寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

20 / 57
第20話 策

「行くぞ。我等南斗に手を出した愚か者に天誅を与え、関東を支配する」

「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」」」」

 こうして盗賊&牙一族連合の急造南斗軍は関東に向けて進軍を開始した。

「所で何でお前がいるんだ?」

 ジープの後部座席に座る俺はリンちゃんを挟んで座っているマミヤに聞く。

「あなたこそリンちゃんをどうして連れて行くのよ」

「ふっ知れたこと。

 俺は南斗最強の拳法を身に付けた帝王。俺の傍にいるのが一番安全だからだ」

 原作を見るにジャギはサウザーの敵ではない。楽勝だろう。だったら下手に誰かに預けるより自分の目が届く範囲に置いておくのが一番安心できる。

 マミヤはそんな俺をジト目で見て溜息一つ。

「やっぱ心配だから付いていくわ」

 つくづく無礼な女だ。だが今は口喧嘩をしている場合じゃ無い。

「まあいい」

 正面からぶつかれば楽勝なのは間違いないが、如何せん関東は南斗帝国から遠く兵站が伸びきっている。早々に決着を付けなければ俺は勝っても南斗軍は崩壊する。それはまずい、俺はケンシロウのようにヒーローになりたいわけじゃ無い、天下を取りたいのだ。その為には配下はいるのだ。

 

 強行に強行を重ね、関東西部まで到達した。今まで抵抗なし、本当に無人の野を進んでいる。戦闘も無いが敵のアジトも無いので補給が全く出来ていない。

 まずい水が切れたらケンシロウが一話で倒れたように戦わずして倒れてしまう。

 もっと急がないと思っている俺に忍び寄る影があり。

「ご報告です、サウザー様」

 斥候部隊になって各地に飛んだ牙一族の一人が音も無くジープに飛び乗っていた。忍者みたいな奴で、だからこそ諜報活動を任せているとも言える。

「どうした?」

「ラオウ軍が動きました」

「なんだとっ。ラオウが動いたのか!!!」

 そういえば原作ではジャギは一応ラオウの配下になっている。

 ジャギの救援? 

 それとも原作にあったシンからユリアを奪おうとしたようにジャギからユリアを奪おうと動いたのか?

 もしそうならラオウにユリアを奪わせるのも一興。ケンシロウの怒りの矛先がラオウに向くのは悪くない。

「ラオウ軍は気配を殺し我が軍の後ろを取るように進軍しています。このまま進めばジャギ軍とラオウ軍に挟撃されます」

「なにっ!!!!!!」

 ラオウが動いたことも衝撃だが、ラオウがこんな策略を使ったことはもっと衝撃だった。

 ラオウは姑息なことは嫌いで真っ向力押しで相手を潰すのが信条じゃ無いのか?

 これではラオウと戦うときに考えていた南斗百八派総掛かり+トキで挑むはずだった作戦が台無しになる。

 誰がこんなこんな策を授けた?

 いやそもそも原作でも初期の頃は姑息な男で後半になるにつれて成長して男振りを上げていった主人公より成長した敵役。

 後半の印象に惑わされて見誤るところだった。

 兎に角斥候を放っておいて良かった。気付かなかったらジャギとラオウに挟み撃ちにされサウザーの野望が終わるところだった。 

 己の用心深さに感謝して早急な対策を行わなければ。

「南斗軍反転進軍する」

 引かぬ、媚びぬ、省みぬが信条のこの聖帝が退却するとは屈辱だ。

 だが今はこれしか無い。ここで反転すればラオウ軍は南斗軍の背後を取ることは出来ないで空振りに終わる。

 いや寧ろ挑発してやれば追いかけてくるかも知れない。

 チャンスはピンチ。ここで全南斗とトキに招集を掛けて返り討ちにするのもありか。

 よし、これだこれしかない。

 流石サウザー冴えている。

 反転し俺が策を実行しようとするが、前から誰かが疾風の如き速さでやって来る。

 ヒューイだ、バイクに乗ったヒューイがあっという間にジープの横に付く。

「急信、急信です。ユダが裏切りました。

 ユダは大軍を率いてこの先より迫ってきます」

「裏切りやがったなーーーーーーーーーーーーーーあのオカマ」

 我が魂の叫びが荒野に木霊するのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。