寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第32 南斗紅鶴拳究極奥義

「伝衝烈波」

「伝衝烈波」

 ユダの放った伝衝烈波がアミバの放った伝衝烈波に押されユダが軽く切り裂かれる。

「俺の技が猿まねに押されただと!?」

「ふっ如何に正統伝承者でも片足では威力が落ちる。更にいえば俺の技は今やお前の技に匹敵している」

 完全に技をコピーする北斗水影拳と違い琴鳥拳では技を真似た後に己の血肉として進化させていく。良くも悪くもアミバ流の味付けがされてしまう。これがアミバが天才っぽいのに伝承者に選ばれなかった理由でもある。ジュウザ同様我が強すぎる。

 だが現状ではそれがいい方に向かいユダを圧倒しだしている。

 自分の技で競り負けた。これ以上に拳士のプライドをへし折ることは無い。ユダの全身が怒りで震えている。

「舐めるなよ。ならばお前に南斗紅鶴拳の神髄を見せてやろう」

「ほう」

 この言葉にここで先手で押せば勝てるアミバが受け身に回ってしまう。新技と言われて見ずにはいられない、琴鳥拳の宿命である。

「はああああああああああああああああああああああああああああああああ。

 くらえ南斗紅鶴拳 究極奥義 紅蓮大車輪」

 ユダが気合いと主に両手を天に伸ばすと前に跳んだ。そして体操の倒立前転のように高速で次々と回転していき真空刃を纏った大車輪と化す。

 眼前に迫る真空の大車輪、当たれば真っ二つになる。だがアミバは冷静にサイドステップを行い避けてしまう。

「くだらん。究極奥義と言いつつ大道芸では無いか」

 アミバが馬鹿にしきって振り返ってユダを見るが、ユダの大車輪は避けられても止まらないそのまま真っ直ぐ進んでいく。てっきり車輪が反転すると思っていたアミバにしてみれば肩透かしである。

 ずんずん回転してユダは離れていく。その速度は走るより速く、やがて部下が乗り捨てたジープの所まで行くと、さっさとジープに乗り込んでしまう。

「えっ?」

「南斗六聖拳の称号お前如きに譲れるか」

「待てっ拳士のプライドを賭けた勝負から逃げるというのか」

「はっは、何を言うこれぞ南斗六聖 妖星よ。やはりお前では妖星の宿命は荷が重いようだな。

 次に会ったときはこうはいかないぞ」

 ユダは捨て台詞と共に部下を見捨て独り戦場から逃げていく。

 これぞ妖星。因縁あるレイとの勝負ですら最初は策略で躱して逃げきりで勝とうとするのが妖星。勝つ為なら手段を選ばない狡猾さは拳より恐ろしい。

 逃げていくユダ、今ならまだ追いつけるかも知れない。

 どうするアミバ?

「ふんっその首預けてやるユダ」

 アミバは未練を残しつつ振り返り取り残されたユダの部下達に宣言する。

「ユダは逃げた。今降伏すれば命だけは助けてやる。だが抵抗するというなら南斗琴鳥拳のアミバが全員切り裂いてやる」

 あのアミバが己の自己満足より武将としての任務を優先させたのであった。

 

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