転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0872話

「はあああぁぁぁあっ!」

 

 ゲートの中に入った瞬間、奥の方から現れたBETAの群れへと向かって拡散ビーム砲を放つ。

 ドリフトの中だとは言っても、当然ながら最初に現れたのは突撃級。その装甲殻を頼りに、真っ直ぐに向かってこっちへと突っ込んでくる。

 確かにそれ程の広さがないドリフトの中では、突撃級というのはかなり怖いだろう。回避出来る空間そのものが少ないのだから。だが……

 

「アダマン・ハルパー、モード・ランス!」

 

 回避する必要が無いのなら……それこそこちらから攻めるのであれば、寧ろ俺にとってはカモ以外のなにものでもない!

 ニーズヘッグよりも尚大きい馬上槍へと変化したアダマン・ハルパーを構えつつ、そのままツイン・ドライブとエナジーウィング、ヒュドラのスラスターとテスラ・ドライブを全開にして突っ込んでいく。

 ドリフト内部が真っ直ぐ直線になっている通路だからこそ出来る攻撃。

 当たるを幸いとばかりに、突撃級の装甲殻を馬上槍の先端はあっさりと貫き、寧ろ逆に突撃級そのものを弾き飛ばす。

 そうして突撃級の群れの中を馬上槍を構えながら突っ切った後は、要撃級が目の前にいるのにも構わずヒュドラのスラスターを使って強引に真後ろへと振り返る。

 

「アダマン・ハルパー、ナインテールモード!」

 

 9条の鞭と化し、突撃級の背後からその柔らかい肉体のことごとくを斬り裂いていく。同時に、背後からニーズヘッグの背中を狙おうとしている要撃級にはエナジーウィングのエネルギーを刃状にして無数に放つ。

 突撃級の装甲殻と同程度の固さを持つ前腕だが、そんなのは関係無いとばかりに放たれた刃状のエネルギーは貫通し、その肉体を抉り、更に肉体そのものをも貫通し、背後のBETAを巻き込みながら貫いている。

 

「ついでだ、食らえ!」

 

 エナジーウィングの掃射をしていた間も振るっていた9条の鞭を、思い切り引き戻して背後へと振るう。それにより、射角の外にいたおかげで無事だった要撃級、更にその要撃級の間に入り込んでいた戦車級までもが次々に斬り裂かれ、弾かれ、粉砕され、その身をハイヴの床へと崩れ落ちていく。

 接敵してから、ここまで実に40秒程。たったそれだけで、俺の入ってきたゲートから外へと出ようとしていた100匹近いBETAは息の根を止められ全滅させられた。

 

「残敵は……ちっ!」

 

 要撃級の死骸を乗り越えてこちらへと向かって来ようとしている戦車級を発見し、頭部のビームバルカンを放ち粉砕する。

 やっぱり厄介なのは、ニーズヘッグの特徴でもある高い攻撃力の武器が軒並み使えない事だよな。

 現状ハイヴ内で使える武器は、頭部ビームバルカン、腹部拡散ビーム砲、エナジーウィングの斬撃と掃射、T.T.キャノン、ヒュドラのビーム砲とビームサーベル、グレイプニルの糸、アダマン・ハルパー、ファントムくらいだ。

 ……よく考えたら十分なような気がしてきた。

 少なくてもハイヴに突入する戦術機と比べたら、頭部ビームバルカンだけでも圧倒的に攻撃力が上なんだよな。

 ただ、戦術機の場合は小隊、中隊、大隊といった数でハイヴ内に突入するのに対して、俺はニーズヘッグ1機なんだが。

 メガ・バスターキャノンやブラックホール・ランチャー、ましてやラグナロクなんかは使いようがないのは無念だ。

 そんな風に考えながらハイヴ内を進みつつ、通信を入れる。

 

「こちらアクセル。全機、現状を報告しろ」

 

 一瞬の沈黙の後、最初に返事が来たのはコーネリアだった。

 

『こちらコーネリア、ギルフォード組。既にハイヴ内部に突入済みだ。現在はホールの中で200匹近く出てきた戦車級を殲滅中』

『こちらはイザーク、エキドナ組だ。現在ドリフト内を進行中。たまに戦車級が上から降ってくる以外には問題無い。現在順調に進行中だ』

『こちらムウ、ムラタ組。こっちも現在は問題無い。……ただ、ムラタが嬉々としてBETAを斬りまくっているんで、俺が手を出す暇が全く無い』

『こちらレモン、スレイ組よ。残念ながら私達はついさっきハイヴ内に突入したけど、現在BETAの姿は確認されていないわ。見つけたゲートをアクセルに取られたのが、突入に遅れた要因ね』

