転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0802話

 レモンとのデートから数日、次は自分の番とばかりに誘ってきたコーネリアと共に、俺達の姿はSEED世界のオーブ……の近くにある無人島にあった。

 さすがに常夏の島だけあり、1年中寒さとは無縁の気温だ。そんな中、オーブの砂浜でかなり際どい水着を着ているコーネリアの背中へと日焼け止めを塗る。

 時の指輪を身につけている以上は時の流れの外にいるコーネリアだが、やはり日焼けは色々と嫌なものがあるのだろう。

 ともあれ、コーネリアの背中――上半身の水着の紐は解かれている――へとそっと日焼け止めを塗り、その滑らかな背中の肌触りを楽しむ。

 

「ふふっ、アクセル。少しくすぐったいぞ」

 

 コーネリアはそんな俺の手の感触に思わず笑みを浮かべる。

 無人島なだけに、当然砂浜にいるのは俺とコーネリアの2人だけだ。完全に貸し切りの、プライベートビーチ状態だな。

 もっとも、オーブの住民にしてみれば海で泳ぐのなんて珍しくも何ともないのだろう。幾ら観光客を呼べるような珍しい景色だったとしても、その付近に住んでいる住民にしてみればそれはあって当たり前のものでしかないのと同じだ。

 だが、滅多に来ない俺やコーネリアにしてみれば十分以上に珍しいので、存分に楽しませてもらっている。

 

「ふぅ、アクセル。何か冷たい飲み物をくれないか?」

「何がいい? 軒並み揃えてあるから、飲みたいのを言ってくれ。残念ながらアルコールは無いが」

 

 ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、そしてマクロス世界。それらの世界で仕事の合間に買い揃えたジュースやら食べ物やらが空間倉庫には大量に入っている。

 勿論、マクロス世界に転移した経験を踏まえてアルコールの類は入っていないが。

 ああ、それとネギま世界の麻帆良で綾瀬が好んで飲むような奇天烈ジュースの類も当然抜いてある。

 

「そうだな、ではミックスジュースはあるか? 出来れば南国風のものがいい」

「確かオーブで買ったフレッシュジュースがあった筈だが……ああ、これだな」

 

 脳裏に展開した空間倉庫のリストからミックスジュースを選択する。

 パイナップル、マンゴー、オレンジ、パパイヤといったフルーツの果汁を混ぜて作った、オレンジ色のジュースが入っているコップを取り出してコーネリアに手渡す。

 日光に負けないようにサングラスを掛けたコーネリアは、パラソルの下でそれを受け取り、隣にいる俺に寄りかかりながらストローへと口を付ける。

 本来なら1つのコップに2つのストローといういかにもな光景を再現しようかとも思ったのだが、さすがにそれを素でやるのは色々と恥ずかしい。

 こういうのは、寧ろ周囲に人がいる方が吹っ切れるのだろう。

 

「こうしてアクセルとゆっくりするのは久しぶりだな」

「ああ。SEED世界でコーネリアと2人きりとなると、オーブで行ったパーティを思い出す」

「……そう言えばそんな事もあったか」

 

 どこまでも伸びる碧い水平線を眺めつつコーネリアが呟く。

 オーブの勝利で終わったSEED世界の戦い。その終戦の条件を話し合った時にオーブで行われたパーティだ。

 軍人としての性格が強いコーネリアだが、さすがに元ブリタニアの皇女と言うべきか、そのドレス姿は周囲の者を魅了していた。

 いや、あれは皇女がどうとかじゃないな。コーネリア自身が持つ大輪の華としての魅力に魅せられたと言うべきか。

 

「あの時はコーネリアのドレス姿にパーティ会場にいた男達や、中には女までもが目を奪われていたな」

 

 呟く脳裏に、コーネリアのドレス姿を思い浮かべる。

 背中が大きく開いており、胸元も大胆に露出したドレス。普通の女が着ていれば露出が派手すぎて下品に見え、とてもパーティに出るような格好では無いといえる程の代物だった。だが、皇女としての威厳やコーネリア自身の持つ凜とした雰囲気もあって、そのようなドレスを着ていてもその魅力を引き立てこそすれ、貶めるようなものでは決して無かった。

 

「やめてくれ。私にはあのような場はやはり似合わぬよ」

「……そうでも無いさ。エザリアが現在フロンティア政府や新統合政府と交渉している条約が締結した後で行われるパーティには、コーネリアを含めてレモン達にもしっかりと出て貰う予定だからな。その時はまた見応えのあるパーティドレスを希望しているよ」

 

 そう告げ、俺に体重を預けているコーネリアの肩をそっと抱く。

 

「ふふっ、そうだな。アクセルがそう言うのなら、また頑張ってドレスを選んでみるか」

 

