転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0741話

「アクセル! 良かった、無事だったのね。全く、あんまり心配させないでよね」

 

 部屋に入った途端、何故か俺の服を着たシェリルがそう言いながら抱き付いてくる。

 超長距離フォールドが無事成功し、フォールド空間に入ったという事もあってようやく臨戦態勢が解かれ、こうして解放されたのだが……

 

「言っただろ。俺には物理的な攻撃は一切通用しないって。もし機体が破壊されて宇宙に投げ出されても全く問題は無いんだから、そんなに心配するなよ」

「……何よ。あたしが心配してあげたんだから、ちょっとは喜びなさい。こんなサービス、滅多にしないんだからね」

 

 俺の胸に顔を押しつけながらそう告げるシェリル。……まぁ、確かに。こういうサービスをシェリルがしたりしているところを見られたら、まず間違い無くとんでもない騒ぎになるのは間違い無いよな。

 

「というか、何で俺の服を着てるんだ?」

「そんなの……汗とかその他にも色々なのがついてたからに決まってるじゃない。それに……」

 

 口籠もるようにして、チラリとベッドへと視線を向けるシェリル。まぁ、色々と見るに堪えない状況になっているのは事実だな。特にシーツなんかはシェリルが初めてだった事もあって色々と酷い。

 

「ねぇ、この宿舎って洗濯とかはどうしてるの? もしかして専門の業者に頼むとか?」

「いや、S.M.Sはそこまで社員に対してのサービスはしない。自分でやる事になるな。大抵はコインランドリーとかで済ませるけど……これはさすがにな。ゴミに出すか」

「そうね。そうしてくれるとあたしとしても助かるわ」

 

 微かに頬を赤くしながら言葉を返すシェリル。

 だが、やがて気を取り直したように再びこちらへと視線を向けて来る。

 

「フォールド、成功したんでしょ?」

「ああ。とは言っても、緊急フォールドだったからな。予定していた宙域よりも大分前にデフォールドしたんじゃないかって話だ」

「……そう」

 

 何故か暗い表情を浮かべるシェリル。違う話題にした方がいいか。そうだな、違う話題となると……

 そう言えば、住居について話しておいた方がいいか。このまま済し崩しにこの宿舎にってのはオズマの様子を見る限り無理っぽいし。

 シェリルの肩を抱きつつ、ソファへと移動しながら口を開く。

 

「なぁ、シェリル。実はこの宿舎って規則とかが色々あって部外者を入れたりは出来無いんだよ。PMCだしな」

「……そうね。以前あたしが倒れてアクセルが助けてくれた時も何かの罰を受けたって話だったし。……少し前なのに、妙に懐かしく感じるわね」

 

 まぁ、結局は何だかんだあって適当に済まされたんだけどな。

 

「で、だ。当然シェリルをこのままこの部屋には置いておけないんだよ。……何しろ、銀河の妖精だし」

「……あたし、出て行った方がいいのかしら?」

 

 そう尋ねてくるシェリルの表情には、少しではあるが心細そうな表情が浮かんでいる。

 

「出て行くっていうか……そうだな、どうせなら俺と一緒に住んでみないか?」

「え? ここにはあたし、いられないんでしょう?」

「ああ。だからサンフランシスコエリア辺りの住宅街で、アパートやマンションを探してな」

 

 シェリルならアパートとかじゃなくて、高級マンションの建物その物を買ったり出来そうだけど……無理に金を使う必要もないしな。

 一緒に住まないか、そう言われたシェリルは一瞬驚きに目を見開き、次に頬を赤くし、やがて強がるように悪戯っぽく笑みを浮かべて口を開く。

 

「何よ、アクセルってばあたしと同棲したいの? でも、そうね。確かにこのままS.M.Sの宿舎にいる訳にもいかないし、それにホテルに帰れる訳でも無し。アクセルと一緒に暮らすのもいいかもしれないわね」

 

 特にシェリルの場合はV型感染症の事もある。今の俺の手持ちには魔法世界の回復薬とかも無いから、本当にどうしようも無いが……少しでも効果がありそうなのは時の指輪くらいだが、あれだって使用者を時の流れの外に置いて不老にするだけで不死にする訳じゃ無い。当然病気や怪我なんかで死ぬのを防げる訳じゃ無いんだよな。なら、シェリルは少しでも俺の側にいた方がいい。

 もし何かあった時、すぐにでもゲートを設置してホワイトスターに戻れるように。

 

「そうだな、俺としてもシェリルと同棲ってのはちょっと楽しみだな」

「ちょっ、ちょっと。生々しいわね。同棲とか言わないでよ」

「お前が最初に同棲って言ったんだろ? なのに何で俺が責められるんだよ」

「あたしはいいのよ! 大体、なんで同棲するっていうのにアクセルは平然としてるの!? 少しは照れるとか何とかしなさいよね」

 

