告げるオデュッセウスに、俺達は苦笑を浮かべながらも楽しく食事を済ませるのだった。

 こうして、ギアス世界で俺達が本格的に動き出す前の夜は和やかに過ぎて行く。

 

 

 

 

 

「すまない、アクセル。ちょっといいかな?」

 

 食事が終わり、それぞれが自分達の部屋でゆっくりしている時間。俺も当然の如く恋人4人と共に俺達用の部屋で寛いでいたんだが……そこに1人の男が姿を現す。

 

「兄様!?」

 

 俺を膝枕していたスレイの口から出る驚愕の声。

 ……まぁ、恋人とイチャついているシーンを兄に見られればそうもなるか。

 そんな状態のスレイを見て笑みを浮かべるフィリオ。

 俺もまた起き上がり、突然の来訪者にその目的を尋ねる。

 

「で? 急にどうしたんだ? テスラ・ドライブ関連の話なら、俺じゃなくてレモンかマリューに……」

「いや、ここに来たのは技術班として来たんじゃないんだ。……1人の兄として、妹の恋人に会いに来たのさ」

「兄様?」

 

 フィリオの言葉に、首を傾げるスレイ。

 そんなスレイの髪を撫でてから、立ち上がる。

 

「来いよ。ここじゃ話せないような事なんだろう? なら外にでも行こうか」

「ああ、察してくれて助かるよ」

「アクセル、兄様と何を……?」

 

 どこか不安そうな表情を浮かべるスレイだが、レモンがその肩を叩いて安心させるように笑みを浮かべる。

 

「問題無いわよ。男同士の話し合いなんだから、私達は大人しくしてましょう? 別にアクセルがフィリオを相手に拳を振るうわけでもないんだから」

「あはははは。確かに僕がアクセルの拳を食らおうものなら、一撃であの世行き間違い無いね。折角病気の治療をして貰っても意味が無くなるよ」

「兄様! 冗談でもそんな事は……」

「そう。冗談だよ、スレイ。別に僕もアクセルと喧嘩をしたいって訳じゃないんだ。でも妹の恋人だろう? ならその辺の事を少し話してもいいんじゃないかと思ってね。それに明日には僕もギアス世界に向かうんだから、丁度いい節目だし」

 

 笑みを浮かべてスレイを押さえ、そのまま俺に目で外に行こうと合図を送ってくるフィリオ。

 その視線に頷き、俺とフィリオは別荘の外へと向かう。

 

 

 

 

 

「ふぅ。魔法球の中とは言っても、やっぱり無人島を取り込んだだけあって虫の類はいるんだよね」

 

 夜となり別荘の明かりに集まっている虫を眺めながら、呟くフィリオ。

 オーブの近くにあった無人島だけに、その気候は熱帯……とまでは言わないが、常夏といってもいいような感じだ。それだけに、虫や動物の類もかなりの数がいる。

 

「まあな。……で、用件は何だ? まさかそんな事を言いたい訳じゃないんだろう?」

「勿論だ。アクセル、僕は決していい兄だったとは言えないだろう。妹を愛する気持ちはあるが、それでもやはり僕は自分の夢を求めてしまった。そしてスレイはそれに協力してくれた。……けど、そんなスレイがシャドウミラーに所属するようになってから随分と変わったんだよ。家で話していても、以前とは比べものにならないくらいに明るくなっていた。その理由が分かるかい?」

 

 じっと俺に視線を向けてくるフィリオ。その視線は決して逸らされる事がない。

 そして、そんな視線を向けられれば、フィリオが何を言いたいのかはさすがに俺にも分かった。

 

「俺、か?」

「そうだね。でも、君だけじゃないさ。こういう言い方はあまり好きじゃないんだが、スレイはこれまで自分と対等に渡り合えるライバルというのが殆どいなかったんだ。プロジェクトTDでは他の追随を寄せ付けない程の腕だったしね。唯一トロイエ隊の人達は別だったみたいだけど、結局一緒に行動する事は無かった。けど、このシャドウミラーは違う。君みたいな例外を除いたとしても、実働班のメンバーは誰も彼もがスレイと同等……あるいはそれ以上の腕を持っている者ばかりだ。だからこそ、スレイは色々と変わったんだろうね。プロジェクトTDのNo.1なんて肩書きが全く役に立たない、このシャドウミラーという組織に適応するように。……そして、更には君という存在に心を奪われて、僕の妹のスレイ・プレスティではなく1人の女としてのスレイ・プレスティが表に出始めた。アクセル、君のおかげなんだ。だからこそこう言わせて貰う。ありがとう、と。スレイをこの組織に誘ってくれて、僕の病気を治してくれて、そして……スレイを愛してくれて」

 

 真剣なその表情は、フィリオが本心からそう言っているのは間違いない。

 何だかんだで兄妹を大事にしているのはフィリオもスレイ同様、か。

 

「安心しろ。スレイは俺の恋人だ。永遠を共に在る存在だ。これからは今よりももっと成長していくだろうさ」

「あはは。そうだといいんだけどね。……オウカにちょっと恨まれそうだけど」

「……オウカ? オウカがどうしたんだ?」

 

 突然全く関係無いオウカの名前を口にしたフィリオに、首を傾げつつそう尋ねるが、どことなく曖昧な笑みを浮かべたまま誤魔化されるのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:509

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