転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0653話

 総司令部でブリタニアとの決戦を行うと決めてから3日。俺の姿は再び総司令部にあった。そこに集まっている面子も前回と同じく俺を含めたシャドウミラーの幹部と、陽光からは星刻を始めとした上層部だ。現在は殆どの人員が椅子に座っており、コーネリアのみが前へと立っている。……どことなく大学の授業を彷彿とさせる雰囲気だ。

 

「で、今日ここに集めたという事は、作戦が決まったと思ってもいいんだな?」

 

 そう尋ねるとコーネリアが頷き、説明を開始する。

 

「この世界の者は知ってる事だろうが、シャドウミラーの中には知らない者もいるだろうから基本的な事から説明する」

 

 この言葉に、ムウが安堵の息を吐き、ムラタは我関せずといった顔をしている。

 ……恐らくコーネリアが言ってるのはこの2人なんだろう。それ以外はきちんとギアス世界についての情報は収集しているらしい。

 

「まず、これから雌雄を決する相手のブリタニア帝国だが、この国は支配下に置いた国をナンバーで呼ぶ。例えば、この前解放された日本はかつてエリア11と呼ばれていた。これはブリタニアが11番目に占領した国だという事を現している。そして現在の最も大きいナンバーはエリア18。北アフリカにある場所となる」

 

 確かこのエリア18ってのはコーネリアがエリア11の総督になる前に占領した場所だよな。巨大なKMFモドキを使っていた。エリア18を占領したコーネリアの口から説明されているのがちょっと違和感があるらしく、陽光のメンバーの中には微妙な顔をしている者もいるが……今のコーネリアはシャドウミラーのコーネリアなので問題は無いと言いたい。

 そんな風に考えている間にも、説明は続く。

 

「本来であれば陽光が建国された前後でEUの一部がブリタニアに支配されて新たなナンバーが増えていた筈なのだが、幸か不幸か私達の影響でそれどころでは無くなったらしい。ある程度の支配はされているものの、まだ正式にエリア19以降は存在していない。ここまでは問題無いな?」

 

 そう言い、こちらへと……具体的に言えばムウへと視線を向けるコーネリア。

 ムウはと言えば、その視線を受けてコクコクと無言で頷いていた。

 にしても、女教師コーネリア。……ちょっといいかもしれないな。

 

「どうやらきちんと理解しているようで何よりだ。さて、そうなるとブリタニアと戦う時にどう戦うか。具体的に言えば、ブリタニア本国を狙うか、あるいは各植民地エリアから攻略していくか」

「堅実に攻略を進めるのなら、やはり植民地エリアからでは? ブリタニア本国への補給を弱めるという意味でも」

 

 洪古から上がった言葉に、コーネリアは首を横に振る。

 

「この場合、必要なのは巧遅よりも拙速だ。ブリタニア本国に時間を与えれば与える程こちらに対する備えを整える時間を与える事になる。それならば植民地エリアは放っておき、まずはブリタニア本国を落とし、その後植民地エリアを攻略していくというのがベストだろう。さすがにブリタニア本国が落とされたと知れば、当然植民地エリアを統べている総督は混乱する。あるいは何らかの手を打つ前に情報を集めるなりして余計に時間が必要となるだろう。他にも本国を脱出した皇族を擁して臨時政府のようなものを作り出すかもしれないが、それにもある程度は時間が掛かる。……それ以前にブリタニア本国が落ちていたら、既にこのギアス世界で私達に対抗出来る戦力は無いから、そもそも臨時政府そのものが無意味になるかもしれんがな」

「では、植民地エリアは無視するというのか?」

「勿論無視はしない。こちらで牽制可能な程度の戦力は出す予定だ。具体的に言えばシャドウ3機にメギロート100機程度を各植民地エリア、そして裏切りの前科があるEUの近くに派遣して牽制する為の戦力とする」

 

 1つの植民地エリアに対して、シャドウ3機とメギロート100機。これは牽制するのには十分すぎる戦力だろう。何しろメギロート1機で第8世代KMFと同程度の性能を持っているのを考えれば、下手をしたら派遣される103機でその植民地エリアを陥落させる事すら可能かもしれない。

