転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0822話

 この世界の歴史を調べ終えた俺が、次にコンピュータの画面に映し出したのはある意味当然ではあるがBETAについての情報だった。

 勿論ここで見られる情報は軍人が一般的に見られるものだけであり、ジョンが口にしたように軍としての機密に関するような情報の類は無いだろう。だが、それでもBETAという存在を全く知らない俺にとってはこれ以上無い程に有用な情報であるのは間違いない。

 ともあれ、最初に画面に映し出されたBETAを見て思ったのは、バジュラとの関係は無かったのか、という事だった。少なくても俺の知っているバジュラとは全く違う姿をしている。

 外見は2足歩行しており、巨大な目玉のようなレーザー発射口が頭部にあたる位置に2つ付いている。名前はBETAの代名詞とも言えるらしい光線級。ここに表示されている情報によれば、その射程距離は200kmから300km程と洒落にならない長さを持っている。

 だが、1発撃った後に12秒のインターバルが必要だったり、レーザーを照射してから最大出力になるまで数秒が必要だったり、更にはレーザー攻撃に特化している為に防御力は紙同然、それこそガン・ルゥよりも弱いんじゃないかってくらいだ。

 そして絶対に味方に対してのレーザー照射をしない点。一見するとこれは光線級の長所にも思えるが、地上で戦って居る時にBETAの動きを見ていれば大体の射線やタイミングは予想出来るし、最悪BETAを盾にすれば光線級の心配をする必要は無いということにもなる。

 ともあれ、地球人の最大の戦力でもあった戦闘機による制空権を得る事が出来なくなったのはこの光線級が最大の原因であり、同時に現在のBETAとの戦いの鍵を握る存在でもあるらしい。

 対処法としては、AL弾頭というレーザーによって迎撃されると重金属粒子を散布するというものがあるんだが……正直、色々と害がありそうな対抗手段ではある。

 もっとも、そんな物を使わなければならない程に人類が追い詰められているって事かもしれないが。

 

「次は……重光線級か」

 

 光線級に続いて画面に映し出されたのは、これまた2足歩行の固体。ただし頭部に付いているレーザー発射口は1つだけ。

 大きさは……大体20m強ってところか。かなりでかいな。ニーズヘッグが15mだというのを考えると、一般的なPTとかと同じような大きさだ。

 大型化しているだけあって、単純射程距離は1000kmにも及ぶらしい。

 ただし、戦艦の装甲を突き破るのにそれなりの時間照射する必要があるという事を考えると、この世界の戦術機を始めとした兵器にとっては脅威であっても、シャドウミラーの機体にとっては威力的にそれ程怖くは無いだろう。

 光線級と同じく最大出力になるまで数秒かかり、インターバルは3倍にも達している。量産には向かないらしく、数は少ないと。

 その対処法は光線級に準じている。

 

「まぁ、この程度の敵ならシャドウミラーの面子なら特に問題はなさそうだが」

 

 思わず口から漏れたその言葉に、軍人の顔が驚愕に歪んでいるが……まぁ、それに関してはこの後で行われる演習で皆が理解出来るだろう。

 ともあれ、次のBETAを画面に表示する。

 

「要撃級だな」

 

 BETA全般に言えるが、特にこの要撃級は見る者に嫌悪感を抱かせる姿をしており、全高12m程でニーズヘッグより3m程小さい。BETAの大型種の中では6割程の数がこの要撃級らしい。

 最大の攻撃手段はその前腕。ダイヤモンド以上の堅さを持ち、戦術機相手には一撃で致命傷を与える事も多い。……まぁ、戦術機はバリアの類も存在していないし、運動性や機動性を重視しているから必然的に装甲も薄いしな。

 光線級のような特殊な攻撃手段は持たず、ただひたすら近接攻撃を仕掛けてくる、か。

 こちらも特に脅威を感じない。次。

 

「突撃級」

 

 全高16m、これがニーズヘッグの相手としては丁度いい大きさで、BETAの中では気色悪さという点では一番マシだろう

 最大の特徴はその甲殻。要撃級の前腕と同程度の堅さを持ち、非常に防御力が高い。その状態で時速170kmで突っ込んでくる訳だ。しかも集団で。

 それを考えれば、戦術機が正面から相手にするには厄介極まりないと言えるだろう。

 ただし甲殻が覆っているのは前面だけであり、後方に回り込んで撃てば対処は難しく無い。

 次のBETAを画面に映し出す。

 

「要塞級」

 

