転生とらぶる   作:青竹(移住)

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0909話

 他国……この場合は他世界か? ともあれ、自分達の国以外の場所に自らの国の国旗を立てる。

 同盟国などであれば、友好を示すという意味であり得るだろう。

 あるいは他国の大使なり大統領なり、王族なり、皇族なりが他国に出向いた時に、歓迎を示す意味でその国の国旗を自分達の国の国旗と共に掲げる事もある。

 だが、俺の目の前で起きているのは明らかにそれらとは違う。まさか友好を求める相手の国民の死体の山に自国の国旗を突き刺したりはしないだろう。

 もっとも相手国の国民と言っても、ここが交流区画である以上はシャドウミラーの国民ではなく、ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界の住人達だが。

 ……だが、それが余計に俺が怒りを募らせている原因でもある。

 完全にシャドウミラーの面子を潰され、更には国旗だ。

 つまり、死体の山に国旗を突き立てているのは、この地を……ホワイトスターを奴等が占領したと、あるいは占領すると宣言しているに等しい。

 そう。俺達シャドウミラーの本拠地とも言える、このホワイトスターをだ。

 許せるか? 許せる訳がない。ならばどうする? 決まっている。相応の報いを奴等にくれてやるだけだ。

 建物の影から様子を窺っていたが、既に我慢の限界は超えた。奴等には相応の報いを……生まれてきた事を後悔するだけの絶望を与えてやろう。

 建物の影から姿を現し、ゆっくりと……1歩1歩地を踏みしめるようにして進んでいく。

 そんな俺に気が付いたのだろう。本陣の方から槍を手に持ち騎士甲冑を身に纏った騎士と思しき者が2人、こちらへと近づいてくる。

 その顔に浮かんでいるのは笑み。勿論友好的な笑みではなく嘲笑、あるいは嗜虐的な笑みだ。

 恐らくあの2人にしてみれば俺は降伏をしに来たか、あるいはあまりの惨状で茫然自失な状態で自分達に方へと向かってきているように見えるのだろう。

 

「h@ぱえいhk@あkh@あひあ」

「あh@おあjkh@あおjふh」

 

 そんな声が聞こえ、こちらに槍の穂先を突き出してくる右側の騎士。

 だが、槍の穂先は元から俺に当たる軌道ではなく、頬を掠めるような軌道。

 恐らくは暴力的な欲求を晴らそうとしているのだろう。

 その槍を俺は見もせずに受け止め、そのまま穂先を握って騎士の男を持ち上げる。

 成人している上に甲冑を着ている以上、その重量は優に100kgを超えているが、俺の身体能力を考えればこの程度は特に無理はない。

 そのまま槍諸共に騎士を持ち上げるが、持ち上げられた方は何が起きているのか全く理解していないらしく、手を離しもせず唖然とした表情を浮かべたまま槍にぶら下がっており……

 グシャリ。

 そのまま槍を振り下ろし、頭部を地面にぶつけてそのまま潰される音が周囲に響き渡る。

 

「……」

 

 もう1人の騎士は何が起きたのか理解出来ないように大きく口を開けており、それは本陣付近にいる他の兵士や騎士も同様だった。

 頭部を潰された男の死体から飛び出てきた眼球の部分を爪先で蹴り上げ、もう1人の男の口の中へと放り込む。

 

「えhた@0は!」

 

 反射的に口の中に入った何かを飲み込み、そこでようやく自分が何かを飲み込んだのかを理解した男は、悲鳴を上げながら吐き出そうとその場に踞ってる。

 自分の喉へと指を入れて吐き出そうとしている騎士の腕を掴み、そのまま捻りあげ……

 ぶつっという音と共に、肘の関節からむしり取る。

 

「案@亜PKは@pじゃk@jtか、q亜@m」

 

 悲鳴を上げる騎士が肘から先の無い腕を抱えて踞るのを見ながら、兜に包まれた顔面を真下から蹴り上げ、空中に浮かせて鎧に包まれた腹を思い切り殴る。

 瞬間、生身のまだ残っていた手足は当然のこと、身につけていた甲冑までもが金属の破片となって盛大に弾け飛び、本陣でこちらを見ていた騎士と思しき者達へと降り掛かる。

 あるいは弾け飛んだのが騎士の肉体部分だけであれば、顔面にその肉片がへばりつくような気持ち悪さだけで済んだのだろう。だが鎧までもが砕かれて降り注いだ結果、まさに散弾でも間近で食らったかの如き状態となる。

 

「はktj」@のkjh、じゃt@じゃj!」

「js、y@lyjpか^@jか4かえtpjk!」

 

 踞り、何かを叫ぶ騎士達。

 その声が引き金となったのだろう。残りの騎士達も皆が剣や槍を手にこちらへと向かってくる。

 ……ふん、俺達の言語とは全く違う言語、か。そのサンプルを作る為にも数人は生きて捕らえておいた方がいいか。

 向こうの世界の事情も聞かなきゃいけないしな。

 となると、広範囲攻撃が可能な炎の魔法ではなく個別攻撃。

 まぁ、それよりも……奴等の後ろにある門が問題だ。

 このままこっちの力を見せつければ、奴等は逃げるだろう。ならどうする?

