転生とらぶる1   作:青竹(移住)

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0875話

 映像モニタに映し出されているBETAは、一切動く様子が無い。

 BETAというのは活動に必要なエネルギーを反応炉から貰っているって話を聞いたが、それを考えると現在は充電中なのか?

 また、珍しい生き物もいたものだ。……いや、バジュラとかアインストとかダークブレインを知っている身としては今更か。

 

『アクセル、どうするの? さすがにこの数相手だと私達だけじゃ全滅させるのは難しそうよ?』

 

 数百、数千、あるいは万にすら届いているだろうBETAを見ながら、レモンがそう告げてくる。

 これだけの数の差を見てもまともに渡り合っても押し勝てると判断し、あるいは逃げられる可能性を示唆する辺り、レモンも生え抜きのシャドウミラーメンバーと言うべきだろう。

 

『ハイヴの構造を考えれば、横はともかく下に向かっての攻撃ではこれまでのように武器を制限する必要はないだろう。……もっとも、さすがにニーズヘッグのブラックホールランチャーやフレイヤ、ラグナロクなんていうのは論外だろうが』

 

 映像越しに小さく肩を竦めるスレイ。

 確かにここでそんなのを使えばハイヴどころか、下手をすればこの周辺一帯が消滅する可能性もある。だが、メガ・バスターキャノンとランツェ・カノーネを使用出来れば、このBETA達を掃討するのに大分楽になるだろう。……ただし、問題もある。

 

「他の面子が来てくれればかなり楽になるんだがな。このメインホールに繋がっているドリフトを守って貰えば逃がす事もないだろうし」

『それは言ってもしょうがないだろう。元々今回のハイヴ攻略は他の、もっとフェイズの進んでいるハイヴを攻略する為の予行演習に近い。その為に色々と生のデータを集める必要もあるし、その為には全員がバラバラに中に突入するというのは決して間違っていない』

 

 スレイの言うとおり、ハイヴのデータというのは当然もの凄く貴重だ。何しろ、これまでにも幾度かハイヴ攻略が行われてきたのだが、それが成功した例は1つも無いのだから。

 ……無理矢理成功例を上げるとすれば、カナダの着陸ユニットに対する核兵器の集中運用だろうが、それだってハイヴになる前、着陸ユニットからBETAが出てくる前か、出てきてもほんの少しってところでどうにかしたんだから、とてもではないがハイヴを攻略したとは言えないだろう。

 そういう意味では、今回俺達がこの鉄原ハイヴを攻略する際に得た各種データというのは、洒落にならない価値を持つ。

 それこそ、下手をすれば各国家で開発している第3世代機のデータと引き替えに出来るだろう程に。

 いや、そこで無意味に敵意を煽ったりはしないけどな。まぁ、何らかの取引に使われる事にはなるだろうが、それにしたってエザリアやレオンといった外交担当に任せるだろうし。

 それのマブラヴ世界の状況を考えれば、とにかく人間側の戦力を上げる必要がある以上、このデータはなるべく多くの国家に渡した方がいい。

 

「まだ到着していない面子をどうこう言ってもしょうがない。こいつらを攻撃していればそのうちやってくるだろ。問題は、どう考えても反応炉なんだよな」

 

 反応炉からエネルギーを受け取っている以上、自然とBETAの群れは反応炉を中心にして存在している事になる。ここでメガ・バスターキャノンを使ってBETAの群れを殲滅した場合、当然ながら反応炉も消滅してしまうだろう。

 これがさっき思いついた最大の問題点。

 それを解決する為には……

 

『わざとBETAの前に姿を現して、それに気が付いて向かってきたBETAを反応炉から引きはがして纏めて撃破……だろうな』

 

 俺と同じ結論に至ったスレイがそう呟く。

 レモンも同意するように頷いている。

 やっぱりそれがベストか。

 

「分かった、それでいこう。ただし、このメインホールには光線級と重光線級がいる以上、囮役には俺がなる」

 

 より正確には、光線級や重光線級はニーズヘッグを見た瞬間に攻撃を仕掛けてくるから、自動的に囮役は俺になるってだけなんだが。

 

『分かったわ。気をつけてね……って、アクセルに言うまでも無いか』

『ふふっ、確かに。そもそもBETAがどう出てこようとも、アクセルとニーズヘッグを相手にどうにか出来るとは思えないしな』

「そう言われても、気遣われて嬉しくないのかと言われれば別だよ。……じゃあ、まずは俺がメインホールに向かって突っ込んで、光線級と重光線級を始末しながら他のBETAをこっち側に引き寄せてくる。2人はそれを横合いから攻撃してくれ」

 

 その言葉に2人が頷くのを見て、ツイン・ドライブとエナジーウィングを起動させ……ファントムを放って引き連れながらメインホールの中へと突入する。

 まさかメインホールのすぐ外に俺達がいたのに気が付いていた訳でもないだろうが、BETA達はすぐにニーズヘッグに反応して動き出す。

 放たれるレーザーをファントムを使って反射、こちらの方へと凄い勢いで向かってくる突撃級や要撃級、そして何よりもレーザーを放った光線級、重光線級へと向けて反射して数を減らしていく。