 平然としている理由? ……まぁ、それはやっぱりホワイトスターでレモン達と一緒の家に住んでるからだろうな。

 そんな風に考えていると、不意に頬を引っ張られる。

 そちらの方へと視線を向けると、そこにいたのはジト目で、頬をひくつかせなら笑みを浮かべているシェリルの姿。

 あ、これはちょっとやばいかも。そんな風に思ったが、俺が何かするよりもシェリルの次の行動の方が早い。

 

「……ねぇ、アクセル。もしかしてあんた、同棲するのって初めてじゃなかったりするのかしら? ほら、怒らないからきちんと正直に本当の事を言ってみなさい? 怒らないから」

 

 大事な事なので2回言いましたって感じだが、既に怒っているようにしか見えない。特に口元は笑みを浮かべているのに、目元でコメカミがピクピクと動いているのを見るにいたっては、正直な事を言ったら確実に爆発しそうな気がする。

 とは言え、今それを黙っていてもゲートを設置してホワイトスターとの行き来が可能になれば絶対にその辺の事情をシェリルにも知られる訳で。

 更に言えば、恐らくそうなったとしたら今よりも大きな爆発をしてしまうのは間違い無い。となると……俺の取るべき手段は1つしか残っていなかった。

 

「あー、実はだな。ホワイトスターってのが俺の国の本拠地なんだが」

「ホワイトスター、白い星ね。アクセルには似合わないけど、ちょっとロマンチックじゃない」

 

 白い星。まぁ、確かに直訳すればそうなるんだが、ゲームだと白き魔星とか言われてたんだけどな。世界が違えばその辺も違うんだろう。

 

「まぁ、とにかくだ。俺の家というか、一応シャドウミラーの代表って事でかなり立派な家がある訳だが……」

「ふぅん。確かに一国の代表なら、住んでいる家も立派じゃないと外聞が悪いでしょうしね」

「あー、つまりだ。その家に、恋人達4人と一緒に暮らしている訳で……」

「……へぇ」

 

 言葉は短いが、間違い無く目元がひくついている。

 

「そう。アクセルったら、こう見えて実は女誑しだった……ってのは分かってるけど、ハーレムを持つような人だったとは思いも寄らなかったわ。……まぁ、確かにそれ程でもなきゃ、あんなにあたしが翻弄される筈がなかったんでしょうけど」

「まぁ、その……なんだ。その点については否定しない」

 

 以前は否定していたんだが、さすがにこうも恋人が多くなると俺としても女好きで女誑しだってのは認めざるを得ない事実だ。

 ただ、この話の流れは色々と不味いので、話題を逸らすべく口を開く。

 

「それは置いといて、だ。明日の午前中は今日の出撃の報告書を書いたりしなきゃいけないから無理だが、午後からなら空いている。一緒に暮らす部屋を探しに行かないか?」

「……まだ色々と言いたい事はあるんだけど、まぁ、いいわ。あたしとしてもいつまでもいちゃいけない場所にこっそり隠れているような真似はしたくないしね」

「なら決まりだな。……とは言っても、俺はアパートとかマンションとかには詳しくないんだよな。どういう部屋を希望するかはシェリルの方で大体の条件を決めておいてくれるか?」

「ちょっと、一緒に住むんだからアクセルもきちんと意見を出しなさいよ。……とにかく、あたしが住むんだからアパートというのは無いわね。値段が安いとかそう言うのが理由じゃなくて、防犯設備とかを考えると」

「……なるほど。確かに」

 

 安普請のアパートにシェリルが住んでいると知られれば、どんな奴が押しかけて来るか分からない。ランカの勢いに押されているとは言っても、シェリルはマクロス世界でトップアイドルなのは変わらないのだから。

 それを考えると、確かにある程度警備が充実している所が好ましいのは事実だな。

 

「アクセルからの希望は何か無いの? こういう部屋があるといいとか、立地場所とか」

「んー、その辺は特に無いな。料理とかは大雑把なものしか出来ないから、台所とかにも拘りは無いし。物の収納場所に関しても、俺の場合は空間倉庫があるしな」

 

 呟き、少し考え……思わず口元に笑みを浮かべる。

 その笑みを見て嫌な予感を覚えたのだろう。シェリルがジト目で先を促す。

 

「そうだな、寝室の壁は厚い方がいいだろうな。銀河の妖精は色々と声も大きいだろうし」

「ア、ア、ア、ア、アクセル!? あんた、セクハラも大概にしなさいよ!」

 

 ソファの上にあったクッションを叩きつけてくるシェリル。

 それを受け止め、シェリルの手を掴んで抱き寄せる。

 

「へぇ、じゃあ声が漏れてもいいってのか?」

「誰もそんな事は言って無いでしょ。だ、大体なによ。1回あたしを抱いたくらいで自分の女扱いしないでよね」

「なら、2回ならいいのか?」

「そ、それは……」

「ま、とにかくだ。今日はもうこれ以上の仕事は無いんだし……お互いにゆっくりと分かり合うとしようか」

「も、もう。馬鹿なんだから」

 

