笑い方を忘れた彼女が願い抗い続ける物語 作:生理痛がくると毎回朝起きれなくなる
そのものが現れる時、誰もが一言だけ放った。
【彼女に助けてもらった】あるいは【彼に助けてもらった】もしくは【人ではなかった】【人の形をした何かだった】と。
彼らの証言はあやふやだった。何故ならそやつは現れても、誰も姿を覚えていないという。
ただ一つ皆が覚えていることがあった。それは【光る蟲がいた】という。その者が本当に居たのなら今頃その者はどこにいるのだろうか。
その日は雨が降っていた。いつも降る雨である。
雨に濡れても何も気にしない彼女は白馬に乗り、道なりにそって進んでいる。
『…っ…』
特に街に行くわけでもなく、だからといって寄り道だってしない。でも降っていると早く止んでくれないかと思っている。
時折悲鳴が聞こえてくるのだ。だからといって後には戻れない。過ぎてしまったことを掘り返したところで何も起きない。
起きたとしても、緑色に光っていた導蟲が赤く染まったことだった。
『…見つけた』
彼女は周りを見渡すと前方に黒い煙が上がっているのが見えた。
内心で舌打ちをしながら馬を走らせた。
顔には出なかったが焦っていた。無事であるということに。
『…あとで呼ぶから、今は行け』
相棒であるハイリアに話しかけた。ハイリアは心配そうに主人であるハンターの顔になすりつけるかのようにする。ハンターの表情は変わらないがハイリアの首筋を撫でた。そしてこ細い声で大丈夫ずっと一緒だ、と制した。
ハイリアが見えなくなると、ハンターは弓を開く。
強撃ビンをセット。鬼人薬、硬化薬を1本ずつ飲み、手持ちのものをチェックする。ついでに自作の強撃ビンの威力を調べよう。
近づいていくと、一人の少年が怯えて丸まっていた。幸いゴブリンたちに見つかっていなかった。少年は泣きそうなのを堪えていて、今にも泣きそうだった。立って走れるかと聞けば、酷く怯えていた。
『…ってなんで戻ってきた』
タイミングがよくハイリアが戻ってきた。ハイリアの目を見て、ハンターはとある作戦を思いつく。ハイリアはやる気満々だった。
『…ハイリア、行けるか?』
ブルブル、と鳴いた。展開していた弓をしまい、少年を立たせる。
少年に目線を合わせてハンターが引きつけるからと言うと、困ったように言った。
「おねえちゃんはどうするの?」
『君が人を呼んでくるまでここに居るゴブリンを倒す』
「でも、呼びに行ってる間にやられちゃったらどうするの?」
この少年はしっかりしている。この少年には勇気があった。
おねえちゃんと呼ばれた彼女の表情は変わらないが、大丈夫、伊達にハンターやってないからと言った。
ハイリアは優しいから君が支持する方向にちゃんと行く。それにハイリアなら辿り着ける。
ハイリアの上に乗せて、少年が落ちないように縛ったり、体勢を教えた。
『…ハイリア!』
同時に飛び出す。馬に気づいたゴブリンは叫ぶ。
それに釣られてほかのゴブリンが次々と現れた。
ggegdg!!
だがこっちには気づいていない。背中にある弓を展開する。
ガッ、カシュ、バン!
