寝オチしたらサウザーになっていたが 何か?   作:コトナガレ ガク

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第34話 宿敵と出会う

 くっくっく、俺はサウザー。

 南斗領に加え拳王領も支配する世紀末の帝王。

 昔から帝王と言えば後宮。

 中国みたいに数千人の美女が住まう後宮は、流石に無理としてもだ。原作にある通りユダくらいのハーレムなら手に入れて当然のはず。

 日を置かず帝王に美女を献上しようとする者達で溢れ、俺はどれを選ぼうか悩んでいるはず。

「サウザー、この書類に目を通して決済してよね」

 マミヤが俺のデスクの上に書類を置く。

「サウザー、井戸を掘る工事の認可を頼む」

 シュウが俺のデスクの上に書類を置く。

「サウザー様、パトロール隊の人員補充案の決済をお願いします」

 グフが俺のデスクの上に書類を置く。

「サウザー、夜盗鎮圧のための遠征の許可、及び遠征費用の都合も頼む」

 シンが俺のデスクの上に書類を置く。

「サウザー様、修羅の国遠征の為の船の建造の許可を頼みます」

 レイラが俺のデスクに書類を置く。

「サウザー、治療院の改築及び薬品購入の許可を頼む」

 トキが俺のデスクの上に書類を置く。

 サウザーサウザーサウザーサウザー、書類書類書類書類と机に山のように積み上がっていく。

 おかしいどうしてこうなった?

 悪の帝王なんぞ美女を抱いてふんぞり返っていればいいだけのはずなのに、どうしてこうデスクワークに終われる嵌めになる?

 それでも仕方ないと元サラリーマン根性で書類を片付けていれば。

「これより、会議を始める」

と合間を縫って会議が始まる。

「今日の議題はかねてより提案されていた南斗学校設立についてだ」

 子供が絡んでいるからかシュウがいつもに増してはりきっている。

「南斗帝国を背負う未来の子供達にはしっかりと南斗聖拳を学ばせないとな」

「それだけじゃ困る。やはりしっかりと読み書きも教えないと。

 それについてはマミヤが適任だと思うがみんなはどう思う?」

「いいんじゃないか、お姉さん肌で子供達も懐くだろ。そっちはいいとして肝心の南斗聖拳は誰に習わせる?」

「アミバは・・・駄目か」

「俺は天才だからな。常人には俺の教えは理解出来ないだろう」

 会議に参加している暫定六聖拳アミバが偉そうに断る。

「サウザーも独特だしな」

 南斗鳳凰拳なんか習わせたら一人を残して皆殺しにしないといけなくなる。そんなトラウマ幾ら何でも背負いたくないぞ。仕方ない俺から提案するか。

「シンがいいんじゃ無いか、南斗聖拳としてはスタンダードだろ」

 初期設定では、南斗聖拳の使い手シンだしな。

「そうだな」

「俺が? そんなめんどくさいことお断りだ」

 当然のようにシンも偉そうに拒否する。

「いややれ、丁度ユリアに振られて愛を捧げる相手がいなくなったんだ。失恋を癒やすと思って子供達に愛を注いだらどうだ」

「サウザー、心を剔るようなことを言ってやるな。若者はナイーブなんだぞ」

「あれシンって振られていたの? 誰に? おねーさん的にアドバイスすると、やっぱロン毛が嫌がられたんじゃ無いの」

「女如きに軟弱な。天才の俺がナンパの仕方を教えてやろうか」

「おまえらシンが可哀想だろ、虐めるな」

「分かった分かったから辞めてくれ。引き受ける」

 心をズタズタにされたシンが蚊の泣くような声で了承した。

「決まりだな。南斗学校の拳法の教師はシンに決定だ。なに基礎を教えればいい。その中で才能がある子がいたら各流派で引き取って伝承者にでもしてもいいしな」

「くそっ教師は引き受けてやるから、校長はサウザーがやれ」

「分かった。開校の挨拶は俺がしよう」

 

 こうして晴れて南斗学校開校となった。

 各地から集められた孤児に様々な理由で志願した者、学校に行かせたいと思う南斗の師弟達の子供などが、ずらりと整列する。

 俺は偉そうに彼等の前をのっしのっしと威厳を込めて歩いて行く。

 なんといってもリンちゃんもいるんだ格好いい所を見せないとなと思いつつもリンちゃんの晴れ姿も一目見ようと視線を横に向けてしまう。

「なっ」

 思わず俺は驚きの声を上げてしまった。

 帝王の驚きの声にざわざわと生徒達がするなか、俺の目はある少年を見据えてしまう。

 その少年とは、生意気そうな餓鬼。

 名を聞くまでも知っている。

 バットだ。

 リンちゃんを取られまいと関わらないようにしたはずなのになぜいる?

 だがよく考えればバットのいた土地はマミヤの土地の近く、南斗帝国領に入っているのか。

 迂闊だった。

 どうする、流石にこの場で真っ二つはまずい。

 どうにか自然に排除する方法。

 ここは南斗聖拳を学ぶ学校、そして俺は南斗鳳凰拳の伝承者。

 厳しい修行中の事故はよくあること、それが南斗の中で一際厳しい鳳凰拳ではなおのこと。

 くっくっく、俺は己の思いつきに歓喜するのであった。

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