転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0662話

 ロイドとセシルがシャドウミラーへと所属する事を決めてから10日程。驚く程の早さでロイドは技術班に馴染んでいた。

 

『ねえ、君達のデータベースにあったマシンセルとか研究しないの?』

『うちの隊長がアインストって敵と戦ったときにトラウマになっててな。そっち関係の技術はご禁制になってるんだよ。暴走も怖いし』

『アクセルがねぇ……なら、アクセル本人が許可を出せば研究してもいいのかな?』

『まぁ、そりゃそうだろうが……多分無駄だぜ? 実際、アインストの親玉を見た限りだと色々と危ないし』

『でも、その先にはもっと凄い何かがあるかもしれないのに』

『あー、兄ちゃんやめとけって。アクセルの言う事に逆らったりしたら、色々と危ない目に遭うのは間違い無いぞ?』

 

 技術班の1人と会話をしているロイドへと、マードックが声を掛ける。

 

『そうだね。アインストに関しては僕も色々と情報を得ているけど、迂闊に手を出していい物じゃないのは事実だと思う。……それよりも、君の相方のセシルさんが作る料理をどうにかしてくれないかな? その、ブルーベリーのおにぎりとか……』

 

 マードックに加勢するようにフィリオがロイドに声を掛けるが、冷や汗を滲ませつつロイドは無理矢理話を変える。

 ……あの様子だと以前自分で食べた事があるんだろうな。原作でもそれっぽい描写はあったし。

 

「お前の後輩でもあるんだろう? ブルーベリーのおにぎりとか、その独特の味覚に関しては何とかならなかったのか?」

 

 俺は部屋の中で映し出されてるモニタから視線を外し、隣で苛立たしそうにロイドへと視線を向けている相手へと声を掛ける。

 

「そんな事を言っても、別にそれ程長い付き合いだった訳じゃないしね。それに、あの子の料理に関しては迂闊に口を出すとこっちも被害に遭うから。関わらないのが1番なのよ」

 

 手に持っていたパイプを弄びながらその女、ラクシャータ・チャウラーが呟く。

 そう、現在陽光の隣にあるシャドウミラーの軍事基地にはラクシャータがやって来ているのだ。もちろんやって来た理由はシャドウミラーの技術に興味があったから。ただし、黒の騎士団との会談の時にも言ったように俺としてはロイドとセシルの方を高く評価している。その為、取りあえずホワイトスターの映像でどんな風にしているのかというのを映し出している訳だ。

 ……魔法球の中じゃなくてよかったよな。

 

「さて、とにかくロイド達の様子を見せろと言われたから見せたが……どうする? 会っていくか?」

 

 そう尋ねた俺の言葉に、フンッと鼻で笑うラクシャータ。

 

「御免だね。別に私はあの2人と顔を合わせたいとは思ってないんだから」

「その割には随分と気にしているように見えるがな」

「別にそうでもないわよ。ただ、私はシャドウミラーの技術に興味があっただけで。……ねぇ? それよりマハラジャの爺から聞いたんだけど、あんたって随分と女好きなんだって?」

 

 唐突に話を変え、流し目でこちらへと視線を向けるラクシャータ。

 

「女好き、か。まぁ、現状を見れば確かに否定出来ない事実ではあるな」

 

 恋人が4人に、恋人候補が4人。将来的には8人を囲うのだと考えれば、さすがに俺でも女好きというのは否定出来ない事実ではある。

 

「なら、私があんたに抱かれたらシャドウミラーの技術について教えて貰えるのかしら?」

 

 着ていた白衣を脱ぎ、その下に着ている胸元と臍が大きく開いている服装が露わになる。正直、ラクシャータという人物は魅力的なのは事実だ。だが……

 

「俺を好きだというのならともかく、打算で抱かれるというのは好みじゃないな。嬉しいお誘いだが今回は遠慮しておくよ。それよりも……」

 

 そこで言葉を止め、俺の方へと視線を向けているラクシャータの頬へと手を伸ばしてそっと撫でる。

 

「本気で俺を愛する、というのなら可能性はあるかもしれないぞ?」

「……やめておくわ」

 

 数秒程目を閉じ、頬を撫でていた俺の手から身体を離し、床へと落ちている白衣を拾って羽織るラクシャータ。

 

