寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第3話 帝王の拳

 ユリア、立派だとは思うが正直今は黙っていて欲しい。正直人間がそんなに素晴らしかったら、世界はこんなに成ってない。

「戯れ言だな。

 戦わねば我等はもっと大きな暴力に晒されるだけだぞ」

「ラオウですか」

 おっ知将と名高いリハクが俺の言いたいことを察してくれる。流石、基本何もしないユリアの下で軍をまとめていただけのことはあるぞ。

「そうだ。ここで静かに暮らそうとしても世紀末の暴星ラオウはやってくるぞ。ラオウ相手に話し合いは無意味、戦わねば奴隷にされるだけだ」

 結束を固まる為の一番の方法、それは強大な敵が現れること。ラオウには南斗の結束の為の強大な悪として大いに利用させて貰う。

 だがよく考えれば、ラオウがいなければ苦労して南斗をまとめる必要も無いんだよな~他の奴なら俺一人で倒せる。

「ラオウという強大な暴力に対抗する為には強大な力がいる。その為には勢力を広げ我等南斗は一致団結して挑まねばならない」

 北斗の世界だとラオウ相手に数は意味が無い。

 だが俺がいるサウザーがいる。

 ラオウとほぼ互角に戦える俺がいることにより、配下の数に意味が出てくる。

 手下を戦わせて体力を削るも良し、俺がラオウの体力を削った後に配下に戦わせるもよし。南斗108派が結束することで勝利が見えてくる。

「情けない、それでも南斗のトップか。ラオウなど倒してしまえばいい」

 ここでシンが横槍を入れてきた。

 ユリアに決定的に振られていないシンは鼻っ柱が強い強い。野望滾り、怖い者なし、俺の命令を聞くどころかいつ反逆しても可笑しくない。

 それでも離反されるわけにはいかない。

 離反すれば原作のようにケンシロウに挑み、ケンシロウが強くなる切っ掛けになる。それだけは避けなければならない。

 かといってここでいきなり処刑したりすると、速攻で南斗の結束は崩壊する。

 なんで世紀末なのにこんな胃が痛くなる思いをしなければならない、俺も何もかも脱ぎ捨ててヒャッハーした方が人生楽しいかも知れない。

 ちょっと想像したら楽しくなってきた。もしかしてラオウも部下を統率する為にずっとあんな厳つい顔しているのかな? ちょっと感じるシンパシー。

 如何如何現実逃避にはまだ早い。

「ラオウを甘く見るな」

「はっ腰抜けが。俺なら一人で十分だ」

 若造があからさまに俺を見下している。だがまあシンもまだ怖い者なしの十代、オッサンに無闇に反発したいお年頃。ここは年長者として躾けてやるしかあるまい。

「いいだろう帝王に対する口の利き方を教えてやろう。

 決闘だ。勝ったらお前が南斗のトップ。負けたら従って貰うぞ」

「いいぜ」

 シンが椅子を蹴って立ち上がったときには、俺はシンの眼前に潜り込んでいた。

「ぎゃあああああああああああああああっ」

 不用意に突き出されたシンの手刀を躱し俺の手刀がシンを十字に切り刻んだ。

「ふっふ、帝王の拳に型は無い。故に最速」

 剣術でいう居合いみたいなもんだな。相手が構えている間に攻撃できる。

「約束だ。これからはお前は俺に殉じて貰う」

 俺は床に倒れるシンを見ながら言い放つ。

 シンの奴、結構血が出てピクピクしているな。一応急所は外したから、この世界の人間なら死なないよな。少し心配になってきたぞ。

「手当てをしてやれ」

「はっ」

 上半身裸のモヒカン衛生兵がシンを担架で運んでいく。どうでもいいけど、彼奴等に任せて大丈夫なのか?

 まあいい、切り替えよう。

「他に文句のある奴はいるか。いるならば南斗の拳士らしく拳で来い」

 テーブルに足を掛け、居並ぶ南斗108派の代表達に宣言するのであった。

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