『こちらマリュー。地上部分に関して言えば、まだ大分余裕があるわね。BETAが次から次に出てきているけど、修羅神が競うようにして血祭りに上げていってるわ。それと、ゲート付近で待ち受けているシャドウミラーの戦力に関しても、出てきたBETAを撃ち漏らしはしてないわね。……ああ、そうそう。ゲートからシャドウやメギロート、イルメヤもどんどんハイヴ内に突入していってるわ。観戦武官として乗り込んでいる人達も色々と映し出されている光景が信じられないのか、面白い顔をしているわね』

『こちらエザリア。ニヴルヘイムの方も特に問題無し。観戦武官にも特に妙な動きは無いわね』

 

 一応どの組も問題は無いか。

 ちなみにハイヴ内では通信が阻害されるのがこの世界の常識だが、シャドウミラーの通信は基本的にフォールド通信を使っているので、阻害に関しては全く問題がなかったりする。

 この時点でマブラヴ世界の住人にしてみれば嬉しいだろうな。普通ならハイヴ突入時には通信の中継器を持っていかなきゃいけないらしいし。

 

「了解した。どうやら全機無事にハイヴ内に突入出来たようだな。後はそれぞれ遭遇したBETAを駆逐しながらメインホールの反応炉まで向かってくれ」

『了解』

 

 各自の状況を確認し、通信を終える。

 すると、まるでその瞬間を待っていたかのようにドリフトの中でも何もない場所からBETAの群れが姿を現す。

 ちっ、スリーパー・ドリフトって奴か。

 無数に現れる戦車級が、続々とこちらへと向かって襲い掛かってくる。

 本来であれば戦術機の装甲ですら噛み砕く戦車級というのは、その小ささもあわせて非常に厄介な敵である。……戦術機であれば、という条件が付くが。

 

「この機体を戦術機と一緒にしてもらっちゃ……困るんだよ!」

 

 本来であれば戦車級の群れから距離を取るのが普通だろう。だが、俺はニーズヘッグを真っ直ぐに戦車級へと向かって突っ込ませる。

 ヒュドラから18本のビームサーベルを展開し、更にはエナジーウィングを羽ばたかせ……そして何よりもニーズヘッグを守るバリアの中でも最も外側にあるEフィールドを全開にしながらだ。

 すると何が起きるか。ある戦車級はEフィールドとドリフトの壁に挟まれて潰され、そのまますり下ろされていく。更にEフィールドの外側では、T-LINKシステムの操作により縦横無尽に振り回されているビームサーベルやエナジーウィングによって、近づいてきた戦車級のほぼ全てが消滅する。

 そのままスリーパー・ドリフトから出てきた戦車級の全てを駆逐するまでに掛かった時間はほんの3分程。それだけで200を超える戦車級の全てが肉片と化してドリフト内部に散らばっていた。

 

「これだけ戦車級を殺しても、撃墜数もPPも稼げないってのはちょっと意味不明だよな。バジュラなら普通に稼げたんだが……」

 

 まぁ、ここで愚痴を言っていてもしょうがない。とにかく今はこのドリフト内部を突き進み、メインホールに向かって反応炉を確保するだけだ。

 この鉄原ハイヴに関して言えば、所詮はこれからもっとフェイズの進んだハイヴを攻略する上での予行演習でしかない。今はとにかくこの世界の戦術機とは違う、俺達シャドウミラーならではのハイヴ攻略パターンを確立させなきゃな。

 そう判断し、戦車級の残骸をドリフト内部に放置したま、再びツイン・ドライブを起動させてハイヴの内部を進んでいく。

 その途中でも突撃級、要撃級、戦車級といったBETAとの戦闘を繰り広げるのだが、その殆どは数分と立たずに全滅させながらハイヴ内部を突き進む。

 さすがにシミュレーションのヴォールクデータと違って深いし、複雑だな。

 まぁ、ヴォールクデータにしても結局は最後まで攻略した訳じゃなく、最終的には全滅したんだから完璧じゃないのは当然なんだが。

 

「それでもシミュレーション通りなら、そろそろホール辺りに出てもいいと思うんだが……って、フラグかよ」

 

 ドリフトのジャンクション的な存在でもあるホール。本来のハイヴ攻略戦術であれば、BETAの待機所にも近いこのホールは避けて通るのが常道だ。だが……

 

「俺にとっては狩り場でしかないって……な!」

 

 ホールへと入った瞬間、腹部拡散ビーム砲、ヒュドラ全門の18門ビーム砲、エナジーウィングの刃状エネルギーの掃射、頭部ビームバルカン、T.T.キャノンを放つ。

 それと、ついでにグレートグランドマスターキーを使って『燃える天空』をぶちまける。

 ホール自体も突撃級や要撃級といったBETAが300匹以上存在していたのだが、次から次に雨霰と降り注ぐ攻撃により、何をするでも無くBETAは息の根を止められて地面に沈む。