 ……占領するには人材が足りないから、攻め落とせても統治は出来ないんだが。

 洪古にしても、メギロートの強さは理解しているのだろう。納得したという風に頷いて質問を終える。

 

「他に何か質問のある者は……いないようだな。なら、次の説明に入る。ブリタニア本国に対する攻撃方法だが、これに関してはこれまでのシャドウミラーが行って来た戦力を集結させた一点突破……では無く、多数からの同時侵攻を考えている」

「ちょっと待って下さい、それだと戦力の分散じゃないですか? 中華連邦の愚行を私達が繰り返す必要性は無いと思いますが」

 

 そう口を開いたのは、陽光の幹部の1人の女だ。名前は知らないが、何度か会議で見た覚えがある。

 その女の言葉に獰猛な笑みを浮かべて頷くコーネリア。

 

「私としてもブリタニア軍がそう判断してくれると助かる。まあ、宰相のシュナイゼル兄……ん、コホン。シュナイゼルはともかく、軍人達の中には今の質問のようにこちらが戦力を分散していると知って各個撃破を狙ってくる者もいるだろう。それがこちらの狙いだと気が付かずにな」

「つまり、敵を誘い込む目的だというのですか?」

「それもある。他にも敵に地の利の無い場所で戦いを進めるというものもあるな。だが、それよりも問題なのはブリタニアの戦意が高いということだ。何せ、宰相と皇帝が協力して軍備を整えているという話だしな」

 

 この説明に中華連邦の者は殆どが不思議そうな顔をする。いや、寧ろそれが当然だと思っている者も多い。勿論皇帝と宰相が政治的な理由を含めて敵対するのは珍しくは無いが、それでも現在は亡国の危機なのだから協力するのが当然だと思っているのだろう。

 だが、俺は知っている。本来のシャルルは現実というものに何の興味も示していない事を。シュナイゼルがシャルルから皇位を簒奪する決意を固めた、原作での政治を些事だと断言した時のように。

 それが今回シュナイゼルと協力して陽光やシャドウミラーに対抗しようとしているのは、恐らく俺達が……より正確にはシャドウミラーが尽くシャルルの邪魔をしてきた為だろう。ギアス響団の壊滅、V.V.の行方不明、黄昏れの扉を通じて移動が可能だったCの世界を含めた遺跡の破壊、世界へのギアスの公表、マリアンヌが内側にいるアーニャが捕虜になった事。そしてシャルルはまだ気が付いてはいないだろうが、アーニャの内側にいたマリアンヌの消滅。この世界で俺達がやってきたうちの1つでもシャルルを怒り心頭にさせるには十分だというのに、その全てをやってきたのだから激怒してもおかしくはない。いや、寧ろ頭に血が昇って憤死しなかったのが不思議な程だ。何だかんだ言ってもシャルルも既に60歳を超えているのだから。

 

「つまり、その戦意を挫く為だというのですか?」

「そうなるな。元々ブリタニア軍にいた私が言うのも何だが、基本的にブリタニア軍というのは戦意が高い。ただでさえ高いその戦意が、今は更に高くなっている。故に、まずブリタニアと戦う私達がすべきは、その戦意を下げる事だ。例えば、ブリタニア国内のいたる場所にシャドウミラーの軍勢が侵攻しており、それに対して有効な手を打てない、あるいは各個撃破しようとして部隊を派遣しても、その全てが逆に撃破されて連戦連敗するとかな」

「ですが、その、逆に言えばブリタニア相手にこちらは連戦連勝をしなくてはいけなくなりますが……」

「その辺については問題無い。ナイトオブラウンズを出してきたとしても、数機程度のメギロートが撃破されるかもしれないが、それでも最終的には数の差で勝てるだろう。メギロートは機体性能だけで言えば第8世代KMFと同等だしな。それにシャドウや、私達のようなシャドウミラーの幹部が使う機体はKMFとは比べものにならない。……正直な話、シャドウミラーの機体がここまで高性能でなければこのような策を実行しようと思わなかったのも事実だ。この策はシャドウミラーだからこそ出来る事であり、普通に考えれば各個撃破の標的でしかないのだから」

