転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0674話

 スカル小隊の2人との顔合わせをした後、俺は先程の格納庫の近くにあるブリーフィングルームへとやって来ていた。何故こんな場所に来たのかと言えば、俺が乗ることになるVF-25についての説明をする為らしい。

 最新鋭の機体だとは聞いていたが、まさかいきなり俺にその機体が与えられるとは思わなかった。だが、これについては色々とS.M.S側でも思惑があるらしい。俺の戦闘力が生身でもオズマを軽く一蹴できる程に強く、更に初めて乗ったVF-171でシミュレーションとはいってもいきなり敵機を撃墜している。それを見て、即戦力になると判断したのだろう。

 何故そこまで腕利きの戦力を集めているのかは分からないが……いや、ジェフリーとこっそり話していたコードビクターとかいうのが関係しているのか? 

 その辺についてはS.M.Sで活動していれば、いずれ分かる事になるだろう。

 とにかく、最新鋭機でもあるVF-25が俺に与えられるという事で機体の説明を受けているんだが……

 

「何でルカが説明するんだ?」

 

 そう、本来であれば小隊長であるオズマ辺りが説明をするのが筋だと思うのだが、何故かブリーフィングルームの中で前に出て来たのは、今の俺と同い年くらいのルカだった。

 

「そりゃ、ルカがL.A.Iの御曹司だからだよ」

「……L.A.I?」

 

 聞いた覚えの無い名称に、思わず尋ね返す。だが、それがいけなかったのだろう。ミハエル――ミシェルというのは愛称だったらしい――が信じられないものを見るような視線を向けてくる。

 

「おい、本気で言ってるのか?」

「ああ、いたって本気だが。知らないと何か拙いのか?」

「オズマ隊長! S.M.Sに所属して、更にスカル小隊でVF-25を操縦するってのにL.A.Iを知らないとか……どんな奴ですか、こいつは!?」

 

 がーっとばかりにオズマへと吼えるように尋ねるミハエル。イケメンがウケメンになっているように見えるのは俺の気のせいじゃないと思う。

 それにしても、この騒ぎようを見る限りではL.A.IとS.M.Sは何らかの関係があるのか?

 

「あー……その、何だ。色々と世間知らずなところはあるが、間違い無く腕は確かだ。少なくても今はそれ程でもないが、伸びしろはかなり高い筈だ」

「ちょっと、隊長! 今はそれ程でもないって素人って事ですか!? ……素人をVF-25に乗せるとか、殺人事件に付き合うつもりはありませんよ!」

 

 未だに色々と言い合っている2人から視線を背け、苦笑を浮かべつつどうやって仲裁しようか悩んでいるルカへと声を掛ける。

 

「VF-25ってのはそんなに凄い機体なのか? あ、あとついでにL.A.Iについても教えてくれると助かる」

「うん、それは構わないけど……アクセル君って本当にどこから来たの? これでも僕の家の会社はかなり有名だと思うんだけど」

「まぁ、色々と訳ありでな。で、L.A.Iって?」

 

 俺のその言葉に一瞬だけ探るような視線を向けるも、すぐに笑みを浮かべて口を開く。

 

「L.A.Iっていうのはミシェル先輩が言ってた通り、僕の家がやってる会社だよ。このフロンティア船団に拠点を持つ企業で、総合機械メーカーだね。自慢じゃないけど技術力はかなり高くて、僕達が乗る……それにアクセル君も乗る予定のVF-25もベース機となるYF-24を新統合軍から譲られてL.A.Iが開発したんだ」

 

 なるほど。それ程に大きい会社なら、確かに知らない方がおかしいか。ミハエルやルカに変な目で見られる筈だ。

 

「さて、じゃあミシェル先輩もオズマ隊長も色々と忙しいみたいだから、VF-25については僕が説明するね」

 

 少し前までは2人を仲裁しようとしていたのを忘れたかのように笑みを浮かべ、ルカがブリーフィングルームにあるスクリーンにVF-25の姿を映し出す。

 こうしてみると、やっぱりVF-1に似た印象を受けるんだよな。基本に忠実というか、戦闘機っぽいというか。まぁ、この世界については知らない事になってるので言わないが。

 

