寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第14話 妙案

「高い高い~」

 俺はリンちゃんを両手で抱えそのまま天高く飛翔する。

「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 リンちゃんはいい絶叫を上げてくれる。

 勘違いして貰っては困る。俺はリンちゃんを虐めてない、寧ろせがまれている。

 世界が崩壊しなければリンちゃんはジェットコースターではしゃいでいるような年頃。今の時代こんな遊びをしてあげられるのは南斗聖拳最強の男であるサウザーのみ。

 シュタッと着地しリンちゃんを降ろす。

「どうだった?」

 俺が笑顔のリンちゃんに感想を聞くより先に邪魔が入る。

「ちょっと何をしているの」

 口うるさい女マミヤが叱ってくる。

「えっジェットコースターごっこ。

 次は三回宙返りに挑戦しようか」

「辞めなさい」

 マミヤが俺のリンちゃんをさっと遠ざける。

 このアマ、レイみたいに裸にひん剥いてやろうかと思うが、俺は大人そんな真似しない。

「調査は終わったのか」

「はっ」

 マミヤと一緒にドーム内に調査に行かせた部下が答える。

「どうだった?」

「中には各地の邑から奪ったと思われる食料及び燃料が貯蔵されていました」

「それはいい報告だ。後で邑の者に運ばせよう」

 食料を現地調達したといえばシュウに少しは出来るところを見せられる。

「そんなことより、盗賊の方をどうするのよ?

 貯蔵と言っても百人ぶんくらい、千人も私の邑じゃ養えないわよ」

 ギャーギャー五月蠅い。

「浅はかな女だ」

「何」

「ひっ」

 思わず漏れてしまった。

 それくらいマミヤに迫力あった。元のサラリーマンのままだったら姉御と呼んでいただろう。だが今は聖帝サウザー、女に媚びぬぞ。

「モヒカン共が千人も集まれば気が大きくなって約束など反故にしてお礼参りするに決まっているだろうが」

「それじゃ何のために逃がしたのよ」

「勿論いちいち盗賊を見付けて退治するのが面倒だから一カ所に集まって貰うだけだ。

 くっく、我が知謀に恐れを為したか」

「そう上手くいけばいいけど」

 なぜかマミヤは呆れたように言う。

「そう心配するな。モヒカン千人程度我が敵ではない」

「そっちの心配じゃないんだけどな~」

 そんな話をしている内にもうもうと湧き上がる砂煙が迫ってきた。

 来たか。

「お前達はリンちゃんを守れ」

「はっ。

 それで姉御はどうしますか?」

 この馬鹿がもう調教されているのか、それでもサウザー親衛隊か。

「お前達に守って貰うような女じゃない」

 ふっふ、どうだ怖いか。誰も守ってくれないぞ。

 ここで泣いて頼めば守ってやらないことはないんだからね。 

 さあ、泣きついてこい。

「それでは・・・」

「そうよ。私はこの人が守ってくれるから」

 マミヤが俺の背中を叩く。

「えっ」

「聖帝様がか弱い女性を見捨てるわけ無いでしょ」

「すっすいませんでした

「聖帝様の見せ場を奪ったら駄目なんだから」

 マミヤが部下に可愛くウィンクする。

「はい」

 まずい、何か知らないけど俺より部下の心を掴んでない?

 まあいい。聖帝は動揺などしない。

 ここで千人斬りをすれば部下の心も鷲掴み、ついでにリンちゃんに格好いいところを見せられてリンちゃんの心もゲットだぜ。

 

 やがてバイクに跨がるお馴染みモヒカン軍団が俺の眼前で止まる。

 そしてモヒカン共が手に手に武器を持って降りて来る。

「けっけっけ、千人集めてきたぜ」

 逃がしてやった盗賊がニタニタ笑いながら言う。

 実に喧嘩に負けた不良が人数を集めてお礼参りに来たときの顔に似ている。

 予想通り、次の台詞が聞こえてくるようだ。

「ひゃはっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 そうそう、叫び斧を振り上げ襲ってくるがいい。

 千人斬りの始まりだ。

「これで俺達も安定職公務員だ~」

「老後も安泰だぜ」

「サウザーの親分ついてきまっせ」

「えっ????」

 驚く俺の横でやっぱりという顔をしているマミヤ。

「俺達こんな事しているけど老後とか色々心配だったんです」

 その顔で言うな。

「こんな時代に公務員になれるなんて俺頑張ります」

 聖帝軍の兵士は公務員なのか? 国の兵士は公務員か。

 じゃあ何かあんなヒャッハーな事していたラオウ軍の兵士って安定職公務員、人生勝ち組だったの。

「ひゃっはーーーーーーーーーーーーーーー」

 お前は何か言葉を言えよ。

 

 まてまてまて、何お前等俺の子分になった気でいるんだよ。お礼参りしないのか?

 こんな時代、いきなり千人も増えたら養えないだろ。

 部下に満足に飯を食わせられない聖帝なんて噂が立ったらどうしてくれるんだよ。

 俺はチラッとマミヤを見る。

「言っておくけど私の邑無理だから。

 頑張ってね聖帝様」

 ぐぬぬぬぬぬぬ~。

 どうするどうすればこの危機を乗り越えられる。

 ここはマミヤの邑、何かあったか?

 思い出せ原作、閃け俺。

 !

 そうだ。

「静まれっ」

「はっ」

 意外と盗賊達は一斉に静かになる。

「我が部下になったお前達に最初の仕事を言う。

 ここらに縄張りを持ち、聖帝に従わない愚か者牙一族の本拠地を見つけ出せ。

 この一帯に聖帝ありを示すため退治する」

「ははっーーーーーーーーーーー」

 ナイス妙案。

 マミヤはもう結構どうでもいいような気もするがレイのフラグを完全に折るため、牙一族はいずれ潰さなければならないと思っていた。

 此奴等と牙一族を潰し合わせて食糧問題も治安問題も一気両得に解決だ。

 

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