寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第16話 聖帝軍に後退は無い

 戦いは南斗軍が劣勢、やはりただの盗賊ではそれなりに鍛えて拳法を使いこなす牙一族に歯が立たない。

 唯一思わず調子に乗って俺が前に出てしまった部隊だけが優勢。

 北斗とか南斗とか元斗とかの超人がいなければ牙一族天下取れたんじゃ無いか?

 あっでも一族経営だからいずれ人手不足で破綻するか。これは南斗も人ごとでは無い、やはり新規人材登用は必須か。

「死ねーーーーーーーーーーーーーーーーオールバック」

 大男が襲ってくるがばっさりと唐竹割り、左右に分かれていく体の真ん中から小男が襲い掛かってくるが、その技は原作で見た。

 冷静に対処して手刀をささっさとぶっさして処理する。

 しかしよく考えればこの技大男が完全に囮役だな、役割で揉めないのか?

「サウザー様、南斗軍が劣勢です」

 盗賊の中で比較的頭が良さそうだったので部隊長にした男が指示を仰いでくる。

「恐れるな。聖帝の軍に後退は無い。

 進め」

「しっしかし、このままでは全滅です」

「二度も言わせるな。

 命令に従わない者など聖帝軍には必要ない。前進だ」

 俺は部隊長の進言を却下しブラックそのものの命令を下す。

 戦争前なら労基に訴えられてしまうが、ここは世紀末労基もポリコレもない。それにこんな悪役全開の台詞一度言ってみたかった。

「分かりました。軍人として命令には従います」

 何これ元が盗賊とは思えないほどの真面目ぶり。根は真面目だったけど戦争でネジが弾けてはっちゃけたのか、この人も戦争の犠牲者か。

 だがそんな根が真面目な部隊長ばかりじゃ無い

「ひいい、やってられるか」

「クソが」

「バーカオールバック」

 俺の前進命令を無視して逃げ出す兵が半分ほど表れだした。

 まあ元は盗賊だしょうが無い、逆に言えば踏み止まった兵は見所がある。鍛えればいい兵士になる。

 選別は終わった。

 この後はどうするかと思ったところで逃げ出した兵の首が宙に飛んだ。

「?」

「逃げ出すなど、この世紀末に秩序をもたらす聖帝様の軍において許されぬこと。

 この親衛隊隊長に任命された私が成敗する」

 首から噴き出す血吹雪が晴れれば、そこは戦争前の軍人が着ているような制服を纏った凜々しい女拳士がいた。

「カレン、なぜお前がここに」

 駆け寄ってきたカレンに俺は訪ねる。

 原作と違いシュウを味方に付けた俺にカレンが復讐心を燃やすことは無い。現に今のカレンは読み切りであった険はなく過去編に出てきたような素直な少女のままに育った美しい顔がある。 

 それでも読み切り版を知っている俺としては何となく怖い。

「はっこの度シュウ様に(あまりに身勝手な)聖帝様のお目付役として任命されました」

 なんか()内の心の声が聞こえた気がするが、気にしないことにしよう。それよりも腹心の一人カレンを寄越すなんて、相当シュウは切れてるな。

 そろそろ国に帰った方がいいかな。

「大義であった。今は忙しいから帰っていいぞ」

「いえいえ、この南斗翡翠拳の使い手カレンにお任せ下さい。

 南斗の正義に逆らう愚か者を一掃して見せます」

 今にも飛び出しそうにカレンは牙一族を睨み付ける。

 ええ~どうしよう? ここはうむ任せたと偉そうにすればいいのかと、ちらっと横目でリンちゃん達の方を見れば、マミヤの非難する目とあった。

 その目はこんな少女を戦わせる気と言っている。

 しょうがない。流石にこんな少女を戦わせて後ろで眺めているほどサウザーは鬼畜では無い。

「カレン、今から聖帝としてこの戦いに決着を付けるから、聖帝の戦いぶりをその目に焼き付けろ」

「えっサウザー様自ら戦うことは・・・」

 俺はカレンの台詞を聞ききること無く、戦いを終わらせるべく牙大王に向かって行くのであった。

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