転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0633話

「お前達を見る限り、異世界の存在というのは本当のようだな」

 

 中華連邦の軍服に身を包んだジェレミアが、光明の上空を飛んでいるメギロートを見ながら呟く。

 さすがに言葉だけで説明されても納得はしていなかったのだろう。

 そういう意味では、KMFとは明らかに系等の違うメギロートは格好の証拠になった訳だ。

 

「……それよりも、最後にもう1度だけ聞く。本当に黒の騎士団に投降という選択でいいんだな? そうなると、恐らく俺達と戦う事になる。それでも構わないと?」

「ああ。もちろんお前達が尋常ではない力を持っているというのは理解しているつもりだ。実際に中華連邦の3分の1程も国土を切り取って建国を成し遂げ、更にはそれを取り戻さんと襲ってきた中華連邦の部隊を撃退しているのだからな。だが……それでも、私には為すべき事がある。聞かねばならぬ事がある。やらねばならぬ事があるのだ」

「そうか。お前程の実力があれば、シャドウミラーでもそれなりに活躍出来ると思ったんだが」

「……すまん」

 

 小さく頭を下げるジェレミア。

 

「お前が決めた事ならしょうがない。なら行くぞ。後ろに乗れ」

 

 空間倉庫から取り出した、既にお馴染みと言ってもいいソルプレッサのコックピットへと乗り込みながらジェレミアへと声を掛ける。

 そのまま無言で後部座席に乗り込むのを確認し、ASRSを展開したソルプレッサは微かな助走の後で空へと飛び立つのだった。

 

 

 

 

 

「ここに、ゼロが……」

 

 蓬莱島の一画。ASRSを装備しているソルプレッサだからこそ見つからない場所でジェレミアが周囲を物珍しそうに見渡していた。

 緊張しているのだろう。何しろ、ジェレミアが敬愛するマリアンヌの息子に会うのだから。

 ……マリアンヌというのがどんな存在かを原作知識で既に知っている俺としては、見ていて哀れにも思うが。……まぁ、ここでそんな事を言ってもしょうがない。

 

「行くぞ、こっちに来い」

「ん? ああ。だが、どうやって黒の騎士団の中へと向か……う……?」

 

 ジェレミアに最後まで言わせずに、指を鳴らして影のゲートを展開。その影へと2人揃って身を沈めていく。

 そして次の瞬間には蓬莱島の建物の中の影へと移動しており、スライムを使って建物の中を探って行く。

 ここまで来ておいて何だが、ルルーシュがアッシュフォード学園に行っていたりしたら完全に無駄足だよな。

 そんな風に思ってスライムで探索していた俺だったが……

 

「見つけた」

 

 幸いなことに、今日は蓬莱島にいたらしい。

 その言葉に、影の中でジェレミアが反応したのを感じ取る。

 

「いいか? 行くぞ」

「……ああ、頼む」

 

 ジェレミアの頼みを聞き入れ、そのままスライムを空間倉庫に格納。そのまま影のゲートをゼロの執務室として用意されている場所へと繋げ……

 

「っ!? 誰だ!」

 

 執務室の中にあるテーブルの影から突然姿を現した俺に向かって、ルルーシュが鋭く叫びながら仮面へと手を伸ばし……そして次の瞬間、俺の存在に気が付きヘルメットに伸ばしていた手を止める。

 ただしその表情は、とても俺を歓迎しているというものではない。不愉快そうに眉が顰められているのを見れば、それは一目瞭然だろう。

 

「今日は1人か? C.C.や紅月カレンはどうした?」

「あの2人の件がお前に関係あるのか? それで今日は何の用事でここに来た? また俺をペテンに掛けて何か行動を縛ろうとでも?」

 

 嫌味ったらしい口調でそう声を掛けてくるルルーシュ。

 余程この前の鵬法璽の一件が堪えたらしい。

 

「いや、別にいてもいなくてもいいが……紅月カレンは見ていて面白い程に元気が良かったからな。機会があったら引き抜きたいと思うのは当然だろう?」

「フンッ、俺の目の前で堂々と言われてもな。……それよりも、ギアス響団の件を聞かせて貰おうか」

 

 勢い込んで尋ねてくるルルーシュの前に手を伸ばしてその勢いを止める。

 