 笑みを浮かべるコーネリアと暫くの間並んで海を眺めて過ごし、やがて20分程でそれに飽きるとコーネリアが立ち上がってパラソルの下から出る。

 

「アクセル、折角海に来たんだから泳ごうか」

「じゃあ競争でもするか? 俺に勝てたら……そうだな、コーネリアの言う事を何でも1つだけ聞いてやろう。その代わり俺が勝ったら、コーネリアにも俺の言う事を聞いて貰うからな」

「よかろう。ならばその勝負引き受けた!」

 

 コーネリアにしては珍しく、俺の方を指さしながらそう告げる。

 そのまま座っていたシートの上から立ち上がり、海へと向かって歩き出す。

 

「熱っ、……大分砂が熱を持ってるな」

「そうか? 俺には特に何も感じないが」

 

 砂浜を歩きつつ砂の熱さに小さく悲鳴を上げるコーネリアだが、当然の如く俺にはその程度の熱さは意味が無い。

 そもそも、混沌精霊とかいいつつ主戦力が炎の魔法である俺は、当然炎との相性がこれ以上ない程にいい。寧ろこの程度の熱さは俺にとっては気持ちいいとすら言ってもいいだろう。

 コーネリアは腰に巻いていたパレオを脱ぎながら、その素晴らしい脚線美を見せつける。

 先程塗った日焼け止めが背中だけではなく太ももを始めとした場所にもテカって艶めかしい程の色気を放っていた。

 と言うか、日焼け止めを塗ってからまだそれ程経っていないのに海に入ってもいいのか? そんな俺の疑問を視線から感じ取ったのか、コーネリアは笑みを浮かべて口を開く。

 

「この日焼け止めは海水に入っても落ちない成分が混ざっているから、問題は無い」

「……また、随分と便利な日焼け止めもあったものだな」

 

 まぁ、ホワイトスター自体が幾多もの世界と繋がっているのだから、俺が知らないものがあるのも当然だろう。特に、化粧品の類は俺にとって未知の領域だしな。

 

「ではコースだが……あそこにあるブイが見えるか?」

「当然」

 

 コーネリアの言葉に、沖に浮かんでいるブイへと視線を向ける。

 視力に関しても、今の俺は普通の人間の何倍も上である以上、コーネリアが見えるものが俺に見えないというのはありえない。

 ここから大体2km程の位置の水面に浮かんでいるブイを見ながら頷くと、コーネリアが満足そうに頷く。

 

「なら、後は簡単だな。あのブイまで泳ぎ、タッチしてこの砂浜に戻ってくる。それだけのシンプルなルールだ」

「俺はいいが、コーネリアは大丈夫か?」

 

 片道2kmだと、往復4km。それだけの距離を泳ぐというのは、普通の人間には多少厳しいだろう。

 そんな風に思って告げたのだが、コーネリアは口元に挑発するような笑みを浮かべつつ口を開く。

 

「どうした? 私に勝てないというのなら、勝負の前に負けを認めてもいいのだぞ? もっとも、その場合は後でレモン達にこの件の顛末を話す事になるだろうがな」

「ほう、そこまで言うのならいざ尋常に勝負といこうか。俺が炎の魔法を得意としているからといっても、別に水が苦手な訳では無いのだと教えてやろう」

 

 お互いに相手を挑発するような笑みを浮かべて視線を交わしている中で、空間倉庫から1枚のコインを取り出す。

 コーネリアと視線を合わせ、親指で上空に弾き……弾き……弾き……

 

「……ちょっとコイントスが高すぎないか?」

 

 呆れたような表情で告げてくるコーネリアから、そっと視線を逸らす。

 いや、実際親指で弾いたのが見えない程上にまで打ち上げられたのを考えれば、コーネリアの言葉はどう考えても正しいんだけどな。

 そのまま数秒。ようやく上空から落ちてきたコインを眺め、コーネリアもまたそちらへと視線を向け……コインが砂浜に落ちた瞬間、お互いに地面を蹴って海へと飛び込んでいく。

 そのまま海水を掻き分けるようにしてクロールの要領で泳ぎつつ、コーネリアの方へと視線を向ける。

 最初はかなり後ろにいるのかと思いきや、予想外な事にほぼ俺の隣を泳いでいた。

 へぇ、随分と泳ぎが早いな。

 感心しつつも泳ぎ続けていると、さすがに体力の差が出てきたのだろう。次第に俺とコーネリアの距離が離れていくのが分かった。

 それを確認しながら海中の様子にも視線を向けると、さすがに常夏の島オーブの近くにある無人島と言うべきか、色とりどりの熱帯魚が海中を泳いでいて目を楽しませる。

 赤い珊瑚に緑の海草が林のように生えており、まさにマリンダイビングをするのに相応しい光景と言えるだろう。

 お、体長50cm近い巨大な魚もいるな。この競泳が終わったら海中に潜って魚や貝、ウニ、イカ、タコ辺りを採って海鮮バーベキューと洒落込むのもいいか。

 そんな風に考えながら泳いでいると、やがて海中に浮かんでいるブイへと到着。そのまま軽くタッチしてから身を翻して再び砂浜の方へ。

 泳いでいる途中でコーネリアとすれ違うが、結局その差を縮める事が出来ずに俺はゴールの砂浜へと到着する。

 

