寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第17話 困惑

 前進前進前進。

 群がる牙一族を切って切って切りまくる。

 苦戦はしないがソシャゲのレベル上げのように飽きてくる。ラオウが部下を欲しがる理由が分かったような気がする。

 それでも牙大王の所まで後一歩というところで強烈な殺気を感じて飛び退く。飛び退けば地面を剔り獣人のような男が表れた。

「くっくっく、良く避けたな。そいつは牙一族一の野獣マダラ。其奴の闘法は野生の本能、人間を相手にすることを想定した拳法で相手できるかな」

 牙大王が偉そうに高笑いをしつつ解説してくる。

「面白い。雑魚には飽きたところだ南斗最強の拳法を味合わせてやろう」

「強がるな。劣勢を覆そうと俺を狙ったのであろうが残念だったな。我が息子には豪傑が綺羅星の如くいるのだ」

 まあ軍で見れば南斗軍が劣勢なのは事実だが、別にそれで逆転を狙って出てきたわけじゃないんだが確かにそういうシチュエーションは燃えるな。

 そういうことにした方が盛り上がるか。

 後年歴史家に語られるサウザー歴において華麗な逆転劇を決めたとした方が格好いい。

 よし。

「己、大将まで後一歩だというのに。

 だが俺は南斗最強の男、この程度で諦めはしない」

 拳を握り締め俺はマダラを少し上向き加減で睨み付ける。

「おおっーーーーーーーーーーー」

「サウザー様格好いい」

「サウザー様不屈の男」

 周りにいたサウザー応援隊が歓声を上げて盛り上げてくる。

「お前等、天空で一番輝く星は」

「帝星」

「最強の男の名は」

「サ・ウ・ザ」

「サ・ウ・ザ」

「サ・ウ・ザ」

「「「サウザー」」」

「よーーーーーーーし。

 お前等最強の男の戦いをその目に焼き付けるがいい」

 俺は盛り上がったところでマダラと対峙する。

 マダラはその牙と爪を活かした獣の闘法対して俺は洗練され構えすらなくなった達人の闘法。

 ジリッと視線が交差すると同時に二人同時に前に出る。

 一瞬で無くなる間合い。

 当たれば簡単に肉がスライスされる人間とは思えない爪が襲ってくるが、その爪ごと我が手刀が十字に切り裂く。

「なっ」

「獣如きで南斗聖拳は倒せない」

 ビシッと牙大王を指差す。

 決まった。このシーンは絶対後世に絵画で残そう。

「おのれ。ならば俺自ら相手してやるわ。

 華山角抵戯奥義華山鋼鎧呼法」

 牙大王の呼吸と共に肌が変色していく。

 本当は変色しきる前に攻撃するのが利口なのだろうが、ここは空気を読もう。

「ふはっはっはっは、これで我が肉体は鋼鉄より堅いわ。貴様の南斗聖拳如きでは傷一つ付かぬぞ」

「馬鹿が我が拳は鋼鉄すら切り裂く」

「強がるな」

 別に虚勢ではないサウザーの拳は鋼鉄を切り裂く。

 それを感じ取ったのか威勢のいい台詞とは裏腹に牙大王の額から汗が流れじりじりと後退している。

 逃げる気か? そういや原作でも不利になれば逃げるような男だった。こういう男は 逃がすとめんどくさい、ここで確実に潰す。

 このように俺の内心は余裕なのだが、分からない者が見ればサウザーが牙大王を強敵と認め睨み合っているように見える。

 そんな俺に声が掛かった。

「その勝負待ったっーーーー」

「ん?」

 声の方を見れば、そこには探し求めていた男アミバがいた。

「アミバなぜここに!?」

 戸惑い。

 なぜ抹殺対象が向こうから来る? 

 牙大王と組んでいたのか?

「待たせてしまったなサウザー。

 だがこの俺が来た以上もう安心だぜ」

「待たせた?」

「お前が俺を探していると風の噂で聞いてな、駆けつけたんだ。

 そうかやはりこの天才アミバ様の力が必要か、安心しろ同じ南斗の同門のよしみだ俺はラオウでなくサウザーお前に力を貸すぜ。

 この天才が味方に付いた以上もう安心だ。そこのオッサンをまずは血祭りに上げてやろう」

 えっ折角の俺のシーンが何か苦戦するサウザーを助けに来た格好いいアミバの図になっている。

 どゆこと?

 サウザーとアミバって仲良かったの?

 ここまでフレンドリーに接する相手を切り捨てたらまずいよね。

 俺はどうすればいいんだ?

 困惑、ただ困惑するのであった。

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