 最大の特徴はその大きさ。全高60mオーバーで、俺の感覚で考えれば特機に近い。

 実際、その動きは鈍く、攻撃力、防御力、耐久力が高いというのはまさに特機の特徴だろう。

 攻撃手段はその巨体を活かした10本の足による打撃。先端が鋭く尖っているので、串刺しになる可能性も高いようだ。

 次に長さ50mにも及ぶ触手による攻撃。尾の先端には鉤爪状の衝角がついており、これがぶつかると瞬時に戦術機も溶かす溶解液を撒き散らすらしい。

 更にはその内部に小型種のBETAを収容している事もあるらしく、撃破した後でも注意が必要、と。

 

「ここまでが戦術機が相手をするクラスのBETAだな」

 

 次に画面に表示されたのは、蜘蛛のような、あるいはサソリのような姿をしたBETA。

 全高3m前後で、BETAの中では最大の個体数を誇る戦車級。

 その程度の大きさしか持っていない割に、戦車級の顎は戦術機の装甲を噛み砕く程の力を持っているらしい。小さいという事は、攻撃も当たりにくいのとイコールであり、結果的に多くの戦術機パイロットの命を奪っているとか。

 PS装甲を装備しているニーズヘッグはともかく、幹部達の機体やシャドウ、そしてメギロートやイルメヤ辺りはどうなるか。

 いっそ、幹部の機体も全てPS装甲にしてしまうというのもありかもしれないな。重量が重くなる分はブラックホールエンジンのグラビコン・システムでどうにか対応できそうだし。

 次にモニタに映し出されたのは、2本足と象のように長い鼻を持つBETA、闘士級と妙な頭をした白いBETAの兵士級。この2種に関しては大きさが2mを超える程度で戦闘力に関しても対人に特化しているらしく戦術機に乗っている場合は特に気にする必要は無いらしい。

 もっとも、何らかの事情で戦術機のコックピットから脱出した時にこいつらと出会ってしまうと、そのパイロットは絶望しか無いらしいが。

 

「こうしてみると……どのBETAにも言える事だが、基本的に嫌悪感を覚えるような外見ばかりだな」

「ええ。それ故にパイロット訓練校においてはBETAの姿を直接は見せないようにしている場所もあるとの事です」

 

 何気なく呟いた俺の言葉に、軍人が言葉を返す。

 

「それはどう考えても悪手だろ? 気持ち悪い相手だからこそ、早めにパイロットにその姿を見せて耐性を付けるべきじゃないのか?」

「その辺は、国や訓練校によっても違うらしいので。幸か不幸かうちの軍隊は訓練校時代にきちんとその辺りを見せているので、問題は無いのですが……それでも死の8分を乗り切れない者も多く……」

「死の8分?」

「はい。戦術機に乗った初陣でパイロットが生きていられる平均時間です」

「……なるほど、8分か」

 

 予想外に短いと言うべきか、あるいは長いと言うべきか。

 だが、バジュラと戦った時の新統合軍の生存時間を考えれば、あるいは長いのかも知れないな。

 そんな風に考えながら見ていると、やがて部屋の扉が開いてジョンが姿を現す。

 

「こちらの準備は整ったが、そちらはどうかね?」

「ああ、問題無い。こちらの世界の歴史とBETAについて調べさせてもらったよ。ただ、色々と予想外のところもあったが」

 

 BETAを作り出した者は、人間が抱く不快感を考えてこの形状にしたのか、あるいは何らかの別の意味があるのか。

 正直な話、一緒にしたのがバジュラに悪いと思える程に不快感を与える外見をしている。もしあのBETAと一緒にされたとランカと一緒にいるバジュラが知ったら、許さないんじゃないかと思う程に。

 少なくても、俺はBETAと一緒にされるというのは我慢出来ない。

 

「色々と思うところはあったようだが、ともあれこちらの準備は出来た。さすがに君の言う通り100機とはいかないが、それでも2個大隊72機は用意させてもらった。もっとも、機体はF-15CやF-18といった機体が大半だがね」

 

 まぁ、この国の最新鋭機に近い扱いのF-18Eとやらは、性能評価試験をやっているレベルである以上、数を揃えるのは無理なんだろう。その為にごちゃ混ぜになっている訳か。

 にしても、72機もの戦力を揃えているのは、さすがと言うべきか。

 まぁ、機体が多少変わったところで意味は無い。俺にしてもYF-29……否、シャドウミラーで改良を加えられて名前も変更になった機体、SVF-1 サラマンダーの初のお披露目だからな。