 簡単だ。門の向こう側に逃げられないようにすればいい。そう、例えば俺が門と奴等の間に立ち塞がるとか……な。

 

「jん@おあjk@あ@pkじぇ!」

 

 何かを叫びながら俺に向かって槍を突き立てんとする騎士の一撃を回避し、カウンターとして頭部へと拳を叩きつける。

 先程の男同様に、頭部が砕けて地面に倒れ伏す男。

 それを間近で見た騎士達は、一瞬足を止める。

 その瞬間、瞬動を使って騎士達の横を通り過ぎ、その本隊のど真ん中を突っ切って、門との間に立ち塞がる。

 尚、本陣を通り過ぎる時にかなりの数の騎士達を弾き飛ばしていたが、当然俺には何の被害も無い。

 

「jんjlyぱkjt@あjgま」

 

 いきなり姿を消した俺を見て、先程まで俺を取り囲んでいた騎士達が騒いでいるが……

 

『紅き焔』

 

 本陣の中に向かって魔法を放つ。

 魔力をそれ程に込めていなかった為に、威力自体はそれ程高くはない。

 ……もっとも、それはあくまでも俺自身の認識としてだ。

 騎士達にとってはその程度の炎でも十分な脅威だったらしく、着ている甲冑が溶けて肌に張り付き、同時に炎によって身体を炙られ、10人程が悲鳴を上げながら地面を転がり回る。

 

「ふん、自らの罪を悔いてそこで藻掻き苦しめ」

 

 ここまでされれば、さすがに向こうとしても俺をただの獲物とは見られなくなったのだろう。こちらを囲むようにして槍や武器を構え……

 瞬間、飛んできた炎の矢に小さく驚きの目を向ける。

 だが、それはあくまでも魔法の存在に驚いたのであって、この程度の魔法はシャドウミラーでも普通に使える者がいる。

 術式自体は色々と違うのだろうが、ともあれ俺に向かって放たれた炎の矢は魔法障壁によりあっさりと霧散させられる。

 それに驚いたのか一瞬動きが止まったが、すぐにまた炎の矢が1本、2本、3本、4本と放たれる。

 

「馬鹿が」

 

 そもそも俺は混沌精霊だとは言っても、メインは炎だ。そこに影やら何やらが組み合わさっている形で出来ている以上、俺にとって炎というのは寧ろ糧にしかならない。

 

「もう少し芸を凝らして欲しいものだな。例えばこんな風に」

 

 パチンッと指を鳴らすと、こちらを包囲している騎士達に向かって差し出された俺の腕が白炎と化し、獅子や虎、牛、狼、熊といった炎獣が多数生み出される。

 

「っ!? はpkじゃpjか@tjsk46あ!」

 

 それが余程に予想外だったのか、周囲では騎士や魔法使いが皆数歩後ろへと下がっていく。

 それでも逃げ出さない辺り、まだどうにかなると思っているのだろう。

 

「……いけ。ただし、なるべく殺すな。向こうの情報を絞り出す必要もあるし、なにより向こうの世界の魔法に関しては興味深い」

 

 俺の視線の先にいるのは、杖を持った魔法使い。

 先程俺に向かって炎の矢を放ってきた奴だ。

 あの魔法使いに関しては生かして捕らえておきたいが……さて、どうしたものだろうな。

 つい先程までは怒りで気が狂いそうになっていたが、それが1周して寧ろ冷静になってしまった自分に驚く。

 勿論、このまま逃がしてやるような真似はしない。ホワイトスターに土足で上がり込んできた罪はこいつらに……そしていずれはあの門の向こうにあるだろうこいつらの国に、これでもかという程に支払って貰う予定だ。

 そんな風に考えている時だ。突然俺を包囲している向こう側から数人の騎士……いや、どちらかと言えば傭兵とか戦士といった雰囲気の者達が3人程走ってくるのが見える。その表情に浮かんでいるのは恐怖と混乱。

 後ろを確認するのも恐ろしいとばかりに真っ直ぐこちらへと向かって走ってきて……

 

「っjmなk@じゃp@たmp!」

「っやh、あ:lmなztぽあ!」

 