 そう告げ、ソファへと押し倒したシェリルへとゆっくりと唇を重ねて覆い被さっていくのだった。

 

 

 

 

 

「このマンションはどうだ? 家賃的には安いし、商店街が近くにあるぞ」

「却下よ」

 

 不動産屋の壁に貼り出されているマンションの情報を見ながら尋ねるが、言下に却下される。

 

「何でだよ?」

「ここ、見てみなさい。警備員はマンションのオーナー自らが務めますって書いてあるじゃない。さすがに本職の人以外が警備をやっているのは色々と不安だわ」

「……なるほど。と言うか、よく気が付いたな」

 

 確かにシェリルが言っているような文章がきちんと表記されている。ただし、それはマンションの情報の隅に小さな文字で書かれているのだ。自分の部屋でじっくりと読んでいるのならともかく、こうして貼り出されているのを流し読みしている状態で気が付くというのはちょっと驚きだ。

 

「ふんっ、芸能界でやっていく以上契約書をきちんと確認するのは当然でしょ」

「……当然、なのか?」

 

 それこそ、そういうのはグレイスのようなマネージャーが読んで確認するものなんだとばかり思っていたんだが。

 そんな俺の表情を見て、何を考えているのか理解したのだろう。グレイスを思い出して小さく眉を顰めるシェリル。

 

「確かにグレイスにも頼ってたけど、あたしの事なんだから、当然自分で契約書とかは読んでたわ。……それよりもこっちはどう?」

 

 話題を逸らしたかったのか、俺が呼んでいたものの数枚横に貼り出されているチラシへと視線を向けるシェリル。

 にしても、資源的に色々と厳しいフロンティア船団で、よくもこんな昔ながらの方法を取ってるよな。色々と大丈夫なのか?

 そんな風に考えつつ、シェリルが見ているチラシへと視線を向けるが……

 

「却下だ」

「ちょっと、何よりいきなり」

「家賃を見ろ、家賃を」

 

 そこに書かれていた家賃の額は、控えめに言っても高いとしか言えなかった。危険手当込みで普通の会社員よりかなりの額を貰っている俺の給料でも、7割程が吹っ飛ぶ金額なのだから。

 

「何よ、この程度の額ならあたしが出して上げるわよ」

「さすがにヒモってのは勘弁してくれ。……警備が心配なら、こっちはどうだ?」

 

 少し離れた位置にあるチラシへと視線を向け、シェリルに尋ねる。

 金額はそれなりの額だが、俺でも支払える程度だ。それでいて警備も専門の業者に頼んでいるのである程度の安心が出来る。

 駐車場が無いのが人によっては難点かもしれないが、俺は別にオズマと違って車を持っている訳じゃ無い。そもそもアイランド1は電車やバスといった公共の移動手段がそれなりに用意されているし、最悪影のゲートという奥の手もあるしな。

 

「……そうね。立地条件も中々だし、ちょっと見てみましょうか。ほら、アクセル。そうと決まったら中で話を聞くわよ!」

 

 そう言い、組んでいた腕を引っ張るようにして不動産屋の中へと入っていく。

 

「いらっしゃいませ。おや、随分と若い夫婦……いえ、恋人です……か?」

 

 小首を傾げる20代後半程の従業員。

 まぁ、俺の外見は例の如く15歳程度だし、シェリルはシェリルでこちらもいつものようにサングラスと帽子で変装しているからな。俺はともかくシェリルは年齢不詳と判断されてもおかしくはない。……姉弟とか、更には母子と判断されなかっただけ幸運だったのだろう。俺の気分的にも、シェリルの機嫌的にも。

 

「あら、そう見えます? ふふっ、ですってよ。ア・ナ・タ」

「新婚さんでしたか? これは失礼しました」

「……おい」

「何よ? アナタ」

 

 夫婦に見られたのが余程嬉しかったのか、はたまた俺をからかうのが楽しいのか。……どう考えても後者だな。とにかく、笑みを浮かべているシェリルが組んでいる腕を抱きしめ、その豊満な胸で挟みつつしな垂れかかってくる。

 

「えーっと、すいませんけどここは不動産を扱っている場所であって、そういう事をする場所では無いですから……」

「あら、ごめんなさい。ところで表に貼りだしていたマンションについて話を聞かせて欲しいんだけど」

「どのマンションでしょう?」

 

 俺をからかって遊ぶのにも満足したのか、話を進めるシェリル。

 思わず溜息を吐きながらマンションについての話に混じる。

 ……こういうやり取りが嫌では無いってのは……俺も相当シェリルに惚れ込んでるんだろうな。

 結局、俺が目を付けたマンションは少し値段が高めだが警備もそこそこで、更には通信機器等は一切無く、外部と完全に隔絶されている部屋が1部屋あるというのがグレイス対策に丁度いいと、俺の名義で契約する事になったのだった。

 幸いすぐに入居出来るとの物件だったので、その日のうちに家具を買い揃えて引っ越しは完了する事になる。




アクセル・アルマー
LV:41
PP:1115
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:732

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