 まさに先制攻撃の奇襲故に出来た攻撃だったが……BETAにとっては死の嵐といったところか。

 ともあれ、ホールに存在していた全てのBETAをものの数分と掛からずに撃破すると、周囲の様子を改めて確認する。

 ドリフトのジャンクションと言われているだけあり、このホールには俺が入ってきたのと合わせて5つ程のドリフトが繋がっている。

 問題は、どの道が正解かという事だが……

 そう思った、その時。T-LINKシステムを通じて何かが俺の方へと向かって近づいてきているのを感じ取る。

 それも、真っ直ぐに俺の方向へと。

 

「何だ!?」

 

 近づいてきているのが何なのかは分からないが、それでもこの場に留まって何かいい事がある訳でも無い。そう判断して、ヒュドラのスラスターを噴射させてその場から飛び退く。

 そのままニーズヘッグが空中に浮かんでから1分程経ち……やがて、唐突につい先程までニーズヘッグの存在していた場所が崩落するかのように崩れ落ち、次の瞬間にはそこから巨大な何かが姿を現す。

 丸い何か。直径としては200mに足りないくらいだろうが。

 これまで知られていた、どのBETAとも違う種類。

 ……新種、か?

 何もない場所を掘ってやって来たって事は、恐らく奇襲用のBETA……いや、違うな。今の現れ方を考えれば、ハイヴ内でドリフトを掘っているBETAか?

 ともあれ、ドリフト内部を掘り進みながら突然現れたそのBETAは、そのままホールの中へと突き進んでくる。

 その大きさは口だけに留まらない。ミミズや蛇のような長い胴体を持つそのBETAは、俺の方へとその口らしきものを向けると……次の瞬間、パカリと口を広げ、更に開いた口の中からもう1つの口と表現しても言いような、生々しいピンク色をした口のようなものが前へと伸びる。

 グロイ光景だったが、そこから出てきたものは完全に俺の予想を超えていた。

 何しろ、口の中から突撃級、要撃級といったBETAが出てきたのだ。

 しかも、出てきたのはそれだけではない。何と、要塞級すらも姿を現す。

 ……なるほど、この未確認BETAは穴を掘るだけじゃなくて俺達で言う空母のような役割を果たすのか。取りあえず仮に母艦級とでも名付けるとするか。

 そんな風に考えている間にも、母艦級の中から姿を現したBETAはその全てが俺の方へと向かって突っ込んでくる。

 要塞級が自由に動けるだけの空間的余裕を持つホールに俺が来るのを見計らっていたのか? あるいは偶然待ち伏せのような形になっただけなのか。

 ともあれ、向こうの意図が偶然であれ戦略的なものであれ、俺のやるべきことは変わらない。

 幸いここはホールの中で空間的な余裕がある。なら。

 

「ファントムッ!」

 

 ヒュドラから全48基のファントムが放たれ、半数がビーム弾を発射しながらBETAの周囲を飛び回り、もう半分はビームソードを展開して真っ直ぐに突き進んで行く。

 実弾兵器ならともかくBETAがビーム兵器を防げる筈もなく、放たれたビーム弾はまず真っ先にこっちへと向かって突っ込んできた突撃級の装甲殻を貫通して次に次に戦闘不能に陥らせていく。

 更にBETAにとっては運が悪かったことに、ホールの床に転んだ突撃級の死体が邪魔になり要撃級の動きが鈍る。

 その動きの鈍くなった要撃級へと向かって放たれるヒュドラの18門のビーム砲。

 次々に死体を築き上げていく中で、まだ生き残ってこちらへと向かってくる突撃級に腹部拡散ビーム砲とエナジーウィングの刃状のエネルギーを掃射し、生き残りを仕留めていく。

 こうして瞬く間に生き残りが数少ない要撃級と戦車級、背後にいる要塞級、そして1匹の母艦級へと向かって……再びビームの掃射を開始する。

 ヒュドラ、腹部拡散ビーム砲、ファントム、エナジーウィング、ビームバルカン。

 ハイヴ内の構造を崩さない攻撃の連射に、BETAの生き残りは何をするでも無く無慈悲なまでに撃破していき……

 

「これで仕上げだ!」

 

 放たれたT.T.キャノンは、T-LINKシステムによって俺の思い通りの軌道を描きながら母艦級の口の中へと入っていき、そこで爆散。

 次の瞬間には母艦級の胴体辺りが破砕し、その巨大な死体をホールの中へと晒すのだった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120

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