「VF-25。新統合軍護衛艦隊の主力機として開発された機体で、今はS.M.Sで試験運用中の機体です。まず、最大の特徴は何と言っても操縦システムにEX-ギアが組み込まれた事」

 

 その言葉と共にスクリーンの映像が代わり、パイロットらしき人物が映し出される。その身体に纏っているのは……

 

「パワードスーツ?」

「そうです。まあ、正確にはパワードスーツの役割も持つといった方が正しいんですけど」

「実際、新統合軍の特殊部隊とかではEX-ギアをパワードスーツとして使っているしな」

 

 先程までの言い合いというか、じゃれ合いを止めてルカの説明を聞いていたオズマがそう付け足す。その隣ではミハエルもまたどこかつまらなさそうにしつつも、特に口を挟まずにルカの説明を聞いていた。

 

「ただ、正確に言えばパワードスーツの機能も持った耐Gスーツといった具合になりますね。このEX-ギアと後で説明しますが、ISCというものがあって、初めてVF-25は既存のVFとは比べものにならない程の性能を得る事が出来ました」

「……耐Gスーツ兼パワードスーツって事は、もしパイロットが耐G能力に優れていれば別に付けなくてもいいのか?」

 

 ふと疑問に思い、そう尋ねる。

 そもそも、俺は100Gの重力にも平気で耐えられる程の能力を持っているし、パワードスーツの類が必要無い程の身体能力も持っている。それを考えれば、動くのに邪魔になりそうなEX-ギアはいらないんじゃないか。そんな風に思って尋ねたのだが。

 

「うーん、VF-25とEX-ギアはセットですからね。何かあってコックピットブロックから脱出した時に空を飛んだりとかする必要もありますから。そして何よりも、VF-25を操縦するシステムがEX-ギアその物に内蔵されているので、EX-ギア無しではそもそもVF-25を動かせません」

「……なるほど」

 

 正直、面倒な事をというのが俺の感想だった。耐G能力に全く問題の無い俺としては、これまで通りのVFと同じ操縦システムの方が余計な荷物となるEX-ギアが無い分使いやすかったのだが……まぁ、俺を基準に考えるのが間違っているのか。

 

「言っておくが、EX-ギアは操縦方法に慣れるまで結構キツイからな。覚悟しておけよ」

「ミシェルの言葉は正しいな。ただ、アクセルなら意外とすぐに慣れそうな気もするが」

「隊長、随分とこいつのことを買ってるんですね」

 

 ミハエルの言葉に頷くオズマだが、俺の能力の一端を知っているだけにその辺はそれ程心配していないらしい。

 EX-ギア、ね。取りあえずシャドウミラーが持っていない技術なら調べておいて損は無いか。

 

「それと、EX-ギアの特徴の1つに装着している人の手足の動きをトレースするというものがあります。つまり、生身で強い人はそれなり以上に強くなれるって訳ですね」

「……DMLシステムと似たようなシステムか」

 

 ルカの言葉に思わずそう呟く。

 ダイゼンガーやソウルゲインに採用されている、コックピットでパイロットの動きをトレースするというシステム。その亜種のような物だと考えてもいいんだろう。てっきり何らかの新技術だとばかり思っていたが、どうやら違ったらしい。いや、結果が同じだけで技術の内容は違うんだろうから入手して置いて損は無いんだろうが。

 

「ん? 何か言いました?」

「いや、何でも無い。だが、なる程。確かにそんなシステムならVF-171よりは俺に似合っているかもしれないな」

「へぇ、自信ありそうですね。まぁ、VF-25は性能は高かったけどパイロットを極端に選ぶVF-19よりは操縦しやすいですから、安心して下さいね」

 

 俺の言葉をどう勘違いしたのか、ルカがそう言ってくる。

 まぁ、その辺はいずれ一緒に訓練していけば分かるだろうから突っ込まないが。

 そんな風に思っている俺を見ながら、ルカは再びVF-25の説明を続ける。

 

「VF-25の中でも、最大の特徴がこの部分」

 

 そう言い、ファイター状態の機体先端部をズームアップ。

 

「この機首部分にあるISCという装置です」

「ISC?」

「はい。正確にはInertia Store Converterといって慣性蓄積コンバーターと呼ばれる装置です。基本原理としては……」

「待った。詳しい話をされても困る。端的にどういう装置かだけを教えてくれ」

 

