寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第22話 南斗聖人拳

 城壁に囲まれた街のあちこちから火の手が上がる。

 一丸となった南斗軍の前に城壁など紙の如く突破され南斗軍は街に雪崩れ込みジャギ軍の掃討を始めている。その指揮はアミバに任せている。雑魚相手ならアミバが後れを取ることは無いだろう。

 そんな中俺はリンちゃんとマミヤ及びカレンを引き連れて一際高い城の攻略を行っている。なぜリンちゃんを連れているかといえば俺の傍が安全だからだ。マミヤは金魚の糞でカレンはリンちゃんの護衛だ。

 高い棟をエレベータも無しに登っていき思う本当にここは日本なのか? 日本でこんな石造りの西洋風の城なんて作れる資材なんか無いんだけどな~。それに過去の回想ではトキは川で洗濯板を使って洗濯をしているし、それを襲う盗賊とか、色々と日本じゃ無いような気もするが、北斗時空ということでツッコンではいけない。

「うおおおおおおおおおおおお」

「死ねっ」

 物陰から斧を振り上げてきたモヒカンは問答無用で真っ二つ。未だ敗走をしないとはなかなかジャギも人望があるな。

 そしてとうとう城の最上階に到着、ユダみたいに逃げてなければジャギがいるはず。

「ふんっ」

 扉をバンッと開けて警戒しつつ部屋の中に一人入る。あのジャギなら不意打ちをしてきても可笑しくないからな警戒は大事だ。

「来たか、サウザーの旦那」

 天井に張り付いていたりせずジャギは部屋の窓の付近で椅子に座っていた。

「逃げてなかったとは驚きだが、南斗に喧嘩を売ったこと後悔して貰う。

 まずはユリアは何処だ?」

「ラオウにはまだ引き渡してない、ユリアなら隣の部屋にいるぜ」

 立ち上がる気配すら無いジャギが指差す方にはドアがある。

 ユリアを退避させたのか?

「そうか」

 なんだこの違和感、あのジャギから邪気を全く感じない。

 ジャギならユリアを人質にしても可笑しくないというかしないと可笑しい。

「なんというか、お前本当にジャギか?」

「ジャギだよ。誰に見えるっていうんだい。何ならヘルメットを取ろうか?」

 ジャギはさっさとヘルメットを取るとケンシロウにやられた醜い顔が表れる。

「それで旦那にお願いがあるんだが」

「なんだ?」

「最後に一服していいか?」

「随分と諦めがいいじゃないかお前らしくないぞ。何があった?」

 可笑しい可笑しすぎる、なんだこの悟りを開いた僧のような態度は?

 ジャギならユリアを人質にして散弾銃片手に挑んでくるもんだろうが。

「何があったって旦那の知っている通りだぜ。

 俺はケンシロウ野郎から恋人を寝取ってやって、敗北者の証胸の七つの傷を刻んで生き地獄に落とした。

 もう俺は満足だぜ。

 あんたを嵌めて潰すとか何とかユダとラオウで企んでいたらしいが、そんなのは俺にとってはもうどでもいい。

 後はケンシロウに復讐させないことで、俺の復讐は完成する」

「・・・」

「さあ、やってくれ南斗最強の男なら満足だ」

 ジャギは懐から葉巻を出すと一服しだした。

 ジャギは目を瞑った。

 なんというか、非常にやりにくい。

 なんとなく後ろを向くとマミヤとカレンも何とも言えない顔をしている。

 リンちゃんに目を向けると、ふるふると顔を振る。

 ジャギも可哀想な奴でケンシロウがいなければ歪むことはなかったはず。その座右の銘に従い「兄より優れた弟はいねえ」とラオウかトキに従っていたはず。

 俺も元の世界じゃ底辺、嫉妬に狂う気持ちは分かる。

 仕方ないか、やはり非情には成り切れない。

「ジャギ、ケンシロウをもっと苦しめる方法があるぞ」

「なんだい旦那?」

 ジャギの目に生気が少し戻った。

「聖人になって罪を償え。か弱き人々の為に拳を振るえ。

 承諾するなら南斗の一派として迎え入れよう」

「本当にそんなことで、いやそうだな。

 分かったぜ、俺は聖人になって人々の為に生きる」

 その言葉に嘘は無い。

 嫉妬復讐憎しみ負の感情を燃やして、ジャギは善行をしていくだろう。

「よし、今よりお前は南斗聖人拳として贖罪に生きろ」

 悪党は悪党のままに殺され、ついになかった北斗の拳の世界での罪を償うという行為。

 この重いテーマにケンシロウは如何に答えを出すか?

 まあ、ぶっちゃけ南斗先送りなんだけどね。

 しかし退いたわけは無いので良しとする。

 これで包囲軍の一角は崩した、あとはラオウとユダだ。

 

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