転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0779話

 多数の平行世界を股に掛けて活動する組織……否、国家シャドウミラー。さて、そのシャドウミラーの弱点とも言えるものは何か。

 戦力? いや、それはまず無い。確かにヴィンデルが率いていた当時のシャドウミラーは、質はともかく量で他の組織に劣っていたが故に、ノイエDCやインスペクターといった組織の影に回って行動しなければならなかった。だが俺がシャドウミラーを引き継ぎ、ホワイトスターという拠点を手に入れてからは、メギロートという物量に特化した機体を主戦力とし、更には多数の平行世界の技術を得る事で圧倒的な技術力を手に入れた。質に関しても、他の世界から人材を得る事でヴィンデル、ウォーダン、ラミアといった失われた人材に勝るとも劣らぬ程の人材を手に入れている。

 また、ネギま世界で手に入れた数々のマジックアイテム、特に魔法球の存在は俺達シャドウミラーの技術力を更に特化させた要因だろう。

 それらの技術力によりメギロートの性能もホワイトスター入手直後に比べると圧倒的に上がっており、同時にそれは各種機体の性能アップ、特にシャドウミラー式の量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改、シャドウの開発にも成功し、量産型Wの高性能化と共にシャドウミラーが質と量を兼ね備えた戦力を得る事になった。

 そして何よりもシャドウミラーの戦力の象徴であり、幾多の世界で大魔王と呼称されている俺とニーズヘッグ。冗談でも洒落でもなく、修羅王、ダークブレイン、ネオ・グランゾンといった存在を倒してきた戦力は一国程度なら楽に滅ぼせるし、場合によっては一つの世界すらも滅ぼせるかもしれない。

 ならば資金や資源? それも否だ。確かに俺達の領土は次元の狭間にあるホワイトスターで、鉱山のようなものは存在しない。だが、代わりに異世界間貿易の中継地点となる事で莫大な富を得ているし、ギアス世界やSEED世界では戦勝国として敗戦国から相応の資源も定期的に得ている。

 そして何よりも元素変換装置でもあるキブツが存在し、他の世界からゴミの類を引き受け、それをキブツによって資源に変える事が出来るのだ。一応、その世界特有の物質は作り出せないものの、一般的な物質は問題なく作り出す事が出来る。

 もし他の世界との行き来が出来なくなったとしても、ホワイトスターが存在している次元の狭間には大量の岩塊のようなデブリが無数に存在している為、メギロートでそれを集めて対応する事も可能だ。

 ここまでを見れば何の問題も存在しないシャドウミラーだが、その唯一にして最大の弱点。それは人材だった。

 勿論戦力的な意味での人材はコーネリアを筆頭にスレイ、ムウ、イザーク、ムラタ、オウカ、エキドナといった人材がいるし、後1年程で恐らくシャドウミラーの実戦部隊に配属になるだろうスティング、アウル、ステラや、現在ムウが預かっているレイもいる。そして何よりも俺という存在がいる。

 ……いや、ステラは実働班に入るかどうかは不明だが。

 そしてシャドウミラー最大の特徴でもある高い技術力を誇るという面においても、ビアン・ゾルダークやシュウ・シラカワに並ぶ天才と称しても過言では無いレモンに、SEED世界でPS装甲を開発したマリュー、OGs世界でAMを開発したフィリオ、ギアス世界でランスロットやエナジーウィングを開発したロイドやセシルといった、まさに綺羅星の如き人材が存在している。

 それには1歩劣るものの、シャドウミラー結成時からレモンに従ってきた技術班や、SEED世界から留学の形で存在しているマードックもいる。

 ここまではいい。シャドウミラーがシャドウミラーたる由縁の戦闘に適した人材に、高い技術力や開発力を持つ人材。

 だが、そんなシャドウミラー最大の弱点。それは、政治向きの人材が極端に少ない事だ。レモンやマリューといった面々はある程度そちらにも適性があるし、シャドウミラー全体の方針は代表でもある俺が決めている。だが、純粋に政治に特化した人材となると、イザークの母親でもあるエザリアしか存在しないのだ。

 勿論エザリアは政治家としての能力自体は非常に高い。何しろ、SEED世界でナチュラルよりも高い能力を持つコーディネーターの集まるコロニー、プラントの最高評議会議員という指導者達の一員として活躍していたのだから。

 だがコーディネーターであったとしても、そして能力があったとしても、それでもあくまでも1人の人間に過ぎない。当然1人で処理できる仕事量には限りがあるし、ナチュラルよりは丈夫だったとしても、疲れが溜まる。

 今までは魔法球の1時間で2日間という時差を有効に利用して何とかエザリア1人で政治や外交を回していたが、それにしてもこの調子で俺達と関わる世界が増えていけばいずれ破綻が来るだろう。