 恐怖を滲ませた大声で叫ぶ。

 その言葉に何故か俺を囲んでいた騎士達の動きが固まり、次の瞬間にはその理由が判明した。

 建物の陰から蜘蛛を模したような機体が現れたからだ。

 イルメヤ。シャドウミラーの主戦力の1つである無人機だ。

 そのイルメヤの尾から、逃げていた3人へと向かってスパイダーネットが放たれ、絡め取って1歩も動けなくする。

 どうやら捕獲を最優先にしているらしいな。

 恐らくエザリア辺りの指示だろう。向こうの世界の情報源は多ければ多い方がいいって事か。

 ……となると、やっぱりこいつらも不必要に殺す訳にはいかないな。

 本陣と思しき場所に配属されている奴等だ。恐らくその殆どがある程度の地位を持っていたり、あるいは精鋭だったりするんだろう。

 

「ま、しょうがない。お前等生き延びる事が出来て運が良かったな」

「やljはth@あhか@t?」

 

 言葉は分からないが、恐らくは何を言っている? とでも言っているのか。

 だが、言葉を発しつつもこちらに向かってくるイルメヤに気を取られない訳にはいかず……次の瞬間にはメギロートが3機に追加のイルメヤ5機が姿を現し、目の前の相手を絶望へと突き落とす。

 

「取りあえず……お前達は捕まってろ」

 

 パチンッと指を鳴らす。

 その音がした瞬間、俺を取り囲んでいた者達は背後から迫ってくるイルメヤやメギロートを無視してこちらへと視線を向ける。

 それ程の危機感を持ったのだろうが……既に遅い。

 俺の影から伸びた影槍は無数に枝分かれしつつ広がり、こちらを包囲している者達を絡め取っていく。

 ほんの一瞬。文字通りに1秒も掛からずにここに本陣を築いていた騎士や魔法使い、あるいは兵士は影槍によって絡め取られて地面に転がる事になる。

 

「jhj@あkj;ぁ4えtjはおいh!」

「y@pjksyj@lkszthpのいjtぱ」

「っj@あkjhまえ¥;htjわ」

 

 自らの身体を縛り上げている影槍を見て、あるいはその出所である俺の方を見て何やら大声で喚いているが、だからといってどうという事もない。

 何しろ、言葉が分からないのだから。

 

『アクセル代表、捕虜はどうしますか?』

 

 シャドウの外部スピーカーから聞こえてきた量産型Wの言葉に、影槍で縛られている中の1人の頭をコツコツと蹴りながら口を開く。

 

「取りあえず隔離区画に放り込んでおけ。武器やら何やらは全て解除した上でな。隠している可能性もあるから、徹底的に調べろ。それから、杖を持っている奴は魔法使いだと思われる。俺達とは違う魔法体系らしいから、魔法発動体の類がなくても魔法が発動出来る可能性がある。その辺に注意して厳重に見張りをしろ」

 

 もっとも先程見た炎の矢のような魔法程度ではどうしようも無いだろうが。

 だが、魔法体系が違うという事は、俺にも知らない手札がある可能性は十分にある。

 それを調べる意味でも、こいつらは生かさず殺さずの状態にするのが最適だろう。

 

「……さて」

 

 次に視線が向けられたのは、交流区画の中に位置する門。

 幅はともかく高さが10m程度しか無い以上、メギロートでギリギリ、イルメヤは地面に伏せた状態でなら何とか通り抜けられるだろう。

 つまり、PTやAMの類は向こうに行けない訳だ。

 空間倉庫を使えば別だが。

 幸か不幸か、今はこれ以上この門からこっちに出てくる様子は無い。見たところ普通に門が開いた状態だが、何らかの制限があるのか? ともあれ、1度こっちに兵力を出してきた以上はこのまま放っておく訳にはいかないか。

 かといって、今すぐ向こうに攻め込むには現在のホワイトスターは混乱しすぎている。

 向こうの戦力は、魔法も含めて典型的なファンタジーものであり、先程のやり取りから見てもこちらの兵器に対して対応は出来ていない、となると……

 

「量産型W、イルメヤを5機程この門から少し離れた場所に展開させておけ。その後、門から何かが出てきたらそれをスパイダーネットで捕獲。こっちに引き渡せ。向こう側には1人も戻すな」

『了解』

 

 量産型Wが短く返事をし、早速イルメヤへと指示を出す。

 それを見ながら、まずはホワイトスターに侵入してきた奴等をどうにかする必要があると判断する。

 

「よし、交流区画にもう殆ど人は残っていないだろう。残りの敵を殲滅……いや、捕らえるぞ。残りのメンバーは付いてこい」

 

 炎獣とスライムによる広域偵察をしながら、兵士や騎士、あるいはワイバーンやゴブリン、オークといった者達をシャドウミラーのメンバーと合流しながら捕らえていくのだった。




アクセル・アルマー
LV:42
PP:140
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1137

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