転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0663話

 TVでは陽光とブリタニアとの調印式典が放映されている。それを見ているのは、ホワイトスターにある俺達の家。

 あぁ、ちなみにロイドとセシルも無事ホワイトスターに引っ越しは完了した。ギアス世界でやるべき事はほぼ全て終わったし、何かあったとしても陽光のすぐ隣にゲートがあるのだから俺達がホワイトスターにいても特に不便は無い。

 

「……あ、エザリアね」

 

 昼食後の紅茶を飲みながら、レモンが呟く。確かに画面には今回の戦争で無条件降伏したブリタニアと勝者である陽光を仲介する第3者的な立場として、シャドウミラーから派遣されたエザリアの姿が映っている。

 まぁ、今回の戦争にこれでもかと関わっていた……いや、ある意味俺達が主導したとも取れる状況で第3者的な立場と言っても、事情を知ってる者にしてみれば乾いた笑いしか浮かべられないだろうが。

 

「エザリアも大変よね。麻帆良に行ったり、オーブに行ったり、ギアス世界に行ったり。……せめてもの救いはOGs世界には行ってないって事だけかしら。ねぇ、アクセル。内政要員をもう少し増やせない? 今はまだ魔法球で休めるという事もあってエザリア1人だけで何とかなってるけど、いずれ処理限界を超えるのは間違い無いわよ?」

 

 陽光代表のオデュッセウスとブリタニア代表のマリーベルがそれぞれの書類にサインをし、握手を交わしている光景を見ながらレモンが呟く。

 あの2人って実は兄妹なんだよな。それが片やギアス世界の支配国に、片やかつての支配国家から転落して陽光に無条件降伏、か。せめてもの救いは陽光が以前のブリタニアのような支配では無く間接統治を選んだことだろうな。

 そんな風に思いながらも、レモンの言葉に首を傾げる。

 

「とは言ってもな。星刻をこっちに引っ張ってくる訳にもいかないし、ルルーシュには日本を押さえて貰わないといけないし、コーネリアと一緒にって訳にもいかないだろう」

「私は別に構わないが?」

 

 既にあの時の会談で吹っ切っているのか、特に気にした様子も無くコーネリアが呟く。

 

「コーネリアが気にしていなくても、ルルーシュが気にしてるだろ。それに、ようやくナナリーの目のギアスがジェレミアのギアスキャンセラーで解除されたんだ。こっちにはまず来ないだろうよ」

 

 そう、あの戦いが終わった後で早速とばかりにルルーシュはジェレミアを伴ってペンドラゴンへと渡り、ギアスキャンセラーでナナリーのギアスを解除したのだ。足に関してはギアスではなく純粋に怪我の結果なので未だに車椅子のままだが、それでも盲目だった時と比べると雲泥の差だろう。ルルーシュ辺りならそのうち日本の地位を上げて異世界間貿易に食い込んでシャドウミラーの技術での治療を望むかもしれないがな。

 

「シュナイゼルは死んだしな」

 

 皇帝の自爆という、責任放棄にしか感じられない最期を迎えたシュナイゼル。だが、それはある意味で虚無を抱えたシュナイゼルらしいとも言えるだろう。

 

「オーブから引き抜く訳にもいかないしな」

 

 そもそもオーブはSEED世界の頂点に立っている国である。島国でしかない小国に俺達シャドウミラーが協力して世界を治めたという意味で、成り立ちとしては陽光と似たようなものだ。だが、ギアス世界よりもより強固な支配体制を敷いている――とは言っても労力の少ない間接統治だが――うえに、地球だけじゃなくてコーディネーターのいるプラントまでも支配下においている。そして陽光よりも小さな国である以上、人手不足はシャドウミラー以上に深刻ともいえる。

 何しろシャドウミラーは純粋に人だけの規模で考えればオーブどころではなく、1つの部隊程度でしかないのだ。それを考えれば人手が足りないのは明らかにオーブだった。

 それでも異世界間貿易をやっている関係である程度の内政要員や外交要員が必要なのは事実なんだが……

 

「その辺はもう少しエザリアに頑張ってもらうしかないだろうな」

 

 結局はその結論に落ち着いた俺の言葉に、マリューが溜息を吐く。

 

「そうするしか無いとは分かっているけど、それでも彼女には同情するわね」

「あ、でももう少し頑張ればそっち関係も補充されるかもしれないわよ?」

 

 ふと、レモンがそう呟く。

 コーネリアやスレイといった話に参加していなかった面々の視線を受けたレモンが、意味あり気に笑みを浮かべて視線を俺へと向ける。……俺?