「その前に、お前と会いたいという奴を連れてきている。……出てこい」

 

 俺のその言葉と共に、影から出て来るもう1つの姿。それが誰かが分かったルルーシュは、驚愕の表情を浮かべて口を開く。

 

「ジェレミア……?」

「……ゼロ」

 

 1歩、2歩と歩み出すジェレミア。

 その様子に危険を察知したのだろう。懐から銃を取り出すルルーシュだが、ジェレミアは銃口を向けられても特に気にする様子も無く歩き出す。

 

「何故ここにいる?」

「私はお前に聞きたい事があって来た。ゼロ……いや、ルルーシュ・ランペルージよ。お前は……」

 

 このままここで聞いていてもいいんだが、ここは俺が介入すべきところじゃないだろう。原作通りにジェレミアがルルーシュに忠誠を誓うのか、あるいは黒の騎士団に捕まるのか。それがどうなるのかは分からないが、出来れば黒の騎士団に入って貰いたいものだ。

 近付いてくるジェレミアに緊張を隠せないルルーシュ。そんな様子を見てから、再び俺は影のゲートを作り出し、身を沈めていく。

 

「あ、おい待て! アクセル・アルマー!」

 

 俺の消えて行く様子を見てルルーシュが何か言っていたが、今は俺じゃなくてジェレミアと話すんだな。

 そのまま蓬莱島の端まで移動し、ソルプレッサに乗ってASRSを起動。光明へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

「アクセル、フェイトから連絡が入っていたぞ」

 

 光明の外側に建設中の基地へと戻ると、到着するや否やスレイにそう声を掛けられる。

 しかし、フェイト? 取りあえずバトレー含む技術陣とギアスの子供達は向こうに送ったんだが……それに関してか?

 どちらにしても、俺に用事があるのならゲートじゃなくて通信機に連絡を寄こせばいいようなものを。

 そんな風に思いつつ、通信機のスイッチを入れる。

 

『……やあ。随分と連絡が遅かったね』

 

 フェイトにしてはどこか珍しい疲れたような口調を意外に思いつつ言葉を返す。

 

「連絡が遅いと言われてもな。もし何か急な用事があったら、ゲートじゃなくて俺の通信機に連絡を入れればいいだろうに」

『そういえばそうだったね。済まない、手間を掛けたかな?』

「いや、俺は別に問題は無いが……で、何が起きたんだ? おまえがそこまで疲れきっているというのも珍しいが」

 

 そんな俺の質問に、溜息を吐いたフェイトが渋々と口を開く。

 その様子に微妙に嫌な予感が湧き上がってくる。

 

『君に頼まれて引き取った人達だけどね』

「……何かやらかしたか? 変な物を開発したとか」

 

 バトレーを筆頭とする技術者達だから、レモン率いるシャドウミラーの技術班とは違ってそれなりに品行方正な筈だ。それなのに何かを起こすとは思えないが……

 

『いや、彼等は別に何も変な事はしていないさ。まだこっちの世界に慣れてはいないようだけど、それでも一生懸命頑張っているよ』

「なら、何も問題は無い訳だな?」

『ああ。技術者の人達には……ね』

 

 ……ふぅ。この話の流れだと俺の嫌な予感が的中、か?

 

「つまり、何かを起こしたのは子供達の方だと?」

『ああ。……とは言っても、こちらの非はあまりないんだけどね。どうやらMMご自慢の正義の魔法使いとやりあったらしくて』

「あー……大体分かった。それをギアスでどうにかした、と。一応聞いておくが被害者の具合は? もしかして殺したりはしてないだろうな?」

『その辺は大丈夫だよ。回復魔法もあるから、全治1ヶ月といったところかな』

 

 1ヶ月。逆に考えれば、回復魔法を使っても全治1ヶ月程度の怪我はさせた訳か。

 まぁ、MMで良かったと言うべきか。これがヘラスだったり、アリアドネーだったりしたら……ああ、そうか。ギアスだから人間じゃないと効果は無いのか。

 