 何やら嬉々として解説を始めようとしたルカを遮る。

 技術的理論やら何やらを説明されても、俺が理解出来るかどうかは別物だ。ようはどんな効果があるのかと、使い方が分かればそれでいい。

 そんな俺の言葉に若干残念そうな表情を浮かべるルカ。

 

「簡単に言えば、VF-25を操縦しているパイロットが受けるGをフォールド空間に溜め込んでおけるという装置です。その溜め込んだGを少しずつ通常空間に戻す事で操縦者の受けるGを軽減できるというものですね」

「……へぇ」

 

 確かにそれは興味深い。俺には大して興味がないが、シャドウミラーの機体に搭載すれば、間違い無く今よりも性能は上がるだろう。ついでに言えばテスラ・ドライブも今の物よりも高性能な物に変える事が出来そうだな。

 

「そのISCってのは、無制限にGを溜め込む事が出来るのか?」

「とんでもない! システムの容量を超えたGは溜め込み不可能です。具体的に言えば、VF-25の最大機動時で120秒間といったところですね」

「それを過ぎると?」

「当然Gの溜め込みは出来ませんので、通常通りのGをパイロットは受ける事になります。とは言っても、耐G性能が今までと段違いに上がっているEX-ギアがあるので以前よりは大分マシなんですけどね。とにかく、このISCという装置のおかげでVF-25はこれまでのVFと比べると圧倒的な高性能を得る事が出来た訳です。……ただまぁ、色々と問題もある訳ですが」

 

 溜息を吐きながら憂鬱な表情を浮かべるルカ。

 問題? 確かにVF-25の最大機動120秒というのは色々とまだ発展途上なのかもしれないが、性能的には十分に思える。それこそ先程も思ったように、技術班へのお土産として入手すると確信する程度には。

 

「その、コストの問題があるんですよ。VF-25がこれまでと比べても随分高価な機体になっている理由がISCを作る際に使われている鉱石なんですが、これが非常に稀少で、その結果……」

「VF-25のコスト増に繋がっている、か」

「はい」

 

 溜息を吐くルカだが、その稀少鉱石とやらがこの世界特有の物質――スパロボOGs世界のトロニウム、ギアス世界のサクラダイト――では無い限り、ホワイトスターのキブツで作り出す事が可能だ。

 

「その鉱石って言うのは?」

「残念ながらその辺は企業秘密です。ISCに関しては、うちのトップシークレットですので、残念ですが教えられません」

「そうか」

 

 一瞬。そう、一瞬だけ鋭い視線になったルカに、これ以上の追究を諦める。ここで追究しすぎて警戒されたりしたら色々と面白く無いしな。

 

「さて、ISCについてはこれでいいとして、次は機体の特徴についてですね。このVF-25は設計当初からオプションパックの使用を前提とされています。具体的に言えば、ベースとなる機体は殆ど変わらずに、オプションパックで機体の特徴を出すといった感じですね」

「へぇ……」

「あれ? あまり驚いていませんね。これって結構画期的なシステムなんですけど」

「そうでも無いさ」

 

 とは言ったものの、ようはガンダムSEEDのストライクガンダム、あるいはエクサランスと似たようなシステムの機体はそれなりに知っている。それだけに驚きの表情は少なかったのだろう。

 

「うーん、あんまり驚いているようには見えないんですけど。実際、今までのVFでもオプションパックを付けて機体を強化するというのはあったんですが、このVF-25はこれまでに開発されたVFとは大分違うんです。例えば、ミシェル先輩の機体はスナイパーパックを装備してますし、僕はイージスパック改、オズマ隊長はアーマードパックっていう具合にですね。もちろん機体その物も各自で微妙に違いますけど。G型とかS型とか。他にも開発中のパックはありますが……まぁ、今は関係無いので飛ばします」

 

 完全にオプションパックだけで切り替えられないって点では換装システムの設計が甘いのか、あるいは単純に特化した性能を突き詰めているのか。

 

「それからVF-25の武器についてですが……」

 

 それからも暫くの間、ルカのVF-25の解説が続くのだった。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:255
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:560

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