「遊びならまだしも、あんたに本気になったら色々と面倒な事になりそうだし。女傑ともいえる女を4人もモノにしているあんたに抱かれてみたい気はするんだけどね」

 

 そう言いながら笑みを浮かべる。だが、その視線がモニタへと向けられると、やがて笑みを苦笑へと変えて口を開く。

 

「それよりもいいの? 向こうでちょっと面白い事になってるみたいよ?」

「……何?」

 

 ラクシャータの言葉にモニタへと視線を移すと、そこではまたロイドが好奇心に満ちた瞳で技術班の男へと声を掛けていた。

 

『それじゃあさ、メギロートって防御が弱いよね?』

『まぁ、そうだな。シャドウとかと違ってバリアの類を装備してないし。シャドウミラーの中でも量を任されている機体だからな。コスト的に出来るだけ削らなきゃいけないんだよ』

『ならさ、エナジーウイングとかどう? 防御に使えるし、攻撃にも転用可能だよ』

『だからコストがだな。特にエナジーウイングとなると……いや、待てよ? サクラダイトが原料なのがコスト的に問題なんだから、それなら別のエネルギー源を……』

『そう。僕達の世界だとこっちでいう核とかその上位互換であるプラズマ・ジェネレーターとかの研究が殆どされてなかったから、それがあるシャドウミラーなら……』

 

 はぁ。まぁ、そういう風に暴走するというのは大体予想していたけどな。

 ニヤニヤとした笑みを浮かべているラクシャータからの視線を受け、そのまま通信機のスイッチを入れる。

 

「エキドナ、技術班が暴走した。鎮圧に向かってくれ」

「了解しました」

「それと、ロイド対策にセシルも連れていくように」

「は? まだ技術班の鎮圧に向かうのは早いような気がしますが……隊長がそう言われるのでしたら」

「ああ、任せた。場所はレモンの研究室の近くにある会議室だ」

 

 その言葉と共に通信が切れる。

 にしても、隊長か。まぁ、体裁として国という扱いにはしたが中身は変わっていない。それ故に隊長という呼び方でもいいんだが、それでも誰か他の奴等に聞かれた時の事を考えると、その辺はちょっと呼び方を代表というのに変えた方がいいのかもしれないな。

 そんな風に思っていると、映像の中ではロイドを含む技術班達の話が盛り上がっており……

 

『エナジーウイングで攻撃を防げるし、それに広範囲攻撃も可能になるよ』

『そうなると、メギロートの……ん? ちょっと待て』

 

 何かを話そうとした技術班の男が、唐突に言葉を止めて周囲を見回す。

 

『この気配は……拙い! 第1級非常事態警報! 奴が……奴が来るぞ!』

 

 鋭い視線で部屋の扉を睨みつける技術班の男。

 その言葉を聞いて何が迫っているのか理解したのだろう。マードックは顔を青ざめさせ、フィリオは何処か諦めた表情で視線を逸らす。だが、その言葉を聞いた他の技術班の男達は脱出経路を素早く探す。

 にしても、気配とか……ネギま世界の住人でもあるまいに、いつの間に習得したんだ? 恐らくエヴァとか茶々丸からのお仕置きとかで命の危機を感じて目覚めたとかか?

 

『え? 何? 急にどうしたの?』

 

 その中で、技術班に入ったばかりで唯一事態を理解していないのがロイドだった。周囲の様子がいきなり変わった事に驚きつつも、取りあえずと逃げる準備をする。

 この辺り、セシルとの長年の経験故なのだろう。

 

「何が起きるのさ?」

 

 ラクシャータもまた、不思議そうな視線を画面へと向けている。

 一応、俺とエキドナのやり取りは見ていた筈だが、それでも目の前の出来事とは結びつかないのだろう。

 

「ま、見てれば分かる。俺達シャドウミラーの、ある意味で日常って奴がな」

 

 そんな風に呟いている間にも、画面の中ではどんどんと事態が進んでいく。

 

『正面の扉は駄目だ! 既にそこから逃げるのは無理だ!』

『なら……っ! そうだ、通気口!』

 