「……水泳には多少自信があったのだがな」

 

 悔しそうな表情を浮かべながら砂浜に戻ってきたコーネリアへと、笑みを浮かべてタオルを差しだそうとして……今のその状況に気がつく。

 コーネリアは、かなり派手で際どいビキニを着ていた。アレだ。ピクチャードラマでコーネリアが着ていた、どこかボンテージを思わせるような水着。そんな極めて露出度の高い水着で往復4kmもの遠泳をすればある意味当然ではあるが、水着がずれて色々と見えてはいけない場所が日の目に晒されていた。

 思わぬハプニングに、ついコーネリアの美しい肢体へと視線を向ける。

 そんな俺の様子に気がついたのだろう。その視線を追って自分の身体を見たコーネリアが、頬を赤くしてパラソルのある場所に移動し、バスタオルで身体を隠す。

 

「ば、馬鹿者! 何をジロジロと見ているのだ! は、恥を知れ!」

「いや、そうは言ってもだな。コーネリアの身体なんだから見惚れるなってのは無理な話だろ」

「……馬鹿者」

 

 最初の馬鹿者と後者の馬鹿者では同じ羞恥から出た言葉でも色々とそこに込められている感情が違っていた。

 

「大体、私の身体はこれまで幾度となく見ているではないか。そう、改めて見るようなものでは……」

「何回、何十回、何百回、何千回見たとしても、コーネリアの身体に見飽きるなんて事がある訳ないだろ」

「……馬鹿者」

 

 羞恥ではなく、照れで頬を赤く染めるコーネリアに小さく笑みを浮かべて近づいていく。

 

「そう言えば、今の競争で勝った方が負けた方に何でも1つ言う事を聞かせられるんだったよな?」

「……」

 

 その一言で俺が何を言いたいのかが分かったのだろう。小さく頷き、そのまま俺が近づいてくるのを待ち受ける。

 そのままコーネリアの身体を包んでいるバスタオルごとその豊満で、鍛え上げられているとはとても思えない程に柔らかい肢体を抱きしめ、目を潤ませて俺と視線を合わせているコーネリアの唇を、そっと塞ぐ。

 そのまま数分程が経過し、その魅力的な肢体から身体を離すと、俺とコーネリアの間には銀糸の橋が出来上がっていた。

 その銀糸の正体が何かを理解したコーネリアは羞恥で顔を真っ赤に染める。

 いつもは強気のコーネリアだが、情事になるとその面影が無くなるんだよな。

 俯いているコーネリアの身体を引きよせ、再度抱きしめる。

 そのまま柔らかい身体を堪能しつつ、紫色の髪を数分程撫で続けた。

 やがてコーネリアが落ち着いてきたのを見計らい、先程とは違って触れるだけのキスをしてから離れる。

 

「さて、折角南国の海に来たんだからコーネリアとイチャつくのもいいが、海鮮バーベキューはやっておきたいよな。幸い火には困らないし」

「ふふっ、確かにそうだな。何しろ混沌精霊だしな」

 

 コーネリアが笑みを浮かべつつそう告げてくる話に頷き、早速とばかりに再び海の方へと向かう。

 

「って事で、俺は魚とかを捕ってくるけど……コーネリアはどうする?」

「そうだな、ならば私はバーベキューの用意をしておこう」

「……大丈夫か?」

「私とてこの1年半遊んでいた訳では無い。マリューや、時には千鶴からも暇を見ては料理を習っていたのだ」

 

 いや、バーベキューと家庭料理は色々と勝手が違うと思うが。

 にしても、料理の教師に千鶴も入ったか。実際、千鶴の料理の腕は四葉には劣るが、それでも相当に美味い部類に入るのは間違いない。

 

「そこまで言うのなら、準備の方は任せるぞ」

 

 そう告げ、空間倉庫からバーベキューに必要な道具一式を取り出してから、再び海に潜っていく。

 アワビ、サザエ、牡蠣、ウニ、魚。珍しいところはウツボやタコといったものを取り、コーネリアと2人で腹一杯になるまで食べるのだった。

 尚、その日は結局その無人島に一泊し……色々と夜にも燃え上がる事になる。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114

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