寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
表の正門でサウザー対ラオウで盛り上がっている中静まり返っている裏門。
その裏門に忍び寄る影あり、ユダだ。
ラオウ軍から別れたユダ軍はこっそりと街の裏手に回り込んでいたのだ。
「予想通り表に注意がいって此方は手薄のようだな」
ユダが見上げる街壁上には申し訳程度の見張りの兵がいるのみであった。
「けっけ、流石ユダ様冴えています」
鉤爪の小男がユダに追従する。
「最小の労力で最大の成果を得るのが妖星の策略。
サウザーとラオウはほぼ互角どっちが勝ってもただでは済むまい。一気に裏門から攻め入ってその余力で・・・」
「南斗と北斗のトップがいなくなれば天下はユダ様のものですな」
副官のダカールがユダが濁した言葉の先を引き継ぐ。
「世紀末の美しい女を全て俺の手に。当然お前達にもお零れはあるぞ。
行くぞっ」
「「「おうっ」」」
ユダ軍は好色な笑みを浮かべながら手薄な裏門に一気に押しかけていく。だが裏門まで後一歩という所で街壁上に急に大勢の人影が現れた。
「げっお前はカレン!!!」
街壁の上に颯爽と現れ兵を統率するはカレンであった。
「サウザー様はユダお前の姑息な手などお見通しだ。南斗の裏切り者め粛正してやる」
カレン達は街壁の影に隠れユダ達が近寄ってくるのを待ち受けていたのだ。
「放て」
今兵士達は一斉に矢を雨のようにユダ軍に浴びせていく。
次々に矢に倒れていくユダ軍の兵士達。
「ユダ様どうしますか?」
次々と減っていく兵士を前にダガールが尋ねる。
「笑止。六聖拳どころか伝承者でも無いカレンなど恐るるに足らず。
ダガールお前の力を見せてやれ。あの女は好きにしていいぞ」
「分かりました。あの気の強い女を真っ赤に染めてやりましょう」
ダガールは鼠をいたぶる猫のような笑みを浮かべると街壁に向かって走り出した。当然サウザー軍の兵士が矢をダガールに向けて放つがダガールは苦も無く切り払う。戦術的不利など個人技でどうにでも成ってしまう理不尽こそ北斗の世界。本気で雑兵がいるのかと思う。
ほどなくしてダガールは街壁に辿り着いてしまうだろう。
「ふんっ、勝てるだろうが兵の損失は面白くないな。俺も行くしか無いか」
ユダも突撃しようとした瞬間大地に衝撃波が走った。
「何やつっ」
辛うじて飛び退いて躱したユダが向く先にはアミバがいた。
「アミバ。この技は」
「伝衝烈波。天才に使えぬ技は無い」
アミバ悠然と立って得意気に言う。
アミバは遊撃隊としての役目を果たすとユダ軍の跡を付けユダが一人になるこの瞬間を狙っていたのだ。
「猿まね三文手品師が何しに来た」
自分の技を真似され、更には得意の策も全て裏目に出る嵌めになり怒るユダがアミバに誰何する。
「知れたこと。ユダ、お前に勝って俺は六聖拳になる。
勝負だっ」