 

 その説明で納得したのだろう。コーネリアと話していた女は小さく頷き、それ以上の言葉を控える。

 この場にいる以上、あの女もシャドウミラーの機体がどれだけの性能を持っているのかは知っていてもおかしくはない。いや、寧ろ知っていて当然と言うべきか。

 

「作戦の説明を続けさせて貰う。今も言ったが、今回の複数同時侵攻で最も重要なのは敵の戦意や士気を下げる事だ。ようは、どうやってもシャドウミラーを相手にしては勝てないというのを刻みつける訳だ。その為、ブリタニア本国周辺の複数箇所から侵攻した部隊は、それぞれ地道に軍事基地を攻略していくことになる。一気にブリタニアの首都ペンドラゴンまで攻め込むのではなく、軍事基地を減らす……つまりはブリタニアという国の基礎体力を減らしていく訳だ。尚、この際軍事基地への攻撃はまだしも、それ以外の……具体的に言えば一般市街への攻撃は厳禁とする」

 

 呟き、視線を陽光側の出席者へと向けるコーネリア。

 陽光側の参加者達は、一瞬不愉快そうな表情を浮かべるも、特に何を言うでもなく沈黙を守る。

 ……まぁ、今のコーネリアの態度を考えれば、一般市街への攻撃をするのは陽光側の軍人であると断言しているようなものだしな。

 だが、それはある意味で間違っていないのだ。そもそも俺達シャドウミラーの主戦力はメギロートであり、無人機なだけに略奪やら暴行やらといった行為を行うようには出来ていない。量産型Wにしても、人造人間で自意識は存在していない為にその辺の心配は無いだろう。そうなると残るのは俺達幹部達だが……

 そこまで考え、会議に参加しているシャドウミラーのメンバーへと視線を向ける。

 可能性があるのは、戦闘で熱くなって周囲に被害をもたらしそうなムラタくらいか?

 それに対して、陽光側は全機が有人機だ。もちろんこの会議に参加しているメンバーは略奪なり何なりを行った場合、戦後のマイナス要素を理解しているだろうからそんな真似はしないだろうが、一兵卒全てがそんな倫理観を持っている訳では無い。いや、寧ろ中華連邦という国に所属していた事を考えると、略奪しない方がおかしいと考えていそうな者達も少なからずいるだろう。

 それを理解しているからこそ、不愉快そうにしながらも何も言わない訳だ。

 

「そうして、ブリタニアの本土を徐々に蝕むようにして攻略していく。当然ブリタニア側としても、それに対抗する為に他の植民地エリアから戦力を集めようとするだろうが、その時には他の植民地エリアもメギロートやシャドウで身動きが取れなくなっている筈だ。無理に戦力を送ったとしても、その戦力は高が知れているからそれ程問題にする必要も無いだろう」

「最終的にペンドラゴンまでシャドウミラーが到達した時は、ブリタニア本国に残る戦力はペンドラゴンに残っているだけって訳だ」

 

 ムウの言葉に頷くコーネリア。

 

「けどさぁ、ブリタニア軍が戦力を1つの戦場に集めて各個撃破を繰り返したらどうするのさ?」

「そうなったらそうなったで、こっちの思う壺でもある。何しろ、シャドウミラーが誇るフラッグシップ機のニーズヘッグがいつでも転移可能な状態で待ち受けているんだからな。残存戦力が纏めて出撃してくれば、すぐにアクセルに連絡が行くことになる」

「……鬼か、あんた」

 

 血も涙も無いと言わんばかりの作戦に、ムウが頬を引き攣らせて冷や汗を浮かべながらそう呟く。だが、それを聞いたコーネリアはニヤリとした笑みを浮かべ、こう告げるのだった。

 

「魔女、と呼んでくれ。ただしブリタニアの魔女ではなく、シャドウミラーの魔女だがな」




アクセル・アルマー
LV:41
PP:250
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:559

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