 いや、そもそも俺がいない状況で魔法球を使うのは危険かもしれないと言われていても、エザリアはその仕事量の関係で魔法球を使わざるを得なかったのだ。それを思えば、既に今の状況はある意味破綻しているのかもしれない。

 それでも何とかやれてきたのは、それこそ純粋にエザリア・ジュールという人材の優秀さの現れだろう。

 そして、そんな状況がいつまでも続けられる筈もなく、そうなると政治関係の人材補強は最優先事項となる訳だ。

 

「……それで私に目を付けた、と?」

 

 シャドウミラーという組織についての成り立ちや問題点等を長々と説明してきた俺の言葉に、キノコがテーブルの上で手を組み、そこに顎を乗せて視線を返してくる。

 ここはシロガネの中にある部屋の一室。その中で、俺とキノコ、そして一応念の為とばかりに量産型Wが扉の前に2人待機していた。

 まぁ、もしキノコがここから逃げようとしてもフロンティア船団から逃げ出した以上、逃げ込む場所そのものがないんだけどな。ギャラクシー船団からは切り捨てられてるし、既に地球にもこのキノコの罪状は知らされている以上。

 

「そうなるな。ただし、当然それ相応の首輪は付けさせて貰う」

「……私の部下はどうなります?」

 

 シロガネが発見したシャトルに乗っていた、キノコ以外の2人の事だろう。

 

「本人の意思によるな。ただし、当然そちらにも首輪を付けさせて貰う事になるが。……正直に言おう。ある程度行動の自由は許可するが、常にそこにいる量産型Wがお前に、そしてお前の部下達について回り、お前がシャドウミラーに対して不利益を与えるような真似をすれば即座に相応の対応を取る。また、同時にそれより以前にこれを使って俺と契約をして貰う事になる」

 

 そう告げながら、空間倉庫から鵬法璽を取り出して見せつける。

 魔力の類が無くても、鵬法璽が秘めている力に関しては本能的に感じ取る事が出来るのだろう。キノコは思わず息を呑んでこちらを凝視していた。

 

「そ、それは……?」

「お前がグラス大統領を暗殺しようとした時に見たと思うが、俺は魔法が使える。これは俺が魔法を習得した世界にある中でも、とびっきりに凶悪な封印級のマジックアイテムだ。これを使って契約すると魂が縛られ、それに抵抗する事は絶対に出来なくなるレベルのな」

 

 俺の口から出た説明を聞き、思わず唾を飲み込むキノコ。言葉だけでは信憑性はそれ程無いのだろうが、それでも鵬法璽の実物をこうしてその目で見れば話は別なのだろう。

 

「まぁ、色々と言ったがお前の選ぶべき道は2つだけだ。1つ、このままシャドウミラーとフロンティア船団の交渉の材料として向こうに引き渡されて処刑、最大限に幸運でも恐らくは終身刑といったところか。2つ、シャドウミラーに所属して行動の自由は得るが、実質的なある意味で奴隷と言ってもいい存在になる。ただしシャドウミラーに不利益を与えないという限りにおいては、行動の自由が保障される」

 

 手の中で鵬法璽を弄びつつキノコへと告げ、そのまま見せつけるようにして空間倉庫の中へと仕舞い込む。

 

「ま、何もすぐに決めろとは言わないさ。ただ、時間が有り余っている訳でも無い。タイムリミットは俺が向こうにカードとしてお前の存在を漏らす時までだ。部下ともよく話し合って決めろ。……シャドウミラーに関しての詳しい情報は、教えられるレベルのものに関しては量産型Wに聞けば答えてくれる筈だ。……連れて行け」

「了解しました」

 

 部屋の中にいた量産型Wがキノコを連れて行くのを見ながら、溜息を一つ吐く。

 ふとした思いつきから得た今回の件だが、それ程悪くは無いだろうと。

 前々から考えていたように、キノコは能力的に考えると優秀な人物であるのは間違いない。グラス大統領の暗殺を企んだりグレイスに操られていたりはするが、少なくても大統領補佐官として活動してきたのだから、エザリア1人に任されているシャドウミラーの政治や外交に関してはある程度任せられるだろう。

 グラス大統領から以前聞いた話によるとキノコは子供の時から苦労してきており、奨学金を使って大学を卒業しているらしい。それもトップクラスの成績で。

 学校の勉強が出来る=有能という事には必ずしもならないが、それでもコネの力があったとしてもあの若さで大統領補佐官として働いてきたのは事実なのだ。

 それと、これから行われるフロンティア政府……ひいてはマクロス世界との交渉においても、この世界について深く知っているキノコは役立つだろう。

 同時に、ビルラーとかいうS.M.Sのオーナーでもあり、グラス大統領の有力な後援者と知己を通じているというのも引き込む事に至った要素でもある。

 

「ま、その辺は奴次第だけどな。鵬法璽で心を縛られるのを嫌だと言い切るのなら、フロンティア船団との交渉のカードとして使えばいいだけだし」

 