 

「どういう事だ?」

「あら、薄情ね。もう忘れたの? あやか達の卒業式が来週って話だったでしょ? で、アクセルは彼女達が18歳になったらシャドウミラーに……引いては恋人として迎えるんでしょう? ならあやかや千鶴は現在進行形で外交や内政に関して動いているんだから、シャドウミラーに所属してからそっち関係の仕事を任せるというのはありなんじゃない?」

「……ああ、そう言えばそうだったな。卒業パーティを開くから来てくれとも言われていたんだったか」

 

 ギアス世界のゴタゴタがあったせいですっかり忘れていた。それを思い出させてくれたレモンには感謝だな。

 

「確かに財閥やら大企業の一員として活動しているあやかや千鶴なら内政や外交に関して十分すぎる程の力量はあるだろうな。だが、高校を卒業するまでとなると後3年はあるぞ?」

「3年もあるか、3年しか無いか。その辺はあの子達の考え方次第よ、コーネリア。その3年であやかと千鶴の2人がどこまで内政や外交の能力を伸ばせるか。少し楽しみではあるわね」

「そう言えば、あの4人は結局同じ高校に進学するんだったわよね?」

 

 ふと、マリューがそう尋ね、俺はそれに頷く。

 

「ああ。あやか、千鶴、円、美砂の4人だけじゃなくて3-A全員がそのままそっくり同じ高校に上がるらしい。しかも特例としてクラスも一緒らしいから、中学生時代と何も変わらないだろうな」

「……何故特例を?」

 

 スレイとしても、あやか達とはそれなりに親しく付き合っているだけに気になったのか、そう問い掛けてくる。

 

「忘れているようだが、麻帆良は関東魔法協会という組織の本拠地だ。で、学園長の近右衛門がその理事をしている。更に言えば3-Aそのものが魔法を知らされているテストケースでもあるからな。勿論個人的に嫌だというのなら考慮もしただろうが、幸い3-Aはクラス全員の仲がいい。それを考えれば、それ程不思議でもないだろう?」

「……なるほど。まぁ、あやか達の意志を尊重しているというのなら私としては文句は無い」

 

 納得したのか、それ以上は特に何を言うでもなくクッキーへと手を伸ばすスレイ。

 卒業パーティか。あやか達には何かプレゼントを贈った方がいいかもしれないな。ギアス世界の件で忙しかったとは言っても、最近は通信で多少やり取りするくらいだったし。

 そんな風に思っていると、麻帆良や内政、外交に関する話は一段落付いたと判断したのだろう。レモンが話題を変える。

 

「それで、ニーズヘッグの件だけど……」

「どうした? 一応オーバーホールをするって事で魔法球の中に入れておいただろう?」

「ええ。で、いい機会だから以前言ってた改修をしようと思って。許可を貰える? 暫くニーズヘッグは使えないと思うけど」

「改修?」

 

 その言葉で、フレイヤ弾頭についての話を思い出す。

 

「確か、ミサイルを付けるとかなんとか言ってたが……あの件か?」

 

 そう告げた時、何故かレモンとマリューが俺の顔をじっと見つめる。

 そして数秒。やがて何かに思い至ったかのように頷くと、バツの悪い表情を浮かべながら目と目で会話し始めた。

 その様子は、見るからに何かをやらかしたといった風な感じだ。

 

「……何を隠している?」

「べ、別に隠している訳じゃないわよ? ただ、ギアス世界の技術を解析するのに忙しくて報告するのを忘れただけで。私はてっきりマリューがアクセルに報告してるんだとばかり思ってたんだけど」

 

 レモンのその言葉を聞き、マリューもまた同様に驚きの表情を浮かべて口を開く。

 

「ちょっと、確かに私が忘れていたのは事実だけど、それはレモンも同様でしょ? 私だけに押しつけないでちょうだい」

 

 そのまま数分程お互いに言い争いをし、やがて何故か最終的には話をきちんと聞かなかった俺が悪いという結論で落ち着く事になる。……何故だ。いやまぁ、ここで言い争いをされるよりはマシだからいいけど。

 

「で、話を戻すと結局どういう事なんだ?」

「そもそも前提から変わったのよ。私達があの時にランツェ・カノーネを1門外してフレイヤを始めとした発射機能を付けた装置に入れ替えると結論づけたのは、フレイヤ弾頭がかなり大きかったからでしょう?」