一気に引き絞るとギギギっと耳元で鳴り、狙いを定めた。
そして離すと甲高い音が鳴り響き、頭部に直撃しそのまま貫通した。
まず1匹。ハイリアが遠目で確認できると、ほかのゴブリンが寄ってくる。中にはホブゴブリンを二体確認できた。
さて、戻ってくる間に体力を持たせなくてはならない。
雨が降っている以上は死角、足場に注意しなければならない。その状況下でも落ち着いて行かなければならない。
標的をちゃんと見て、引き絞る。そしてまたゴブリンを射った。
残り48匹。
ハイリア、頼んだ。
まだ雨は降り続いていた。
なんだあれ。
みんながそう思った。
泥や砂で汚れきった馬を見た。そしてその背中の上にぐらっとなっていた男の子を見た瞬間慌ただしくなった。
「どうかしたのか?」
「あ、ゴブリンスレイヤーさん」
流石にこの慌ただしいが気になったらしい。
受付嬢は軽く事情説明しながら男の子が居る部屋に向かった。
「たくさんのゴブリンが保護した少年の住む村を襲ったらしいんです」
「数はどれぐらいなんだ?」
「分かりません、でも少年を逃がすくらいですから…」
「何かあってそっちを優先したのだろう。それくらい奴らの注意を引くほどの何かが」
冷静に答える。
部屋に近づく前に少年の声が泣き響いていた。
それぐらいショックだったのだろう。
中に入れば、手当をしたり、大丈夫と声を掛けたりしていた。
「ぐずっ…うう…っ…おねえちゃんは?っ…」
「場所はどこだ」
「ここから…東に向かってっ…道沿いにあるところ…おねえちゃんっ…だいじょうぶなの?」
「わかった、この子を頼む」
そういい、部屋を出ていった。少年もようやく泣き止み、下唇をかんで俯いた。
雨はまだ降っている。ゴブリンスレイヤーはそう思うと何かしらの策を考えて準備をしている。受付嬢がそばに来ていた。
「こんな視界が悪い中戦うなんて…」
「それぐらい腕に自信があるってことだ」
「…でも」
荷物を持つ。
そして少しの間沈黙したが先に声を発したのは。
「あの少年はどうやってここまで来た?」
「表にいる馬に括りつけられたかのように、と証言が」
「分かった」
そして雨の中に入っていく姿を彼女は静かに見守っていた。
雨にうたれている馬を見つける。
やけに大人しく、ちゃんとしつけられているのだと思った。
「お前の主人のところまで連れて行ってくれ」
言葉に反応するかのように馬に付いている小さな虫かごの光が動き出した。再度思ったのが、この馬の主人は恵まれているのだと。
ハイリアはスピードを上げて走り出した。まるで早く主人に会いたいと思う気持ちがあるのかもしれなかった。
ハイリアの姿が見えなくなってどれぐらい経ったのだろう。
少なくても半日は経っている気がした。それでもゴブリンの攻撃は止まなかった。それでも数は減ってきている。
あの後すぐさま横にステップしながら矢を地面に掠らせながら弦を弾き固定したと思いきや放った。雨が降っているから火力は下がるが当たれば関係ない。その矢はまっすぐ飛び手前のゴブリンに当たりながらもそのまま後ろに飛んでゆく。そしてそのまま二体目、3体目と当たって倒れていく。今度は反対にステップしてそのまま家の方に走る。
後ろにはゴブリンが複数付いてきており武器を振り回している。
それを確認したらそのまま走り続ける。ホブゴブリンは笑っていた。この声を聞いてよかったな、ゴブリン共よ。
彼女が壁にぶつかると思ったのだろう。神様が決めたのなら覆せばいい。ギリギリになったら足が届けば充分。そのまま脚に力みもう片方の脚を出した。
gegrgdgn?!
狙っていた獲物が消えた。ゴブリン達は驚いた。さっきまで目の前にいたのに。仲間たちと探していると。
『…こっちだ、消えろ』
上がるときには構えている。下を向いた時の手間が省けるためだ。
今みたいな緊急時にはよく使う技であるが、こんな上手くいくとは思わなかった。やはりゴブリンは賢いが馬鹿であった。
ゴブリンたちは逃げようとしたが遅かった。既に身体や頭に貫通していたのだから。その場から地面のドロが飛び跳ねる。
そして着地したと同時にホブゴブリンの方に構えて先程ふらせた矢より重たい矢を、地面を矢の先が削りながら火花を散らす。そして数秒の間動けないデメリットがあろうが構わなかった。残り三体。
『…三本で十分』
そのため先程の攻撃をしたのだから。一体のゴブリンが突っ込んできた。ハンターの目が青く光りだした。それは覚悟を決めた時のみに現れる。まず一本目を放った。真っ直ぐに飛ぶ矢は青く光りながら加速しゴブリンの頭を貫く。次に二本目を用意して走り出すとゴブリンも走り出した。彼女が飛べばゴブリンも飛ぶ。お互い同じ高さになりゴブリンの武器は接近武器、こちらは弓である以上勝ち目がないと思うだろう。同じ行動をすれば勝てると思ったのだろう。
『…後ろに飛ばしてやる』
ゴブリンは急に顔色を変えた。そして何かを思う前に吹き飛ばされる。彼女が蹴ったのだ。そしてそのままの体勢で矢を穿つ。頭が飛び血が飛びかうなら落下していった。残り一体。
結構な高さから落下し、そのままホブゴブリンの上に乗った状態で体制を保った。結構な砂埃だったが湿気でそこまで舞い上がらなかった。
gagugege
寝転がった状態で命乞いをしているホブゴブリンの姿。
言葉を発するホブゴブリンを彼女は静かに見つめていた。
すると彼女は小さくため息を吹き、やつの上から何もせずに降りた。
そしてそのまま後ろを向き、襲われた住民の方に向かう。ホブゴブリンはチャンスだと思い、立ち上がり武器を片手に振り上げた。
gingujngg!!
