寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
街を包囲するラオウ軍。
先頭に立つラオウの背後には屈強な男達。
この街を蹂躙する覇気に溢れるかと思えば皆一様に目の下に隈を作りどよ~んとしていた。街を威嚇する怒声にも力が無い。
それを街壁の上から見下ろす俺は気分がいい。
「はっはっは、久しいなラオウ。
どうした元気が無いぞ、寝不足か?」
「己、サウザー。白々しいぞ。夜になって寝ようとすると襲撃をしおって」
ラオウが歯軋りをしながら言う。
「あ~あ、なんのことかな。
お前達は恨みを買っているからなしょうが無いんじゃ無いか」
「今お前は俺の恨みを買っているぞ」
「まあ、そうかっかすると血圧が上がるぞ。腹が減っているのだろう、どうだ飯でも食ったらどうだ?」
挑発しつつ俺は用意しておいたサンドイッチを上手そうにほうばり、水で流し込む。
「ぷは~うまい、うますぎるぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
今日の飯は会心の出来だ、なんといってもユリアの手作りだからな」
ぐうぅぅぅぅう~と下から腹の音が聞こえてくる。
「お・の・れ、サウザー何処まで俺を愚弄する」
ラオウは憤怒の表情を浮かべて怒鳴る。
よしよし、遊撃隊として外に出したアミバ達はうまくやってくれたようだ。南斗六聖拳の地位が懸かっているとなってアミバも必死だな。
何も強者とまともに正面から戦う必要は無い。それが古来よりの聖典三国志の定番の戦法、夜襲、そして食料焼き。この二つで強敵に勝てる。
どんな強者でも寝ないで飯も食わなければ力が出ない。
北斗神拳には万の軍でも意味が無いなら、万の嫌がらせで倒すまでのこと。
「殺す前に聞いておいてやる。
サウザー、お前は北斗七星の横に輝く星を見たことがあるか」
「ある」
「そうかなら天はこの勝負を既に見切っておるわ」
ラオウがニヤッと笑う。
「それはどうかな。
天が俺に微笑まなくても女神は俺に微笑むぞ。
ラオウ、お前は戦場に響く女神の声援を聞いたことがあるか」
「そんなものないが、何を言っているんだお前?」
「なら聞くがいい」
俺がさっと手を振り上げると袖に隠れていた水着姿の女性達がぼんぼんやバトンを持って出来てた。
「フレーフレーさ・う・ざ。
がんばれがんばれ、さ・う・ざ。
やっちゃえやっちゃえ、さ・う・ざ」
マミヤ、ユリア、リンちゃんを中核に街から美人を選抜して編成したサウザー応援隊。
流石世紀末を生きる女性達、運動神経抜群で本場のチアガールに迫るパフォーマンス。
「うははははははは~耳に心地いいわ。
これぞ男の本懐。
ん? んん?」
俺は今更気付いたように城壁の下にいるラオウ軍をぐるっと見渡す。
「あれ、あれ~ラオウ軍にはいないの~。
まさか、そんなことないよね~。
はっもしかしてラオウ軍ってもてないの」
えっ私の年収低いのポーズで言う俺にぷるぷるとラオウ軍の男達の青筋が浮かぶ。
「ラオウ軍のみなさ~ん、今なら南斗軍は兵士募集してますよ。
南斗軍は笑顔溢れるアットホームな職場です。そんな臭くてむさ苦しいブラックラオウ軍にいたら結婚出来ないよ~」
「ええい、もういいわ。
ご託はいいさっさと降りてこい」
「良かろう下郎が我が南斗鳳凰拳のサビになるがいい。
とうっ南斗鳳凰拳奥義 鳳凰炎翔塵蘇」
俺は街壁から飛びおり、まっすぐラオウに向かって降下するのであった。