「それは何よりだと言えばいいのか?」

『そうだね。まあ、君から預かった子供達だからね。今は焔が叱りながらこっちの世界の常識を教えているよ。あの子供達が騒ぎを起こしたとだけ伝えておこうと思って連絡をしたんだ。こっちで預かっているとはいっても、子供だしね。どうしてもその辺の連絡はしておいた方がいいと暦が言うから』

 

 暦? 確か猫だか黒豹だかの獣人だったか? 焔はその名前通り炎を操る奴で、かなり厳しい……と言うよりはキツイ性格をしていたと思うが。

 そう考えると、子供達の方も色々と大変な目に遭ってそうだな。 

 

「とにかく話は分かった。……そっちに預けた以上、何かあっても俺に連絡をしてこなくてもいいぞ。そっちの流儀でやってくれ。基本的に教育してくれるような大人達がいないような環境で育って来たからな。きちんと常識とかを教えてくれると助かる」

『何だか、いいように使われている気がするんだけど?』

 

 どこか憮然としたような口調のフェイトだが、以前聞いた話によると現在のフェイトの従者達は全てフェイトが拾った子供が志願してなったらしい。そういう意味では、フェイトには子供を躾け、教育する才能があるんだろう。

 

「ギアスという能力は、人間限定とはいえかなり便利な筈だ。そしてブルーマーズ計画にちょっかいを出してくるのは基本的にMMか、あるいは地球の魔法使い達だろう。そう考えればギアス能力を持つ子供達を味方にしておくのは悪くないと思うが?」

『それはそうだけど……』

 

 フェイトが更に何かを言おうとした、その時。

 

「アクセル、星刻からの緊急連絡だ!」

 

 部屋の中に、血相を変えたイザークが勢いよく突っ込んでくる。

 

『……どうやら、そっちでも何かあったようだね。なら子供達の件は僕に任せておいて貰おうか』

「ああ、頼む。どうやら余程の事が起こったらしい」

『じゃあ、頑張ってね』

 

 そう言い、通信が途切れる。

 そして通信機を横に置き、視線をイザークへ。

 

「何があったか聞いてるか?」

「知らん! 俺も至急連絡を取りたいと言われて急いで来たからな」

「そうか、なら一度光明の政庁に向かわないとな。……来るか?」

「ああ」

 

 俺の言葉に短く頷くイザークを連れ、影のゲートを展開してそこへと身を沈めていく。

 

「って、おい待て! わざわざ転移魔法を使わなくても走ってけばいいだろうが!」

 

 そんな風に喚くイザークの言葉を無視して、そのまま影のゲートを通り、次に姿を現したのは政庁の中にある総司令部の中だった。

 影から姿を現した俺とイザークに、総司令部の中にいる殆ど全ての軍人達の視線が集中する。その視線の中にあるのは驚愕と畏怖。そして多少の恐怖か? シャドウミラーと同盟を結んで建国したとはいっても、シャドウミラーの人数そのものが少ないのでどうしても魔法とかをその目にした事のある者は少ないのだ。異世界間貿易が進めばそんな偏見……いや、未知への恐怖も少なくなると思うんだが、それにはまだまだ時間が掛かるんだろう。

 そんな中で最初に言葉を発したのは星刻。この辺、さすがに執政官として陽光を実質的に動かしている人物だけの事はある。

 

「……アクセルとイザークか。出来れば魔法ではなく、普通に来て欲しかったんだが」

「だから言っただろうが! お前は魔法に頼りすぎなんだよ!」

 

 星刻の言葉を聞き、イザークが小声で怒鳴るという器用な真似をしてくる。

 だが、小声とは言っても所詮はイザークの小声だ。恐らく総司令部にいる者達全員に聞こえているだろう。

 

「急げと言ったのはお前だろうに。……まぁいい。それで星刻、何があったんだ?」

 

 俺の言葉に苦笑を浮かべた星刻が、視線を総司令部にある映像モニタへと向ける。

 そこに映し出されていたのは、どこか見覚えのある空を飛んでいる艦だった。

 ……なるほど。黒の騎士団が最初に出て来ると思っていたが、最初に出て来たのはこっちか。

 内心で納得する俺に対し、星刻が口を開いて決定的な言葉を紡ぐ。

 

「中華連邦とブリタニアの連合軍が攻め込んできた」




アクセル・アルマー
LV:41
PP:120
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:533

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