寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
マミヤの邑に着くと盗賊に包囲されていた。お馴染みモヒカン族がバイクとバギーで攻城戦をしている。邑人も屈せず良く抵抗している。
「サウザー様どうしますか?」
「うむ」
このまま邑が盗賊によって全滅してくれるのが一番めんどくさくなくていい。
高みの見物を洒落込むか、と考える俺の裾が引っ張られる。
「助けないの?」
俺の心を読んだかのような瞳、それでいて俺に期待するような瞳が見上げてくる。
「はっは、そんなわけ無いだろ。聖帝様があんな盗賊一蹴してくれるわ。
リンちゃんはそこで我が勇姿を見ているがいい」
「うん」
「お前達はここでリンちゃんを護衛していろ」
「聖帝様一人で行くのですか?」
「問題ない」
俺はジープから降り、忙しそうに取組中の盗賊の背後から近寄っていく。
う~ん、みんな忙しそうで俺の存在に気付いてすらいない。
声を掛けづらい。
みんなひゃっはーと叫んで五月蠅いし。
ケンシロウなら無言で後ろから殴り倒しているだろうが、俺はそんなコミュ症じゃない。そうだよな、よくよく考えると幾ら悪党とは言え後ろから問答無用で殴れるケンシロウもケンシロウだよ。現代ならSNSで悪党以上の悪党と炎上間違いなし。
リンちゃんも見ていることだし、ここはヒーローのように格好良く名乗りを上げるところだろう。
マントを翻し高らかに笑う、それでこそ聖帝。
でも気付いてくれないかも。
それに仕事中の者に割って話し掛けるのは勇気がいるものだ。
どうしようかと悩んでいると盗賊の一人が振り返り俺に気付いてくれた。
「やっやあ、俺は・・・」
「なんだこのオールバックのキモイオッサンは?」
気付いたら盗賊団は全てバラバラになっていた。
カッとなってやってしまった。
しかし、帝王は引かぬ媚びぬ省みぬ。
俺は邑壁を見上げると邑人と目が合う。
「やあ、聖帝サウザーだ中に入れて貰おう」
門は開けられた。
結果オーライだ。
部下を呼び寄せ邑の中に入ると頭が切れそうな中年が出迎えてくる。
「この邑に何の用ですか」
「そう警戒するな。まずは話し合いをしようではないか。どこか落ち着ける場所に案内して貰おう」
「分かりました。中央の広場に行きましょう。そこに邑の主だったメンバーを集めておきます」
「うむ」
「私は邑のリーダーをしている者です。よろしくお願いします」
邑のリーダー。そうかこの男がマミヤさんの父親か。ユダが来る前だから生きているのか。
さて、この男をどうやって言いくるめるか。リーマンスキルが活躍するときだ。