『…っ…』
振り上げた武器はそのまま彼女に当たり、家の中に吹き飛ばされ下敷きになった。デカい鈍器にふさわしいくらいの威力だったから2、3軒は飛ばされた。
ホブゴブリンは高笑いした。そこでホブゴブリンの意識が途絶えた。そしてそのまま目を見開き、空を仰いだまま、真っ二つになり倒れていった。
雨は止んでいて、オレンジ色に空は染っていた。
『…はぁっ!…っ、ゲホッ!』
久しぶりにやらかしたな、と自己解決させる。アバラに痛みを感じながら下敷きから這い出た。
重たくなってきた身体に鞭打って無理やり動かす。何度も咳き込み、血を吐きながらでも動いた。
そろそろハイリアが来る頃だろう。心配させてはいけないと思い、住民を移動させたり、毛布を持ってきたりした。
疲れきっているため瞼が重たくなってきた。こんだけ出血しているから流石に限界だった。遠目でハイリアが走っていったほうを見た。
日が沈みかけている。夜になればまたゴブリン達が来るかもしれない。この身体じゃ反撃できないか。途方に暮れたように笑いたかった。
『…しる、べ…む、し』
導蟲が青く光る。光りながらどこかへ移動する。導蟲はよく知っているやつほど遠くにいるのを感知できる。色で識別して相手が誰なのかわかるようになっている。つまり青色に輝くということは。ごめん、眠たくなってきたや…。なんとなく手を伸ばす。暗くなっていく視界に赤色が見えた気がした。
「…」
雨が止んで視界が良くなった。それで幅広く探せれる。
馬に付いている小さな虫かごの色が変わった。
前を見れば、ボロボロになっている村を見つける。
近づくと荒れていた。相当やられたらしく、ゴブリンの遺体があたりに散らばっていた。住民はどこに、周りを見渡せば布に目がいった。
「…息はある」
木の下に布が引かれ一人一人布を被せられている。
中には息がない者もいた。そいつらには顔に布がかけられていた。
誰がやったのか。すると先程ここまで連れてきてくれた白馬が一人だけ離れている位置で倒れている者の傍に駆け寄った。頭をつつくかのように主人を起こそうとしている。
ゴブリンスレイヤーは駆け寄り、仰向けにする。
「おい、大丈夫か?返事出来るか?」
なんとなく声をかけていた。すると、血を吐くように咳をする。
ゴブリンスレイヤーは軽く舌打ちをして皆をどう運んでいくか考えていた。
導蟲は青色から緑色に戻り、お互いの小さな虫かごの中に入っていった。
独自設定
女性、19歳
死んだ世界戦線【Angel Beats!】みたいに制服+パーカー+マフラー、スカート+ストッキング、篭手、脛当て、毒は効かない(神がいじった)
武器は鉄パイプ、機械仕掛けの弓(FF13-2に出てきた弓と剣になるやつ)の鉄パイプと弓になる武器+体術を少し、身体能力が高い
結構の方向音痴で神から仕方なく(脅し)【導蟲】と馬を貰い移動をするが、周りを見てないのと覚えないのが惜しいところ
それでも緊急時はちゃんとしてるという。
ものの使い方とかはすぐに分かる。