 同時に、レーザーを反射していないファントムにビームソードを展開させて突っ込ませ、光線級や重光線級の目のように見える照射膜を貫き、体内でビームを発射しては爆散させる。

 元々BETAの中ではその数が極めて少ない――集団の1%程度――光線級と重光線級だ。幾ら広いとは言っても、このメインホールの中にそれ程の数がいる筈がなく、ファントムとレーザー反射、そして駄目押しのヒュドラから放たれるビーム砲で一気にその姿を消す。

 そしてBETAとしては当然の事ながらニーズヘッグの姿を追ってくる。

 反応炉からエネルギーを貰うというBETAの性質のせいか、ハイヴ内にも関わらず……さらに母艦級がいないというのに、要塞級の姿まである。

 まぁ、普通のホールでも要塞級が自由に身動き出来るのを考えれば、反応炉があるメインホールに要塞級がいるのは別に不思議な事じゃないんだろうな。

 で、恐らくはここから出る時には母艦級辺りの出番な訳だ。

 ニーズヘッグを追ってくるBETAへとヒュドラのビーム砲を放ちながら、そんな事を考える。

 母艦級がどのくらいの数いるのかは分からないが、それでも1つのハイヴに1匹だけという事は無いだろう。恐らくドリフトを作っているのも母艦級の仕事なんだろうし。

 ……ああ、それを思えば寧ろハイヴを作っている場所に母艦級の数は多くなるのか? いや、それでもフェイズ2のハイヴで俺が遭遇した1匹だけなのを考えると……

 

「レモン、スレイ、今だ!」

 

 内心で考えつつも出された俺の合図と共に、メインホールの出入り口付近から姿を現すヴァイスセイヴァーとシャドウ。

 ヴァイスセイヴァーは手に持っているビームマシンガンから無数のビーム弾が、ソリッド・ソードブレイカーが、胸部からはファイアダガーが放たれる。ビームマシンガンのビームは、BETAの先頭にいる突撃級をあっさりと貫き、その背後にいる要撃級や戦車級をも貫き、更にその隙間を縫うようにしてBETAの群れの内部に入り込んだファイアダガーは、要撃級や各種小型のBETAを爆発へと巻き込んでいく

 ソリッド・ソードブレイカーはレーザーブレードを展開しながら飛んでいき、要塞級の下から奥に長く伸びている腹の部分を貫き、あるいはそれを叩き落とそうとした尾の先端をレーザー弾で逆に破壊し、更には頭部へと向かってレーザーブレードを展開しながら突っ込む。

 シャドウからは肩に装備しているビームガトリング砲による掃射が行われ、突撃級は近づく事も出来ずに装甲殻を貫通されては死んでいく。

 更に両手に持っているM950マシンガンの弾丸も同様に突撃級やその背後にいる要撃級へと命中して命を絶つ。

 そして……

 

『おいおいおいおい、参加者が揃う前にパーティを始めるってのはちょっと気が早くないか?』

 

 その声と共にソードブレイカーが飛んで来てレーザーブレードを展開させながら要撃級へと食らいつく。それとタイミングを合わせるように五大剣とシシオウブレードを左右それぞれの手に構えたトリニティゲインがBETAの群れの中、具体的には要塞級の目の前まで突っ込み、次の瞬間に要塞級の足や胴体、身体を切断していく。

 ある意味、これ以上無い程のタイミングで姿を現したムウとムラタ。

 ……だが、援軍はこれだけでは終わらなかった。

 BETAの群れの中に次々に命中する5連チェーンガンとスプリットミサイルH。

 それを放った機体を守るかのように前へと突撃していく特機。

 コーネリアの乗機であるラピエサージュに、その騎士ギルフォードの乗るヴァルシオン改。

 マントをたなびかせながら五大剣を手にBETAの群れの中へと突っ込んでクナイを投げつけ、それが命中した要撃級はそのままクナイと共に爆発する。

 その攻撃に混乱した訳では無いだろうが、動きの止まったBETAの群れへとフォトンライフルとロシュセイバーを両手に持ったヒュッケバインMk-Ⅲが突っ込んでいく。

 

「なんともはやまぁ……お前等、もしかしてタイミングを計ってたんじゃないだろうな?」

 

 突然現れた幹部の機体に、思わずそう告げる。

 しかもそれだけではない。量産型Wの操るシャドウや、あるいはメギロートやイルメヤといった無人機も続々とこのメインホールへと姿を現しているのだ。

 

『んな訳ないだろ。途中でBETAも戦力不足になったらしくてな。数が減ったから移動速度が上がったんだよ』

「……なるほど」

 

 先程のマリューとの通信で聞いた会話を思い出す。

 地上で暴れている修羅やシロガネを始めとしたシャドウミラーの機体各種が暴れすぎた影響か、BETAの数が減ってきているって話だったしな。

 それを思えば、やっぱり地上に向けられる戦力も……いや、それどころかハイヴ内部を守るBETAの数も不足していたのだろう。

 戦いの中で常にBETAの物量に苦しめられてきたこの世界の住人にしてみれば、絶対に信じられない出来事だろう。自分達ではなく、BETAの方が先に戦力不足になるなんて事は。

