寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
「南斗鳳凰拳秘奥義 鳳凰炎翔塵蘇」
街壁から飛び降りそのままラオウの頭上から襲い掛かるサウザー、その姿は伝説の神鳥鳳凰そのものであり優雅でいて雄大、決まればラオウとてバラバラになる。
「ふんっ」
ラオウは黒王の馬上のままサウザーを一笑すると迫り来るサウザーに向かってマントを投げ付けたっ。
「うおっ」
マントがくるまり視界を塞がれたサウザー、その一瞬の隙を突きラオウの人差し指がサウザーの胸に突き込まれる。
「サウザー」
「サウザー」
「サウザー」
リン、マミヤ、ユリアの悲痛な叫びが木霊する中、マントは破れ散り晒されるサウザーは百舌鳥の早贄の如く胸にラオウの指が突き刺さり、プランプラン揺れている。
指先にまで神経を行き届かせた南斗の拳士、南斗の帝王とは思えぬほどに指先から力は失われだらんとしている。
「ああ、サウザー」
その無残なサウザーの姿にマミヤが泣き崩れる。
「マミヤさん」
リンも泣き崩れるマミヤに駆け寄りその背を擦り悲しみを共有する。
「フンッ、南斗聖拳恐れるに足らず。
ふはははははははははっはあ、ユリアを今こそ俺の手に収める」
高笑いをしつつ街壁上のユリアを見詰めるラオウ。
もはや勝利を確信し天も女も掴んだ勝者の笑みを浮かべる。
「己、サウザー様の仇は取る」
グフが気を吐き闘志を燃やしラオウを睨み付ける。
「雑魚が逃げるなら後は追わぬ。このラオウの恐怖を世に広める生き証人となれ」
「奢るなラオウ、いずれ誰かがサウザー様の仇を取ってくれる。お前の暴政を誰かが止める」
「その意気や良し。だが俺自ら相手をするまでも無し。
もの・・・。
まずはこのゴミを捨てるか」
配下に号令を掛けようとしてサウザーが指に刺さったままだと気付いたラオウは投げ捨てようとした。
完全に油断。
ラオウとて人間、鋼鉄の肉体もオーラを纏っていればこそ。
完全に筋肉は弛緩しオーラは発せられていない。
勝利を手にし意識はユリアのみに向けられている。
だから気付かなかった。南斗の拳士の指先に力が戻っていることに。
ラオウが腕を振り払うより早く十字の軌跡が走る。
「ぐはっ」
「鳳凰は死なず。
死して灰より炎となって蘇る」
ラオウの胸が致命というほど深く十字に切り裂かれ、一気に噴き出す血に彩られサウザーが優雅に地に舞い降りる。
「馬鹿な確かに秘孔を・・・」
ラオウは馬上から崩れ落ちた。あのラオウが原作では己の意思以外では地に降りたことの無いラオウが地に墜ちた。
「確かにお前は俺の秘孔を貫き俺は死んだ。
だが死して蘇る、それが南斗鳳凰拳秘奥義 鳳凰炎翔塵蘇。
お前は鳳凰の不死身の力に敗れたのだ」
ふっふ、原作と違いここで素直に秘孔が効かないと教えてやる俺ではない。秘孔が効いて死んだけど蘇ったことにする。
これで俺の神秘性は高まり、サウザー伝説が産まれる。
ドヤああああああああああああああああああ、人生最高にどやった。
気持ちよすぎる、貫かれた胸の痛みも霞むほどだ。
っというか普通胸にあんなぶっとい指が入ったら死ぬよね。サウザーもいい加減でたらめな体をしている。流石ケンシロウに殴られても我慢できる子だ。
「サウザー様~」
「流石サウザー様」
「最高抱いて~」
背後の街壁上にいた兵士達から喝采が飛び交い拳を上げて応えてやる。
男は背中で語る。その背に兵士達の熱狂が高まる。
おうおう、褒めろ褒め称えよ。
逃げなかった意外と忠誠心の高さ、何か褒美をやらないとな。
全て計画通りなのに背中に圧を感じて振り返れば、街壁上から半眼で此方を見るマミヤと目が合った。
じいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
何かに気付いた?
気まずい。その完全に泣き腫らした目に罪悪感を覚える。後で機嫌を取らないと。
「まだだっ」
「なにっ!」
地獄のような声が響き地に墜ちたラオウが立ち上がってくる。
怒りで筋肉を膨張させ傷口を塞ぎ、オーラを滾らせている。あの致命の一撃で死ななかった!? 此奴こそ不死身じゃ無いのか。
ぐっ。ラオウの気迫に恐怖する。
「無様な。ならばこのサウザーが引導を渡してやろう」
怖いけど引けない。
こんな手が通用するのは一度きりのマジックショー。
俺は一般庶民、慢心はしない。