寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第15話 世紀末アイドル

「牙一族の本拠地を掴みました」

「そうか」

 モヒカン族の割には優秀で思ったより早く掴んできた。

 おかげで食料は何とか保った。

「良し全軍発進、牙一族を殲滅する」

「「「「おっおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーー」」」

 先頭を走る俺の後を千人の軍団が砂煙を上げて付いてくる。

 これはなかなか気分がいい。

 三国志の武将達はこんな気分だったのか。

 くっく、ここは俺が頭が切れるところも見せる流れじゃ無いのか。

 孔明に匹敵する策略を見せてやるぜ。

「サウザー様、あの丘の向こうの窪地にいます」

「そうか」

 さて、本来なら俺一人で乗り込んで殲滅できるのだが今回の目的は口減らし。

 あくどいと言われようが今は乱世。

 非情なのだよ。

 それに来たるべきラオウ軍との戦いに備え無能はいらない。

 そういった意味でも敢えて愚策を取る。

 情報では牙一族も千人ぐらいの軍。数は互角であるが敢えて軍を三つに分ける。

「良し、お前等三つに別れて窪地を包囲しろ」

 こんなことをすれば包囲どころかかの有名な銀河の英雄さんのように各個撃破されるだけだ。だがそれがいい。これで強い奴が生き残る。

 

 一時間後、見張りや奇襲を掛けてきた部隊などを蹴散らし我が軍は窪地に集結する牙一族を三方向から包囲することに成功した。

 見下ろす先には頭一つ抜けてデカイ牙大王が息子達に囲まれている。それにしてもあれ全部息子なのか、絶倫すぎるだろ羨ましい。

 では殲滅を開始するか。

 っがその前にこれも前世で好きな漫画を見て憧れたあれをやるか。

 俺はジープの上に立ち上がり、さっと手を上げる。

 すると即席のモヒカン音楽隊が太鼓を叩き銅鑼を鳴らす。

 どんどこどんどんどこどんどん。

「この乱世に輝く星は北斗か南斗か」

「南斗」

 どんどこどんどんどこどんどん。

「この乱世に輝く人気者は陰険北斗か明るい南斗か」

「南斗」

 どんどこどんどんどこどんどん。

「ならばその南斗で一際輝く星はなんだ」

「帝星」

「帝星と言えば」

「最強サウザー」

 バサッとマント翻しトウッと天空に舞いジープから降りる。

「サ・ウ・ザ」

「サ・ウ・ザ」

「サ・ウ・ザ」

 モヒカン達の大合唱が窪地に響く。

 チラッと振り返ればリンちゃんは嬉しそうに拍手を送ってくれてマミヤは呆れ果てたように溜息付いている。

「すごいすごい」

 ふっふ、これはあれもやるしか無いか。

 パチンと指を鳴らせば、合唱は一旦終わり。再び太鼓が鳴り出す。

 どんどこどんどんどこどんどん。

「この乱世に輝くアイドルは誰だ」

「誰だ」

「この乱世に舞い降りた天使は誰だ」

「誰だ」

「知らぬなら教えよう。

 リンちゃんだーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 俺はリンちゃんを抱え天空高く舞い上がる。

「みんな~喧嘩はやめて仲良くしようね~」

      「「「「は~い」」」」

 モヒカン達もリンちゃんの笑顔にメロメロ~。

「リ・ン・ちゃん」

「リ・ン・ちゃん」

「リ・ン・ちゃん」

「リ・ン・ちゃん」

 くっくっく、現代のアイドルなど足下に及ばないほどの熱狂。サイリウムで無く斧なのが若干物騒だが。

 素晴らしい、俺の使命は乱世を統一しリンちゃんを世紀末アイドルとしてプロデュースすることだったんだ。

「よーーーーーーーーーーーーーーーーし、野郎共盛り上がってきたところでイッツショータイム。

 ひゃっほーーーーー虐殺の始まりだ~」

「いえ~い」

「突撃~っ」

 最高潮に士気の上がった南斗モヒカン軍は俺を先頭に突撃を開始するのであった。

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