 呟き、その場に立ち上がり影のゲートを使ってシロガネのブリッジへと向かう。

 すると……

 

「おわっ! おいおい、相変わらずの神出鬼没ぶりだな」

 

 ブリッジにある影から姿を現した俺を見て、ムウが驚きの声を上げる。

 同時に、こちらを見つけたイザークが額に青筋を浮かべて詰め寄ってくる。

 

「貴様ーっ! 酔っ払ってリュケイオスを起動させただと!? しかも1年半もの間行方不明になって迷惑を掛けて! どういうつもりだ!」

 

 がーっとばかりに言い募ってくるイザークだが、それはつまり……

 

「心配してたのか?」

「なっ! そ、そんな訳がなかろう! ただ、俺はだな……その、何だ。越えるべき壁が消えないかどうかを心配していた訳でだな!」

「はいはい、イザークは相変わらずツンデレなんだから」

「貴様ぁっ! 誰がツンデレだ!」

 

 レモンのからかうような言葉に、イザークが叫び返すが……ツンデレの意味を知っているという方が驚いたな。

 俺がいない間にイザークも大分染まっているらしい。

 だが、レモンはそんなイザークを軽く受け流して周囲を見回す。

 現在このシロガネのブリッジには今回の戦闘に出てきたシャドウミラーの幹部達が揃っている。そして……

 

『こーんにーちわー! 随分とお久しぶりですねぇー』

『ちょっ、ちょっとロイドさん! その、お久しぶりです。お元気そうで何よりです』

『ふぅ、無事だとは思っていたけど、こうして自分の目で見てようやく安心したよ。スレイが未亡人になったりしなくて良かった良かった』

「ちょっ、兄様!?」

 

 通信が繋がり、ロイド、セシル、フィリオの3人が騒がしく言葉を掛けてきて、同時に1人だけ少し離れた場所にいたスレイがフィリオの言葉に慌てて口を開く。

 映像で見る限りだと、そんな3人の後ろではマードックがどこか呆れたようにロイド達を眺めていた。

 別の映像モニタにはエザリアの姿もある。こっちを見て安堵しているのは、やはり政治的に俺がいなかったのが色々と不味かったのだろう。

 

「ま、皆が元気なようで何よりだ」

 

 レモン達にしてみれば1年半ぶり、俺にしてみれば半年ぶりに顔を合わせた面子だが、全員特にこれといって変わった様子は無い。

 一応現在の……ん?

 ふとブリッジの中にギルフォードの姿が無い事に気がつく。

 

「コーネリア、ギルフォードはどうした?」

「うん? ああ、ギルフォードは一応周囲の警戒に出している。量産型Wやメギロートがいるとは言っても、まだ向こうと正式な条約を結んだ訳では無いだろう?」

「……なるほど」

 

 コーネリアの言葉に頷く。

 確かにグラス大統領やフロンティア船団の最精鋭部隊でもあるS.M.Sは俺と良好な関係を築いている。だがバジュラの件が解決し、目の前に移住可能な惑星がある以上は妙な事を考える奴が出てくる可能性もあるだろう。それを思えば、確かにある程度の警戒はしておいた方がいいか。

 ギルフォードには迷惑を掛けるな。

 

「……アクセル……」

 

 そんな風に考えていると、いつの間にかスレイが俺の近くへと移動していた。そして、どこか潤んだ瞳で俺へと視線を向けてくる。

 

「その……すまない。私がアクセルに酒を飲ませてしまったせいでこんな騒動に……」

 

 ああ、なるほど。スレイのように生真面目な性格をしていれば当然その辺を気にするか。

 そっとスレイの肩に手を伸ばし、気にしないようにという意思を込めて軽く叩く。

 

「確かに今回の件の原因はスレイが俺に酒を飲ませた事かもしれない。けど、災い転じて福と成すってな。このマクロス世界にはシャドウミラーにとって有益な技術が幾つも存在している。宇宙空間でしか使えなかったり、その他にも色々と欠点はあるが安価な転移技術でもあるフォールド。そのフォールドを利用した各種通信システム、ネギま世界の火星で使えるテラフォーミング技術、VFというこの世界の主力機に、慣性をある程度蓄積するISC、高い耐G能力を持ちパワードスーツの効果も持つEX-ギア、ちょっと珍しいところでは歌手のライブに使える各種演出の技術とかな。それに……」

 

 そこで言葉を一旦止め、視線をシロガネの映像モニタの1つに映し出されているバジュラ本星へと向ける。

 

「これはマリューには言ったが、お前達と戦ったバジュラの体内にはフォールドクォーツというこの世界特有の稀少物質も存在している。それらを考えれば、確かにスレイが原因ではあるが、それは功績にもなるってことだ」

 

 呟き、スレイを抱き寄せてそっと触れるだけのキスを交わすのだった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114

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