 技術班の男の1人が、部屋の上にある通気口へと目を向ける。その言葉に同意したように頷き、素早くテーブルを重ね上げて高くしていく。

 

『ねえ、ちょっと。一体いきなり何なのさ』

『あー……ここにいたのが不運だと思った方がいいよ。あ、でも茶々丸ちゃんなら、まだそれ程酷くないかも』

『……残念だが、相手には気配がある。この時点で相手は茶々丸じゃない。恐らくは……我等が大敵、エキドナ・イーサッキ!』

 

 ザワリ。

 その言葉が出た瞬間、間違い無く部屋の中にいた技術班の男達に衝撃が走った。

 

「……ねぇ、あんた達の技術班って……」

 

 どこか呆然としたようなラクシャータの言葉をスルーし、そのまま映像を眺める。

 

『ちょっと、これってどうなってるの?』

『黙れ新入り。今はお前に構っていられるような暇は無い! 我等が大敵が近付いて……』

『ほう、大敵か。それは一体誰の事か聞かせて貰っても構わないか?』

 

 技術班の男がロイドへと怒鳴りつけたその瞬間、部屋の扉が開きエキドナが姿を現す。

 

『来たぞ! 我等が大敵だ! 散れ!』

『おう!』

 

 その言葉と共に、とても技術者とは思えない程の身のこなしで部屋の扉へと殺到する技術者達。だが……扉が1つしかない上に、その扉の前にはエキドナが立ち塞がっているのだ。通気口からの脱出を遮られてしまった以上、そこしか出口が無いのは事実だが……全員で突破を掛ければ、多少の犠牲は出ても多数が逃げ切れると判断したのだろう。あるいは、まだ動きを見せていないロイド、諦めているマードックやフィリオを囮にしようとした可能性もある。しかし……

 

『あらあら、ロイドさんだけじゃなくて皆さんまでいたんですね。エキドナさんが私の新作を食べたいと言われたので持ってきたのですが』

 

 新たにひょっこりと姿を現したのは、皿を持っているセシル。……ただし、皿からは映像越しに見ても何らかの怪しげな雰囲気を放っている。

 

「……セシル……」

 

 ラクシャータもそれを理解しているのだろう。思わずといった風に呟く。

 

『さあ、新作の苺のジャムとシーチキンとあんこ和えの入ったおにぎりです。是非皆さんで味わって下さいね』

「おい、あれって本気か?」

「そうね。残念な事にセシル自身はもの凄く本気で言っているわ。善意100%でね」

 

 何と言うか、それは余計に悪いよな。せめて自分で味見とか……待て。

 

「セシルは味見とかしないで料理をするのか?」

「……さぁ? 残念ながら一緒に料理した事が無いから分からないわ」

 

 プイッと画面の中で展開している地獄絵図から顔を背けながら呟くラクシャータだが、その頬に冷や汗が垂れているのは俺の見間違えではないだろう。

 

『セ、セ、セ、セシル君。僕はいいから、その……折角の女性の手料理なんだから、彼等に食べさせて上げたらどうかな?』

『おい、新入り手前! 先輩を人身御供にする気か!?』

『そんな、人身御供なんて……折角作ったのに……』

『ああ、嘘だ嘘。誰も本気でそんな事は言って無いって。あんたみたいな別嬪さんの手料理を食えるなんて嬉しくて涙が出て来そうだ。……けど、残念ながら俺はさっき超包子の肉まんを食ってしまってな』

『あ、俺も』

 

 技術者の男の言葉に、次々と他の者も手を上げる。

 ちなみに、その中にはきっちりとフィリオやマードックの姿も入っていた。

 

『だからさ、そのおにぎりに関してはそこの新入りに食わせてやってくれ。腹が減ったってさっきも言ってたから、喜んで食う筈だ』

 

 そう言い、指差されたのは……

 

『ええっ!? 僕ぅ!?』

『あ、やっぱりそうだったんですか。はい、ロイドさん。たくさんありますからお腹一杯食べて下さいね』

『……哀れな』

 

 おにぎりを勧められているロイドと、エキドナの呟きを残して映像モニタのスイッチを切る。

 

「……さて、改めて問おう。シャドウミラーに入るのを希望するか?」

「少し考えさせてちょうだい」




アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:560

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