「まぁ、確かに」

「だけど、今はもう火星に向かったけど、ニーナがまだこっちにいる間に進んだ研究でフレイヤ弾頭の小型化に成功したのよ。具体的に言えば1.5m程度。これならランツェ・カノーネの砲身にグレネードの要領で発射装置を付ける事は十分に可能よ」

「……何?」

 

 1.5mサイズまでフレイヤ弾頭を小型化したと聞き、さすがに驚く。驚くが……やがて納得もする。原作でもスザクがトウキョウで使ったフレイヤ弾頭はダモクレスが使っていた第1次生産分の物よりもかなり小型化されていた。それこそ、KMFが持っていてもそれ程不自然じゃない程度の大きさに。それを考えれば、確かにレモンの説明には十分納得がいく。

 

「それにニーズヘッグはこれ以上ない程に高性能な機体だけど、小型機であるというのはどうしても変えられないわ。運動性能が他の大型機に比べて高かったり、被弾面積が少ないというのは小型化のメリットだけど、武器の積載量が小さいというデメリットもあるのよ」

「……それはまぁ、確かに」

 

 実際にレモンの言う通りニーズヘッグの小型というのはメリットも多いが、逆にデメリットも多い。その中でも最大のデメリットが積載量だろう。

 勿論、俺の空間倉庫を使えばある程度の解消は可能だが、空間倉庫から取り出すにしても脳裏にリストを展開して選択し、その後空間倉庫から姿を現すといった風に若干のタイムラグがある。特にリストの選択に迷うとその時間は加速度的に大きくなっていく為、とても戦闘中には使えないのだ。それを考えれば、確かにレモンの言うようにランツェ・カノーネの砲身にフレイヤ弾頭を装着するというのはありだろう。

 

「でも、多種多様なミサイル弾頭を撃てるというコンセプトの発射装置を捨てるのは勿体なく無いか?」

「別に捨てないわよ? ただ、ニーズヘッグには装備させないってだけ。まだどう使うのかは分からないけど、一応開発は進めておくわ。あぁ、それとフレイヤ弾頭はランツェ・カノーネの砲身に装着するって事だから、2発使用可能よ」

「だろうな」

 

 左右前のヒュドラにランツェ・カノーネが1門ずつ装備している関係上、フレイヤ弾頭が2発になるというのは事実だろう。ある意味で嬉しい誤算と言ってもいいかもしれない。

 

「それと、フレイヤ弾頭に続く今回の改修の目玉がエナジーウイングよ。もちろんこれまでもニーズヘッグは運動性、機動性の両方が高かったけど、それでもどちらかと言えばツイン・ドライブの性能で機動性の方が重視されていたわ。でも、エナジーウイングを装備したシミュレーションをしてみたら、機動性は少しだけ上がったのにも関わらず、運動性能はかなりの上昇幅を見せたのよ」

「……だろうな」

 

 ランスロット・アルビオンの運動性を考えれば、確かに小回りに関してはエナジーウイングの効果は大きいだろう。それに、刃状のエネルギーを放つ広範囲攻撃という手段や、ブレイズ・ルミナスのバリアもある。

 問題としては、ヒュドラの可動域とエナジーウイングが被らない事だが……まぁ、エナジーウイングはヒュドラのように自由に動く訳じゃないからその心配はいらないだろう。ただ、ヒュドラがある以上はランスロットのようにエナジーウイングで身体全体を覆うというような真似は出来ない。そうなると、バリアとしての効果も望めない、か?

 その辺は技術班に期待をするとしよう。こいつらなら何とでもしそうだし。

 

「話を戻すけど、とにかくフレイヤの搭載に伴うランツェ・カノーネの改造、それとエナジーウイングの搭載による機体の調整でオーバーホールも含めてこっちの世界で数日……あるいは1週間程度は使えないと思ってちょうだい」

「随分と時間が掛かりすぎじゃないか? 魔法球の中で改修するんだろ?」

「フレイヤ弾頭の方はともかく、エナジーウイングはそのままってのも芸が無いでしょ? だからある程度の改修はしたいのよ」

 

 レモンの言葉にマリューの方を見ると、同様に頷く。

 どうやら既に2人の間で話はついているらしい。ならこれ以上俺が口出しする必要も無いか。

 

「なら、俺はどんな機体に仕上がるか楽しみに待っているとしよう」

 

 こうして、暫くの間はニーズヘッグ無しで過ごすことになるのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:560

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