 ともあれ……

 

「戦力が集まったのは何よりだ。なら、全機やるべき事は分かってるな? 残るBETAは恐らくこのメインホールにいるBETAだけだ。全機、BETAにシャドウミラーの強さを刻みつけてやれ。嘲笑する虐殺者、ニーズヘッグの名の下に!」

『了解!』

 

 その言葉にだけは皆が一斉に反応し、それぞれの攻撃がより強力になる。

 放たれるビームやミサイル、弾丸の類がBETAを次から次に貫いていき、加速度的に死体の山を作り上げていく。

 そんな事をしているうちに、こちらからの援軍は更に増え、シャドウやメギロート、イルメヤが続々と到着していく。

 一旦傾いた流れをどうにかするのは、BETAには不可能だった。

 そこから起きたのは、加速度的な戦線の崩壊。次から次にBETAが倒されていき……結局その後10分もしないうちにメインホールに存在していた全てのBETAは骸へと姿を変える事になる。

 

 

 

 

 

「よし、敵の殲滅を確認。シャドウ、メギロート、イルメヤの3機種はハイヴ内を詳細に探索して、生き残りのBETAがいたら処理しろ」

『了解しました』

 

 量産型Wが短く返事をすると、その場に残っていた機体は散っていく。

 

「レモンは反応炉の調査を。可能なら機能を保ったままで入手したいが、無理なら破壊しても構わない。生きている反応炉がここにある以上、BETAがいつ取り戻しに来るか分からないからな」

『分かった、すぐに簡易的な調査に掛かるわ。スレイ、悪いけどちょっとこっちを手伝って』

『了解した。まずは何をすればいい?』

『反応炉の周辺から確認していきましょう。そもそもこの大きさなんだから、ハイヴから出すにはメインシャフトから運び出すしかないしね。そうなればハイヴと一体化していたりした場合は、どうにかして取り外さないといけないわ』

 

 そんな風な通信を聞きつつ、次にコーネリアへと。

 

「コーネリア、お前は周囲の索敵を頼む。メインホールを俺達が占拠したのは確かだが、心臓部の反応炉がまだ動いている。となると、BETAが反応炉を取り返しにここに攻めてくる可能性は決して低くない」

『うむ、任せて貰おう。全機、周囲の警戒を厳にせよ。ドリフトは勿論、スリーパー・ドリフトの類にも注意しろ』

 

 コーネリアの指示により、全員がそれぞれ周囲を警戒するようにメインホール内へと散っていく。

 あのムラタですらも大人しくその指示に従っている。

 ……要塞級を思う存分斬り捨てて満足したか?

 そんな風に思いながら、最後にシロガネに向かって通信を入れる。

 

「マリュー、こちらアクセルだ。メインホールに到着。そこに存在していたBETAを全て撃破、現在はレモンが反応炉を調査中だ。ハイヴの攻略に成功した。……繰り返す、ハイヴの攻略に成功した」

『思ったよりも随分と早かったわね。この件は観戦武官や国連の方に知らせても?』

「ああ、問題無い。こっちで反応炉を調べて……」

 

 そこまで告げた時、不意にレモンからの通信が入る。

 

『アクセル、残念だけど反応炉を現状のまま取り外す事は出来そうにないわ。破壊するしかないみたい』

「……そうか」

 

 ある意味予想していた結果の1つではあるが、それでも反応炉を確保出来なかったのは非常に残念だ。

 

「聞いての通りだ。反応炉を確保するのは無理らしいから、撃破することになる」

『……そう、残念ね』

 

 マリューにしても研究者として反応炉を確保出来なかったのは残念だったのだろう。小さく溜息を吐くが、すぐに気を取り直して頷く。

 

『分かったわ。こっちでもすぐに連絡を回すから』

 

 そう告げ、通信が途切れる。

 

「レモン、反応炉の破壊は俺に任せてくれ」

『ええ、お願い。ただ、一応持って帰ろうとは思っているから、ハイヴと接触している部分を斬り離すような感じでお願い』

「任せろ」

 

 短くそう返し、使い慣れている武器をその手に宿すべく口を開く。

 

「アダマン・ハルパー、展開」

 

 その言葉と共に、空間倉庫から出てきたスライムが巨大な鎌へと姿を変える。

 

「愛、直撃」

 

 念の為に精神コマンドを使い……T-LINKシステムによってコントロールされたニーズヘッグが、次の瞬間にはアダマン・ハルパーを一閃して、ハイヴと反応炉の繋がっている場所を斬り裂くのだった。

 

 

 

 

 

 ……こうして、マブラヴ世界で行われたシャドウミラーの初めてのハイヴ攻略はこれ以上無い形で完遂されることになる。

 尚、ある意味では当然だったが、G元素の類はフェイズ2の鉄原ハイヴには一切存在しなかった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120
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