寝オチしたらサウザーになっていたが 何か? 作:コトナガレ ガク
二千年の歴史がある北斗宗家の血なんか流れていない。
サウザーは捨て子だったはず。
北斗四兄弟伝承者を巡る因縁も無い。
サウザーは師匠すら殺して因縁は無い。
ユリアを巡る恋の戦いも無い。
サウザーは愛を捨て恋などと無縁。
翻って俺。
ただの庶民でしかない。
ただのサラリーマンで平社員で妻子無く家も無いボロアパート暮らしだった。
だが俺だって何もしてなかったわけじゃ無い。
受験戦争、就職氷河期、リストラと戦闘は無いが生きる為日々戦い続けていた。
戦い続けた結果得たのが気楽な独身生活。
身一つで生きる。
俺に背負うものなし。
何も無いゼロ。
ラオウが言うように軽い。
羽毛より軽い人生が俺だ。
だが、それの何が悪い?
「サウザー危ない逃げて!」
思想に耽る俺にマミヤの悲痛な叫びが耳に響く。
「ふははははははぁ~戦いのさなか何を惚けている」
ラオウの拳が目の前に迫り俺の体にヒットした。
ラオウの拳が当たって振り抜く勢いのままに俺の体は空に吹き飛ばされた。
「サウザー」
「サウザー様」
「サウザー」
戦いを見守っていたマミヤ、リン、南斗軍の誰もが絶叫を上げ、サウザーがラオウの剛拳を喰らい絶命したと思った。
だが
ふわっと着地する。
「無事なの?」
マミヤが腰が抜けたように城壁の上へたり込む。
「んっ? 浅かったか。ならば今度こそ砕けちれいっ。
北斗剛掌破」
ラオウのオーラが俺の体に当たりその力のままに吹き飛ばされた。
そしてふわっと着地する。
「歴史だ血だ宿命だ。
お前ら重いんだよ、しゃらくせんだよ。
そんな重みを背負って自慢しているんじゃねえ。
俺は俺がまま気楽に明るく楽しく生きる。
ひゃっはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「恐怖で気が狂ったか、北斗百裂拳」
無数の拳が俺の体にヒットするが全てその威力は俺の体をすり抜けて、後ろの地面が砕ける。
「何!?」
ラオウもようやく異常事態に気づいたようだ。
「色即是空。
全ての業からの解放。
南斗鳳凰拳の神髄に恐れおののけラオウ。
ヒャッハー」
「面白い見せてみろ」
ラオウの剛拳が迫りその拳圧のままに俺はくるっと躱して南斗の手刀がラオウを切り裂く。
「言ったはずだ軽い軽い、骨には届かぬわっ」
「それでけっこう。
全ての攻撃を躱して貴様の表層を千に万に切り刻んでやろう」
一発で効かなければ万の攻撃で敵を削り取っていく。
凌遅刑のような攻撃だ。
「その前にお前の躰を砕いてやるわ」
「出来るかな?」
南斗鳳凰拳は軽気孔の拳。
北斗の奴らが業やら宿命やらと縛られて重くなるなら、南斗鳳凰拳は全てからの解放された悟りの拳。
重力からすら解放されて羽毛より軽く軽やかに天を舞う。
もはや力で俺の体に触れられる者なし。
天敵は力で無く触れて内部から破壊する北斗神拳のみ。
愛に拘って後一歩解放しきれなかった原作サウザーでは無い。
神髄に覚醒した俺に剛拳では倒せない。
さあ、決着の時だラオウ。