 もっとも、敵には色々と物足りないところがあるが。

 

「そうか。ならそろそろこっちも準備を始めようか」

 

 ジョンに頷き、促されるままに部屋を出て行く。

 その後、車に乗って30分程移動すると演習場へと到着する。

 既に向こうは準備が出来ているらしく、灰色の装甲をした機体や、F-18Eと似た機体がずらりと並んでいる。

 後者の機体が恐らくはF-18なのだろう。

 

「こうしてみると、それなりに壮観だな」

 

 車から降りて呟くと、先程の会議室にいた軍人達の視線が俺の方へと向けられる。

 シュタートの姿が無いのは、恐らく治療なりなんなりをしているのだろう。あるいは、単純に俺に対して恐怖を抱いているのか。

 ともあれ、その場にいる軍人達のごく少数を除いた殆どから向けられる視線の中には、やれるものならやって見ろとばかりの色が浮かんでいる。

 恐らくこの基地にある戦力の大半を集めたんだろうから、その自信も無理はないが。

 

「それで、このままここで機体を出してもいいのか? それならさっさと出すが」

 

 いつでも準備OKとばかりにオーストラリア人としては珍しい黒人のリトラスに告げるが、当の本人は首を横に振る。

 

「申し訳ないが、君の能力を今の時点で一般の兵士達に見せる訳にはいかない。向こうに使っていない格納庫があるから、そこでお願いする」

「まぁ、いいが」

 

 さて、この言葉の意図は何なんだろうな。一般の兵士に空間倉庫を見せて混乱させたくないのか、あるいはどこかから迷い込んでいるかもしれない他国のスパイに関しての対応か。

 他国と言っても、ソ連に中国がああいう状況な以上、その手の行動を最も活発に行えるのはアメリカがメインだろうが。

 ともあれ、この場を提供している側からのオーダーなら問題無い。そのまま再び車に乗り、使われていない格納庫へと案内される。

 

「では、私はこれで失礼します。……こういう事を言うのが正しいのかどうかは分かりませんが、頑張って下さい」

 

 それだけ告げ、敬礼すると軍人は車を運転して去って行く。

 それを見送り、格納庫の中で俺1人だけになったところで脳裏へと空間倉庫のリストを展開してサラマンダーを選択。次の瞬間には、俺の真横にファイター形態のサラマンダーが姿を現していた。

 YF-29だった時に比べると、一番変わったのはやはり両翼先端にある部分だろう。フォールドウェーブシステムを取り外してL.A.Iに返却した為、そこにはフィリオが調整したテスラ・ドライブが備わっている。

 本来は武器を付けるべきかという論争が技術班でもあったらしいが、基本的にこの機体は俺の足としての役目を期待されているものである為、機動力を増す為のテスラ・ドライブとなった訳だ。

 スーパーパック装備の状態を標準としてるので、その分他のテスラ・ドライブも増設されている。

 他にもシャドウミラーの機体らしくASRS、ミラージュコロイドは装備されており、ジャマーやNジャマーⅡもついでとばかりに取り付けられていた。

 武器に関しても一新されており、頭部4門のバルカン砲は実弾からビームバルカン砲へと換装し、連装MDEビーム砲はより威力の強いシャドウミラー製のビーム砲へと換装、ガンポッドはヒュッケバインMk-Ⅲの持っているグラビトンライフルを基に開発したグラビトンガンポッドとなっている。

 通常時はグラビトンガトリング砲、バーストモード時にはグラビトン砲として使用可能。

 実弾兵器は弾切れの関係であまり好きではないが、だからといって折角あるのを使わないというのもなんなので、L.A.I製からシャドウミラー製のミサイルへと変えて使用している。それとアサルトナイフをビームサーベルへと装備変更。

 バリア関係は、テスラ・ドライブからEフィールドとピンポイントバリア。

 ああ、それと俺の専用機って事でEX-ギアは無い状態でも操縦出来るようになっている。ISCは必要無いんだが、一応そのままに。取り外してもそれ程スペースを確保出来る訳じゃないし。

 ……とても足って感じじゃなくて、普通に一線級の機体だよな。

 ああ、ちなみに機体色は俺のパーソナルカラーの深紅のままだ。この色が由来でサラマンダーという機体名になったんだし。

 ともあれ、サラマンダーのお披露目としては多少物足りないが出撃するとするかね。

 火の精霊の名前を持つ機体のコックピットへと乗り込み、機体を起動させていく。

 そのままテスラ・ドライブを起動し、格納庫から演習の現場へと向かって発進する。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114

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